SCE2感想・後編(36054文字)

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SCE2ざっくり感想の後編となる2つ目の感想である。

これまた長いので興味ある方のみどうぞ。

 

案の定ネタバレ注意。

 

 

・物語の概要


SCE2→あんず・さざんか・ftbr・クロノスエンド

裏ルート 
クローバー出現
エンドレスループを乗り越える
アイリア死亡
ENDからの続き
サクライさん
 

 

 

ここからの引用は引用として成立しておらずその意識があるにも関わらず引用形式で囲っています。するなって言われてもします。途切れ途切れの欠損文章です。なのでこういう趣旨の発言あったよな、ってくらいに思ってくれればいいんじゃないかな。

 

 

 

 

 

 

裏ルート編はじまる

 

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 「その他」の欄が埋まらないと思ったら、プロテクトキーがここに入るのね。まだまだいっぱい「???」の部分があるということは、それだけまだまだ展開があると思っていいんだろうか。

それとスタート画面が変わっていた。 

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これは地上だよね。

今考えると搭乗者が「クローバー、ベーシン、トレンチ、ラグーン」と揃いも揃っているな。あと一人は後ろ姿からしてリクケイでいいのかな?

あれ

なんでエスチャリーいないんだろ?むむ?

 

 

 

 

 考えなくてもわかるような設問

 

「考えなくて答えがわかるような、すごい簡単な設問があるとするじゃん」

 「まあ、赤くて丸い果物なーんだ、答えはリンゴとか、そんなのでいいよ」

「『リクケイが簡単な問題を出す訳無い』『何か罠があるに違いない』とかさ」

「ざくろとか、ライチとか、ドラゴンフルーツとかどんどん遠くなるのよ」

「思考の迷路とか袋小路とか言うのかな。『あるはずがない』なんてないのにね」

――リクケイ


意味なんてない単純でただそのままの意味だったのに、いろいろ深読みしすぎるから答えからどんどん遠ざかってしまう。

深読みしすぎの警句みたいなそんなふうに捉えられる。でもこれだって考え過ぎに違いないんだ。リクケイの会話に意味なんてない。ただヤツは思ったがままに言っているだけなんだろう。

 

 

 

 彼女って誰さ

「君が見るべき事、君がやるべき事、君が成すべき全てはもう、変わった」

「後はもう、あの女に頼るしかないんだ」

「彼女はすぐそこにいるよ。何時だって」

「必要になれば、すぐ駆けつけるつもりなんだ」

――エスチャリー(文章欠損)

アイリアは

 

 

 

少女の愚痴

「こんな話をしても、あまり面白くなかったかな」

「気にしないでいいよ。」

「ただ、ちょっと用事が出来たから、出来れば、また日を改めて欲しい」

「私の話を聞いてくれる人なんて、長いこと居なかったからね」

 少女は何かしらの仕事につとめている。

いやまだから"少女"という年齢ではないのかもしれない。やたら所帯じみているというか労働者特有の疲労感を滲ませるあれを見れば、女性という言葉がふさわしい…のかも。

そんな彼女は家に帰れず、徹夜続きの毎日だったけな? そして「私の話しを聞いてくれる人なんて長いこと」という言葉は、仕事の同僚などにプライベートなことも話していないと取れる。

仕事が激務なのかもしれないけれど、そのせいで友人といった仕事とは関係ないクラスタの中にも接続できていない。んだとすれば。ふむふむ。

 

 

 

 終わらないゲーム

 

「現実逃避に没頭する装置、としてのゲームは」

「当然、終りを迎える事を前提として作られているわけだけど

「たまーに、『クリア出来ないゲーム』ってのがあるのよね」

「要因は様々だけど、バグだったり、パラメータの根本的な設定ミスだったり」

「プレイヤーが悲観的に下手糞だったり、そもそもクリアが目的でなかったり……」

「ま、別に今話すような事じゃないし、さておき、本題はこうなのよ」

永久にクリア出来ないゲームに、永久に没頭してしまったら

 「人は、いったいどうなってしまうんだろう?」

「……いつまでも終わらないゲームを、電源も切れずにやり続ける」

「当然、終わらない」

「いつまでも……ね?」

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どうなってしまうのか?

それがその人の人生になってしまうんじゃないだろうか。そのゲームをプレイすることが生き甲斐に、意義に繋がるんじゃないだろうか。

永久にクリアできないゲームに永久に没頭すること―――それは現実で生きることと大差ないよ。

現実に「クリア」なんて概念はない。いやある。あるにはあるがそれは「死」だ。そして死ぬことを許されないんだとすれば、現実を生きることを享受するんだとすれば、それはやはり終わらないクソゲーをプレイするのと同じなんだろう。

いつまでもいつまでも終わらないゲームがあったとしても、いつまでも没頭できるわけじゃないんだよね。大抵どこかで「やーめた」って手放してしまうものだし諦めてしまうものだ。

ネトゲもソシャゲーも「終わらないゲーム」だけれど、いつかは飽きてしまう。ネトゲはハマれば没頭して廃人のようにはなるかもしれない。だとしてもやはりそれはその人にとって、現実よりもより現実という認識になっているんだろうなとは思う。

 

永久にクリア出来ないゲームに、永久に没頭してしまったら」


それは"現実"になる。

 

 

そんなのもう決まってるでしょ

「君は、『物語の登場人物になりきる』という意味を考えた事はある?」

「『君自身を体現した登場人物』じゃないよ。あくまで『物語装置の一人』の話」

「言っている意味、通じるかな」

「『君が』勇者の物語に『なる』のか

 『君が』勇者を物語通り『動かす』か」

そんなの決まってるでしょ。前者だよ。

逆に後者の体感覚が強い人は、物語に感動できるわけじゃないじゃん。何いってんのさ。共感覚が薄れている人に感情移入や同期体感覚なんてしろっていっても無理だよ。

 

物語に感動するには【祈り】こそが鍵になる


タイトルでは「祈りこそ」となっている実質の内容では「祈る心」で起きる感動と「センス・オブ・ワンダー」での感動は別物となっている。

共感覚を上げることで起きるのは、あくまでも祈りから通じる感動ではある。センス・オブ・ワンダーについては未知数というかもうこれはブラックボックスみたいな感じはするよね。

意図的に、技術的に、研鑽を積めるという目標であれば共感力を上げるというのがいいとは思う。しかしどうやって?

んーとね、そもそもここって子どもの愛着問題とか、親との関係とかにも繋がってくるようが気がするんだよなあ……。

物語を「キャラを動かす」ものだという体感覚が強い、そして物語に感情移入の経験が少ないし、出来ない。感動したことがなければ泣いたこともない。そういう人をモデルとして考える。

一回性の摩耗により、物語に感動出来なくなったわけではなく、そもそも最初から物語に感動することが少ないっていうのは、単純にそういう「心の持ち主」なんだと私は思うわけだ。

私は自分の感覚と照らし合わせると、うんともすんともピンともこない心だけれど、きっとそういう人は少なからずいるんだろうとは思う。いるのだろう。相手とうまく感情共有が出来ない人が。

そしてそういう人は物語を読んでも、どこか遠い、自分とは関係のないことのように思えておそらく全然楽しめないんだとは思う。

けれど楽しめないに関わらず、世間では流行っているから見ようとか、周りの友達が話題にしている読もうとか、してそれが重なって惰性的に読み続けるようになったらもう最悪だねってなる。

本人の適正として合ってはいないものを、何故か自分が好いているのだと錯覚しているということでもあるし、そういう人が増えるのは私の気持ちとしては歓迎はしなかったりする。(ここはどうでもいいな)

というそんな人に、物語の感想会をするとどうしても"食い違う"。内的感想や外的感想の違いではなく、もっとも根本的な、根源的な「物語体感」の部分での差が違いすぎてなんかおかしいなと感じるときがたまーにたまにある。

少女がいうような『君が』勇者の物語に『なる』のか、『君が』勇者を物語通り『動かす』かの違いとでも言えばいいのか。後者の感覚で物語読んでいる人とそりゃあ話の根っこが合うわけがない。

でこういう人に、共感力を上げさせるにはどういう方法が必要なのかと考えるともうさっぱりわからない。(机上の空論としてね)

そもそも共感力なんて上げられるのか? 幼少期で培う他者感覚や、家族との触れ合い以外にどうやって伸ばせと? あの時期にそういう経験がなければ共感力なんてものは伸びないんじゃないか?

大人になって、もうそういう年齢で、人間に共感できる力がない人はもうずっとそのままだよ―――そんな諦観が私にはある。

というか私はそもそもそういった「キャラを動かす感覚」が乏しいし、人に共感できない、と感じたことがない人間だからもう概念として遠すぎるんだよね。共感力がないという人間が。

 

って!

 

って!

 

ぐだぐだ関係ないことを考えてみたものの、2周目以上の私が彼女の言葉を見直すとこれは違う意味だったんだなってわかる。 いやそのままの意味かもしれないけれど、違う意味の解釈が可能だということ。


・リクケイはサザンカの母体から生まれている

・リクケイの魂はサザンカである

・しかしリクケイを動かしているのはサザンカでもあるが、超外的な存在が関わっている場合もある。

 

こういう構図になっている。

超外的な存在(ゲーム世界に干渉できるもの)サザンカ(SCEのキャラクターでリクケイの母体)→リクケイ(SCE2内のキャラクター)


2重の意味で『キャラクターを操作している』ってのがSCE2なんだよなあ……ややこしい。

つまり「リクケイ」というキャラクターには魂と呼べるものがおそらくない。かわりにこのキャラクターの中に「サザンカ」という魂がそっくりそのまま入っているという状態。

SCE2というフレームの中でリクケイというキャラクターを演じているのもサザンカなわけで、だからふとしたひょうしに意味わからんことあるいはリクケイでは言わないことを言ってしまう。

(とはいってもリクケイという概念がとてもあやふやなので、リクケイが言いそうなことというものもそれはイコールでサザンカが言いそうなこととなってしまっている状況かもしれない。二人の区別は不可能かも?)

そして「リクケイ(=サザンカ)」を。プレイヤーである「女の子」がさらに操作するわけだ……。

それを踏まえてこの言葉を見る

「君は、『物語の登場人物になりきる』という意味を考えた事はある?」
「『君自身を体現した登場人物』じゃないよ。あくまで『物語装置の一人』の話」

「言っている意味、通じるかな」

「『君が』勇者の物語に『なる』のか
 『君が』勇者を物語通り『動かす』か」

ってな具合で。

 

 

 彼女がしたかったことはなに?

「私は、君にそれとなく手を貸し、SCE_2の攻略に協力するつもりだった」

「しかし恐らく、君はもう、『私が手を貸した世界』を知ってるね」

 

「『間違い』だったんだな その世界は」

「もしくは、今の選択が間違いなのか? あるいは何の意味もなく偶然出会った?」

「結果的に、君の選択によって、私が成すべき事の大半は無くなり」

「ただ物語の行く末を茶々入れながら静観するだけになった」

彼女がリクケイ側の人間なのか、アイリア側の人間なのかよくわからない。

裏ルートのエンドレスループを乗り越えた後リクケイとアイリアの会話が始まるとき、リクケイのなりすましをしていたから女の子はリクケイ側なんだなって考えることなく思わされてしまっている。

女の子はリクケイと同じく、大人達に勝手にクリアされ強制的にENDを迎えさせるなんてふざけんなと、もっともっとこの世界で遊んでいたっていいじゃないかと。そういう心の持ち主だと考えられる。

しかしそうすると「表ルートでSCE2を攻略させるよう協力した」という行為がおかしくないか?

表ルートは女の子から鍵を貰い受けて3章を突破する。ベーシン、トレンチが出てきて死んでいき最後にはアイリアが出てくる。アイリアがでてくる確か5章終了後には、拠点にはもう誰も居ない状況が成立しちゃうんだよね。

わからんけど、もぬけの殻なんだよ。エスチャリーもラグーンもいないし、とうのアイリアもいない。リクケイはいたっけな?

とにかくなにかがおかしい。そんな状態で6章の「始まりの地」にドリルをかますと警告エラーが発生する。

この画面のまま管理者にお問い合わせください~みたいなメッセージも添えられていたような気がする。

この状態で「それではない世界,exe」を起動し、女の子がいる世界にコンタクトを取るとSCE2は二度とプレイできなくなりあんずちゃん大冒険やhtbrをプレイさせられるのである。

とても自然な流れで疑問を挟み込む余地がなかったけど、あらためて考えるとおかしくね? なんでリクケイ側の人間がSCE2を強制的に終わりにさせたんだ?

あるいは三章の時の鍵を渡してくれたように、SCE2の警告エラーを解除しようとしてくれなかったんだろうか。

……。

…………。

うーん。

でも表ルートの最後、女の子はプロテクトキーのレシピを私たちに預け、SCE2をクリアしてくれと願った。それも「自分の会話内容はゲームに監視されている」とも言っていたな。

つまり6章で中段したのは、女の子的にもやむをえない事情だったのかもしれない。

アイリアが出てきたときに何の策も打っていなければ、アイリアが物語を強制的に終わらせてしまうんだろうな。その結果が6章時の「警告エラー」であり「パーティーメンバー消失」といったことに繋がったんだろう。


てことを踏まえるとー

女の子が目指しているのは「正当な物語のEND」であるわけか。

そしてそれを阻害するのは「アイリア(=強制的に物語を終わらせる者)」と「リクケイ(=終わりを望まない者)」の二人か。

リクケイになりすまし(=操作)していたのは、別にリクケイ側の立ち場にいるわけじゃなくて、アイリアと対抗するための手段だったというわけね納得した。

 

 

最悪のケース

 少女は「私が手を貸した世界を君は知っているね?」という質問から、「プロテクトキーを私たちに授けた」世界を間違っていたといい、次の瞬間にはいや今の選択のほうが間違っているのか?と自問しはじめた。

そのくだりからこういう話しになる。

「変な話だが、私の目的にはある程度のリスクが付きまとっていて」

「そのリスクを君が受け入れなかった、ということは、たぶん」

「私が想定していた中で最悪のケースが起こったんだろう」

これねー、最初は意味分からなかったんだよ。

でもいろいろ考えていくうちにわかってきたような感覚がある。

 

少女の目的にはリスクがある、というのは「少女がリクケイ」になりすましているのとつながってくるはずだ。

それは「プロテクトキーを渡した」ことを踏まえ、彼女の目的はSCE2というゲームをクリアして欲しいということに他ならないと思う。

ただこの目的にあるリスクというのは、私たちプレイヤーが【終わらないゲームに没頭する可能性がある】ということだ。現にこの『SCE_2』はどこまでが終わりなのか明示化されない。

ここで終わり?これがEND?とおもいきや実は終わりじゃないっていう場面が4度ほどあった。そして超外的な存在である少女の力を借りずに「プロテクトキーを自力で作った」ということは、終わらないゲームに足を運び入れたということを指し示しているんじゃないか。

―――私が想定していた中で最悪のケースが起こったんだろう

そう、SCE2という終わらないゲーム、終わりが見えないゲームに没頭している結果が生まれはじめてしまっている。少女は別に「子どもたちを誘拐」したいわけじゃないのに、結果的にそういう状況になってしまっている。

それは最悪のケースだろう。

 

 

空を彼らに見せること

「SCE2が地下の話なのは、空を見せない為だ」

「プレイヤーにじゃない。キャラクターにさ」

「人は生まれながらにして、上を目指す生き物なんだ」

 

「空を見せてしまう事は、選択肢を与えることと同義だから」

 空を見てしまったらリアスやエスチャリーは空を目指すかもしれない。なぜなら人間は空を目指す生き物だから。

空を見せることで、モグラはモグラをやめて。終わらない世界ではなく、終わる世界を選んでいってしまう……。空という選択肢はそういことなんだろう。

その懸念があるからこそリクケイは、リアス達に絶対に空を見せない。あるいは空が見れない世界を創造した。

かわりに永久に地下を掘り続ける世界をも作ってね。 

「だから……だから、モグラは空を見られない」

「彼らが空を見るときは、全てが終わる時だけ、だろう」

  

「じゃあ、彼らの目的は、いつか地上に出て、空を見ることか?」

「ならばなぜ、地下へ掘り進む? 地下には何も無いのに」

 地下にはなにもない。でも掘り続ける。永遠に。

それを求めている人がいるんだ……。なんてこったい。

 

「無駄なんだよ、無駄 私たちの機械じゃ地上は目指せない」

「それでも無意味に対して挑戦したければ 私はその行為を止めたりはしないよ」

――リクケイ

 

 

 

物語を終える鍵

 

「物語を終える鍵を探している、と言ったかな……前」

 「プロテクトキーF3」のことではないんだよねこの言い方からすると。

おそらくリクケイが世界を永久に続けさせようとしているのを、女の子は正当に終わらせたいはずなんだ。本来あるべき「SCE2のENDING」を迎えるために頑張っているように見える。

そういう意味での「物語を終える鍵」と言っているんだろう。

リクケイが作った世界構造に邪魔されず(なんとかして地上に出る)、かつアイリア達に邪魔されないように……それはきっと思っているほどに険しいはずなんだ。その鍵がようやく見つかりそうだという。 

「何もしていないって? 君の協力は大変助かってる」

「ん……自覚は無いかもしれないが、もうあと少しなんだ」

「長年探し続けていた鍵が、やっと私の手に入る」

「それもこれも皆、君のおかげだ 感謝してもし尽くせない…」

 SCE2の終わりとはすなわたち、「モグラが空を見た時」なんだろうか? ありえそうー。

 

 

人が変わったとか

 

「人が変わった、とか そんな人じゃなかった、とか」

「よくあるけど……」

「そんな風に思ってなかった、私の思い上がりだった……」

「そういう自己の欺瞞に対する嫌悪が普通は先なんじゃないかな?」

――女の子

みんな自分に対する責任は外部になすりつけたいからね。

だから自分を責めることはなく相手が悪かったとし、納得してしまう。それはとても簡単で楽だから。もちろん私も含まれる。

 

「きっと君からは、体裁を取り繕うとした以前の私と……」

「もはや目的が目前に迫って、形振り構わない今の私は……」

「別の人間のように、思えるだろう」

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だーかーら!

何度も言っているけど思わないって! 表ルートの君と裏ルートの君、どこに違いがあるんだよ。ないでしょ、それも私の認識ゆえにってことなの?どこかに違いなんてあった? 取り繕っている様子も微塵も感じられないんですけど!

それもなんでドヤ顔なんだwいみわからん!w

「人の認識なんて、何一つアテにならない」

「多くの人間は、自分の事すらロクにわかっちゃいない」

「自分がわかっていない自分の事を、他人なんかがわかるわけじゃないじゃないか」

「それでいいだけの話なのに……」

 ねー……そうだよねー。

自分のことが判らないのに、分かったふうな口ぶりでいわれると滅茶苦茶むかつきます。

 

 

ゲームが奪ったもの

 

「趣味を社会的に正当化する必要って、何のためにあるんだろうな」

「別にゲームで何千時間をドブに捨てようが」

「その人が好きでやってる事なんだから本来どうでもいい事のはず、なんだけど」

「ゲームを遊ぶ事が、いつからか……」

「『どこか孤高で、気の毒なモノ』に変化してしまったのが」

「まこと嘆かわしい事だと私は思うよ……」

 女の子の世界は「夢を見ると笑われる」ところ。そしておそらく「ゲームをする」ことも笑われるものだろう。なぜならゲームとは夢を見ることだから。

もちろん社会的倫理はそれを是としない。ゲームを遊ぶことがいつからか「どこか孤高で気の毒なモノ」として見られるようになってしまったんじゃないかな。

だからこそ「趣味を社会的に正当化する必要ってあるのかな」って女の子は自問するわけだ。なんで私はゲームを社会的に正しいとしなくちゃいけないんだろうな? そういう風にも聞こえる。

別に好きでゲームやっているのならばそれでいいはずなのに、そういう世間の空気があるのはまこと嘆かわしいよ……。そう言っているように聞こえない?

「そうでなければ、私はずっと、ゲームと共にあれたのにな」

「だが、私たちがやってる事が、無意味だとは思いたくない」

「だからこそ、可能性を子供たちに託す ゲームという媒体を使ってでもね……」

 そうだね。そういう空気の中で、倫理観の中で、好きなものを好きと言い続けることは難しくて、好きなことを続けるのも大変になっていく。

そんな空気が社会に蔓延らなければ、女の子とゲームは共にあれたのだろう。


そしてここで逆説の接続詞である「だが」という言葉がはいる。

「だが、私たちがやってる事が、無意味だとは思いたくない」

女の子がやっていることがイマイチまだハッキリしないが私の見立てだと、「ゲームを作る」ことと「ゲームに没頭する者を救い出すこと」なんじゃないかな。

そしてここで言っている「私たちがやってること」とは、……どちらにも取れるよね。直感を信じるならば「ゲームを作ることを無駄だとは思いたくない」って言っている気がする。

そこから「だからこそ、可能性を子供たちに託す ゲームという媒体を使ってでもね……」っていう言葉に繋がるんじゃないの。


夢を見てはいけない社会で

夢を見させるゲームを作るということ

そこに女の子はなにかしらの可能性を託しているんだ。

 

「君の所ではどうか知らないけれど、こっちでは真に憎まれるべき敵なんだ」

「ゲームはね」

「子供たちの精神を囲って返さない、悪魔との契約のような……」

「いったい誰のせいでそうなったのか、なんて議論は全く不毛だけど」

「少なくとも、ゲームが奪った物は事実だから」

「私達も、それに反論しようとは…………思わない」

 そうだね……それは全く同感で、反論の余地なんて……ないよね……。

もちろんゲームに多大な良いところがあるゆえの、悪い面なだけなんだけどさ。

 

 

 

夢を見ると笑われる世界

「君の世界ではどうだったか知らないけど こっちでは夢なんて見たら笑われる」

「それは希望や願望の意味での夢でも 睡眠時の夢でも……」

――???

 私たちの世界と、この子の世界ではなにかとても大きな違いがあるみたいだ。それがなんなのかはやはりよく分からないんだけど、その枝葉の部分に「夢を見ると笑われる」という部分があるのだろう。

ゲームをプレイすることが「夢」を見ているということならば、彼女は、彼女のいる世界で少数派なのかもしれない。夢を見たら笑われる世界で、絶えず夢というゲームをし続けているのだから。

それに彼女の職業は―――もしかしたらゲームを作ることなのかもな。憶測だけど。

 

 

続きとおわり

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「すっっっっごく好きな作品があるとするじゃん」

「その作品のさぁ」

「続きが出る、って決まった場合」

このあと喜ぶ?悲しむ?と聞かれたけれど、別にどちらでもないよ。あったらあればいいし、なければないで困らない。あるがままに受け入れるよ。

 

「例えば、すごく好きなマンガがあるじゃん」

「毎週でも毎月でもいいけど」

「で、その作品が、未完結の形で……突然終わる」

「作者の死や、打ち切り、とにかく二度と復活しない……」

「そんな最期を迎えてしまったら」

「読んでしまった事を後悔する?」

「そんな作品に出会ってしまった事を、喜ぶ?」

 やっぱり私はどうもしない。"どうもしない"んだ。シャーマンキングが蜜柑の形で終わろうが、それを受け止めるだけだよ。後悔も歓喜も別にない。

だからこの問いが言いたいことが全くもって分からない。なんなの?何がいいたいわけ?

「私が言いたいのって、そういう事なんだよね」

いやいやどういうことなのさ。

 

「終わった世界以上に」

「終わらなかった世界の事が、気に掛かる」

「終わる世界よりも、続く世界の方が幾ばくか恐ろしい」

「それが長ければ長いほど、悪い所しか見えなくなる」

すごい認識の相違を感じるな……。

ゲーム(=物語)の受け止め方が彼女と私では違いすぎるんじゃないか? だから全然言っていることがわからないんじゃないか。

―――終わった世界以上に、終わらなかった世界の事が気に掛かる?

ゲームが終わった、ENDを迎えた。終わったあとに残るのはそこにいる自分と現実だけ。だからこそ自分の現実が気掛かりになるってことなのかな。

そして終わらない現実は長くい続けることで悪いようにしか見えなくなっていくと。……だからなんだっていうんだ。それがどうかしたというのか。

 

「現実には、マンガみたいな夢なんか無い」

現実には夢がない。ゲームみたいな夢なんてものは存在しない。だって現実だから。そういうこと?

彼女がいる世界は「夢を見ると笑われる世界」。つまり現実に希望や将来の願いを思うこと自体が嘲りの対象となるということは、その世界にはそれらが「叶わない」ことが決まっているのか。

希望が叶わない、願いが聞き届けられない。だからこそ夢を見ること自体が笑われる。だって叶わないものを求めることはおかしいから。

大人になって将来キリンさんになって動物園で暮らすんだという、希望を言ってみろ、そういうおかしさが、この世界では「夢」というふうに置き換えられているのかもしれない。

「血を吐くような堆積と、類まれなる幸運が世界に彩りと輝きを与えると思わないか」

「それと同じだ……」

 わかんないよ。何がいいたい。

 

 

 

ゲームの世界に失ってしまったもの

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「ゲームの世界に、失ってしまったものなんかない」

「ゲームが教えてくれる人生の教訓なんて存在しない」

「ただ知らなかった事を、ゲームを通じて知っただけなんだ」

ねえ、なんでこういう大事なことを言うときだけ背中を向けるんだ。

……本当にそう思っているの。

ゲームに魅了されている人が、ゲームをやり続けている人が、本気でそう思っているなんてとてもじゃないけど思えないよ。「事実と願望は違うんだぜ」っていう反論を持ってきたとしても、全てはお為ごかしののようにしか聴こえない。

イデアに触れた人が、思考と人生を規定されてしまった人が、それを"事実"だと認めてしまうこと自体がおかしいんだよ。ああこの考え方の前提には、彼女がイデアに触れたとなっている。実際どうかわからないけれど、そうじゃないかって思うんだよ。

「知らない事にどれだけの意味がある」

「知ってる事にどれだけの意味がある」

「どうしてこうなってしまったんだろう」

「私達は、何も間違っていなかったはずだった」

 私"たち"って、誰だ。

彼女をカテゴライズする「子ども」という概念か?

それともサクライさん率いる職場や業界のことか?

 

「それなら、彼女たちだってそうか……」

「彼女たちには、あの世界が現実で、その妨害者はすなわち悪意の伝播者だ」

 おそらくこれはリクケイや、リアス達のことだろう。彼女たちにとってあの世界こそが現実で本物だ。

けれど「妨害者はすなわち悪意の伝播者だ」というのはなんだ?

ゲームが道徳的に悪だとか、社会的価値観から低俗なものだと謳われてしまうことだろうか。ふむふむ。

悪意の伝播者か。それなら納得はいく。

 

 

孤独とゲーム

 

「私たちは、生まれながらにして孤独なのだ」

「……とか言うと、どっかの学者か、病気の人みたいだけど」

「ここでは孤独は正常だ。自分ひとりだけが世界の中心になれる」

 ここでは、ゲームの世界では孤独は正常だ。自分ひとりだけが世界の中心になれる。

孤独はきっと心象風景の強度を高くする働きがある。負の方向にいけば自分という檻に閉じ込められてしまうものの、正の方向にいけば心象強度が高い心を獲得できるだろう。

けれど、今のゲームって「共有」の方向性が強みづけられている気がして、「孤独」という状況を切り離しつつあるのかなとさえ思う。もちろんそういう傾向にあるだけで全部がそうだなんて言わないよ。

誰かと、時間、気持ちを共有することは楽しい。けれど共有ばかりになってしまうと、自分という強度が薄れていく。自己内省することもなければ、何かについて熟考することもない。

心の内圧はどんどん低くなっていく。

そしてだんだんと疲れていってしまうものだ。誰かとなにかを共有し続けると本当に疲れていくんだよ。もう私は疲れたよ。独りになりたい。内圧を高めたい。そういう意味じゃブログはうってつけだねー。

本当はもっと誰も見ていない所で書いていきたいと思うこともあったりもする。それくらいこのブログは私が思う以上に大きくなりすぎていっている気がする。私から見れば、という注釈付きだが。

 

 

役割と模倣

 

「サンザカのきろく君は名前が世界の意味そのものを冠している」

「htbrの彼女は、名前こそ持たないが『世界そのものである』という事実を担う」

「だから、SCEには『役割』を設けた……いや、役割が存在している」

 "だから" なの? うむーよくわからんが覚えておこう。

ん?

これってつまりさ、サンザカとhtbrにはそれぞれキャラクターに「役割」があるってことを言いたいのか。だからSCEにも役割があるんだよってことね。

 

「リアスはケヤキの役割を受け継ぐキャラ……と言ったかな」

サザンカとリクケイが同じ役割を果たす程度には」

ケヤキとリアスは同じ役割を果たす」

「けれど、その実態として、リアスはケヤキの模倣でしかない」

ケヤキの持つ魂は、そこには受け継がれていない」

「じゃあ……リアスは『誰が』演じているのか?」

「あるいは、『誰も』演じていないのか……?」

「そこが争点だね……」

SCE』をそもそもやっていない私からすると、このリアル⇔ケヤキの話は深い意味を持つ言葉なんだろう。何度も繰り返されるくらいには、しかしそもそもケヤキを知らないからおそらくここの「なにか」を理解するのは困難だ。

SCEの内容を教えてほしい?

まさか。冗談。とりあえず今できるところまでやろう。

++

リアスはケヤキの役割を受け継ぐという。それはなんだ? 主人公としての物語をENDに迎える為の行動とかそんな感じ?

まそれはどうでもいいか。

リアスはケヤキの模倣でしかない。模倣とはつまり似せて作られたもの。もちろんリアスはケヤキではない。ケヤキの魂は入っていない。

……んー、彼女がいう『演じる』っていう観点自体がおかしいと私は思うんだよ。リアスはリアスだし、誰も演じているわけじゃない。リアスはリアスなりに生きているし行動している。

……そうこれが「物語」ならばそれでいいんだ。

でもこれは「ゲーム」だ。

ゲームはプレイヤーがキャラクターを動かす。キャラクターはキャラクターの意思で動いているわけじゃない。そういう意味での「誰が演じているのか」「誰も演じていないのか」という発言なんだろう。

でもそんなの考えすぎなんだ。メタ的に考えたって意味のないことなんじゃないかな。こんなの。

 

 

 なぜそんなことを尋ねる?

 

「私は君にリアスの事を尋ねたか?」

「私は君にリクケイの事を尋ねたか?」

「君は何時間このゲームを遊んだ?」

「私は今まで君と何回話した?」

「私は君に、ゲームの話をしたか? 特定のゲームの話の事だ」

「この世はいぬむごだと思うか?」

「私は君にアイリアの事を尋ねたか?」

「私は鍵を見つけたと聞いたか?」

「私は君に、何かを頼んだか?」

「君は何歳だ?」

「私は何人いる?」

「私は君に、『これからのこと』について聞いたか?」

「私は君にクローバーの事を尋ねたか?」

「私は君にこれで何個の質問をした?」

「私は、誰だ?」

「私は君に、名を名乗ったことはあるか?」

「私は君に、物語のヒントを与えたか?」

「私は君と、何か特別な……」

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なんで彼女は私にこんなことを聞いてくるんだろうって思った。

でもね、よくよく考えてみると前に言っていたこれと関係してくるのかもしれない。 

「君が見ている私も、受動的に繰り返すデータに過ぎない」

 つまり自分さえもあなたからすると、"ゲーム"にすぎないんだぜ?と、そんな皮肉な物言いを感じ取れる。

とはいってもこれらの発言に何かの意図があるのかはわからない。全然判らない。もしかしたら意味なんてないかもね。そんな気もする。もしかしたらただ疑えって言いたいのかもしれんが……。

かも、かも、かもしれないばっかりだな。仕方ない。だって全て可能性段階てで確定できないんだもの。

 

 

夢はなんだとといた

 

「いつか答えを聞くかもしれないから、これは覚えておいて欲しい」

「私は君に、『夢を見ること』は何だと説いた?」

――少女

 彼女の世界では夢を見たら「笑われる」と言っていったけ。少なくとも彼女は夢を見ることは笑われるものだと言っていた。

しかし彼女自身はそうは思っていないように……見えるけどな。

 

 

 

 

 

クローバー

 

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クローバー「……君は誰?」
ケヤキか? 彼に良く似ている」

リアス「ケヤキ? 誰の事だ」
「お前は新入りか? 名前は何だ? いつからここに来た?」
「お前が誰なのか聞くのは俺の方だ」

クローバー「……ああ」
ケヤキはこのゲームには居ない……わかり切っていた事だったのに」
「それでも私は、彼に良く似た君に彼の幻影を重ねてしまうのであった」
「続く」

リアス「続かねぇよ。何だその語り口は」

クローバー「ああ、そうだ、役割だ」
「私は君に役割を話す必要がある」
「そうだな……。私が君に出来る事は幾つかある」
「いや、違うな」
「私が君に出来る事は『幾つも』ある。この世界において神に等しいよ」
「好きな素材を好きなだけ出してあげよう」
「君に都合のよい物語を見せてあげよう」
「全てのレシピを君に与えよう。本来なら得る事が出来ないレシピすら」
「私に出来る事があれば、私に何でも聞くといい」
「私は少なくとも、君よりはこの世界について詳しい」

リアス「……誰に話しているんだ?」

クローバー「『君』だよ。リアス」

クローバーは誰に話している?と聞かれ、君だよという。

これなー……普通に考えるとプレイヤーである私たちのことなんだけれど、リアス達を"生きている"前提の会話がSCE2は多いので、逆になのかもしれないとさえ思う。

リアス本人に、本当に本人に言っている可能性がある。

  ◆

クローバーは構造の象徴であり、概念。母体はいないとのことだ。つまり動機と呼べるものは存在しないと思うんだが……どうなんだろうなあ……。

もしクローバーに動機というものが無いのならば、ケヤキを探しているふうな言動はおかしい。

そもそも別に探してはいないのかな。彼はただリアスとあって自分がどういう存在で、どういうことが出来るかを説明しただけか。ふむ。クローバーがこのタイミングできたのも、何か理由があるのかと勘ぐりたくなるがもしかしたらそんなこと無いのかも。

"クローバーはそういう存在だ"ですべてが片付いてしまうほどに、こやつはゲームの構造そのものだからなあ……。

  ◆

もしクローバーに動機があると仮定しよう。

つまりクローバーというキャラクターを「動かし」ている人物がいるということだ。安直な答えはやはりアイリアか。アイリアという『大人』という線が強いんじゃないか。

彼らはこの永久に終わらないゲームを、終わらせる為に、クローバーを差し向けた。モグラが地上を目指すにはどうしても、クローバーの力が必要だからだ。

この仮説は中々筋通りそうな気がするな。

―――そしてクローバーの力(=機器を見繕う)ことでリアスは地上まであとすこしの所まで堀り進めることが出来た。しかしクローバーの力を持ってしても、どんな削岩機を用いても地上に至ることは出来なかったのである。

地上の壁は分厚かった。この時リクケイは言う。「だから言ったじゃん。地上を目指すなんて無駄なんだって」と。

つまりクローバーでもどうにもすることができなかったのだ。そこにタイミングよく、アイリアが現れる。あまりにもタイミングが良すぎるというくらいに。

アイリアは正規の方法である「ドリルで地上を目指す」ことを放棄し、はしごを上って地上を目指すという方法に切り替えた。それがあのエンドレスループのところである。

リアスだけを地上に連れて行くアイリア。

 

なるほどな。これが一番納得いきそうだ。


そしてクローバーとリアスの会話に戻る。

 「そうか……」
「プレイヤーとして物語を介せば そこに個人の存在は発露されないのか」
「勉強になる。『ああああ』なんかよりは遥かに有意義で、含蓄に富んだ名前だ」
「考えたのは誰だろうな……」
「君か? アプリコなのか? それともリクケイ? サザンカではないな?」
「……」
「どうでも良い事だったね」

――クローバー

つまり、リアスにはプレイヤーが介入している為、リアスという存在は発露されないということ?

たしかに「ああああ」よりは、「リアス」という名前はより存在強度が高まるわな。

「私に会えた時点で、君の成すべき物語は終わっている」
「それは『攻略の終了』を意味する」
「そういう意味では物語は終わった。私は全てを台無しにするのが趣味なんだ」
「大丈夫。もう失敗なんかしない」
「安心して『私の力』を使うといい。今度は誰にも見つからないさ」
「気が済んだら地上を目指すといい。可能な限りの障害は取り除いた。」

やっぱりさきの説はかなり納得いくな。物語を終わらせにきたんだな、やはりクローバーは。

それと「失敗」なんてしたことあったっけ? もしやSCEでの「失敗」ということなんだろうか?

 

 

やっぱり君か

 

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「……やっぱり君だったのか」

「最初からそういう予感はしていた」

「リアスでもない、リクケイでもない、ましてやラグーンやエスチャリーではない」

「君は君として、ずっと物語に参加していたのか……」

「昔きみに、『人間の思い込みは恐ろしい』という話をした事があったかもしれないが」

「まったく、私がその『思い込み』に引っかかる事となったのだね」

――女の子(クローバーとの通信で発生する会話)

ここらへん文章蒐集の欠損率が半端なくてのー……。いろいろ抜けているところありすぎるんだけど、このまま考えるか……(涙)もう一度裏まで行くのは絶望でしかない)

ここでいう「君」とは私たちのことか? それともクローバーのことか? 

まず私たちだと推定して考えよう。

つまり女の子は、"私"というプレイヤーが物語に参加していることに驚きだと言いたいんだろう。その予感はしつつも、まさか本当にそうだったなんて!みたいなさ吃驚なわけよ。

"私"はリアスでもリクケイでもエスチャリーとしてでもなく、このゲームに参加していたと。そう言いたいんじゃないかな。


「君」を指し示すのがクローバーのことだったとしよう。……いややっぱその可能性はないな……。なぜなら女の子はクローバーを呼ぶとき必ず「彼」もしくは「彼女」で統一しているから。

そのあとの「君」を指し示す言葉を追っかけるとどう考えてもプレイヤーである"私"のことだな。うん。

 

 

私たちによる強制終了←?!

 

「クローバーはそう言った、イレギュラーの塊、イレギュラーそのもの」

「あるいは言葉遊びでしかないけどね。彼女の存在はそういう事だ」

「彼女は『構造の顕在化』だからこそ誰にも止める事ができない」

  

「彼女の存在が作中で確認される事は、物語の終焉を意味すると言ったかな?」

「私たちによる強制終了の手段の一種だよ 成功率は低いけどね……」

 はあ?!

「私たち」って言ったか?! じゃあなにやっぱり女の子はアイリア側の人間ってわけなの?!ああん?!

女の子がアイリア側の人間だっていうのはちょっと前に私自身が納得のいく否定をしたというのに、ここまで明言されたらもうそうとしか取れないじゃん!否定できないじゃん。

じゃあなんで、リクケイになんてなりすましているわけ? 正当なENDを迎える為じゃないのなら……うーん……。うーん。

 

「ここでいうプレイヤーは君では無いが……まぁ、ややこしいから解説は今度しよう」

「とにかく、私たちの行動原理は『クローバーが物語に入れば勝ち』だ」

「そしてあいつらは、『クローバーを物語から排除』する」

 いやそうか、分かった。

クローバーをSCE2に呼んだのはリクケイ(=Player女の子)だ。リクケイ(=母体サザンカ)による永久に続く物語を終わらせるために、正当な手段でもって物語ENDに導きたいからだ。

"あいつら"と呼ぶアイリア達のように、物語を強制的に終わらせるのではなく、電源コードを抜くように終わらせるのではなく、ちゃんとSCE2の世界に合った終わり方を目指しているんだろう。

それがクローバーによる強力な削岩機の入手というわけだ。

ちゃんとモグラがドリルを使って地上に到達し、空を見る。それがリクケイ(=女の子)が望んでいることなんじゃないか。


ってことを考えると、やっぱり先に考えた「君っていうのは私たちのこと」というのも正解だなこれ。クローバーを呼んでいるのが女の子ならば、『君』を自分が召喚した者に使わないだろうからね。

 

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「クローバーは、『物語から最初に居た』風を装う」

「それは名前だけであれ、姿であれ、シルエットであれ、他人のうわさ話であれ」

「ずっと後になって、プレイヤーが『そういえば』と思い出すのが始まりだ」

「世界が終焉を迎え始めた綻びに、彼女はシステムとなって存在する」

「当然あいつらは、クローバーの存在を認めない」

「言葉巧みに彼女の立場を揺らがせ」

「主人公自身の意識に、クローバーは悪だとすり込ませる」

「クローバーが弾かれた世界は、物語の均衡を取り戻し正常に動く」

「それは私たちにとって、とて望ましくない結末だ」

「複雑で、珍奇で、不気味なゲームは、その出口探しは困窮を極める」

「本当にこのゲームは終わったのか?」

「もしかしたら隠しエンディングがあるかもしれない」

「プレイヤーは存在しない夢を見て、無限のルーチンワークに没頭する」

「そんな思い込みのスキマに、クローバーは差し込まれる」

「私たちはそうして救いたいんだ。暴論だと言われても」

 クローバーがいなくなれば『SCE2』という物語は"正常"に動き始めてしまう。つまりサザンカが望んだようにずっと終わらない世界としてこれからもずーっと続いていくことになる。

そんな複雑で珍奇で不気味なゲームは、その出口探しは困窮を極める。だって終わらないんだもの。明確な終わりがないんだもの、ENDがどこにあるか全然わからないんだもの。

だからこそプレイヤーは……このSCE2に参加している者は夢を見てしまう。

「きっとどこかにENDINGがあるに違いない」

そして無限のルーチンワークに没頭する……と。

女の子は、そんなプレイヤーを救いたいんだろう。クローバーというイレギュラーを使ったとしても、例えそれが暴論じみた暴虐であったとしても。

「早く終わりにしたい。こんな事」

「こんなことっていうのは……失礼かもしれないけど」

「なりきりは苦手なんだ……手に汗をかく」

 
ただちょっと気になるのがここの部分。 

「もうクローバーは役目を終えて、最後の瞬間をアイリアに託した」

「だから、私は……」

「……私たちは」

「その『最後の瞬間』を、一緒に見届けたいと思ってね……」

クローバーは自分の役目をアイリアに託した。

これはクローバーとアイリアの関係は有効的という言い方に聞こえる。

つまり……そうここで今まで言ってきた全てがおじゃんになるのだが……

やはり女の子はアイリア側の人間ということになるかもしれない。

先ほど「当然あいつらはクローバーを認めない」と言っていたが、私はこの"あいつら"とはアイリア達のことだと思った。彼女が敵対しているのは(後のリクケイVSアイリアのところで)明らかだからだ。だから単純に素直にそう思った。

でも違うんだとしたら?

"あいつら"とはサザンカ達のことなんだとしたらどうだ?

サザンカは確実に、絶対に、クローバーという存在を要らないと思っているだろう。だってこいつは物語を終わらせてしまう存在なんだから当然だ。

 

いい? いいか?私。

ここで更に思考を飛躍させるぞ。

女の子の目的が、正当なENDを迎える為だったとしよう。アイリア達による強制終了というENDではなくきちんとしたSCE2の終わりが見たいと思っている。だからこそリクケイになり済まして、物語を強制的に終わらせるアイリアと敵対するわけだ。

これが1つ目ね。

もう一つ女の子の目的があるとしよう。それが

アイリア達と同じく「物語の強制終了」ということ。


ふふふ。

この二つは矛盾するだろう。

そう矛盾する。矛盾してしまう。物語の正当な終りが見たいと言っているのに、強制終了させる真似を本意でやるわけがない。

しかしここで、ある仮説を提示すればすべてが通る。

 

女子は「一人」とは限らない。

 

 

つまりだ。

裏ルートを進めていくと地上でリクケイとアイリアの論戦が始まる。あの二人を操っていたプレイヤーは「女の子」と「女の子」というわけだ。

女の子の1つの目的である「このゲームをきちんとしたENDが痛い!」というのを代弁しているのがリクケイというキャラクターである。ま女の子が操ってるんだけどね。

逆に女の子のもう一つの目的である「永久に続くゲームなんか終わらせてやる」とするのがアイリアというキャラクターなのである。操作しているのである。


……いくぞ?

表ルートの女の子は「正当な物語の終了」を望む女の子だ。だからこそ最後にプロテクトキーF3のレシピを私たちに託した。

そして裏ルートでは「 正当な物語の終了を望む女の子」と「物語を強制終了させようとする(アイリア側)の女の子」と2人と会話していることに、私たちは気づいていないだけだったんだ!


女の子がやたら「君は何かを疑っているのか?」「あの時と今の私は違うだろ?」「あいつはそんな奴じゃなかったと思うのはおかしい。まずは自分の判断の責任を問いただすべきだ」と言っていたのも、全てこれのことだったんだ。

「女の子」という存在が複数いると仮定すれば、筋が通りそうだ。もしかしたら2人だけじゃなくて3人かもしれないけどね。

これを決定づけるものとして、裏ルートの女の子は、表ルートでの出来事を知らないということにある。何のゲームをしてもらったかなども覚えていないし、そもそも初対面の体で話が始まるのである。つまり彼女らは同じ存在ではないと言える。でも姿形は似ているから騙されてしまうのだ。

 

そして後に、リクケイVSアイリアの話でこういう会話がある。

リクケイ「そうね。助かったわ。誰かのおかげで」
アイリア「誰か……?」
リクケイ「そ。誰か。本来ならポカするトコだったけど、おかげ様で助けて貰っちゃったわ」
アイリア「まさか」
リクケイ「察しが良いわね。でも見えてるわけじゃ無いんでしょう」
アイリア「なぜ……」
リクケイ「なぜ?」
リクケイ「何が?」
リクケイ「なぜ私に協力したのか?」
リクケイ「なぜ気づけなかったのか?」
リクケイ「私の方が早かっただけよ」
リクケイ「ね?」

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そう、そういうことだったんだ。

私たちプレイヤーが、「正当な物型の終わりを望んでいる女の子」についたのは運命的で偶然だったわけ。早かっただけ。

もしかしたら「サザンカ望む終わらない世界を強制終了させる女の子」の側についている可能性だってあったかもしれない。アイリアやクローバーの味方をするような感じにさ。

以上を踏まえて「女の子」とは"プレイヤー"であると言えるかもしれん。女の子は単一の存在ではなく、いろいろな考えを持った――そう私たちのような――プレイヤーなわけだ。

中にはゲームが好きな1プレイヤーだったり、

あるいはゲームに熱中している人を現実に呼び戻そうとするプレイヤーだったり、するんじゃないかな。

 

ちなみに周目してようやく気づいたんだが、このとき、リクケイとアイリアは"こっち"を見ながら、ね?って言ってきていることに気づくなど。

 

 

 

アイリア側は言う、救い出せたと

 

アイリア「ようやく救い出せた……」

「『彼女』が貴方をここに閉じ込めた」

「あるいは、貴方の精神を、ここに」

「誰かに良く似ているあなたは、本当に似ている誰かでしかないの?」

「ちがう」

「全部違うの……」

「貴方が焦がれているのは……」

「空」

リアス「空か……俺には縁の無い場所だ」

<ここまで緑>

 

リアスの母体はケヤキ。つまりリアスの中にケヤキの魂があると断定してよさそうだな。

 

<紫色に変わる> 

「リアス! 貴方はここに居てはならない!」

「大地に足を付けている事すら無意味で! 飛ばなくてはならないのだ!!」

「空へ!!」

「舞台は整った!」

「この物語を始めさせて貰う! 今までの茶番はもう終わりだ!」

「聞こえているか、『地下』の民よ! 涙ぐましい努力は無に帰した!」

 女の子(……やっぱりコイツだったのか。ようやく合点がいった)

「聞こえているか、天上の民よ!眩暈のする変幻は全て看破した!」

「アイリアという名を借りる必要も、もはや無い!」

「私の名は……!!」
 

――アイリア、リアス、女の子

アイリアが言っていることをまとめると、リクケイ(=サザンカ)がリアスの魂を地下に閉じ込めた。そして今までの茶番とは「地下を掘り進めるだけの永久に終わらないゲーム」のことである。

「地下」の民であるリクケイ(=サザンカ)の努力によってこの世界は維持されてきたが、それを壊したのがアイリアというわけだ。

しかしここでいう「天上の民」とはなんぞや?……

"聞こえているか、天上の民よ!眩暈のする変幻は全て看破した!"

地下の民と同じく、天上の民にまで啖呵を切っているところを考えるともしかしたら「地下の民=天上の民」かもしれない。

サザンカ達っていうのは飛行機に乗ってた奴らなんでしょ?前作では飛行機飛ばしてたってことなら、なら今は地下の民かもしれないけど、前は天上の民だったと解釈できそう。

 リクケイ「おっと。待ちなさい 口上もいいけどね」
「貴方に名乗り上げられる困るのよね。色々と……」

アイリア「……お前は!」
「やっぱりそうだったか、リクケイ」

「……何を今更、判りきってたでしょう 我ながらバレバレだと思ってたけど」
「決定的じゃなかったんだ。見つける事が出来なかった」
「そうね。助かったわ。誰かのおかげで」
「誰か……?」
「そ。誰か。本来ならポカするトコだったけど、おかげ様で助けて貰っちゃったわ」
「まさか」
「察しが良いわね。でも見えてるわけじゃ無いんでしょう」
「なぜ……」
リクケイ「なぜ?」
リクケイ「何が?」
リクケイ「なぜ私に協力したのか?」
「なぜ気づけなかったのか?」
「私の方が早かっただけよ」
「ね?」

 ここはさっき語ったのでスキップしよう。 

 

 

 リクケイとアイリアの会話

アイリア「元よりお前に不審な点は多かった」
「『誰か』と話している」
「『これから』が見えている」
「私たちの話を『読んで』いる」
「だが、リアスを初めとして、他の奴らにも似た兆候は出ていた」
「だからこそ……『あの鍵』が私たちを救ってくれるはずだったんだ」

リクケイ「そう、このデータね……[プロテクトキー[F3]]」

アイリア「それで確定するはずだった」
「その鍵の製法は通常の手段ではプレイ中に手に入らない」
「物語が進まなくてはお前は困る だから何としても……」
「そう、きっと、強引な手段を使って、何としても、無理やりにでも……」
「なのに」
「その鍵は……!」

リクケイ「作って貰ったのよ」

アイリア「作って……そのレシピは作中では……」

リクケイ「私もね。ボロを出さないようにするの大変だったわ」
「慣れない事はするもんじゃないわよ」

――いつか気付かれるかもしれないって、結構ヒヤヒヤしたもんよ(=画面外からの音声)

リクケイ「こんな風にね……」

――まるで私が、別の私になりきるみたいに……
――ね

 ふーむ。なるほどねー。

アイリアが言うには「プロテクトキー」によって、超外的な存在を炙り出す為のものだったというわけだ。この鍵は劇中では絶対に出てこない、だからこそどんな手段を使っててでも(表ルートで見せたように強引に鍵をねじ込む)しなければ先に進めなくなってしまう。そうしなければゲームは進まなくなってしまうからだ。

進まないゲームなんて最悪でそんなクソゲーは真平ごめんだ。例えクソゲーでも「正当な物語の終わり」を見たい女の子にとってすれば、必ず行動にでる。それはいわばゲームを楽しんでいるプレイヤーならば当たり前の動機といってもいい。

そして今回は、劇中では絶対に手に入らないプロテクトキーのレシピを、"私"が記憶しリアスに作らせた。このことでアイリアはプレイヤーが操作しているキャラクターが誰なのか見分けがつかなくなったと。

 

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「困るのよ。勝手な事をされたら」

ここだけ、誰が発した会話なのかわからんのよね。

流れ的にはリクケイでしかないんだけれど、もしかしたら違う誰かの可能性を気に留めておくべきなのかもしれない。ここにアイリアでもリクケイでもない人物がいる可能性。

厳密にいえば、アイリアとリクケイを操作している超外的な存在が2人ではない可能性。

 

とりあえず次いこう。

リクケイ「私たちはただゲームを進行させたいだけ。プレイヤーを幸福に導く義務がある」
「なのに、勝手に途中で止めさせて、プレイヤーを世界から置き去りにする…」
「『リアス』をどこへ連れて行くつもり?」

私はリクケイを操作している女の子の目的は「正当な物語の終わり」だと思っていたけど、違ったか。いや本質的にはあってる……のかな。

「プレイヤーを幸福に導くためにゲームを進行させたい」という目的か。ふむ。

女の子は一人のプレイヤーとしてSCE2の終わりを見たいとそう思ってた。でもこの言葉が本当ならば意味合いが変わってくるな。

つまり女の子はプレイヤー目線での発言ではなく、ゲームクリエイターゲームマスターとしての発言に近い。ゲームを管理するものだからこそ、それに関わってきたプレイヤーに満足してもらいたいという動機なんじゃないかな。

だから私が言っていた言葉を書き換えるならば「正当な物語の終わりを見たい」ではなく、

「プレイヤーを幸福に導くために正当な物語の終わりに彼らを到達させたい」かな。

ちょっと長過ぎるのでもっとコンパクトに言いたいところ。

 

アイリア「……空」

リクケイ「空、ね」
「あなたの言う『空』、この上の事じゃないわ……」
「物語を終わらせるつもりでしょう ただ単に……」

アイリア「当たり前……」
「そうじゃなきゃ、『子供達』は救われない」
「そっちの都合も、プレイヤーの存在も、私達には無関係だからな」
「世界を首尾良く終えなければならないのは身勝手な押し付けでしかない……」
「本来なら、いきなりゲームの電源を切っても何一つ許されない事は無いのだから」
「ただ私が担っているのは、ゲームに侵入するその機会だけ」
「お前たちを排除出来れば……それは恒久的に得られるのに」

 アイリアがいう「お前たち」っていうのは、ゲームクリエイターのことだろうな。

ゲームを作るものがいなければ、"それは恒久的に得られる"はずだ。それとは? ……おそらくゲームに没頭することによる子供たちへの社会的な被害といったところだろうか。

それくらい女の子の世界では、「ゲーム」とは悪いものの代名詞なんだろう。大人が毛嫌いするほどに。

 

リクケイ「貴方たちはいつもそうね」

「まるで子供の為であるかのようにその行為を正当化する……」
「あの子達はこの世界を気に入っているの ずっと居させてあげればいいじゃない」
「なのに」
「どうして」
「あなたたちの……」
「大人の都合で、連れ出そうとするの」

アイリア「……」

リクケイ「私たちはあの子たちを思ってるのよ あの子達も喜んでいる」
「自分の夢の発露する世界で」
「現実の苦しみのない世界で」
「いつか夢見た、ゲームの世界で」
「こうやって、楽しんでいるのに」

 このリクケイを操作している女の子の意見は、サザンカと近いんだよね。もちろん近いだけで同じってわけじゃあないけど。でも……やっぱり近いな。

サザンカケヤキの魂を地下に閉じ込めた。そして終わらない世界を作り彼と一緒にい続けることを願った。

クリエイターである女の子は「子供たち」をゲームという媒体に閉じ込めた。面白いゲームを作れば作るほどのめり込み没頭し、精神を揺さぶられる子供たちが増えていく。

1つ1つのゲームにはENDINGという終わりがあろうとも、ゲームに魅了された子供たちは次のゲームを探すであろう。終わったら次を、終わったら次のゲームをと。そしてこれを繰り返すということは、彼らはずーーっとゲーム世界に魂を閉じ込められているのと同じことである。

アイリアが怒るのも無理はない……。もちろんこの事実を女の子は分かっているし反論すべきこともないと以前に言っていた。

 

アイリア「……」

リクケイ「どうして連れ出そうとするの……どうして……」

アイリア「詭弁だ」
リクケイ「え……」
アイリア「詭弁だ、って言ってる」

「これはただの誘拐。子供たちはお前らの所有物じゃあない」

「喜んでいる、楽しんでいると言ってるが、現実と錯誤を起こしているに過ぎん」

「望んでその場に居るわけでもない、結果的に選択肢を失っているだけだ」

「麻薬と変わらん」

「ゲームはゲームである以上、いつか終わる 没頭すればするほど、後は無い」

「『お前たち』も最初の頃は……そういう失敗を犯したはずだ」

「ゲームにのめり込む余り、現実と虚構の混濁を起こし」

「ゲームを終えた後も、その世界に、脳が、精神が揺さぶられる」

リクケイ「そんなの」

アイリア「そんなの遊ぶ奴が悪い、自分の勝手、か?『お前たち』が先導している事だろう」

「それに、少なくとも、子供たちを奪われた親は悲しんでいる」

「自分の方が大切に出来るからと言って、他人の物を奪っていい道理は無い」

 でも彼女はこれを踏まえてでも、ゲームを作っている。

ゆえにとてもやりたいことがあるんだろうなということが推察できる。それは後でわかる。

リクケイ「……なんでよ」

「何で」
「どうして」
「何で」
「どうして」
「何で」
「どうして」

アイリア「君たちの事は認めよう。全く恐るべき程に信念を持つ存在だ」

「その目的が生憎判らないが……仮に本当に『子供の娯楽』だったとしても」

「やり方は考えて欲しいな。もしかしたら関係無いかも知れないが」

「こっちも、『これらの件』を処理するのには膨大なコストが掛かってるんだ」

「君たちの勝手で、大勢が迷惑している、という事実をあんまり忘れないで欲しいな」

リクケイ「ふ…」

ここからメッセージウインドウが紫から緑色にかわる
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リクケイ「ふざけるなぁー!!!!!」

「リアス!!そいつが敵よ!!」

リアス「残念だ、アイリア。会えなくても、信じていたのに」

 ここの会話も「ゲームクリエイター」と「ゲームを排除する大人」との会話というふうに考えれば何を言っているのか分かる。

そして、やはり「紫色のメッセージ」は「超外的な存在」の言葉だ。リクケイというキャラクターを操作している女の子達の会話。

緑色のメッセージは「ゲーム内のキャラクター」の言葉で合っているとおもう。

ここの紫と緑の会話を区別しなく、「リクケイが言っている」と認識してしまうとここ一連の会話はよくわからないものになってしまうはず。

そしてゲーム内の会話が終わり、また超外的な存在たちの会話に戻る。

<紫色に戻る>
アイリア「しまった……!」

リクケイ「これはもしもの時の為、私が組んでおいたイベントの一つよ」
「悪の組織の内通者を、リアスが発見して殺す……」
「私は内通者によって負わされた傷を元に犯人を追い詰める」
「イベント発生時にケガしちゃうのがちょっと難点だけどね……」

「はあ……それに少し疲れちゃった」
「何せ、ここまで片腕の怪我を抱えて上ってきたわけだからね……」
「さて、リアスは信頼していた仲間に裏切られ強いショックを覚えるが」
「でも『わたしたち』の説得で人間としてより大きく成長するの」
「わたしたちは頼れるリーダーの下、更に一致団結する……!」
「もう貴方に発言権は無いわ。アイリアの台詞を刻んで死ぬがいい」

 リクケイを操作する女の子がいう「もしもの時のために組んでいたイベントの一つ」とは、他にもあったのかな?ーと。

気づいていないだけで、もしものときのイベントは既に発動していたなんてこともありえそう。

 

<緑に変わる>
リアス「まだ今なら間に合う。アイリア、言い訳をしてくれ」
「俺はお前を殺したくは無い」

アイリア「……リアス」
「やさしい人……」

リアス「頼む、何か言ってくれお願いだ……」
「どんな嘘だって信じるから……」

アイリア「……ごめんね」
「こうするしか……なかったの」
「……」

アイリアを殺しますか?
はーい
ダメ

<紫色に>
リクケイ「無駄よ。そんな選択肢に意味は無い」

<緑>
リアス「さよなら、アイリア……」

<紫>
アイリア「ああ……」
「そうか。お前たちは『子供たち』が欲しかったわけではなかったのか……」
「この少年……あるいは、それに近しい者と出会う為に……」

 リクケイ操作する女の子は、別に子供たちが欲しかったわけじゃなく、

リアスのような近しい者と出会うためにゲームを作り続けていると、アイリアは言いたかったのかな。

 

リクケイ「…しつこいわね。余計なことをいつまでも喋るのはやめて」

「ねえ、リアス」
「……」
「『この声』が聞こえないのは知ってるわ でも……聞かせて?」

「リアスは、こっちに居て幸せ?」
「私たちと一緒に居て幸せ?」
「昔居た場所に帰りたいと思わない?」
「これから私たち、どうなると思う?」
「リアス……」

リクケイ操作する「女の子」は、リアスに語りかける。

リアスはここにいて幸せか? 私たちと一緒にいて幸せか? 昔いた空に帰りたい?と。

もちろんリアスは答えない。超外的な存在からの呼びかけにゲームのキャラクターは答えられない。

それをわかりつつも聞いたってことは、聞かずにはいられなかったんだろうなって思う。つまり……女の子は、ゲームを作っている彼女は、リアスのことをちゃんと「生きた」存在と認識しているからこそこういう語りかけができるんじゃないのかな。

もしただの電子回路の内側とか、規定通りにしか動かないものと思っているのならばこんなこときっと聞かないからね。

admin権限を持ったサザンカによってリアスはこんな世界で地下を掘り続けることになってしまった。そのことにもしかしたら少し罪悪感を感じているのかもね……。

 

<緑>
リアス「……」

「何か言いたそうだな……リクケイ」

「俺は生まれた時からモグラだし……それが将来、変わる事もないだろう」

リクケイ「……」

リアス「どうした……泣いてるのか?」

リクケイ「わかんない……」
「ただ……」
「私たちが忘れた空、綺麗だなぁって思って……」

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緑メッセージなので、これはリクケイことサザンカが言っているんだと思う。

私たちが忘れた空っていうのは、モグラだからという意味ではなく、SCEで見ていたであろうあの空のことを言っているんじゃないかな。綺麗だねって。

 

そしてEND

 

と思いきや、続きがあるのであった。◯

 

 

 

それではない世界のお話

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 「なんかSCE2でも似たような張り紙を見かけたような気がする……」

「……」

「……」

「……」

「SCE2!?」

「ああああー電源入れっぱなしだったー完全に忘れてたー バーカ」

 リクケイとリアスが地上で空を見て、SCE2はENDを迎えた。

そこからnoWorldを起動すると、女の子の部屋が映るようになり、そこを女の子が見ながら「SCE2つけっぱだた!」という。

つまりあのEND画面が、女の子には見えているってことだよね。もっといえば「SCE2」というのを"ゲーム"だと認識できているのは私と女の子ということになる。

そしてどうやらこの事は、始末書レベルの事態らしい。

「しかし何でまたこんな時間に……生活習慣のチェックでもされたのかな」

「そういうの好きそうだしな……プライバシーとかあったもんじゃない」

「以前からこうして、時々私がいないタイミングを探ってたか」

「覚えがない通信記録がだいぶ残ってると思ったんだよなぁ」

 「報告書書きたく無いから、今までガン無視してたけど」

「これは始末書だな……」

 ここから想像できるのは『SCE2』というゲームは、1人のプレイヤーだけで遊ぶ類のものではなく、多くのプレイヤーが介入できるゲームだと思ってよさそうだ。

アイリアという大人が干渉してきたことや、リクケイというプレイヤーを導く存在までも介入してきたことからそう考えられる。なにより"私"もまたSCE2に介入してきたのだから当然かもしれない。

ていうか生活習慣のチェックってなんぞや?

 

 

話し相手ほしー!

 

 「ずっとヒマなんだ…… 長い間、仕事以外で話した記憶が無い」

 なるほどー。 

「じゃ辞めればいいだけだもんな。好きでやってる側面もあるだけだよ」

 好きでゲーム作ってるって思っていいわけですな。

 

 

 ゲーム排除

 

 「逆に彼女らに『この子』を使わせる口実ともなってしまった」

 単純に考えて、アイリアのことですかね。

 

 「彼女らの目的は、作中から自分以外を排除する事だから」

 「私を見つけ出す事が出来なくても……」

「自分以外のすべてを殺してしまえば、そこに他人が入り込む余地は無い」

「単純な話だが……ディストピアすぎるぜ」 

 つまりゲームの管理人を見つけることができなくても、ゲーム内の全てを排除できれば「大人たち」の目的は達成されるわけだ。

SCE2の表ルート6章であったようにみーんなどこかに居なくなってしまったのは、アイリアのせいだったと考えればよさそうだね。エスチャリーもトレンチもラグーン拠点からいきなりいなくなったのはどう考えてもおかしいものな。

それにベーシンやフィヨルドが一章ごとに死んでいったのも、アイリアのせいだったと考えてもいいんじゃないかな。

なぜなら裏ルートにいけば、ベーシンもフィヨルドも死なずにそのまま拠点に残り続けるからだ。表ルートで「プロテクトキー」を超外的な世界からもらい受けたことで、アイリアは行動の幅が一気に広がったと推測。

逆にゲームの管理人を見つけられないと、その痕跡や確信がないと、迂闊に手が出せない状況なのかもしれない。

裏ルートでは、こっそり、リアスを一人だけ連れ出しSCE2を終わらせようとしたことからもそう考えられそう。表ルートはやりすぎだったといってもいい。

 

 

物語を救う

 

 「物語を救える人間は……もはや目の前に居るヤツだけだしな」

 物語を救うっていう発想がないんだが……。あるがままでしかないと思うんだよな。

それでもクソゲーにあったときはどうしても、ゲームをクリアさせようとするわけだからある意味で「物語を救う」という行為になっているのかもしれないなと思うなど。 

「それが気に入らないなら……結末を選ぶのは、君だ」

 つまり、リクケイに鍵を渡さないか、あるいは渡す選択ではなく以外の結末を選べるってこと?

つまり隠しENDがまだあるってこと? そうしてこのゲームに囲われた私はもう一ヶ月以上のこのゲームと向き合っているという現実。おそろしい! 

 

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「君がキイを彼女らに渡したから 話がここまでこじれちゃってるわけで」

この発言から、やっぱり「女の子」は複数いると判断できる。だって鍵を渡してっていったの(表ルートで)君じゃん! でも女の子はここまでこじれちゃったんだぜーと言ってくる。

やっぱり記憶はない。

記憶はないというか『女の子』は概念っぽいんだよなーここまでくると。

 

 

アイリア……ではなく?

 

「 『アイリア』だよ…… 彼女を喋らせてるのは誰?」

 「おいおい、ちょっと待ってよ 私とあいつの2人じゃなかったのか」

「冗談でしょ……」

「まあ仕方ないか……」

 別の「女の子」っすよ。あるいはプレイヤーといってもいいですね。

 

 

名前をうちこむ

 

「『まだ生きてるキャラ』が居るはずなんだ そいつの名前が判らないんだけど……」

「物語を見ていた君なら たぶんわかるはず……」

   なるほどねーぽちぽち。

 

 →該当せず

「……違うみたい」

「もう一度よく考えて 入れなおしてくれないかなぁ」

「私の質問の仕方が悪かったかな? まず選択肢の時点で削られるはず」

「後はそれから思い当たる奴を入れればいいだけなんだけど」

「本来なら私がやってもいいんだけどね……君のこの行いに意味があるんだ」

「君が考えて…探して…辿り着く…不毛かもしれないが……」

 「何せゲームだからな……」

  Narrativeなんですかね?

 

 →リアス

「リクケイの管理下にあるよ」

「本物の『リアス』は……どこかに隠されている」

 なんだよ本物のりあすって。ケヤキの魂のことではなく、「リアス」自身のことを言っている気がするな。

とはいってもリアスはリクケイの管理下にあるわけなので、使えるわけもなく。

 →トレンチ

「彼女は……」

「彼女は、偽りの双子の片割れだ」

「その正体を知るのは、私か、『クローバーそのもの』か、あるいは……」

「リクケイだな」

 トレンチの母体って誰なんだろ……。

 →ケヤキ

「うん……違うからね いいセンは行ってるけど……」

 いい線いってますか。

 →サザンカ

「…それが使えるなら どんなに良かった事か」

 ねー。

 →クローバー

「そうか……クローバーか……」

「てっきり一番に潰されると思っていたがまだ生きていたんだな……」

 (中略) 

「前にも言ったかも知れないけど、彼女らはリアスが居ないとダメなんだ」

「必ずしもリアスである必要は無いけど 『今は』リアスじゃないとダメ……みたいな」

「たぶん意味なんか無いんだよ ただ今にしがみついてるだけで」

「それを私らが止める権利はあるのか?って少し思うけど」

「まあ……」

「実際の所は 聞いてみないと判らんからね」

 ふーむよくわからんの。

 

 

 これアイリアのテキストだった気がする。

「彼女に役目を与えるイベントはね……『存在する』けど『発生しない』んだ」

「理由はわからないよ」

「ただリクケイが言ってたように……あ、私は聞いてないけど」

「言ってたように、もしも本当に『アイリアを殺す為に』用意してたのなら」

「私以外の第三者を彼女は認識していて、そいつに対して先手を打ったって事よ」

「つまり……最初から予測されていたか、誰かのせいでバレてたか」

「まるで、このゲームの全てが最初から完結を否定しているようだね」

 リクケイ操作する女の子はもちろん、第三者の存在は知っているだろうかな不思議でもなんでもない気がするけど。そもそも大人たちが介入するってことをなぜ知っていたのかってこと? 

そういう言葉ではない気がするんだけどなあ、どういう意味なんだろこれ。

 

 

「そういう『物語が進行しない』事で物語の袋小路を……」

「彼女らは永遠のものにする事で 達成しようとしてるんじゃないかね」

「怖いなー」

「永遠は怖いよ……何せ無限だから」

 永遠は怖いよ、でも素敵☆

 

 

サクライさん

 

「サクライさんがさぁ…… あ、サクライさんってのは私の同僚ね」

「あの人、昔ちょっと有名だったんだ なんつーのかな……時の人?」

「昔ちょっとやバめの病気が流行ってさぁ、あの人も罹った一人だったんだ」

「あんななって帰ってきたのはあの人と……もう一人が始めてで……」

「何だっけ……何とかさん…ワッペン大好き? みたいな…?」

「まぁいいや」

「あの人らがさぁ、言ったんだよ」

「居心地がいい世界でも閉じた世界に居るのは楽しくないって」

「何でもいいから終わらしてしまえば その次の世界がやってくる……みたいな」

「うろ覚えだけどね」

「世界事に終わりがあっても 世界に終わりが無いのは同意するよ」

「……」鼻で笑う声

「そんでサクライさんに憧れて私もこの仕事に就いたの」

「でもさぁ」

「サクライさん、仕事辞めちゃうんだって……」

「はぁ……やんなっちゃうよね この仕事に絶望したとか言ってたよ」

 

 

 

サクライさんがかかた病気って、「ゲーム」に関係してそう。前にもいったけどゲームに没頭するあまりあっちの世界にずーっと居続けてしまって、後に帰ってきたとかそんな感じで。

"「あの人らがさぁ、言ったんだよ」
「居心地がいい世界でも閉じた世界に居るのは楽しくないって」
「何でもいいから終わらしてしまえば その次の世界がやってくる……みたいな」"

あとここは、まさしくゲームだよねってなる。一つのゲームをずっとやり続けるとたとえ居心地が良かったとしてもそのうち楽しくなくなっちゃうんだよね。サクライさんが言っていることって何でもいいからそのゲームのENDを迎えて、次のゲームにいったほうがいいよってことなんじゃないかな。
あとこれ
"「世界事に終わりがあっても 世界に終わりが無いのは同意するよ」"

世界毎に終わりっていうのはさっき語ったように、「1つのゲームには終わりがある」ということ。そして「でも世界に終わりがない」っていうのは"ゲーム"という媒体でみれば、ゲームをずっと続けていくのであれば終わりはないよねって意味。な気がするよ。

そしてここからが本題か。
(おそらく)ゲームクリエイターであるサクライさんは、この会社をやめるという。この仕事に絶望したらしい。
なんでだろう?
 
 
 
 
 

 

 

 

 

雑話

「この仕事してると独り言が増えるんだよ 誰も聞いてないのにブツブツ喋ってさあ」

 そっかー。

 

「さっきも言ったけど、私は『この子』じゃないんだよね」

「じゃあこの子は誰なんだよ、って事になるんだけど……」

「なんか趣味悪いゲームがあるんだよ。女の子の私生活を覗くような……」

「だから今回の母体はそこだよ。君も一度くらい想像したことはあるだろう」

「今何かをしている自分が、誰かにより動かされる自分だとしたら」

 リアスを操作しているという事実を踏まえると、じゃあこの子は誰なんだよという疑問が生まれるということなんだろう。どうでもいいし考えても意味ないことな直感がするので私はここ考えない。

 

「彼女らに間接的に干渉できないか……『彼女らの性格を矯正できないか』」

「データとしての彼女達にいい加減な横槍を入れた痕跡だわ」

 データとしてみちゃいますか。 

 

「物語の結末は、第三者の手に拠らない。彼女ら自身が導く」

 サザンカ達が自律的に動くってことだよね。第三者の出番はないのよ?

 

 

 

リクケイとクローバー

 

リクケイ「もう一度聞くわ。『アナタは誰?』」

クローバー「だから言っただろう。君の敵だ……」

ラグーン「なんか遠近感がおかしいな。リクケイが巨大に見える」

クローバー「どうやら軸を間違えたらしい」

ベーシン「軸ってなんだよ……」

リクケイ「皆そこに居るのね? そいつは敵よ・すぐ逃げなさい」

エスチャリー「うーん、まあ、それはそうなんだけど」

 クローバーはリクケイにとって、敵だろうな。うん。 

 

リクケイ「そう、アイリアはもう死んでる 私が(あるいはリアスが)殺したの」

「だからクローバー……あなたがそこに居るのはおかしいわ」

 ここ気になるんだよな。なぜ「私が(あるいはリアスが)殺したの」という発言になるんだろう。あのイベントはどちらが殺したかを描かれず、結末としてアイリアは死んだということになるから過程は本人さえも判らないってこと?

リクケイがいうには、クローバーはここにいるのはおかしいらしい。

たしかにクローバーはアイリアに役目を託して消えたはずなんだ。だからここにいるのはおかしいというのはごもっとも。

もっとも、クローバーを操っているのは今画面上に出ている「女の子」なんだけどさ。ってことを考えるとクローバーの台詞は女の子自身ものって思ってよさそう?

 

ここから会話は断片的にしか蒐集しておらず。

 

<緑から紫>

リクケイ「『アナタは誰?』」

 

クローバー「うーん、それについては私も判らん。アイリアに直接聞いて欲しい」

リクケイ「死んでるからなぁ……」

 まあ……クローバー(=女の子)からすればなんとなしにゲームに介入しただけだもんな。わからないのは仕方無い気がする。

 

<緑>

 

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「『うばわれたもの』を助けるのは、私たちには得られる結果でしかない」

「君を……いや、君たちを明示的に止めると言うべきか」

「回りくどいやり方は君を怒らせたようだ。正論のつもりだったんだが」

「……?」

 え?この会話を「緑」でするクローバーさんって一体なんなの? 

そしてこの「子ども」と「大人」の対立構造の話にリクケイさんまでも「緑」でついてこれるってどゆこと?

 

「さっきから質問を答えるばかりだったな。次はこちらか聞いても良いだろうか」

「君らは『なぜ』『こんなこと』を繰り返す?」

「……質問の意味がわからないわ」

「『子供たち』が居なければ、世界の維持運営が出来ないのは建前だ」

「もはやこの世界は、そんな変革の種を撒く必要はないだろう」

「……?」

「? 何か私は変な事を言っただろうか」

「……『なぜ』っていう理由が必要なの?」

「私たちは……そうする事しか出来ないのに」

「違うわね」

「その質問を私にするという事は、あなたが『そうした』のよ……」

「でしょう……クローバー」

「……」

「やはりそうか……」

「私は世界の発展を望むばかりに、君たちの本能をそこに位置づけたのか」

「君たちには夢がない。それは『文字通りの意味で』」

「ずっと違和感は合った そこまで固執する理由が判らなかった」

「そうね」

「ならきっと、私たちは存在自体が許されないの」

「生まれ持った生存本能が、形成する性質そのものが間違いなら」

「それは、私たちが生きる事がこの『世界』を脅かす事実になるの……」

「だろうな」

「悪いことをした。気の毒だと思う」

「気の毒で済めば良いのに」

「ああ、そうなっているのなら、もはや猶予も無い」

「こんな間怠い手段を選ぶ必要も無かった。すぐに消してしまえばよかった」

「人が作るのは物語が限度だ……私たちは神にはなれなかったようだな」

「そう……」

「この世界の思いを抱いて消えられるなら、別に後悔も無いわ」

 うーんでも、リクケイはついてきてるような感じで実際は違う話をしている気がするな。

「世界」というのは女の子がいる現実世界のことではなく、やっぱりSCE2内の世界のことを言っているんだとすれば、なんとなく掴めそうな感じはある。

 

「……ちょっとちょっと」

「何勝手に決めてるの? 僕らの意見も採用されるべきなんだけど」

「別にリクケイはリーダーでも何でもないし、そんな偏った意見を採用されても困る」

ラグーン「そうだな」

「それにリクケイは嘘を吐いている」

リクケイ「は? 違うんですけど?嘘とか吐いてないんですけど?」

クローバー「面白そうだな。聞かせてもらおうか」

エスチャリー「何から?」

クローバー「どこでもいい」

エスチャリー「それって要するに、全部聞かせろって事でしょ」

「もうちょっと絞ってくれないと。尺の問題もあるんだからさぁ」

「ん…悪かった。」

「じゃあ、一個聞けば十分だろう。リクケイの嘘って?」

「それね」

「別に僕らもケヤキやリアスに……母体の魂に依存してるわけじゃない」

「吸血鬼だって、血以外の食べ物を栄養価にする事もあるだろう」

「なら、なぜリクケイは……」

「違うんですけど?勘違いしてますけど?ケヤキが居ないと世界滅びますけど?」

エスチャリー「別に大した事じゃない」

ケヤキを好きになってしまったんだよ だから彼と離れたくないだけ」

「ただの独占欲……」

リクケイ「なっ……」

リクケイ「なによ!違うわよ!妄想よ! 勝手な言い草……違うわよ!」

ラグーン「無理があるだろ。ベタ惚れだったじゃないか」

リクケイ「ふっ…ざ……どいつもこいつも」

クローバー「予想外だった。そういう事か」

クローバー「いや、驚いた」

リクケイ「もういいでしょ!満足したでしょ!はい帰っていいよ!帰りなさいよ!」

クローバー「そこまで発展していたのか」

エスチャリー「方便かもしれないけどね」

クローバー「それでも面白い事には変わりない。嘘を吐けるほどにも……という事だ」

リクケイ「……もう話す事ないわよ」

リクケイ「早く帰りなさいよ……そんで消せばいいでしょ……」

クローバー「私は別に……」

エスチャリー「リアスはケヤキを模した 人工的クローン的クローンなんだけどさぁ」

「それを作った理由がまたケッサクで……」

ベーシン「それは俺も確か聞いたな」

リクケイ「もういいっつってんでしょ!終わり終わり!この話はやめよう!おしまい!」

リクケイ「だってさぁ……」

―――戻った。何だったのよ……

リクケイ「リアスが答えてくれたんだよ……」

リクケイ「俺は生まれた時からモグラだし……それが将来、変わる事も無いだろう」

リクケイ「俺たちは俺たちだって……ありのまま生きていこうって……」

――私も『あっちのクローバー』と話してみたかったんだけど……


ラグーン「それはそうだろう……」

ラグーン「どんな受け答えがあろうと、リアスはお前の理想の答えしか返さない」

ラグーン「当たり前の事じゃないか……」

エスチャリー「他の人が何しようが知った事じゃないけど 話が大袈裟だと他人事じゃ済まないし」

ベーシン「子供だな」

ベーシン「いや、それなら俺もそうか……まだまだ成熟していくべき段階だ」

リクケイ「なんだよ……みんな私の敵かよ……寂しいよー……寂しいよー……」

リクケイ「手が痛いよー」

トレンチ「そうですねぇ」

トレンチ「まぁ、なんですか……リクケイさんの気持ちはよぉく判りました」

リクケイ「何だよ……知ったような顔して……」

トレンチ「ですから……」

トレンチ「さっきから話そうとしているのに、皆さん聞いてくれず……」

リクケイ「アンタに何の話す事があるのよ。私は疲れたわ……」

リクケイ「ケヤキは私と居る事が正しいのよ。そうでしょう……トレンチ」

リクケイ「あなたなら判ってくれるはず……」

トレンチ「……」

「私は……ケヤキはそうする事が正しいとはとても思えません」(←ここだれいってるのとれんちでいいの?トレンチという表記ないんだよなどゆこと)

――しかしなあ

リクケイ「そう……あなたも」

トレンチ「ですが」

――なんかこいつら……

トレンチ「『リクケイさんは』ずっと、そうして来たんです」

「そうてい来た事で……何も間違っていないのなら」

――……

トレンチ「ケヤキがそれで良いと思っている以上、『そうする事』は正しいんじゃないでしょうか」

リクケイ「そう……そうよね」

リクケイ「そうよ! やっぱりケヤキもそう思ってたよね!」

リクケイ「私たちずっと……」

――……ムカつく

アホか

 画面から消えてしまった女の子はようやく復旧し、SCE2内のリクケイの会話を再び見始める。

そのときに「あっちのクローバーと話したかった」と言っているんだけど、それって、SCE2内でのクローバーってことだよね? 緑メッセージの。

でいいのかな?

 

 

 

 END・サクライさん。聞き取り難航

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アホか
ガキの現実見てないノロケに付き合う程こっちは暇じゃないっつーの
はあ……気分ワル
うりゃ
ゲームの世界でも何でもいいわ……一生そこで暮らしててくれ

何でこんな仕事してんだろ。私も退職考えよう
飯食ってくる。さっき食ったけど
ほんと腹立つわー
かえろ……

ゲーム内でのリクケイの騒動を見ているといきなりキレだす女の子。

そのあと唐突に退職のことを言い出すんだけど、これって一見繋がってないようで実は繋がっているんだろうなと思う。

ゲームに夢見て、ゲームを作っている人がきっと彼女だ。けれどそんなゲームに嫌気がさしてしまったのがここの場面でもあるのだろう。もうやめよっかな……こんなの作ってるなんてはあ……みたいなさ感じよ。

それも「何でこんな仕事してんだろ」って部分と、彼女の部屋にSCE2があったことから、SCE2というゲームを作ったのは彼女だと見ていいんじゃないかな。まこれはもう当然というレベルの事実かもしんないけど。一応。

 


サクライさん……今帰る所ですか?
へぇ~そうなんですかぁ~奇遇ですねぇ。私もこれから帰宅です
やだぁ~
一緒に帰りません?ご飯まだならどうですか?
やったぁ~じゃ、準備してきますね
あ、ところで……あの話どうなりました?
ええ……そうです
ここ辞めてから……これからどうするのかなって
……
そうですか
やっぱり、夢を叶えるために……

<ここでテレビにノイズ走る。砂嵐。ここからは聞き取り難しい間違ってる部分あるかも>

まだあのゲームの世界に夢を持っているんですか
この世界から去ることが尊いことだと、私たちに教えてくれたのはサクライさんなのに

私にとってまったく悪い夢です
あたしはこんなのあなたじゃないって思ってます
負け犬の言い訳するつもり、ないけど
私がやってきたことも間違っていたって……思ったり…

<テレビからノイズが消える>

そんなのって……あんまりじゃないですか
それと……
昔の名前で呼んでくれてもいいんですよ あのときみたいに……

 

さっき女の子は「サクライさんはこの仕事に絶望したから退職する」という趣旨の発言をしてた。

サクライさんはゲームを作ることに絶望したからこそ仕事をやめるというものに聞こえる。

だがここで、サクライさんは夢を叶えるために仕事をやめるという。その夢とは「あのゲームの世界」らしい。

一見ここは矛盾してそうなんだけど、これらが辻褄が合うように考えるとすればどういうことが考えられるだろうか。

いや……なんかおかしな言い方だな……。


素直に考えるなら、サクライさんは「あのゲーム世界」に夢を持っている。そして女の子は「この世界から去ることが尊いことだと教えてくれたのはあなた」と言っている。

これは前に女の子が言っていた

 

「居心地がいい世界でも閉じた世界に居るのは楽しくないって」

「何でもいいから終わらしてしまえば その次の世界がやってくる……みたいな」

の部分にかかってくるんだろう。

これらを踏まえると、

サクライさんはゲーム世界から去ることがいいものだと言っていたにも関わらず、でも自分はそのゲーム世界にまだ夢を持っているんだという。そしてそのせいで仕事をやめるという。

つまり「昔に自分が夢見たゲーム世界に戻る」、ってことなんじゃないかな。

 

私にとってまったく悪い夢です
あたしはこんなのあなたじゃないって思ってます

っていうあたり、女の子はそれは間違っていると言いたいんだろうね。そこに行っちゃだめだよサクライさんと。

女の子は、ゲームを作り、ゲームを管理し、大人たちに邪魔されないようにプレイヤーを幸福に導き正当な物語の終わりを到達させる仕事をしていたんだと仮定する。

サクライさんも同じ仕事をしていたとする。

そこでだ。

そこでサクライさんが「僕はゲームの世界に閉じこもるね」なんて言ったらさあ!

女の子はそりゃあ「私がやってきたことも間違いっていたって思ったり」って思っちゃうのも無理ないんじゃないかな!

「そんなのあんまりじゃないですか」って言ってしまうのも、そこらへんが原因だと見る。

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 あと最後のこれ。

もしかしたら、昔「時の人」になったのはサクライさん……とこの女の子のことなんじゃないか?

昔の名前で読んでくれていいんですよ、あのときみたいに―――って言葉からはもっともっとこの仕事で出会う前から出会っていた雰囲気を感じさせるから。

 

 

おまけ

 

 クローバーを起動させたあと、女の子はSCE2内の素材を全部捨てるね~っていう。

その行為の是非が私にはわからなくてぼーっと眺めてたんだけどあれおかしいな、3つの素材捨ててなくね?って気づいた。

 

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  • クロム467
  • ストーンフリー315
  • エーテル350

これはもしや?!と思い後にSCE2を起動し合成してみるとじゃかじゃーん!

 

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なにこれ?! つかえんの?!使えなさそ!

何に使えばいいんですかねこれ……。

 

あとマイナスドライバーのレシピを双子から貰ったんですけど

  • 銅石-10

 ってどうすりゃいいの? -←マイナスなんていう単位は合成で選べないんですけど……誰か教えてくれると嬉しいです。

もうここ30分くらいうなりながら試行錯誤したんですけどダメでしたわ。ははは……。

 

 

おわり


こんな長い感想読んでくれてありがとうございました。

最後にすべてをまとめたSCE2の記事を出す予定なので、しばらくお待ちください。

ではでは

 

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