恋色空模様の表現力のなさ
『恋色空模様』の記事をこれまで書いてきた。一つ目は私の価値観を優位にした批判を、二つ目は物語の価値観を優位にして一つ目の批判が批判足りえるのか探ってみた。
詳細は当該記事を見て頂くとして、
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『恋色空模様』の記事をこれまで書いてきた。一つ目は私の価値観を優位にした批判を、二つ目は物語の価値観を優位にして一つ目の批判が批判足りえるのか探ってみた。
詳細は当該記事を見て頂くとして、
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続きを読む<恋色空模様・一連エントリ>
作品における『失敗』を「作品が描こうとしていたものを作品自ら阻害しているもの」と定義する。自ら反目し、矛盾を引き起こし、障害と立ちはだかる要素要素が存在する時それらを『失敗』と呼ぼうと思う。
では『恋色空模様』にそんな『失敗』はあったのだろうか?
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<恋色空模様・一連エントリ>
『恋色空模様』の何がダメなのか、どこが引っかかり批判したいのか語っていく。
今回は「読者の価値観」に優位を置いた意見を提示し、後日「物語の価値観」を踏まえて本作の批判は批判足りえるのか探っていきたい。(以下、外在的な語りなので注意)
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2006年にアリスソフトから発売された本作は、ランスが織田信長家の影番を務めながら全国統一を目指す『地域制圧型戦略シュミレーションゲーム』である。
北は北海道から、南は鹿児島まで進軍しては地域から金を巻き上げたり、その大金で雑兵施設を建造したり、敵武将を説得して仲間にできる自由度の高さがウリだ。
そして自由度が高いだけではなく、1ターンに2回しか行動できない部分や、敵勢力を知るために[斥候](=投入した味方はこのターン行動不能)する必要がある「制約」の部分もうまい。
「もっといろいろ行動したい」「もっと味方を投入したい」という欲求は中々実現できず歯がゆい思いをするだろう。しかしそれが次ターンの"引き"になっており、「次回は万全の兵力で伊賀に進軍しよう」という具合にあれよあれよと時間を投入してしまうのである。
気付いたら2時間とかザラだ。
『戦国ランス』はそんな「できる事とやりたい事が多く」かつ「制約」が咬み合っているのでとても楽しい。楽しいのだが、一気にプレイしてしまうことも多いので土日などはぐったりする程に疲れてしまうこともあった。
一周目を終えたときなんか既に三周目をプレイしているような達成感がそこにはあり、「ゲームクリア後の特典」「別ENDもあるよ」とメッセージが流れても「いやいやもう結構ですから」(結局全END見ましたが)と思っちゃうくらいにヘトヘトになる感じだった。
私はランスシリーズは『鬼畜王ランス』しかプレイできていないが、『鬼畜王ランス』時の織田信長/お香さんのキャラデザの比較や、五十六さんほんと変わってないのね(!?)とか、ゼス・リーザスの仲間が登場したときの「お久しぶり」感が味わえたりもした。そういった昔懐かしいキャラクターに加え、徳川家は天麩羅大好きな妖怪たぬきが牛耳っていたり、上杉謙信はもろ女の子だったりと俗説・史実を織り交ぜたユニークなキャラクターたちも必見である。
特に徳川家のたぬき一味はほんっとーに可愛い!最高!なにこの愛玩動物! もう可愛すぎて彼らの各種 [???]エピソードは癒やされたぞ。家康を天婦羅で仲間にしたあと天井裏でスねる忍者たぬきとか、鈴女に馬乗りされて喜ぶ変態たぬきとか、ずっとぐうぐう眠ってる足軽たぬきとかニヤニヤしてしまうじゃないですかこの野郎っ。
特にお気に入りエピは、ランスが眠っているとき自分を湯たんぽにする忍者たぬきのお話。なにこの子……可愛すぎ……可愛すぎっ。私のところにも来てほしいなあ、と切に願うなど。
あと鈴女ちゃんの底知れない包容力や、見当かなみちゃんの簡単に好意抱いてくれないつんつん力、独眼流政宗の愛らしい目玉姿、アギレダちゃんの呆れた表情などとにかく好きになっちゃうキャラが多いこと。
『戦国ランス』のゲーム構造からして登場人物の過去・内面は特別掘り下げられないのだけれど、でもちょっとした発言や態度、小話、見た目でお気に入りになりやすかった。これってすごいことだなと思う。
独眼流政宗とその仲間たちのハイコンテキストな会話は私には全く分からなかったけど、分からなくてもいいしわからないなら分からないなりに楽しもうと思えるところもいい。「分からない」ことが障害になりにくいのがランスシリーズの「世界観」だと思う。忍者、魔人、妖怪、和文化、モンスターの生態系、各々の人脈などなど。ごっちゃ煮のなんでもありだからこそあらゆるものを引き受けられる器の広さがここにはある。
私は81時間で大まかなCG・エピソード・イベントを見終えたのでゲームを終えた。まだ集めきれてないものも少しあるが、これ以上『戦国ランス』に触れると(楽しいが)疲れてしまうのでやむをえなくといった感じだった。
1周目でぐったりし2周目でげっそりするくらいに疲労感が半端なく――でも楽しい……っ!――の2つに羽交い締めにされる感覚お分かりになるだろうか。この疲労を踏まえてでもおすすめしたくなるSLG作品なので是非やって欲しいなと思う。そしてぐったりしてください。
ちなみに公式HPにて『ボス林のランス日記』という企画記事がわかりやすく(かつ面白く)戦国ランスを説明してくれているので必見。本作がいかなる作品なのかより分かると思う→http://www.alicesoft.com/rance7/special.html
私的満足度:★★★★(4.8)
擬似客観視:★★★★(4.5)
以下、ちょっとした雑感(ネタバレ注意)
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