宙ぶらりんになってしまった『秋空に舞うコンフェティ』を紹介

 

"そして明日の世界より――"で有名なetudeの第三作『秋空に舞うコンフェティ』は、ちょっぴりの伝奇要素と演劇を主軸にした青春ドラマです。

みんなで一つのことを目標にし励む姿、お芝居をすることの面白さ、そんな部活動の中で育んでいく恋慕であったり不思議な事象の数々が本作の魅力。

そしてなんといっても徹底的に描き込まれたCGの美しさや、eufoniusが奏でる豊かなBGM、木の葉が舞うといったアニメーション演出。この3つは劇中の「秋」の季節感をこれまた見事に具象化させてくれています。


OPムービーでもそれは伝わるんじゃないでしょうか。


www.youtube.com

(いいOPです)

 

 

1)キャラクターの説明

 

『秋空に舞うコンフェティの公式ホームページ』応援中です!

奏衣(かなえ)CV鈴田美夜子


行き倒れてる所を主人公に救われた少女。性格は人懐っこいため好かれやすい人物だと思うのだが、生来の"高音"ボイスによって好き嫌いが別れるヒロインになっている、かもしれない。

(私はきつかったです…)

 



『秋空に舞うコンフェティの公式ホームページ』応援中です!
安藤沙夜(あんどうさや)CV真中海

演劇部では脚本・演出を担当する3年生。先輩。雨の日に出会った神秘的な少女―――なのだが後日再会してみればばっさばっさ強気な物言いをする別人として主人公を戸惑わせる。

 



『秋空に舞うコンフェティの公式ホームページ』応援中です!
上城雪(かみしろゆき)CV須寺すばる


演劇部では役者・照明を担当する2年生。同級生。結ぶリボンの色によって性格が「内気」「活発」「クール」「妹キャラ」に変わる面白いヒロイン。原理は謎。

 



『秋空に舞うコンフェティの公式ホームページ』応援中です!
佐倉七海(さくらななみ)CV澤田なつ


演劇部では衣装を担当する3年生部長。先輩。性格はおっとりしてて包容力をかもす主人公の幼なじみである。二人で一緒に乗る自転車は青春の1ページ。

 

   ◆

 

ちなみにどのヒロインも「見てくれ」は好きですが、性格といった内面を好きになったキャラクターはいませんでした。こちらに訴求してくるほどの可愛さ、魅力が全員無かったと言っていいかもしれません。だからこんなにもあっさりとした説明なんですねわかりまます。

何故かというと……

 

 

2)恵まれた「秋空に舞うコンフェティ」

 

そんな美しい作品外形に本作は恵まれつつも、基板であるストーリーが破損している為になんとも微妙な読後感を覚える作品であります。

 

まず、登場人物がなぜその登場人物であるか、なぜ君は君であるのか、の背景が描かれないので「表面的なキャラクター」という印象がまとわりついてしまっています。例えば主人公が必死に勉強してまで一人暮らしする理由、医学知識を有している理由が最後まで深く語られませんし、同じようにヒロインである沙夜先輩がプリンを好いている理由、剣崎将斗が主人公の妹を好いている理由も言及されません。

あれほどまでに彼らは対象を「好き!」と言っているのですから、それに伴う過去エピソード・練度の高い考えがあってもよいと思うのですがやっぱり何もありません。よって中身がなく、器だけの、そうそれはまるで書き割りのような人物達に見えてくるのです。

 

これはキャラクターだけに留まらず、物語の世界観だってそうです。

プレイ冒頭で出会う見知らぬ少女はどこか異常で、無口で、神秘性を帯び、傘をささず雨に濡れ、不思議なノートを落としていく。そのノートにいつの間にか、すっと、文字や線が浮かび上がるそんなノート。

そこから『秋空に舞うコンフェティ』なる物語はははじまるのですから、その見知らぬ少女とノートは重要なファクターであるはずですが、、、もちろん「そんなもんたいして意味なんて無いよ」と言わんばかりに最後まで納得のいく説明はありません。

後に出会った見知らぬ少女――沙夜先輩――はその日のことを覚えていませんし、何故覚えてないのかもやっぱり語られません。

こんなことを何度も繰り返せば、薄っぺらく、空虚で、中身がくりぬかれたような印象を本作が帯びてしまうのも無理からぬことなのかもしれません。あらゆる要素の繋がりが緊密ではなく緩くて弱い。言い方を変えればどこまでも要素要素が "宙ぶらりん" なんです。

 

キャラクターの外形的可愛さ、CG、音楽、演出はどこをとっても高水準なのに……ストーリーが………。

ほんともったいない……って思っちゃいます……。

 

 

f:id:bern-kaste:20150930162153j:plain

(秋空に舞うコンフェティ.etude)

 

 

3)好きなシーン


 4年前にプレイしたので記憶がおぼろげですが、好きなシーンはですね、そうですね、そうですよあれですあれ、あれ思い出せない。アレー。

 

 

 

4)本作はどんな人に勧められる?

 

『秋空に舞うコンフェティ』は、「etude作品に興味がある」「秋or演劇or伝奇を題材にした作品をやりたい」「微妙ゲーキボンヌ」って人にオススメです。

ここまで書いてきたのでわざわざ言うまでもないでしょうがシナリオがあまりよくないということを念頭に置いてもらえればいいと思います。

 

ちなみにAmazon価格でなんと1700円! 9500円の作品が1700円!! もうこれは買うしクラスの皆には内緒だよ!!!(白目)

 

 

 

ここまで書いておいてなんですが、そこまで嫌いな作品ではないです。機会があれ誰かとガッツリお話したいかも。本記事で記述した悪い面も含めて良い面も探っていきたいです。

興味あればプレイした感想を頂けるとうれしいかもしれません…笑

 

関連記事→おすすめギャルゲリスト。一言レビューもあるよ