満足度:★★★(3.0)
すべては現在という瞬間から始まっていますの
プレイ時間 | 14時間 | ||
---|---|---|---|
面白くなってくる時間 | 無かったかな…… | ||
退屈しましたか? | 半々ほど | ||
おかずにどうか? | 使え……る? | ||
お気に入りキャラ | 宮代花梨 |
公式HP:消滅
「水月」のポイント
・ 伝奇物語
……うっ、今回はなにかしらのポイントっていうのが見つけにくいです。おすすめしたい人は、なでなでされたい人でしょうか。(なんて適当な)
人物について
牧野那波は伽藍堂をイメージしてしまうくらい、中身に何も詰まっていないう印象を抱かせる。感情が鈍くも"薄い"、そんな風に。……なんだか蝋人形と話している感慨さえ浮かんで来る。それくらい那波ちゃんは人間味が希薄すぎる。
だからあまり興味を持てないし、好奇心を抱けない。良く言えばミステリアスだけれど……むむ。ただ、伽藍の心には色々なものを詰め込めるっていう希望があればいいよね、とは思う。
花梨はなんだかお姉さんって感じだよね。いやま幼なじみなんだけれども、ちょこっと姉御肌が垣間見えるといえばいいんだろうか。面倒見はいいし、気が利くし、何より頼れそうで頼れないちょっとした"ダメ"さがキュート。そういうところにきゅんとくる。身体的接触がかなり多いせいか、もうめっちゃ可愛い。
雪さんは絶対的肯定者。一秒了承ならぬ、0秒肯定みたいなね。共依存の関係に近く二人で一緒にいたら二人とも堕落し墜落するそんな甘くも苦しい関係になってしまうような危惧を覚えるものの、ここまで絶対的に肯定されるとすごい幸せ。なでなで。
アリス。アリスは張り詰めた風船みたいで、ちょっと尖ったもので挿せば心がパンクしちゃう危なさがあって、側についていなきゃと思いを抱かせる。常時ツンツンでデレがちょろんとだけなので、ちょっとだけ疲れるかもしれない。
マリアちゃんは正直どうでもいい。(あっさり)
というのは悲しすぎるので……んーなんていうか、こういう「おっとり」「気弱」「無害」な人間にあまり惹かれないよなあというのを再認識したなと。強気な人間が私は好きなのですよ。(っていうと語弊があるのだけれどだいたい間違ってないところが悔しいっ)
泉水ちゃんって一体?……っていうほど影が薄い。好きとか嫌いとかなくて、もう無関心に近い。興味が持てない、というかメガネは要らないのよ?……。。。泉水ちゃんもまた「おっとり」って感じでどうもむーとなってしまった。
<!>ここから本編に触れていきます。
今
瀬能透矢は真白な病室にいた。目覚めた。目覚めてすぐに自分がなぜ入院しているのか……何故記憶が無くなっているのか……そんな現状を咀嚼し始めた。家族である雪さん、父親。友人である花梨、庄一、和泉ちゃん、牧野さんのこと、そして今から昔のこと全てを忘却していた。
過去がないことの不安、そして過去を執拗に攻め立ててくる周囲の人間によって透矢の心は真綿を締めるように殺されていく。
記憶喪失でいちばん辛いのはなんといっても"自分を信じられなく"なることである。現実が嫌いになったり、人間不信なんてものはそれに比べれば屁でもない。何故なら自分が自分だと認識できるものこそが、記憶だからだ。記憶の連続性こそが自分の自我を保証してくれるし、他人の自我の担保になる。
例えばAとBの人格が、互いに入れ替わったとしよう。Aの肉体にBの精神が入り込み、Bの肉体にAの精神が入っている状態である。
肉体A(本当はB)、肉体B(本当はA)
さてこのとき私たちは何をもって、その二人が"二人"だということを認めるだろうか?
「たとえAの肉体にBの人格が入っているんだとしても、AはAだろう」なんてことは言わない。Bの肉体に入っているAこそが"A"そのものだと言うのが常だ。
分かり難いなら、雪さんの肉体に花梨の人格が入ったとしよう。もちろん花梨はいつものように喚き蹴ることを厭わない。雪さんの肉体で、気性の荒い行動をし、雪さんの肉体で花梨しか言わないことを発言する。
そしてここで問う。果たしてそれは琴乃宮雪なのか?あるいは宮代花梨なのか?と。
私は答える。たとえ雪さんの肉体だろうが、中に入ってるのが花梨ならばそいつは"宮代花梨"だ。このように私たちがその人間を、"そいつだ"と思っているものは記憶の連続性に沿った人格というべきものに他ならない。
そして透矢には、その担保とでも呼ぶべき記憶が無い。過去から続く今の記憶の連続性が欠損しているということがいかに辛いか分かるか。「自分」を保証してくれるものがない圧倒的な恐怖と、内在世界の崩壊してゆくギシギシと締めるつける破滅の音を……。
僕が、明日この世界に存在しているのかどうか――
この世界が明日まで存在できるのかどうかだって、わかりはしないじゃないか。少なくとも、僕に、昨日なんて世界は存在していなかったんだから。
――透矢
ゆえに透矢は"自分を信じられない"という状況に陥る。過去を思い出したとしても、その過去は本当にそうなのか? 妄想やただの想像じゃないのか? そんな不安がどうしても過ぎってしまうものだ。
そんな自分が不安定な状態に陥っているにも関わらず、彼の前には「過去を迫ってくる」者がたくさんいる。弓道をしつこく薦める花梨、友達を強調する庄一、好奇の目で見る弓道部員、異常を見るかのように取り扱うクラスメイト―――。
花梨「ねえキミ、このままでいいの? 記憶を取り戻したいんでしょう。忘れて、できなくなったからってやめちゃったら、キミがキミじゃなくなっちゃうよ」
透矢「僕は、僕だ……」
花梨「…違うよ! 透矢は、そんなふうに逃げたりする人じゃなかった。弓道だってすごく真剣に取り組んでいて、途中で投げ出したりしなかったんだから」
「俺は花梨がおまえと親友でいられるのは弓道があったからなんだ。それまで否定しちまわないように、気をつけろよ。悲しいだろ、そういうのって…」
――庄一
それはまるで「早く本物の瀬能透矢を返してよ」という言葉と相違ない。花梨も庄一も口には出さないだけで、自分達が知っている透矢がは戻ってくれればいいなと本心では思っている。弓道が上手く、勉強も出来るいつもの瀬能透矢にと。
でもじゃあ、今、記憶喪失になっている方の瀬能透矢はどうなる? 彼らの態度は遠回しに、今の透矢の死を願っていることと等しい。それは地獄だ。自分じゃない自分、暗に否定され続ける今の僕。そんな苦痛にも近い懊悩を透矢はかかえつづけることになっている。
ただ時にその心を壊せされてゆく無能感は、恋人と今の時間を積み重ねることで解消できたりもしたが……、しかし一歩間違えると透矢の心はぺちゃんと押しつぶされる結果を招く。
みんなの優しさに甘え、自分の影を追いかけ、汗を流してきた、この一ヶ月。
けっきょく、僕に何ができたんだろう? 悔しかった。僕が、事故になんか逢わなければ、もう少し何かができたかもしれない。そう思うと、今の自分っていう存在が、とてつもなく無駄で、どうしようもないもののようにすら思えてきた。
僕は、瀬能透矢に、なれない。
なんなんだろう、僕は、
なんにもわからない世界に放り込まれ、辛い思いをして。
――透矢
もしも、僕が記憶を無くしていなかったら。今頃は、試合に勝って、みんなに、もてはやされていたんだろうか。
もし夢の中の彼女を射抜かずに済めば、夢は続いて、僕と彼女に、新しい未来が開けていたんだろうか。
いくつも転がった可能性の、いちばん、どうしようもないところに僕はいるのかもしれない。誰から必要とされるでもなく、ただ、瀬能透矢っていう男の、入れ物として存在している。(中略)
もう、いい…逃げたりしないから、早く目をさましてくれよ。本当の僕。なんでもできるはずの、僕じゃない僕。
――透矢
慢性的な無力感が長く続いてしまうと、人の心は蝕まれてしまう。最後には"人間が閉じ"たり、魂そのものが損なわれてしまう。だからこそ透矢は「本物の瀬能透矢」を願い、「早く目覚めてくれるよ」と現実から逃避してしまうのも、彼が"損な"われた結果だと言っていい。
記憶を失った透矢がこんな最悪の結果を招かない為には、いったい何が必要なのか? さっき少し触れたが、それは"今"の時間を積み重ねるしかない。
もっと正確にいえば、"今"だけを見続けることをしなければいけない。過去がどうだとか未来がどうだと拘ってしまった時点で駄目になる。牧野健司が忠告したように、過去に執着しすぎれば彼は壊れるのだ。
だからこそ、花梨には今の透矢を見てもらう必要があるし、心がぺちゃんと潰れそうになったとき、雪さんが今の透矢を肯定することで彼は立ち直ることが出来る。雪さんはいつだって"今"の透矢を認めてくれた。弓道が下手で無知で無能な彼を。
「花梨さんのことはわかります。ですけど無理をしてはいけませんよ。いま頑張らなければいけないのは、これまで透矢さんに頼り続けてきた他の方たちなんですもの。花梨さんだって、それについては同じですよ」
「でも、それじゃあ!」
「それじゃあ、なんですか?」
雪さんの手が、僕の頭をぎゅっと抑え込んだ。顔をうずめた彼女の胸は、柔らかくて、あったかくて、
「それじゃあ、僕がなんのためにいるのかわからないよ……」「幸せであるためにですよ。ね? 雪と一緒に考えましょう。透矢さんが、そんな顔をしなくて済む方法を」
――雪、透矢
そう水月で語られているのは、"今"だけが確かなことだということだ。大事なのは過去じゃないければ、未来でもない。ただただ一瞬一瞬過ぎ去っている今だけが本当に存在していているんだということ。だから"今"この瞬間を、必死で生きなければいけないと何度も何度も語っている。
BADENDになってしまった原因はなぜか?
―――透矢が今を必死に生きなかったから。
花梨は何故毎回那波の予知*1を無視し舞を踊るのか?
―――花梨は未来じゃなく今を生き抜こうとしているから
なぜ那波はなんども無限退行の話をするのか?
無限退行は「死」という概念の刷新するものだ。普段私たちが使用している死とは終わりという意味であるが、無限退行に沿った死とは"終わらない"という意味になる。つまり、死という「未来」なんてものはないってことを訴えているのである。
―――つまり未来なんてものは無い。
死は未来の象徴だろう。でもそれがないのだとしたら? 未来がないとしたら? それは"今"だけが確かなことに他ならない。
那波「それで…もしも、その意識が、最後の最後――つまり、死の瞬間にある現在の自分に追いついたら、どうなりますか?」
(中略)
那波「死の恐怖に直面した時、意識の中で、人生をもう一度やり直す。つまり、再び記憶を一からたどり直すというものがあるはずですわ。同じ人生をたどってきて、同じ死の恐怖に直面した以上、脳は同じ判断を下すはずですもの」
(中略)
透矢「でも、それって物理的に死ぬまでしか続かないよね」
那波「理屈では。たとえば、コンマ何秒の世界で、そういったやり直しが、何万回もできるとしたら、どうでしょう?」
透矢「そうなると、半永久的にくりかえせるんじゃ…」
那波「ええ。さかのぼっていくと、どこまでもさかのぼっていけますわ。けっきょく始まりがどこかを証明する手段はありませんの」
那波(ナナミ)はこうも言っている。過去――現在―――未来の構図は間違いで、線上構造の世界に私たちはいないのだと。そうすべては今から始まっているのだと語っている。
「ですから、すべては現在という瞬間から始まっていますの。未来が自分より前のもので、過去が自分より後ろ、ではありません……現在以外の事象はすべて、未だ来ぬ時、という意味では、すべてが未来と捉えるべきでしょうね」
――那波
そして、過去なんて無いんだということも何度もしつこく。
「ええ。わたくしは、生まれた瞬間から、この年齢で、こういう記憶を持っていたのかもしれませんわ」
「極論だね」
「そうではないと、どうして言い切れますの?」
「少なくとも、僕はここでナナミが倒れていたのを覚えている」「ですから、その記憶が確かなものだと、どうして言い切れますの?」
――透矢、ナナミ
過去というものが本質的に証明できなく、無限退行によって未来というものが失われたならば残るのは今だけだ。"今"だけが確かなことなんだよ。 何度も言うが過去もないし未来もない、あるのは今その瞬間だけだ。
ならば今、ここにいる、一瞬一瞬の自分だけはどう生きればいいのだろうか?
一生懸命、その一瞬を生き抜くしかないんじゃないか?
花梨√で弓道の大会があったのを覚えているだろうか。そこで宮代花梨は実力を出しきれなくて泣いてしまった、そんな彼女に透矢はこう言う。
透矢「頑張れ」
花梨「…っ…ひっ…く」
透矢「頑張れ、花梨」
花梨「頑張ってきた! きたけど…」
透矢「じゃあ、もっと頑張ろう」
花梨「ひどいよ、なんでそんなこと言うの?」
透矢「僕も頑張るから。一緒に頑張ってほしいんだ」
花梨「透矢…」
透矢「いつになるか、わからないけど、引けるまでやってみるから」
あの場面で花梨に「頑張れ」なんて言葉はとても酷だ。だって彼女はずっと頑張ってきたからこそ、本番に実力が出せない結果に悲しみを覚えていたのだから。でも透矢はいう「もっと頑張ろう」と、そして自分もまた弓矢を頑張るからと繰り返すのだ。
花梨√はこの「頑張れ」が最後まで貫かれている。マヨイガで透矢はナナミに向けて"弓を射る"場面がある。これは今まで怖くて弓を射ることが出来なかった透矢が、花梨に支えながらも自らを奮い立たせ最後はナナミを射殺すのだ。
花梨「透矢…頑張れ」
透矢「花梨…」
ここでも頑張れが繰り返されている。まるで頑張ることこそが、よりよい未来に行けるのだと信じてやまないように。
「がんばれ―――」
「応援するくらいなら、返事しようよ…」
「僕もがんばれ、ってこと」
まだ、何をしたらいいのか、誰のことが好きかとか、よくわからないけど、自分の生きる世界、みんなのいる、この世界が好きだ。
だから僕は、もっとこの世界に生きたい。もっと、いっしょうけんめいに勉強をして、弓道をして、恋をして―――
辛いこともたくさんあるけど、そうやって、生きていこう。
――牧野、透矢(牧野那波√)
「頑張れ」が最も印象的なのはここだろうか。
牧野那波√の最後、最後の一日に那波とセックスをし新しい世界へと移行したその後の世界。この世界では那波は元気いっぱいで溌剌な女の子になっているんだけれども、そこで透矢は言うのだ。
「いっしょうけんめいに生きよう」と。
『水月』の<核>はとてもシンプルだ。今その瞬間しか生きられないのなら、一生懸命に生きるしかないということだ。
過去もなく、未来もなく、自分が見ている世界は常に移ろいゆき、変化していく。今いる世界が前日の世界と"同じ"保証はどこにもなく、また翌日の世界が、今いる世界と"同じ"確約もない。
そんな可能性世界に生きるってことは、私たちが認識している以上に、透矢の現状は本当に【今】だけなんだよ。【今】を一生懸命生きなかったら、BADENDのように後悔をまき散らしながら、たられば論を口にするだけの日常になってしまう。あの時こうすれば……あの時あれをやっていれば…そうやって死ぬ瞬間まで未練を口にするだけの人生は嫌だよ。絶対に。
そしてこれは実存を再起する方法でもある。つまり記憶喪失になり、自分というものを見失ってしまった瀬能透矢の心を再起させるには、今を一生懸命生きる以外他ににないっていうことだ。
過去に執着してしまうから、自我が破損していく。未来を想うから恐怖を覚える。ならば今しかない。今だけを見続けるしかない。過去も未来もない確かなことは今だけ、そんな認識に移行すればいい。
それと人間を担保するものが記憶の連続性と先に語ったが、水月では記憶以外にも「想い」という概念でその人物の担保にすることが出来るみたいだ。
夢の中の僕は、消え行くまぎわに、いつもこんな気持を味わっていたのかもしれない。僕を夢から覚ますために、あの少女を射抜き、消えていかなければならない運命を呪って。
だから、僕に夢をつないだ。牧野さんへの想いを。
彼女がこの町を訪れたことも、僕らが友達になれたことも、僕が、彼女に気に入られ、彼女に強く引きつけられたのも、
すべての夢が、未来へつながっているからなのかもしれない。
――透矢(雪√)
「わたくしたちは、きっと惹かれ合っていますの。ですから、夢が覚めても、その先の夢でまた出会えますわ。その中にはわたくしたちが繋がる未来も、またあるはずですもの」
「また、会えるのかな?」
「いつも、私たちは出会っていますわ。いままでもこれからも、想いは必ず、いつかどこかにつながっていくんですもの」
――ナナミ、透矢
僕はまた、こんな悲しい夢を見てしまうのかもしれない、キミのいない夢だって見てしまうかもしれないけど、いつか出会うキミに笑ってほしいから、これからも一生懸命つないでいくよ。
浮かんでは消える、僕の夢。
はるかな未来の思い出を―――
今いる世界が終わったとしても、そして次の世界で記憶が連続していなくても、「想い」という感情だけは繋いでいけたのかもしれない。透矢たちは。
だから牧野那波√のtrueで、瀬能透矢はすごく楽しそうに笑って「いっしょうけんめい恋をして勉強をして弓道をやって生きていく」と言えたんじゃないだろうか。おそらくあの透矢も記憶喪失だと踏んでいる。記憶が無いにも関わらず、「今を肯定し今を全力で生きれる」のだから凄いと言わざるをえない。
今回はほんとうにまとまらないね。でもいいかな。水月に好意感情が無さ過ぎて、どうもうまくいかない。
水月―――今を全力に生き、想いを繋げ続けた少年の物語。
――――――――――――――――――
――――――
――
はいここから感想です。
いやー…なんだろう…正直あんまり面白くなかったですね。どこかが悪いってわけじゃなくて、単純にどこが面白いんだろう?っていう感想を持ちました。
ビビッと来るところが無かったというか、本当に好き><っていう人物もいなくてある意味泣きそうになった…。
それと『水月』は不可解な部分が多すぎて、「うーん?」ということが多かったです。下の記事でも言ったんですが、私は考えるのは苦痛ではないけれどでも面白くて考えるのか/難解だから考えるのは別物なんですよね。
→考察エ口ゲは、「考える」から面白いというわけでは無いのかも
つまり『水月』に散らばっている様々なことを考える楽しみは湧かなかったということです。
……あとは―――備忘録として『水月』の要素要素と、不可解なところリストアップしてみました。
+++
・透矢が持つマヨイガの写真
・道祖神をやたら気にする透矢(餅つき=性交?)
・病院で昏睡している父親を一度も見舞わない透矢
・少年透矢とナナミが交わしたあの日の約束
・雪と那波は「あの日の約束」によって生まれた存在
・突然増えるぬいぐるみ部屋
・那波を勉強会に呼ぶことを忘れてた4人。(那波をうまく認識できていにない可能性)
・雪の包帯手さばきが異常に上手いため、大勢の負傷者を手当していた可能性
・雪の身体性の異常について(赤い目、薬が効かない、知能が飛び抜けてるなど)
・透矢と雪が共有している過去記憶(小さいころの雪と透矢の思い出)と、雪さんの生まれた経緯との矛盾
・無縁墓地
・風船ウサギ
・怪 (脳では認識でない「なにか」、存在を定義できないものの総称)
・山ノ民
・涙石(=想いの具象化)
・涙石の半減期と水
・無限退行
・常世の門
・水月(=すべてのものごとには形がない)
・マヨイガは"世界が生まれる場所"と牧野健司は言った
・ナナミの存在を否定することで、今現実は「夢」となる
・岩で塞がったり塞がっていなかったりする鍾乳洞の入り口
・魔法とは信じること、魔力とは受け入れること。魔女とはこれを方法論として確率している行使者の名前。
・アリスの問いをはね除けてしまうと、翌日アリスとマリアがこの世界には存在しなくなってしまうことについて。
・海底にある神殿と大量の涙石
・廃校舎(戦後すぐに廃校にしたりと不自然な点が多い)
・牧野健司は防空壕をシャベルで掘り返し、宮代神社の裏門に度々足を運んでいた。
・牧野健司の母親は父親に売り飛ばされた。(彼はそのことを殺されたと表現)
・牧野健司の目的は母親の体内にて魂となり同化すること
・牧野健司の母親は山ノ民であり、牧野那波もまた山ノ民である
・大和神社のご神体が「梓弓」。
・2週目で"現れる"大和鈴蘭は、透矢が創造した?
・夏休みがあけた途端に目を覚ます透矢父
+++
すごい久しぶりに、「いまいちだった」という愚痴で作品対話を誰かとやりたい気分です。本当はつまらない所とか、いまいちな部分を言語化するより面白い部分に目を向けたほうがいいとは思うんですけど、でもまず最初にこの鬱憤を吐き出さなければ前へ進めそうにない……泣
あとこの記事を投稿するのはおそらく2014年5月25日前後だと思うんですが、水月終わったのは4月4日だったかな?…。もう時間経ちすぎっていうか、どれだけ感想書くの遅いんですか!みたいなヤジが飛んできそうですねはい。
(あとセーブ欄20って足りないんだなって思いました。カツカツ;;)
実を言うと、「水月」の感想を書くのが嫌で嫌で仕方無かったんですよね。「もうこんな疲れる作品の感想とか書きたくないよばか!」みたいな感じで、他のゲームに逃避してました。いやー『デンシャ』とか『大図書館の羊飼い』とか。
そのせいで2ヶ月近くかかってやっと総括感想(=この記事)を出せるようになったと。長かった…ほんと長かったですよ……。
特に共通感想は本当に苦痛でした。思考ガリガリ削られるし、水月の昏い雰囲気に心をあてられてモチベーションガリっと削ぎ落とされたりした、んですが、結局最後まで感想書いてみると得るものが多くてやって良かったなとは思っています。
ほんと結果論ですけど!
なんか『水月』の記事書いてて思ったのは「愛が足りねえなあ……」ていうこと。もう明らかに他の記事より適当ですし、投げやりちっくな雰囲気が漂っている(漂っているよね?)
物語をもう一段階昇華させるには、そもそも"熱"がないといけない。大切だとか好きだとかそういう感情が根底にないと、そういうのは描けない。でも難しいなあってことでした。
話変わって、那波ちゃんのお話で出てきた「無限退行」の概念がやばい!(管理人の語彙不足)
思わず「EUREKA!」と叫びたくなりましたよ。実際文字では叫んでいますが、それくらいに知的興奮を覚えたのですね。これはタダ事じゃねえなと。なんでかっていうと、死ぬっていう概念が「死なない」になるってことだからです。
ここはもう長いし説明するのがめんどくさいので本文読んで貰えればなと。
私の目の前で、今、死んだ人がその瞬間に"無限退行"を起こし精神世界で全人生をもう一度やり直しているのだとしたら? そして私が死ぬその瞬間に"カチッ"とスイッチが切り替えられるように人生を無限ループするのだとしたら? そりゃこれはすごい!楽しい!ってなりますよ。
そういえば鈴蘭ちゃんだけ「人物について」取り上げてないことを忘れていた。(一応未プレイの人の為に情報制限だったのよね)。
鈴蘭ちゃんの「わはー!」だけで一日頑張れるよね!あれ聞いているだけで元気になってきすもん不思議ヾ(>ワ<)ノわはー!
それではこのへんでおしまいです。
ばいばい。
またね。
水月記事
この記事を投稿した一ヶ月後に書いた水月記事↓
心に残った言葉
「何かひとつ、自分をつなぎ止めるものを持つことですわ」
「要するに、大切なものや好きなものですね。楽しいことでも良いですし、けっきょくは自分にいちばん都合のいい世界が現実になるものですわ」
――那波
……僕が、幸せにしてあげたいな。
そんな、子供のころは気にもとめなかった、無数の夢の、ちっぽけなひとかけら。それが魂の抜け落ちた体を見つけ、ひととき、いたずらに足を止めてみた……僕は、そういうものなのかもしれない。
―――透矢
アリス「どうして人間は神様を信じられなくなるかしら? どうしてサンタクロースがいたらいけないの?」(中略)
アリス「いないほうが、より自然だから。あなたがさっき言ったように、何億もの人間が生きているのに、神様を観たなんて人はほんのひとにぎり。サンタは親の変装。 だからって、いないことの証明にならないわ。たまたま本物に会えなかっただけかもしれない」
透矢「…アリスが言っているのは、へりくつだよ」アリス「そうね。でも、確かに天動説はひっくり返ったのよ。反論できなくなるほどのへりくつを積み重ねた結果ね」
「死んだらおしまいなんだ。生きているから出来ることがあるんだ。この子は生きているのよ。だから、それだけは忘れちゃいけない。自分にも等しく振りかかる死から、目を背けちゃいけないの。
それは自分の生を否定することだから」
――アリス
【書きかけ途中のメモ】
(でもおそらくもう書くことはないと思われる)
雪√が顕著だが、目が覚めたら別の世界にいた―――という世界を行き来してしまうのもまた「今だけが確かなこと」いうメタファーだろう。A世界からB世界にいっても、透矢が出来るのは今その瞬間を生き抜くことだけしだからだ。
そして前世界を否定した場合、次の世界ではその前世界の記憶は保持されないようになっている。それは夢になってしまったからだ。水月では夢とは認識できない存在ゆえに、覚えられないと語られている。だから透矢が前世界のことを覚えていなかった場合はその世界を否定したものと見ていいはず。
【那波√】
自我が崩壊した那波がいる世界から(マヨイガ)→元気いっぱいの那波世界
【花梨√】
マヨイガで那波を射抜く→花梨舞で倒れたのは熱中症になっている世界。
そして逆説的に「記憶を保持したまま次の世界に行けた」場合は、透矢自身が前の世界を否定しなかった/否定したくなかったと観れないだろうか。
【雪√】
目が覚めたら雪さんがいない→目が覚めたら雪さんいるものの祭り前の世界→雪さんがいない世界で目覚め彼女を追い求めるようにマヨイガに乗り込む透矢
【花梨√】
マヨイガでナナミを射抜く透矢達→透矢だけマヨイガの出来事を覚えている(後にナナミの息が吹き返す)
~~~
おわり。
<参考>
*1:本当は予知ではないが、花梨たちは那波の予知による警告だと思っている