誰かを好きになるってステキ!凍てつく恋愛ADV「天使のいない12月」を紹介

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 恋って

 

素敵だ。

誰かを好きになることは心が満たされるし、好きになってもらう事は自分がここにいてもいいんだって思わせてくれる。想い人との逢瀬は甘く、心地よく、こんなにも幸せでいいのかと桃色時空にて精神が溶解し始めたりもする。もちろん痛いこと、辛いこともあるけど、それらを帳消しにするほどに恋って素晴らしいものだよ。

――そんなふざけたことを素面で言ってしまえる程に「恋」っていう概念は高尚で崇高なものになってしまっている。

売れないミュージシャンは路上で恋の素晴らしさを叫び、大衆小説は恋がいかなるものかを語り、テレビドラマは人を好きになることが人生を豊かにするかアジテーションしている。そして恋愛脳であるあーちゃんはお外を走りながら結婚の申し込みをしていたんだ。私知ってる。

誰も、彼も、考えなしに恋愛の良い部分を抽出し、訴えかけ、あまつさえ誰かを好きになったことがないなんて可哀想! 恋を知らないなんて人間じゃない家具だ! と言われる始末。

でも、恋愛って、そんなにいいものだろうか? 

お前らが声高に叫ぶ幻想はいつだって嘘で塗り固められたどうしようもないもののくせに、一体いつになったらその脳天気な頭は現実を見据えるのだろうか。そんな我々の怒りに応えてくれるのがADV『天使のいない12月』なのである。

パチパチパチ。

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