【批判】Clover Day'sというセクハラゲームがほんとうに辛い(そこを抜きにしてもツラい)【レビュー】
(1)クロデイに対するうんざり感はどこからくるのか
女の価値は胸!尻!外面!―――主人公はそれを事ある事に俎上にあげてはヒロインにセクハラをし(その時分に流行った面白くもなんともない)パロネタとホモフォビア(=同性愛者嫌悪)が蔓延しているのがギャルゲーである。
というのは言い過ぎにしてもこの傾向はこの媒体にあるし、特に「萌えゲー/キャラゲー」と分類されるジャンルにおいてよく見られるのも確かだ。しかしだからといって、“だからといって” (私は)それが悪いと思わない。作品の倫理観はそこに独立したものであって、その時代の読者と合うこともあれば合わないこともあるのだから。
その読者の倫理観に合わないからといって、イコールでその作品はダメとは限らない。
しかしそれでも程度問題はあるし、あるいは私が許容できないラインがあり、それを越せば「なんだこれ?」と思うのも必然である。本記事はそういった前提において、本稿管理人の許容できなかった部分が、どのようにして、許容できなかったのかを記していく。
a,数分に一度はレッツセクハラ!それがクロデイ流さ
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『ふしぎの城のヘレン』はノンストレスな戦闘が楽しいRPGでした(フリゲ感想)
私的満足度:★★★★
おすすめ度:★★★★
(*2016/03の下書きを今頃になって投下する人がここに)
フリゲを漁ればいつでもどこでも名前が出る『ふしぎの城のヘレン』。ようやく重い腰をあげてプレイしたんですが……あ、面白いぞこれ……。
まず戦闘が楽しいです。敵と自分に「行動待ち時間」が設定されていてそのコストの差によってどちらがより早く攻撃できるか、あるいはわざと攻撃を受けて大技を繰り出すかといった戦略が必要になってくるんですね。
それも「使用するアイテム」ごとに――また技コマンドのようなもの――にも「行動待ち時間」が設定してあるので尚更戦いに深みが増しています。
これがその戦闘の様子です。ご覧あれ
上の動画見てピンをくる人もいるかもしれませんが、本作は主人公のステータスではなく「アイテム」が強さを決めるRPGです。
つまり強いアイテムを持っていればいるほど戦いが楽になりますし、有利に戦局を運べる。なので使えるアイテムを探そう!と躍起にもなりますし、その探索過程・入手時の喜びがダンジョン攻略のモチベーションを上げているのです。苦じゃないマップ探索は良いRPGの基本要素。
またモンスターを倒す度にEXP(経験値)が貰えるんですが、これは主人公のLvUPに使われるのではなく、入手したアイテムの強化にEXPが使用される。
となれば敵とのエンカウントも「また戦闘かよ……」ではなく「勝って経験値ためるぞ!」と動機を刺激されるゲームデザインになっています。
他にも本作のいいところはたくさんありますが、ここではこの2つを推してみました。4-5時間でクリア可能な、短編RPGですので(しかし満足度は高いのです)よければこの機会にどうでしょうか。
DL先→http://www.geocities.jp/i_to_may/
フリゲ・他記事
ゲームを好きな今と、それを壊した過去の自分へ「SCE_2」感想。(8997文字)
物語は朝焼けの色みたいなもので、ただそこにあるだけのもの。(3347文字)
当たり前のことだが、物語を「見る」ことと「語る」ことは違う。
全然違う。
「見たもの」は語れないし、語ったとしても「見たものを語った」というふうに落ち着いてしまう。赤色を見たときそれを「赤色だ」と言うことは出来ても、赤色の感覚を言葉には出来ないのである。せいぜい◯◯のようだとか、△△に似ているとかそんなふうにしか語れず言葉に置き換えた途端 "見たもの" はまったく別物になってしまう事が分かるだろう。
実際の世界と、紙の上の世界は違う。
物語を見るとはクオリア(=感覚質)であって、それを感じる事はできても、(完全な)言葉として表現するのは不可能なのである。もちろんこの「見る」を「読む」に置き換えても同じだ。
映像媒体だろうが、文字媒体だろうが、音楽媒体だろうが、それを"読"んだ際に生じるテクストは――『果つることなき未来ヨリ』の言葉を借りれば――「それは朝焼けの色みたいなもの、ただそこにあるだけのもの」と言えばいいだろうか。
「悪いね、アタシも言葉には出来ない。朝焼けの色を説明できないのと一緒さ」
――アイラ/果つることなき未来ヨリ
『CARNIVAL』の生を、『ナツユメナギサ』の多幸感を、『ギャングスタ・リパブリカ』が到達した真善美に――一体どれほどの言葉を尽くせというのか。何千何万もの単語を連ねても "それ" に全く届かないことは誰でも分かるはずではないか。
こんなのは至極当然のことであって、今更述べる必要なんてないのかもしれない。
多くの人は作品と批評を区別できているし、批評を読んでても「言葉の上で表現したらそうなるよね」と理解しているし、そこを踏まえた上で「言葉の上の楽しさ」を味わっていると思う。
・・・ほんとにそうだろうか。
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