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猫箱ただひとつ

物語追求blog。アニメ、マンガ、ギャルゲーを取り扱ってるよ

あの夏に揺り動かされてここまでやってきたんだ―ナツユメナギサ―感想

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朝、夢はまだ覚えてる。

 

あやふやな輪郭をしつつも、けれど確かに幸せな夢を見ていたことに気付く。

 

朝だ。今日も頑張らないと。

 

何事もない顔で布団をたたみ、パンを切り、ベーコンを焼いて朝食にありつく。もぐもぐ。学校に行って、退屈な勉強をこなす、やっぱりつまらない。友達とお喋りしながら長期休暇の計画を立てる。夜。帰宅。そしたら夢のことなんて忘れてしまっていた。

 

「朝見た夢って、なんだっけ――」

 

きっと夢とはそういうものだ。微かな海風の匂いだけを残して、他の一切合切はすーっと消えてしまう。幸せな夢であればあるほど、どこか遠くへ行ってしまう。

例えその夢を覚えていたとしても、夢は夢だとみんな割りきっていく。執着することも恋焦がれる必要なんてない。だってあれは現実じゃない、夢なんだ。

 

いつかは忘れるものだ。そうやってみんな生きていく。

 

でも私はその「夢」を絶対に忘れたりしない。いつまでも覚えてた。なくさずにここまでやってきた。いろんなことがあって、いろんな悲しいことがあったけど、あの夏は確かにまだここにあったよ。渚。

誰もが忘れたとしても、私は忘れない。忘れるなんて無理だよ。だって見てしまったんだ、憧れてしまった。心に響いてしまった。微笑む向日葵畑を、太陽の熱線で輝くかき氷を、そしてとけていった海を―――絶対に忘れない。

 

あの夏に揺り動かされてここまでやってきたんだ。

現実かどうかなんて本当は関係ない。誰がどうかなんてどうでもいい。私だけがちゃんと覚えていればいい。忘れなくない思い出がある。覚えていなきゃいけない過去がある。だから私はこれからも頑張れるし、まだ歩けるはずなんだ。無意味なことを繰り返して笑われてもそうやって生きていくしそうやって生きていきたいって思う。

 

だから

 

――忘れていい夢なんて、ないはずなんだ

 

 

行こう、渚

 

君がいた夏

 

――Prologue『ナツユメナギサ』

 

 

ナツユメナギサ

 

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