猫箱ただひとつ

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なぜ『去人たち』のレビュー・感想はこんなにも少ないのか

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<去人たち・一連エントリ>

1)『去人たち』考察―白痴と、精神病者の狂騒劇―

 

今回は本作の感想記事を漁っていたときにふと思ったことを、語っていきます

ネタバレ注意

 

なぜ『去人たち』のレビュー・感想はこんなにも少ないのか

 

他の人の『去人たち』の感想が気になっていたので手当たり次第に探すことにしましたが、やけに少ないですよね?

まとまった感想は――Google検索だと――片手で数えきれてしまいますし、知る人ぞ知るフリゲだとしても2007年に完全版が公開されたこと、そして2016年3月に新作『去人たちZERO』が発売される*1ことを踏まえますと、もう少しプレイした人のレスポンスがあってもいいような気がします。

私の体感上「少なく」感じるだけと言われればそのとおりですが、ハマる人にはガッツリハマる狂気ゲーだと思いますのでがががーっと書かれた狂気的な長文レビューとか、猟奇的な考察記事とかあるのかなと思ったら特に無いのが不思議だなと。

(参考リンク)

 

選別していると思うでしょ? でも違うんです。検索してみるとこれくらいしかないの。(あくまであり程度まとまった感想という条件ですがね)

さらに2chwikiもそれぞれ読んでみましたけど『去人たち』について――さらっとした感想はありますけど――活発的なやり取りや記述はなされていませんし、β版の時期も含めて既に10年以上の歴史がある作品にも関わらず、なぜこんなにも批評・議論がなされていないのかとやっぱり思っちゃいます。

(参考リンク)

 

この現状を見るに、やはり多くのプレイヤーは途中で脱落し、歌穂たちの思惑どおり最後まで読むことができなかったのかもしれません。

あるいは『去人たち』が求めたものが監視者の監視の仕方の変革だとすれば、このレビューの少なさ、wiki2chの充実度の低さはそれを裏打ちするものかもですね? つまり物語の中身について語ることが出来なければ、大方のプレイヤーはこんなふうに語ることが覚束なくなるんだろうなということであり作品談話やブログといった感じたことをまとまった言葉にする場ではその傾向が顕著に現れるのかもしれません。Twitterみたいにだらだら語るよりは、ある程度道筋の通ったことを言わなきゃいけない心理的敷居が高そうなのではないかと。

そしてそれは『去人たち』が望んだ結末だったんだろうなとさえ。

参照→『去人たち』考察―白痴と、精神病者の狂騒劇―

 

 

私の想像があたっているならば、その意味で奇異な作品だったなーと思います。

だって大抵の作品って「読まれるもの」と創造されるものですが、これは「読むことを拒んだ」作品ですから。それも物語という体裁を保った上で理解されることも共感されることも望んでいないときている。一歩間違えれば、最後まで誰にも読まれることがなかった可能性だって(少ないでしょうが)あったかもしれません。

世の中にはドラマが始まる前のプロローグをひたすらに淡々と描き続けるごくごくごく「ふつうの小説」があるらしいんですが――ちょっと名前忘れてしまったたもののそれもまた文学的実験的手法で描かれた有名作品――『去人たち』の実験的手法(=マニエラ患者の方法論)がそっちに振り切っていればひたすらに長くプレイ時間1000時間くらいに盛り込んだこともあったのかなと思うと恐怖ですね。さすがにそこまでやられると本当にクリアできなくて私だったら投げてしまうので。逆に言えば歌穂ちゃんたちはこっち路線で攻めればよかったのにね。そしたら私達監視者なんてイチコロだったのに。そしてさらにシニフィアンシニフィエの隔絶が施され「物語の中身」が知覚化困難なものに仕上がっていたらもう手も足も出せませんよこのやろう!(七凪風)

  ◆

作品批評において「外形」を注視して語る人もいます。映画批評とかアニメ批評とか「映像」が中心の作品媒体においてはその傾向は強いですし、文字媒体である小説でやる人もいるんですが、私の観測範囲ですとコレやれる人少ない印象です。それくらい外形を語るのは難しいのでしょうし、知識も必要なんですが、案外単純に「外形って語っても面白く思わない」人が多いから語る人が少ないだけなんじゃないかなって気もします。

私自身「外形」目線で作品を見ることはあるんですが(うまく語れない人ですけどね)、あんまり楽しくないですものねー……。なぜならそれは作品を「機能的」にどういう効果があったかを言葉にするわけで「物語」ではなく「商品」として扱うことですから。外在的な語り。その意味で、とても冷たい語りなわけです。

 ◆

・・・って

ちょっとそれは恣意的な考え方ですかね? では別の考え方をしますと、例えばそもそもフリゲ作品ってこれくらいのレビュー数であって少ないと言って いるけどこんなもんだよとか、そもそも『去人たち』は有名でもなんでもない知る人ぞ知る作品なんだから批評空間でデータ数が17、フリー夢幻でレビュー0 だとしても仕方ないのだよとか。そういうことなのかもしれません。

むむ……どうなんだろ。

なんにせよ、あと三倍くらい感想記事あったら私は嬉しかったなと思います。プレイした人は有瀬も言ったように是非ホームページで感想書きましょー! と思った日でした。

(了)

 

<去人たち・一連エントリ>

1)『去人たち』考察―白痴と、精神病者の狂騒劇―

 

 

 

*1:※どうやら販売ではなくフリー公開することになったようです(2016年3月29日時点)