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『Flyable Heart』 感想_普通で、なにげなくて、あたりまえなこと(3245文字)

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 Flyable Heart Memorial Edition

 満足度:★★★★(4.0) 



『傷つくのに、どうして好きになるの? そんなの不条理だよ』




<!>ダブル生徒会にまきこまれちゃう学園ラブコメADV

  プレイ時間   28時間
  面白くなってくる時間   30分くらいからでしょうか
  退屈しましたか?   してないです
  おかずにどうか?   使えますます!
  お気に入りキャラ   九条くるり

+++

原画 いとうのいぢ(伊東雑音) , ぺろ(Pero) , 笹倉綾人(サブ)
シナリオ あごバリア , 市川環 , 風間ぼなんざ
音楽 水月陵(KIYO)
声優 小倉結衣(稲羽 結衣) , 遠野そよぎ(水無瀬 桜子) , 宮沢ゆあな(皇 天音) , 茶谷やすら(九条 くるり) , 藤森ゆき奈(雪代 すずの) , 涼森ちさと(白鷺 茉百合)御木もも(マックス) , 青葉りんご(早河 恵) , 木島宇太(皇 奏龍) , 宗川梗(皇 千羽耶) , 桃山悟亮(八重野 蛍)
子太明(葛木 茂樹)
歌手 水月陵(KIYO)(主題歌「Flyable Heart」EDテーマ「もう始まっている、未来。」 )
その他 市川環(原案・原作) , @ピース(原案・原作) , どせい(ムービー)

公式HP│ Flyable Heart

 

Flyable Heart」の3つのポイント

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 ・ 終始ニヤニヤしっぱなしの萌えゲー 
・ 全くダレない 
・ 生徒会が二つ存在?!

 

Flyable Heart Memorial Edition

 

<!>ここから本編に触れていきます。

 

 

 

 

 

あたりまえの『特別』なこと

 

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葛木晶は花火の事故をきっかけに、別の世界へ飛んでいってしまう。その別世界は、自分が何十年も過ごしてきた元の世界となんら変わらないよく似た世界だった。

しかし、やはり別世界は名前の通り、元とは「別」の要素がちゃんとあったのだ。大きな違いは主に2つ。1つは稲葉結衣という女の子の存在していること。2つ目は、水無瀬桜子が元気に学園に通っているということだった。

この重大な差異は、あまりにも大きく違う為に葛木晶は気づけない。元の世界と今ここにいる別世界を正確に比較しなければ分からないほどに、うまく溶け込んだ要素だった。

そう、"溶け込んで"いる。

本来、葛木晶が十数年過ごしたきた世界は、彼にとっては本物であり紛れも無い「現実」である。そこの世界には、いつも優しく微笑む父親がいるし、友だちや、自分自身が生きてきた痕跡がちゃんとある場所だからだ。

葛木晶が事故によって飛んできてしまった別世界には、今あげた要素は全て消えてなくなっている。晶の父親は死んでいるし、学校の友だちもいないというレベルではなく「葛木晶」という人間が生きていた足跡さえ失われている。

「別世界」では葛木晶という人物は異物であり、存在せずにはいられない、社会不適合者ならぬ存在不適合者に成り果ててしまっている。客観的に見るなら、その世界は晶にとって「偽物」であり「夢」なのだ。

帰れるなら帰りたいと望んでも、きっとおかしくはない。竜巻で見知らぬ土地に飛ばされてしまったドロシーのように、お家に帰るために冒険に出ても不思議ではない。「夢」はいつか覚めてしまうものだし、「夢」だと気づいたなら、最後は一人で還っていくものなんだから元のお家へ。

―――でも、そうじゃない。

「稲葉結衣」の物語で、雪代すずのは、葛木晶に選ばせる。元の世界という自分の生きてきたしるしがある場所か、それとも夢の世界で見つけた『特別なもの』がある世界

どちらの世界で生きていきますか? と。

葛木晶は苦渋の果てに選びとる。大好きな結衣がいる世界を。稲葉結衣がいて、稲葉結衣と一緒に生きていこうとそう思えたからだ。葛木晶はちゃんとした意志を持って、「元の世界に帰らない」ことを選択した。

「一緒に絵本、読みましたよね。

あの絵本の最後、主人公の女の子はお家に帰りましたけど……。銀の靴を脱ぎ捨てて、そのまま大好きな仲間と魔法の国で楽しく暮らす……」

「私、そんなハッピーエンドが、あってもいいと思うのです」

―――すずの

 

すずのちゃんの言葉は、こう言っていると思うのだ。

例え、「夢」の世界であっても、本来自分とはなんら関わりのない場所であっても、その場所で、その時間で、「特別なもの」を見つけてしまえば、夢だとか偽物だとか虚構だとか現実だとか本物だとか、そんなものは関係なくなってしまうんだと。

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―――『Flyable Heart』の世界は、まさにそんな感じだ。

「現実」も「夢」も存在しない。その二者に明確な区分など存在しないとも言わんばかりに、夢の世界と元の世界が入り混じっていく。シームレスに、つなぎ目など見えなく、境界線なんて微塵も感じさせなく本当から嘘へ、嘘から本当へ入れ替わっていく。それはグラデーションのように色が変わっていく。

そして自分が今、この時間軸上に、立って、生きている世界で見つけた『特別なもの』は、ちゃんと未来へと繋がっている。無くしたりなんかしないし、手放したりなんかしない。



様々な不幸の連鎖によってくるりが消失してしまっても、

積み重ねてきた桜子との思い出が虚構のふちへ追いやれても、

兄と妹の想いが入れ違いになり断絶しようとも、

元の世界を捨て去ることになっても、

好きな人との関係がより一層滅茶苦茶になっても、

例え、今この時間にすずのが存在していなくても―――――

もう未来ははじまっている

だって、今この時間は、夢だろうと現実だろうと明日という時間へ繋がっているのだから。

 

 

この場所で、この時間で、見つけた。
普通で、なにげなくて、あたりまえの

特別なもの。

 

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Flyable Heart』―――時間を、世界を、何度飛び越えようとも『特別』だと思えた心は未来へちゃんと届けることが出来るよ、っていうそんな物語。

 

 

 

――――――――――――

 

―――――

 

 

 

 

やり直したいですか?

 

 

銀の靴を使えば、

最初からずっと、いつでもお家に帰れたんですね


そうだよー。

でもそれだったらかかしさんや、

ブリキの木こりや、ライオンさんと仲良くなる事もなかったんだよ



みんな願いを叶えたんですね

 

 

 これは奇跡でもなんでもなくて、ただの幸福な偶然にすぎません

 

 

途中で、

それぞれ勇気と、知恵と、心を欲しがっている仲間に出逢うの


でも、いろいろな冒険の間にみんなそれぞれ成長していってね、

最後にわかるの

 

ほんとうはわかってないだけで、

勇気も知恵も心も、自分の心の中にちゃんとあったのよ

 

 

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はい、感想です。といっても、個別記事としてすでに5つ書いているので、よければこちらもどうぞ。

  1. 白鷺茉百合 【考察】 (19111文字)
  2. 稲葉結衣+α 感想(11569文字)
  3. 皇 天音 感想(11353文字)
  4. 水無瀬桜子 感想。(10327文字)
  5. 九条くるり 感想。(4554文字)


そういえば「いとうのいぢ」さんのエ口ゲって、なんだかんだ言ってやってないよね? と思い立ち「ななついろ★ドロップス」と共に買ったのが『Flyable Heart』でした。

値段も1500円以下というリーズナブルなこともあり、さくりと購入しちゃいました。あまり期待してなかった……というとちょっとあれですが、そんな低い期待を裏切る程に、ニヤニヤ祭りでした。もうね、くるりんと茉百合さんが可愛すぎて、やばーいのでした。

くるりんの、照れ照れ顔とか、「しょー」と呟く姿は……もう堪りません。茉百合さんは、ギャップ萌えみたいな感じですかね?……素顔を晒したときの衝撃度がすごかったですよほんと。希望と絶望の相転移によって引き起こされたエネルギーは、終始笑い続ける結果を生み出すほどに!笑

物語もダレず、面白く、ワクワクしていたので、大満足です。うんうん! FDは珍しく買っちゃいますます。

 

Flyable CandyHeart
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心に残った言葉

 

 

『傷つくのに、どうして好きになるの? そんなの不条理だよ』

――――くるり

 

"虹の向こうの空は青く
信じた夢はすべて現実のものとなる"

―――虹の彼方へ

 

 

『両手に抱えられるものって、案外少ないんだよ。だから…

大事な人の全部を、ぎゅっと抱きしめてあげなさい』
―――でも、それが許されないことだったら?
『誰かに赦されたい?』
―――……。
『違うんだよ。自分を許してあげるんだよ』
『精一杯、大事な人から離れないように。ぎゅっとしてあげられるように』
―――葛木茂、晶

 

 

「そんなこと、どうして私が答えなければならないの?」
「だって、わからないじゃないですか。人の気持ちなんて、やっぱり全部わからないから」
「―――!」
―――だから、相手の気持ちがわからなかったら、いつでも聞いてみたらいい。

(茉百合、晶)



終わり! またね!

 

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  1. 白鷺茉百合 【考察】 (19111文字)
  2. 稲葉結衣+α 感想(11569文字)
  3. 皇 天音 感想(11353文字)
  4. 水無瀬桜子 感想。(10327文字)
  5. 九条くるり 感想。(4554文字)

 
<参考>

Flyable Heart Memorial Edition

 

 

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