『自分の時間を取り戻そう』を去年に読了。
これは "時間がない" 母親、管理職、起業家、フリーランス――4つのモデルをつかって「生産性を高めれば時間はできるよ」をわかりやすく説明したもの。とはいえ方法論はシンプルでも実践説明はあくまでも概略であり、そこまで具体的ではないが、個々人によるタスクは千差万別なため一人一人トライアンドエラーを繰り返して最適化していくしかないからだろう。
今回はそんな生産性についてではなく、本書でさらっと触れられた集中力について。
誰にでも1日は24時間ありますが、今の私にとってはその中でも「一定レベル以上の集中力で頭を動かすことが可能な4時間」が、他の時間よりも圧倒的に貴重です。
――『自分の時間を取り戻そう』著:ちきりん*1p113
著者はなんでもその4時間に、思索、構造化、スケジューリングといった(他の時間ではできない)複雑な作業を割り当てるのだとか。
そして思うのですね。私自身はそんな時間あったけ? 集中力が満ちている時間帯はいつなんだろ?と、すぐ答えられなかったことに軽くショックを受けました。
なのでこの6ヶ月、どうすれば集中力は高まるかを調べ、実行し、まあ効果はあるんじゃない?と思ったものを書いていきます。もちろん個人の体験ベースを出ないのでそこはご了承を。
(1)食べると頭がぼーっとする
手軽なため朝は「グラノーラ+豆乳」だったのだが、これらを摂取すると脳がうまく働かず、ぼーっとすることが多かった。脳機能が(主観で)3割落ちるかんじ。
バナナ、オレンジといった果物に置き換えても同様の現象が起きたので、もういっそのこと何も食べないでみるとピタリと止んだ。
逆に卵といった脂質・タンパク質の比重が多い食品だとこうはならない(なりにくい)ので、糖質による血糖値の乱高下が原因かもしれないとあたりをつける。
糖質制限をすこしばかりやってみるものの、夜眠れなくなったのでストップ。どうも炭水化物を抜きすぎると(セロトニンやメラトニンは生成されず)睡眠の質が悪くなり、ドライアイ、運動パフォーマンス、甲状腺機能低下を導いてしまうんだとか。なので朝は糖質抜きで、夜にがっつり食べることで解決。
(2)腸内環境をいたわる

【第2類医薬品】ザジテンAL鼻炎スプレーα 12mL ※セルフメディケーション税制対象商品
- 出版社/メーカー: グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン
- 発売日: 2016/06/13
- メディア: ヘルスケア&ケア用品
- この商品を含むブログを見る
腸内環境は脳に影響を及ぼすみたいで、そこを改善するプロバイオティクス(=腸内細菌)を取り入れたり、荒らす食べ物――小麦/豆類/アルコール/加工食品――を排除してみたところ慢性的な脳の「もや」が晴れる現象を実感した。
うまく集中できない、うまく考えられない、といった自覚症状があるひとは食生活で改善できる可能性がある。かも。
またさんざん苦しめられてきた花粉症も改善してしまった(!)ので、ちょっと驚いている。
アレグラで誤魔化してきた7年間はなんだったんだと……ミカンの皮とヨーグルトをミキサーしたものを飲むといいよと聞いて何の効果もなかったあの日々はなんだったんだと……免疫機能が暴走してうんぬんのメカニズムはなんだったんだよと……。
今までだったら12月頃からずるずるしはじめ、2月~4月はノアの箱舟よろしく鼻水大洪水状態になるのがデフォルトなんだけど、今年はいまだに花粉症の兆候はみられない。
滝のような鼻水も、薬による副作用に戸惑うこともなくなり*2、結果集中できる時間が増えた。
時期的にまだ予断は許さないものの、それでも例年よりはるかに健康である。食生活ってだいじ―――そんな見直しをはかったのが「一週間を乗りきるずぼら料理リスト(随意更新) 」である。
お酒大好きな人なので、ちょっと寂しいけどね。でもアルコール飲むと花粉の症状いっきに出るので、やめるしかない。
(3)朝起きてから3時間
「朝活」という言葉が一時期流行っていたが、たしかに脳のはかどり具合が違う。私は6時頃に起きるので9時くらいまでは集中力がクリアな感じ。
しかし前日の睡眠の質が悪いと、意識はぼやけ、眠くてたまらない、という残念なパフォーマンスになってしまうので睡眠ってやっぱ大事。
- 「寝る一時間前に湯船につかって体内温度をあげる→下げる」
という定番のテクニックをつかうと簡単に眠れるので個人的に愛用している。
(4)カフェイン130mg+オイル
カフェインが脳に効くのは有名なところ。
ただどうも50mgでは効果がなく、100~150mgほど摂取しなければ注意力はあがらないらしい。コーヒー粉10gでカフェイン65mgなので、まずは130mgで飲んでみると有意に「これ脳に効いてるな」とわかる。
飲む前後でここまで変化が分かる食品は珍しい(と思うので)、カフェインってすごい……。
ちなみに乳製品をまぜるとカフェインの効きがマイルドになり、抜けるころの疲労感をおぼえなくなるのだとか。どうも脂肪分の影響みたいで、ヨーグルトやバターをいれてコーヒーを飲む人が増えたのはそういう面もあるのかな。
気になったのでココナッツオイル(大さじ1)を、コーヒー(カフェイン130mg)と乳化させて飲んでみるとたしかに効きが違う。あきらかに違うのでちょっと楽しい。
私的な感想だと、カフェインによる疲労・焦燥感はなくなり、飲んでから5-6時間は注意力向上の効果が続いた。2ヶ月ほどほぼ毎日このやり方で飲んでいるけど今のところデメリットは見られない*3。ただバター(大さじ1)だと効果はわかりにくい気がする。
カフェインは継続すると耐性がつくとのことなので、定期的にカフェイン断ちするとよりいいのでしょうね。
(5)強度の高い運動
汗がだらだら流れ、息が整わないくらいの運動をするとその日一日は生き生きし、らくに集中できる。これってなんだろう? と思っていたところ、EPOC(=運動後過剰酸素消費)が増え、運動後も代謝があがった状態になるからなんだとか。
ただそんな運動を毎日できるかと言われればそうではないので、難しいところ。
しかし短時間で運動のメリットを最大化するHIIT(=高強度インターバルトレーニング)――タバタ式、7分間ワークアウト――は10分以内に終わるので取り入れやすいはず。
▼
――7分間ワークアウト(https://www.nytimes.com/interactive/projects/well/workouts/)
実際、ここ数ヶ月7分間ワークアウトを試しているんだけど結構いい感じ。
30秒運動→10秒休みのサイクルを12回行うもので、メニューのほとんどは自重トレーニング(椅子だけ使う)、7分で完了する手軽さが特徴。
時間計測はアプリをつかうと楽。


どうやらこのエクササイズは「10段階で考えて8程度」の大変さなので、たしかに最初はすこし辛かった思い出。(辛くないと意味はないものの)
ただ慣れてくると単なるウォームアップにしかならなくなるので、その時はもう一回増やすか、上級者Verに切り替えたり、きついメニューに各自カスタマイズすればいいのかなと。私は最近スクワット→プッシュアップを交互に繰り返したり、ハイニーランニングをタバタ式(4分)でやってますが、やはり辛ければ辛いほど、運動後の活力感は高まるなーと。
(6)チロシン500mg
ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンといった「やる気、集中力」の材料となるアミノ酸。
私の場合500mgを投与すると、一時間後にカフェインとはまた違った集中の高まりを感じるものの、カフェイン(130mg+オイル)よりは劣るかなと。一日に500~2000mgの摂取は問題ないので、量を増やすとまた違うのかもしれない。
基本的な栄養素が足りていないとチロシンは効果が発揮できないとのことなので、毎日の食生活を整えた上で取り入れるものとなりえそう。
段落SKIP
読書・他記事
*1:ちなみに著者のブログはこちら Chikirinの日記
*2:アレグラもザジデン(鼻炎スプレー)も耐性できて効かなくなっていたし、使用するとやや眠くなる
*3:胃が空っぽな時にコーヒーを飲むと胃酸が分泌されて負担がうんぬん……といった話をきくが、私の場合はとくに問題なかった。