猫箱ただひとつ

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ギャングスタ・リパブリカという先天的物語保有者~生きるとは相手の■■をぶっ潰すこと~

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(1)物語を選んだ“後日談”

 

この続き。

 

CARNIVALはひとつひとつ取り払い、こなかなは精一杯の物語を信じた(+魔女こいにっき.11eyes)

 

物語を信じることは――時に――難しいが、もしそれが出来たのならば迷うことはなくなる。それはイコールで『幸い』ではないものの、十分な指針と満足感を得ることはできるだろう。

だからといってもちろん、辛くないわけでもない。

adv『ギャングスタ・リパブリカ』では、主要ヒロインは「選択」という過程を経ることなく物語を保有している者たち。救世主、悪の器、子どもの世界―――それらは生まれた場所、育った文化によって次第に形成されていったものと考えるほうが妥当だろうが、彼女らはそれらを変更・否定する兆しを微塵たりとも見せないことから「生まれ持ったもの」だと錯覚するほどである。

「……そもそも、趣味や特技や思想など、本質的に自分で決められるものじゃない」

――シャールカ・グロスマノヴァ/ギャングスタ・リパブリカ

 

シャールカが言うように、思想は本質的に自分で決められるものでないとすれば、同様に勝手に変更できないものとも言える。実際に物語をどんなに非難されようとも頑なに(おそろしいほどに頑なに)彼女らは手放さない。

ならばそれは “先天的” といっても差し支えないだろう。

 

「今私は、村人から、社の娘として尊重されている。だけどそれだけの扱いでしかない」

「それでいい。統治者を理解することほど、衆生にとって不幸なことはない」

「私は決めた」

「孤独であろうと」

「孤高であろうと」

「孤絶してあろうと」

「それが、統治者としてあるべき姿だから」

 

――凛堂禊/ギャングスタ・リパブリカ

 

凛堂禊は救世主を目指す。

遷宮の民の不幸を取り除き、幸を与えると誓った。そこに自らの幸いがなくても、どれほど辛い道程だったとしても、彼女は“そう”生きることを了承する。

ギャングスタ・リパブリカ』ではそんな気高い女の子を肯定しながらも、その歩みが如何に難しいかを描くのであった。 やはり一人は辛い。生き方に迷うことがなくともたった一人で生きていけるほど此処はやさしくはないからこそ、彼女らは “リパブリカ”(=共和国)を作るのだろう。

――誰も溺れないように

ひとえにそれは「物語を決めた者の“後日談”」としても見れる。(もちろん先述したように彼女らが“先天的物語保有者”ならばそこに選択という過程はないがもっと一般的に)ある物語を選んだ。決めた。それに沿うことはブレが無く堂々と生きることができるが。さりとて幸いに直結するとは限らない、そんな後日談として本作を見てみると面白い。

――少女たちは躊躇わない、

        が容易く溺れゆく。

 

 

(2)お前をぶっ潰す

 

他者と交われば「他者の物語」と「自己の物語」が接触し、相容れることもあれば、反発することもある。

このとき表面上では“なあなあ”で切り抜けることも可能だが――どうでもいい相手ならばそっと席を立てばいい――他者と交じるほどそんな微温的な態度は取れなくなってくる。それは単純にに気に入らなかったり、あるいは深く時間を共有する者であるからゆえに、いかに自分の物語が正しいかと訴え、異なる物語を潰そうと画策し始めるだろう。

それはあまりにも正しい。

なぜなら自分の物語こそが、自分にとって最も大切だからだ。他人の物語なんて塵芥の価値しかなく正直どうでもいいからこそ、自分の物語を侵犯するのならば戦うしかなくなるのである。引いてはいけない。ここで引いてしてしまったら胸の裡にあるガラクタを捨て去ることと同義である。

 

 時守希「反省したか、負け犬」

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――ギャングスタ・リパブリカ

 

――生きるとは自己物語を貫こうとすることであり、それが他者の物語を(意図するか問わず)ぶっ潰す事につながる。この対立の果てに理解が生まれ、相手を認めようと思えるかもしれない。

だが「相手を認めることが大切」なのではなく、「自・他の物語をぶつかり合わせる」ことが最も肝要なのであり、この過程なくして多様性の肯定などはおそらくありえない。与えられた最善の結果だけを盲目的に信じることは出来ても、「なぜそれが大切なのか」を理解する手順を踏まなければ年老いたガラス瓶のように、ふとしたきっかけで、たやすく粉々になる砕けるだろう。

大事なのは結果ではなく、手順を含めた上での結果である。

 

 

(2)時守叶は選択権を有する

 

凛堂禊、水柿こおり、時守希、古雅ゆとり―――は先天的物語保有者だと本記事では仮定した。

そんなヒロインと同じく、本作の主人公・時守叶も(揺らぐことのない)『悪』を信奉するものであり、『悪』であるがゆえに学園の銅像をぴかぴかに磨き、『悪』の為に人助けをする一風変わった男の子である。

ただ彼はヒロインと違い、4人のヒロインの物語のどれに寄り添うかの選択権を与えられている。

ギャングスタ・リパブリカではヒロインは別のヒロインと思想を対立させ、争い、反発する様子を描くのだが、それを見届けた後に叶は"どちらか"の思想を選ぶことを促される。

禊と希であれば、救世主と子どもの世界どちらに寄り添うか。こおりとゆとりであれば、接続性と断絶性どちらに寄り添うか。*1

そんな能動的な行為の先にまっているのは、どんな物語でも――決断する勇気があれば――それは受け入れられるということ。好きか、嫌いか、ではなく“選ぶことさえできれば自己の物語と、他者の物語を、共存させながら生きることを本作は示したのだと。

これは興味深い切り口ではないだろうか? 

 

CARNIVALはひとつひとつ取り払い、こなかなは精一杯の物語を信じた(+魔女こいにっき.11eyes)

 

原理的思考に固執するのは子どもの、子ども地味た考え方に過ぎない。でもね(ギャングスタ・リパブリカ)

果つることなき未来ヨリ考察―『描かない』を描いたアイラ√がただただ美しい

 

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*1:実際にプレイした人なら分かるが、この「選択肢」はとても奇妙で、なんだか、おかしい。まるで叶が「選ぶ」ことにいっとうの価値を与えられているような、そんな違和を覚えるものだ。これは一体なんなのか?なぜアルカディアのアマネでさえも「叶に選ば」せようとし続けるのか?これは俎上に上げるべき価値あるお話だと思う。