猫箱ただひとつ

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ライトでポップな推理ゲーム、ダンガンロンパは面白かった。…のかな?(感想)

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全クリではないですけど、とりあえずクリアしましたので感想を箇条書きで書いていきます。

*ネタバレ注意。

 

 

 部分VOICE

 本作はフルボイスにするのではなく、音声を――「ふふ」「ピロピロリーン」「黙れ」等の――一部分にすることでVOICEに阻まれること無くテキストを読むことが可能になっている。

ボイスがSE的に扱われるので、ボイス独特の雰囲気を出しながらも読みを簡便に出来るのは興味深かった。

ダンガンロンパ』は地の文は少なめ&台詞が多用されているので、その効果を多く期待でき、また普段「全然文章を読まない層」にも苦痛なく読むことを促せるのではないだろうか。

ただその分テキスト描写がインスタントというか、ありきたりというか、上澄みのように深みがないと感じられることも多かった。

ただこれはノベル主体の作品ではないので別にいいのかもしれない。(ちなみに設定で文章速度をかえられないのは、ちょっと驚く。テキストが物語を進行しているのにここを弄れないのねーと)

 

 

 書割り的な世界観

本作は「書割り」的演出で物語を彩る。

舞台背景である木々や、テーブルが、パタパタと展開していくのは見ていて楽しい。

……が、食堂に入れば、部屋に戻れば、毎回同じ演出が繰り返される(=省略されないので)あっという間にその未知の驚きはなくなり、逆に書割り的演出を見せられている時間が長いことにストレスを感じもした。

ああ、やはり異化は大切なんだなと……、

もしくは「グラフィックとタイミング」こそが肝要でグラフィックがいかに目新しいかではなく、それを的確に挟めることが肝要なのだと。

 

 

フラッシュ演出がややつらい

驚き、怒り、怯え――といったキャラクターの高ぶりを「白画面を点滅させて」本作は表現する。

これ明るい部屋のなかだと気に入らないのだけど、私は大体明かりを消してプレイするので、暗い環境下だとこのフラッシュ(=白画面点滅)が辛かった思い出である。一度気になると「なんでこんなにも多用しているんだろう?」と不思議なくらいダンガンロンパは暇さえあればフラッシュ、フラッシュである。

客観的に見れば別にそこが悪いってわけではないのだけど、個人的にはむーんっていう感想。

 

 

ミステリー難度が初心者向けであり、流れを追っていけば犯人の目星は嫌でもつくようになる。

私自身ミステリーに造詣が深いと言われればそうではなく、初心者の部類である。ミステリー小説(≒ノベル)って全部合わせても20は読んでいないはず。

なので本作の「流れに沿っていけば」自ずと犯人がわかるのは、ありがたいと言えば有り難かった。

……のだが、舞園さんの「実は彼女が加害者」や、山田一二三の「死体移動」、大神さくらの「完全密室」はそんな難しくなく解けてしまったので拍子抜けしてしまった感じもある。

(死体は探偵役が直に確かめるまでは確定されない、ノックスの十戒に則るならば完全密室はその通り"完全密室"として考える必要がでる……とかまあそんなふうに考えていくと解けやすい謎だったかなと)

またモノクマの目的も全バレするまえに「デスマッチを見世物」「外の世界から学生は隔離されている(=安全)」「身に覚えない写真は全員記憶を奪われている」と考えていたので、終盤に明かされても衝撃がなくて「うーん、そうだよねえ……」と平常心で流してしまった。

トーリー、事件2つの「謎」は分かり易すい部類なので、もっとミステリー小説読んでいる人は本作辛いのではないか? と思ったものでさえある。*1

ミステリー作品ってあれだ。予測展開に魅力を見出す類のジャンルなんだなと痛感した。

 ▼

eroge-pc.hatenablog.jp

予測と推理は別物だけど方向性は違わない。推理が通れば「当てた自分」に酔うことはできるけど、なんというかただそれだけのような気もする。

むしろ「絶対的に分からない」ほうが私は好きかも。

いくら考えても答えにたどり着けない、ピースは揃っているのに、何かが足りない、答えを開示されれば「あー……そっか……そうだったんだ」と敗北感を味わう方が好き。もしかしたらアンフェアでも全然問題ないのか。(それは過去のプレイ歴からも証明されていますよ(にっこり))

もちろんそれは「個々人の推測力」の多寡によって、当該問題の難易度はトウゼン違ってくるわけなのだけど、他の人はこのゲーム難易度どの程度に感じていたのか気になる所。

 

 

「超高校級」とはいったい?

結局「超高校級」が生きた場面は舞園さんの事件だけで、あとは彼らの才人たる力は強調されなかった。「超高校級」というのはダンガンロンパに寄与していたのだろうか?……単なる記号で、飾りのようにしか思えてならない。

例えば、十神さんは頭のキレた人物だと自ら醸すけど、実際は「なぜ俺にわからないことがお前には分かるんだ(驚愕)」というくらいにキレ者ではない。この程度で理解に至らない十神家とは一体…。

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――ダンガンロンパ

 十神家とはいったい……。

 

 

推理が半リアルタイムで行われるのは、とても面白い

いろいろと不満を言っていたきたけど、

ダンガンロンパの真骨頂は「スピード感ある推理アクション」を実現している事なので、物語、推理、キャラが多少ぬるくても問題ではない。 むしろこれを味わえただけでもプレイする価値はあったと思う。

捜査パートで手にした情報を元に、勘違い/虚偽を行っている人の発言を覆していく。ここでは直前セーブ&ロードは出来ないので、数撃ちゃ当たる戦法で切り抜けようとするとライフが0になってリスタート。

つまりシステム的にちゃんと「考え」ないと進めないようになっているし、考えないまま突き進むと遅々として進まないことにストレスが溜まり始めるのだ。

また答えはわかっていても、投げつける「証拠」と当てつける「発言」が噛み合っていなければ弾かれてしまうので、その意味でも推理力が試される作品である。

それも「リアルタイムに近い状態」で考えることを強いてくるのが最大ポイント。

 

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――公式HP:ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生

 

議論において、自分の主張には本来根拠が求められる。

のだが全く示さず言いたいことだけ言って相手(=苗木真)の反論を待ち望んだり、そしてそこを知らない彼が安易に引き受けてしまい立証責任ばかり負わされる嵌めになるのが、本作が議論というものを皮肉っていて面白い。

また根拠を示せないので議論をめちゃくちゃにしようと画策する――マシンガントークバトル――がシステムとして搭載されているのも痺れてしまった。そそ。まっとうな話し合いなんて幻想で、前提を共有していない**のせいでそれは大抵壊れてしまうよねとしみじみ。

(関連)

 

あとクライマックス推理しかり、おしおきMOVIEしかり、ここらへんめっちゃ凝っていて楽しくプレイ&視聴できましたし、漫画形式も入ってくるの?と驚きっぱなしだった。

(ただ3回目くらいになると慣れてしまったなあと)

 

 

死体はイイもの

 一般的に「死体」というものは忌避されるもので、受け入れがたいものである。親しい者であれば尚更に、積極的に触れたいとは思わないだろう。

 

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――ダンガンロンパ1

血色がクリムゾンではなくショッキングピンクというのが良すぎると思いません?センスを感じる

しかし舞園さんの死体はとても綺麗で、美しいとすら思ってしまった。今まで死体に興奮を覚える人や、価値を見出す人の感覚が分からなかったけど――うっすら――と私にもそれが感覚できるようになってきたのかもしれない。

捜査パートではそんな躯を微に入り細に入り検分するのだけど、【生命活動が停止している肉体】に触れるというのは言い知れぬ体験で……なんだろ……すごい……いいなって。(コワイヨー)

冷え切った前腕を持ち上げて、その重さを確かめる。死んでもなお彼女の頬は陶器のように白くて触れればぱりんと壊れそうであったし、血は液体であることを忘れたのかタイルにかぴかぴに固まっていた。触れる。ざらっとした感触。そういった一つ一つを手探りで確かめることに何か「意味」があるようなことにさえ思える。

このまま適切な処置をしなければ舞園さやかは腐っていくだろう。鼻が曲がるような腐臭を漂わせ、身体の表面にびっしりと蛆が這い回ることになる。けれど今はまだそうではないし、そんな泡沫の時間に居るというのが――それを検分することで理解に達するのが――グッとくるのである。(オマエハナニヲイッテ以下略)

 

 

 おわり

以前からリアル・ネット問わず「やってみて」と勧められてきた本作ですが、ようやくクリアしました。

当時リアルでやたら「それは違うよ!」というツッコミ(合いの手?)を食らっていた時期があったんですけど、会話の流れ的に合っていない台詞でいつも「はい?」って感じで私は流してたと。今思えばダンロンネタだったのねと得心しましたよ。

あのね、元ネタ知らない人間にそれ振り続けるの自己愛の一種だかんね!ね!!(密やかに抗議)

IOSアプリ出た頃に体験版をさわってみたんですが、操作性がiPhoneだと辛い。かといって今更PSP買うのも嫌だったので流れに流れて今年、ダンガンロンパがSteamで日本語対応になったので購入と相成ります。

Steam版では最初から「観察眼」「ランニング」スキルがデフォルトみたいで、むしろ無印版はこの2つを劇中で入手しなくてならないのは面倒くさかっただろうなあ……と。

なので、今からプレイするならSteam版がいいのかもしれませんね。PCでゲームやる人は導入敷居低いですし、操作はマウスキーボードでも問題なし。お好みでゲームパッドに『Joy to Key』で機能を割り当ててもいいと思います。

  ◆

どうやらガチャガチャコンプすると追加シナリオ見れるみたいなんで、そこまではやりたい所。……なんだけどダンロンにもうこれ以上時間や気力は捧げられないかなあ……と。これから二週目するのは辛いわけさ。

「推理アクションシステム」は好きなんですけど、やはり「キャラ」「ストーリー」「推理難度」が私にはぬるかったのが全体の満足度を下げた要因かなと思います。

満足度でいえば★★★(3.6)くらい。

そして1&2セット版を買ってしまったので、ゆっくり、いつの日か2も遊んでいきたいところです。(1より面白いといいんですが)

 

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*1:ちなみにラスボスは「苗木誠」だと睨んでいたのだけど、そこは外れてほっとした自分がいたり。