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猫箱ただひとつ

物語追求blog。アニメ、マンガ、ギャルゲーを取り扱ってるよ

『いつ空』すごいぃぃいいいいッ!!!!いやっほうううう!!

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すごいすごい!

これはすごい!!!

 

いつか、届く、あの空に。感想

ゆったりと、落ち着いた日々を描きながら「特別な家に生まれた苦悩を持つ主人公」と「奇妙な現象」が絡まりあい物語は進んでいく。

頬を染める雪。雲で覆われた町。星空を見たことがない少女達。

不可思議な謎が混在するこの町で、やがて少年と少女は『照陽菜』と呼ばれる問題を一緒に乗り越え、互いに愛情を覚えていく。

そんな田舎恋愛伝奇物語。
そんな予感。
そんな期待は "甘えんなこれはそういう物語じゃねーから" と言わんばかりの2ndOPによってぶっ壊されることになった。

今まで語られてきた『町』とは『巽家』とは『弐壱学園』とは『いつか、届く、あの空に。』を構成する上澄みでしかなかったのだと、これから語られるのはその先の物語だと、そう理解したときこの作品がいかに骨太なのかを我々は思い知ることになるのだ。

その「描き方」がもうたまらない。その「見せ方」にぐっとくる。ラストにあのエピソードを持ってくる所が本当に素晴らしい!

もしも最初から「こうこうこういう歴史を経て、空明市は成り立っているのです」なんて語られていたら、驚きなんて全くもって無かっただろうし、私はここまで評価していなかったと思う。

ひとつの√を読み終える度にかちり、かちりとピースが嵌っていくあの感じ。世界の脈動がどくん、どくんと大きくなるあの感覚。全ての√を読み終えても解消できない謎があり、それを自ら考え、理解できた時の知的快楽がすさまじいからこそ、本作はこんなにも得難い物語体験を生み出すのかもしれない。

もうねほんとすごいよ……。物語の真髄とはきっとこういうことなのだ。

なんにせよいつ空を読めてほんと幸せでした……。よかったなあ……、よかったよぉ……。はぁ……。世の中にはまだまだこういう作品があるのだなと思うと嬉しくなってくる、そう心から感銘できる作品であった。

   ◆

それにしても『いつ空』はかなりリッチな作品だよね。

1stOPに留まらず2ndOP、テキスト形式がシーン事に使い分けられ、「音声」と「文字」が前傾する演出に、数多くのカットイン絵、アニメーションも程よく加えられるって、2007年発売と考えるものっそい力の入れようだと思う。

読んでて楽しい。

ただ「シーン」と「シーン」の間がシームレスに移行する――つまり今誰の視点なのか、どの場面なのかが判別しにくいので――やや理解力が求められるのと、

ぼけーっと読んでれば世界観が分かるわけではないので、常に「考え」なければついて行けない。むしろそれを積極的に行うよう示唆される作品なので、思考することが苦にならない人にこそおすすめできるものかもしれない。

逆にそこに不安を覚えるなら手を出さないほうが無難だろう。

私的満足度:★★★★(4.4)
疑似客観視:★★★★(4.1)

 

※以下、微ネタバレ注意。未プレイだと意味分からないと思うけど、念のため。

 

『いつ空』の良かった部分列挙

 

  • 言語センスがとにかくいいよね……。言葉の "かけあわせ" が巧いというか好きというか。『盒子』とか『双水』とか。
  • 菊乃丸の【声】というか【喋り方】というか、そういうのがいい。他の者と一線を画した言葉のたぐり方が聞いてて楽しい。ああ菊乃丸好き。あやつが喋るとテンションあがる。
  • 策と此芽の(幼少期)婚約指輪のシーン。うるっとしてしまう。あらゆる憧憬を掻き集めたような美しいシーンだとすら思う。
  • ふたみ√の策『解対』で戦闘を見事に切り抜けるシーン全般。燃ゆる。
  • 透舞のん(巫女姿)出現時、どきっとする。(のん様、巫女姿似合いすぎでは?)
  • メメ(パジャマ姿で)寝っ転がってるCG時、なにこの可愛い生き物。
  • 基本的にコノメモノローグは全てかわゆい……きゅんきゅんである。ヒロインがモノローグで喋るとか最高すぎませんか、いやいや此芽さんだからこそここまで破壊力高いのです。
  • 基本的に策が好き。さっくんいいよね……。
  • 傘の圧倒的無双に王の貫禄を垣間見る。
  • ふたみの「ずれ」た会話はにやにやするか、吹き出すこと多し。なんというか人との距離感にひやひやしてしまう。距離感!恐ろしい娘!
  • 静お婆様の首尾一貫とした姿勢が小気味よく、その姿勢を受け止められる策が素敵だと思う。最初は敵対していた静お婆様とお話しすることで「誰も悪くないじゃないか……」ってなるところが最高なわけです。ひいては本作の善悪観が一辺倒ではない所をとても評価したい。(よく敵・味方で白黒分かれてしまうお話あるじゃない。あれは年齢を重ねると耐えられなくなってくるのは、実際は「そうじゃない」ことのほうが多いから。現実は完全な白と黒で二分されているのではなく、グラデーションのようなもので、お互いに"正義"が無いなんてことも しょっちゅうあるのにそれを無理やり分けて、正義は自分にあると信じて疑わない。もちろん以上を踏まえた「懐疑した上での貫徹」を描いてくれるならばいいんですけど、そうではない盲目的な姿勢を見せられたらきっと萎えてしまうと思うんですよね。子供染みた物語だなあと投げてしまうのではないか。そういう意味で本作は「読むに耐えうる善悪観を持っている」と思うのですよ」
  • 伝奇物語だと思っていたら……ふふふ。

 

ちなみに√順番は「此芽→ふたみ→傘」 でプレイ。

本当はふーみんを最初にやろうかなと思っていたんですけど、なぜか此芽さん√に行ってしまいました。結果的にはこの順番が「情報取得」の面では個人的には良いと思っていて、ラッキーだったなあって思ってます。

傘さんに最初に行くことは中々ないと思うのだけど、もし行っていたら「?!!?」の連続だったかも。先に此芽さんとふーみんいっていると「なるほどなるほど」ってなる。

とはいえ此芽√時も「?!!?!」だったので大して変わらないかもしれませんが。

 

 

おわり

本作をプレイしたのは2月だったかな? で、このままだと何も書かなく成っちゃいそうだったのでさくっと仕上げてみました。

考察も(ほんの)少しづつ進めているんですが、この分だと某魔女こいにっきのように結局おじゃんになってしまいそうなので踏ん張りたいところです。

ではまたね。

 

他感想・レビュー

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