読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

猫箱ただひとつ

物語追求blog。アニメ、マンガ、ギャルゲーを取り扱ってるよ

お姉ちゃんになりたいか?……(本好きの下克上感想①)

Web小説レビュー Web小説レビュー-本好きの下克上
スポンサーリンク

f:id:bern-kaste:20161121233410j:plain

本当ならば個別に書きたかったのだけど、だるいのでいっそのこと混ぜ混ぜしていいでしょう。そうしましょう。

ネタバレ注意

 

 

お姉ちゃんになりたいか?……Yes!

 

シャルロッテに出会った時、メルヒオールと顔を合わせた時、ローゼマインは突然「お姉ちゃん」になろうとしはじめる。かわいい妹の期待に応えようとしては立派な神殿長を務めようとし、尊敬してもらうために"できる"お姉ちゃんとして自分を演出するのである。

アラヴの養女である彼女と彼女らは『血』による繋がりはないので立場上は姉妹であっても、実感としては他者といっても過言ではない。(※第一夫人と第二夫人は一括りの家族ではなく別個の家族として描かれているので養女ならば尚更に"家族""姉弟"の意識は薄いのではなかろうか)なのになぜローゼマインは妹たちに対し『お姉ちゃん』であろうとするのか?

答えは簡単だ。

自分より一回り小さい者に「お姉様」「ローゼマイン姉上!」と呼ばれてみるがいい。こちらを慕うように呼びかける声音は心をボールのように弾ませ、保護欲を掻き立てる愛らしさに頬をゆるませば「あ――私お姉ちゃんなんだ」と年長者の自覚を促してしまうというもの。(つまり二人とも可愛すぎる→好き→好かれたい!→立派な年上であらねば!→お姉ちゃんになる!というプロセスが働くのかと思われる)

そう、姉は最初から姉なのではない。 "お姉ちゃん" として外部から要請されてはじめて姉らしく務めようとするものなのだ。(?)

 

「ローゼマインお姉様!」

 わたしと目が合うと、シャルロッテは嬉しそうに笑って、側仕えと護衛騎士と共にこちらへと向かってくる。

 ……お、お姉様って言われた!

 もう「お姉様」という響きだけで十分だった。わたしがシャルロッテの姉になるのに、その一言以外の何が必要だろうか。可愛い笑顔の「お姉様」にズキュンと胸を打ち抜かれて、わたしは感動に打ち震える。

 

――本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ - 初めての妹

 

なによりシャルロッテとメルヒオールの可愛らしさに触れれば、彼女らを甘やかしたくなりては尊敬もされたい。尊敬されて甘やかしたい。ならばお姉ちゃんになるしかないじゃない!そうだよ!!お姉ちゃんになりたいか?なるよなりますよ当たり前でしょ!!

(メルヒオールマジ天使……まじかわいい)

もうねローゼマインが弟と妹にきゅんきゅんするのすごいわかる……。『お兄ちゃん』にはなりたいとは思わないけど、『お姉ちゃん』ならばなってみせるやってみせるという欲望がぐんぐん出てくる。

  ■

 

さて話はどうでもいい方向大きく変わっていく。もしここに「世界一使えない妹」と「世界一使えない姉」がいるとしよう。何をするにしても空回り、どんくさく、成果を上げられない。時として給料以上の損失を出してしまう使えないぶりを発揮してしまう妹と姉。

「もー!世界一使えないなあ!」

と周りに言われるそんな二人。

このとき、どちらがその役割に準じるているかと問われれば『妹』なのだ。『妹』は世界一使えなくても構わない。ダメダメで構わない。駄妹(だまい)おおいに結構。なぜなら妹は庇護されるべき存在で、愛でられる立ち位置だからだ。そして「もう貴方って人は」と言いながらもその後始末を嬉々として請け負うのが年長者なのである。

もちろんそれはそれは"優しい虐待"に他ならなく、妹の可能性を潰す行為にしかならない。教育法としては悪手でしかないだろう。ただ『妹』に求められるのって結局そんなドジだけど可愛い、ちょっと癖がある子だけど可愛い、毎日ごろごろゲームばっかしているけど時折見せる「お姉ちゃん~」と甘えられた声がカワイイ。そんな所が良いのである。(もちろん弟も同様に)

しかし『姉』は違う。頼りにならないお姉ちゃんなどお姉ちゃんなどではないのだ。頼られれば「わかった。私に任せな」と年長者足らんとする懐の深さで包み込んでは実際に成果を上げ尊敬のまなざしを集める。弟が間違っていることをすれば是正し、弟が悩んでいれば相談に乗りては、経験者ゆえの道筋をほのめかす。

そう。下の者が『姉』に求めるのは上の者としての実力と、時には甘えてもいいと思わせてくれる包容力なのである。(ほんとかー?)

そう考えると、妹(弟)と姉の関係ってWin-Winだよね。

 

 

 

 フェルディナンド様可愛すぎじゃない?

 

 

 「あのね、神官長はわたしの後見人として色々と教えてくれて、面倒を見てくれて、奔走してくれるでしょ? わたしのお薬を作ってくれたり、お守りを準備したり、貴族の中で一番……養父様より、養母様より、一応婚約者のヴィルフリート兄様より、誰よりも、わたしのことを大事にしてくれるじゃないですか。わたしが神官長を家族同然に大事に思って当然でしょ? なんでわからないんですか?」

 わたしの言葉の乱れさえ指摘せず、神官長はぽかんとしたようにわたしを見た。

「か、家族同然だと?」
「そうですよ。 神官長って、そういう他人からの好意に関しては結構鈍感ですよね?」
「……確かに気付いていなかったが、基本的に鈍い君に言われたくはない」

 そう言って神官長が口元を押さえて顔を逸らす。見たことがない表情だな、と思いつつ、わたしは言葉を続けた。

 

本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ - 選択

 

 

養父様の言葉にわたしはぐっと拳を握った。自己犠牲ではなく、フェルディナンドが自分の幸せを追求した結果、アーレンスバッハを選ぶのならば良いのだ。

「わかりました。わたくし、アウブ・アーレンスバッハとしてフェルディナンド様が研究に没頭できるような環境を準備します。絶対にフェルディナンド様を幸せにしますから安心してくださいませ、養父様」

 わたしが決意表明したら、ぶはっと養父様が吹き出し、護衛騎士として付いているお父様も笑いそうなのを誤魔化すように何度も咳払いした。ハンネローレ達が「惜しい」とでも言いたそうな顔でこちらを見る中、フェルディナンドがわたしの肩をガシッとつかんだ。

「ローゼマイン、君のやる気はわかった。もういいから黙りなさい」
「フェルディナンド様、ちょっと耳が赤……」
「黙りなさい」
「はい」

――本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ - アーレンスバッハへ

キャー!ローゼマイン様抱いて!////

……なんかもーねあれなんだよ。フェルディナンド様を幸せにしたいという気持ちだけがここにはあって、そしてそんなローゼマインの感情に私自身触れていることに多幸感を感じて仕方がない。なんか幸せ。

そしてローゼマインのまっすぐな言葉に圧倒されているフェルディナンド様可愛すぎてやばい。生まれはツンドラの方ですか?ってくらいに普段は冷徹で、合理主義的で、無愛想な彼がこういう「打算のない他者の気持ち」に触れているってのがいいんですよ……。今まで与えられることがなかった愛情をどう処理すればいいか分からない困惑・戸惑い、そして嬉しさみたいなものを自分に感じているのを自覚してさらに混乱しているみたいなこのシチュを読んでて(心の中の)脚をじたばたさせていた。…

ジタバタバタ

 

 

 

そしていつも通り

 

マインは簪で髪をまとめ上げているというのに私の中のマインは夜空色のショートヘアであり、トゥーリーは黒髪ツインテであり、ハルトムートは金髪で、神官長は常に神官服を着ているイメージがデフォルトになっている。

(関係ないけど小説版と漫画版のイラストの練度が低いのは地味に気になる……むーん)

 

 

・関連記事

eroge-pc.hatenablog.jp

eroge-pc.hatenablog.jp

eroge-pc.hatenablog.jp

 

 

本好きの下剋上 第一部「本がないなら作ればいい! 1」

本好きの下剋上 第一部「本がないなら作ればいい! 1」