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猫箱ただひとつ

物語追求blog。アニメ、マンガ、ギャルゲーを取り扱ってるよ

クンフー論は創作論だったのだなあと、思う。

思考の種子
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海燕さん達の造語である「クンフー」を私が好き勝手に解釈して、いろいろ考えていたことがあった。それは一言でいえば「楽しいを活性化させる」にはどうすればいいのかな?ということであり、もうすこし長い文章で語るならば以下のようになる。

 

1)クンフーを積むとは、行為を積み重ねていくこと。
2)クンフーを積む際「結果」ではなく、「楽しむ」ことに価値を置く。
3)手段を目的にしたら、後はどうすれば手段を楽しくできるか?を考える。それをアップデートし続けていくことで努力は努力ではなく「空気を吸うよう」に自然に行動できるようになる。(ハミガキするのと同じ労力といえばいいだろうか)
4)クンフーを積み続けた結果、ふと気づいたら最初の頃より遠い場所まで来ていたってことが多々ある。(ただ何度も言っていますが、遠い場所に行くことを目的にしてはダメなのです)
5)その為、そのジャンル内での「本気度が低い」とは温度差がハッキリしてしまう。
6)「クンフーの為のクンフー」とは行為を積むことへの追求という意味。自覚的に変化を取り込もうとする姿勢と言ってもいいでしょう。

 

――クンフー論。それは手段を目的化し「楽しむ」を追求すること(13488文字) -

 

2016年、振り返るとこれって「創作論」だなあと思うのだ。

創作ってなぜするかと言えば、それが「楽しい」からであり、自身を「癒やす」からに他ならない。小説を書いて楽しんでいるのはそれを読んでいる読者ではなく紛れも無く(絶対に)私であり、カンバスに絵の具を塗りつける過程を楽しんでいるのは他の誰でもない(絶対に)私である。それは世間で認められている"創作"ではなくても構わない。例えば起業だったり、営業だったり、昆虫採集だったり、アヒルレースだったり、ミニ四駆の大会に出場したり、ファッションセンスを磨いたり、将棋を指したりと「行為の追求化」が絡むならばどんなものでも創作足りえる――というのが持論だ。

そういった行為にのめり込むこと自体が――なぜか分からないが――固くなった心をほどき、癒し、癒されていく経験をしたことがある人は多いと思う。手段そのものを楽しめるとそういう段階に到達する時がある。

でもそれは外発的動機が優位になってしまえば、うまく働かなくなってしまう。つまり他者の為に創作することは苦しいだけで、楽しくないし、自身の寄与することは少なくなってしまう。

もちろん誰かに評価されることで喜びが生まれ、虚栄心が満たされ、名誉に頬ずりすることもあろうが、それは中毒的快楽であることを自覚したほうがいいように思う。そうなれば創作とは当人にとって自身を楽しくさせたり癒やすためものではなくなり、他者の欲求を満たす行為に成り果ててしまう。(だから市場の意向を気にかけたり、ビジネスとして大衆に受け入れられる面白い作品を作り続けるプロはすごいのだが)

創作とは本来、誰かのためにあるのではなく、自分自身のためにあるものだという認識が強いからこその意見かもしれないが。

そしてこれは先述した「クンフー論」と重なるように思うのだ。結果を求めず、行為を洗練化させ、今だけを見つめ続ける。他者の評価なんてどうでもいいと蹴り上げて、自分が求めるものを求めていくスタイルは創作することの在り方を問い直しているようではないか? あるいは創作とはこういうものだよ、と提示しているようでさえある。

故に私はクンフー論を創作論だと思えるのだし、以下の意見もとても納得できるのである。

 

創作の楽しさの本質とは、大勢の人から、すげぇー! と賞賛されて人気者になることではなく、「自分の書きたいことを自由に書いて表現する」ことにあります。
 名声やお金といった結果ではなく、小説を書くというプロセスそのものが快感なのです。

 苦しそうなしかめっ面をしながら、クレヨンで絵を描く三歳児はいません。
 好きなことを自由に創作することに、人間は本能的な喜びを覚えるのです。
 作品の評価は、付加価値的な要素に過ぎません。
 しかし、この付加価値は、名声やお金といった社会的評価に結びつくので、多くの人は、これに惑わされてしまうのです。

 小説を書くことを名声を得る手段にしてしまうと、創作の喜びは消え、無限地獄に突き落とされます。

 

――他人から評価を得ることを最大の目的にしない・創作のモチベーションを維持する方法

 

 

つまり引用文の「創作の喜び」を実現するためにはどうすればいいか? という疑問に応えてくれるのが「クンフー」という考え方なのではないだろうか。

 

 

 

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