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『IF[体験版]』と銘打たれた完成版フリゲをやってみた(感想)

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あらすじ

夢を映像化する装置"Electric Sheep"をアンドロイドに用いた結果、
世界がアンドロイド(とその他もろもろの人々)の夢で上書きされてしまった。
この事件の真犯人である科学者キリエと、キリエの製作したアンドロイドのタウ、
そして里帰りの最中に偶然巻き込まれてしまった幼馴染アルファは、
世界をもとに戻すための探索を始める。

 

――IF[体験版]-公式HP

 

簡単にいえば「現実世界がロボットの夢によって書き換えられてしまったのでさあ大変、元の世界へ戻るために頑張りましょう!」というストーリーだ。

ちなみに「体験版」と銘打たれているが、れっきとした完成版である。未完成作品ではないので興味あればどうぞ。

配布先DL→http://madeinroom.web.fc2.com/IF/IF.html

 

ここからネタバレ……というか愚痴なので注意。

 

 

IF[体験版] 感想

 

真っ黒な立ち絵のアルファ、ロボットのタウ、科学者キリエが夢世界を探索し敵と戦っていくRPG。からのー超外的行為によるENDの収束はきっと私がこの手の作品をはじめてやったのならば評価していたかもしれないが、もうメタフィクションの最果てを観てしまった後に本作をやっても得られるものは少なかった。

というより……………なんていうか…ある作品の二番煎じに感じられて辛かった。

だってもう「まんま」だもの。自身の運命を規定されたキャラクターが自棄になったり叛逆したり、幸福を望んだり、プレイヤーの超外的な行為で(同梱ファイルの.EXEを開く仕組みで)物語に介入したり、超外的存在が「声」で誘導するのなんてまんまアレだもの。htbr諸々を逆変換させたようなものだと気付くといろいろきつい。それも劣化している。

それがある種の批評的な側面を持ち、原典とは別路線へ行くならいい。先例を踏襲し、乗り越えようとしているのならいいよ。けれどやっていることはただなぞっているだけだ。絵でいうなら模写と変わりない。顔や服をちょこちょこっと変えただけで構図・ポーズ・色調などはそっくりそのままという感じに―――全然超えられていない。超えられていないよ……。届いてすらいない。

そんな本作に私は賞賛なんて送れないし、もちろんお世辞なんて言いたくない。絶対嫌だ。ありえない。

だが価値がないとは言わない。

ラストの「MAP改変」や「天使とタウの会話」や「再起動後プレイヤーが二度と介入できない状態」などはもっと言及していいことなのだとも思う。しかし「ある何かの差異による価値」というのはその分岐点に至るまでが魅力的だったり、全体としての物語強度が高くないと上手く現出しないのだなと思う。つまり物語の積み上げ方(=過程)がイマイチということであり、その積み重ねが雑に見えてしまったということでもある。そしてそれらを丁寧に指摘するよりも愚痴のほうが勝ってしまったのは正直ごめんとも思う。

あと戦闘systemは「行動値」を採用しておりそこそこ楽しいのだが、生かしきれている感じはしない。どこか怠惰で中が繰り抜かれた空洞のような楽しさがあった。…抽象的すぎるか。端的にいえば「戦闘のギミックは面白いものの突き詰められた感じがしない」ということだ。とりあえず「敵と戦う」必要があるから「戦闘」という要素を加えただけで、そこに戦闘の面白さ/楽しさを追求したわけではないゲームデザイン。……みたいなねそんな感じ。

どことなく投げやりで中途半端。伽藍のような空洞感がゲーム全体に漂っている。

戦闘快楽も物語強度も高くないし、そこまで面白いわけじゃないし、そこまで楽しいわけでもないけど駄作というわけでもないし最悪というわけでもない。時間泥棒というわけでもないが費やした時間分の何かを得られたかというと悩んでしまうような "中の下" と言ってしまいたくなるのが私にとっての『IF[体験版]』だった。

もういいだろ。終わりにしよう。

 

 

私的満足度:★★★(3.3)
擬似客観視:★★★(3.5)

 

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