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猫箱ただひとつ

物語追求blog。アニメ、マンガ、ギャルゲーを取り扱ってるよ

2016年冬アニメの総括。個人的な評価と感想

アニメレビュー アニメレビュー-2016年クール毎の評価
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ようやく冬アニメを見終えたので感想を書きます。最終話含めてのお話が飛び交うので、未視聴作品がありましたら気をつけてくださいね。

ではいきましょう。

ちなみに、今クール1話の感触は以下の記事にありますので興味あればどうぞ。

 

段落SKIP

 

 

 

 

 

 

(1)昭和元禄落語心中

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1話で与太郎(昭和50年頃の世界)を描き、2話では一転して遊楽亭八雲がまだ"八雲"になる前の(太平洋戦争前)時代を描きながら――落語家になんてなりたくなかった"八雲"の胸中や、助六への嫉妬、まだ落語が大衆に望まれていた黄金期を映していきます。

1話から抜きん出た人間関係のうつろい方・心の機微は、過去編でも健在であり――(アニメ外形による)落語の面白さもさることながら――『昭和元禄落語心中』はヒューマンドラマとしてもおすすめできると思います。

落語に興味はないって人も、劇中の彼彼女らの心の発露に見せられて視聴を続けていた人も多かったのではないでしょうか。

ただこの過去編。最終話手前までずーっと続くので1話で登場した与太郎がまるっきり出てこず与太郎好きな私は気持ちが逸るなど。菊比古さんも助六も好きですけど、1話のあれからどうなったの?という気持ちにはやっぱりなるよね。それが悪いってわけじゃないけど、これだとタメが長すぎてしまうのと、2つの世界を交互に描くことの利点を垣間見たなと思います。

そして最終話で与太郎の世界(昭和50年頃)とようやくリンクするものの、終わり方が「これからも続く!」的な感じでEDに入ったのはとてもすわりが悪かった。

「落ち」がつかないものって心が落ち着かず、もわもわするのだなと、案外ストレスになるのだなと感じられた。

「落ち」とはすなわち「終わり」であり、「エンドマーク」のようなものなのだと思う。エンドマークがつかないってことは、終わりがないってことであり、続きがあるということでもある。それは喜ぶべき事のような気もするが、しかし終わらない物語は読み手の心を縛り続けるからこそ、「続きが示唆されているにも関わらず、その続きが観れない」現状にストレスを抱くのではないだろうか。

昭和元禄落語心中』でいえば、Bパートで物語は終わる。けれどそれははっきりとした終わりではなく、むしろ「続き」を示唆するものだった。しかし実際としてもうその「続き」は本編では観れないのだ。最終回と銘打たれており、冬クールは終わり、2クールの情報もない。

ならばそれは「続きがないにも関わらず、続いている」ことだ。これが読み手に負荷をかけるのだろう。

けれどCパートで助六がこれからの展望を語り「これで落ちはつきましたかい?」と問いかけてきてようやく落ちがついて終幕。やっぱり落ち(=エンドマーク)がつくのって素晴らしい。永遠の物語なんていらないし、終わってこそ物語。終わらせてこそ喜劇。

おすすめ度:★★★★

 

 

 

 

(2)この素晴らしき世界に祝福を!

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魔王を倒せ!というミッションを抱えているもののお金がないので労働に勤しんだり、空中飛行するキャベツ狩りクエストに励んだり、暇なので毎日欠かさず爆裂魔法を城に打ち込んだりする「残念な異世界生活」 を描いた『このすば』。

ストーリーに大きな起伏はないしはっと驚くような展開もないけれど、カズマ率いる残念パーティーが送る・残念な日常は独特の心地の良さがありました。

とはいえ(個人的には)1話の爽やか労働展開がピークだったかもしれません……。2話以降はそこまで突き抜けたものもなく――2度目の■は驚いたけどあっさり流されてしまったので――そこまで「好き」ってふうにはならなかったなと。

それと本作、セッ久アピールが強めなのも私は好きじゃなかったです。アクアの常に"パンツ履いていない"アピール、ダクネスの乳揺れ、9話のサキュバス達の露骨な乳揺れに加えその揺れ方が雑なので――プリンでも入っているんですかってくらいに変な揺れ方――やるならちゃんとやって欲しい。

セッ久アピールが強いから嫌っていうのもありますが、同じくらいに胸の描き方/動き方が「雑」なのも嫌です。とりあえずそういう要素加えておけばいいんでしょーみたいな「露骨な記号的な表現」が好きじゃないので性的興奮を喚起させるのを狙うのならばこれでもかってくらいに力を入れて欲しかったなと思います。という願望です。(私の好みと踏まえつつ)

 なので二期決定したときは結構驚きました。

 

 ・このすば・関連記事

この素晴らしい世界に祝福を第一話。私達は"ルーパー"だったんだね!(←何そのダサいネーミング)

 

 

 

 

(3)僕だけがいない街

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毎週楽しみで楽しみで仕方なかった『僕だけがいない街』。

タイムリープによる情報優位性による世界攻略、犯人を突きとめる快感、因果の収束は絶品であり、だれが犯人かは途中で気付くかもしれませんが、そこに至るまでの過程がとにかく素晴らしい。文句の付け所なんてなかったです。

―――でもやっぱり犯人を突き止めるまでがピークだったと(個人的には)思います。別にそれ以降が悪いとかダメだったわけじゃないけど、あそこ以降からエピローグ感が漂ってしまった。

「謎」が中心軸にある物語はその「謎」が100%明らかになってしまえばあとは「終わり」になってしまうからでしょう。わかります? 猫箱を開けたあとに残るのは確定された世界ってことです。そこにはあらゆる可能性は残存しておらず、そこに夢見ることが叶わなくなってしまう。だから大抵のミステリー作品は劇中の謎が暴かれるまでが楽しく、暴かれた後は伽藍堂の様相を表してしまう。中には「謎」をつまびらかにした後でも盛り上がる作品もありますけど、珍しいんじゃないかな。

『僕街』のラストは一応その次の盛り上がりがありますけど、それでも「夢の名残」「暴かれたあとの伽藍堂」の印象は強く、そこは逃れることはできなかったのだと。

  ◆

『僕街』とやや関係ないお話。でも関係あるかもしれないお話。

タイムリープっていわば使用者に「助け出せたものが助け出せなかった」と思わせてしまうところにあるんですよね。過去に戻れる超常的な力は「助けられるものの範囲」を極限まで広がってしまうので、本来なら(タイムリープの力を持っていないただの人間だったならば)背負わなくていい気持ちまで背負ってしまう。抱えてしまう。

手に届く範囲が拡大しちゃうのもそれはそれで、あまりよくないことなんだなとしみじみ感じちゃう。自分の能力・力量を抱えた「力」なんてものは自身を壊してしまうってのも、そういうことなんだと思います。

本作でいえば "リバイバル" によって、1話で悟はトラックの運ちゃんを助けた。トラック事故に巻き込まれる人も助けた。

――でも、その人達って助けるべき人達だったのかな?

冷たい言い方に聞こえます? 残酷な意見だと思います? けれど本来なら運転手は死に、トラックに轢かれるはずだった人は重軽傷を負っていたのです。本来の世界ならば彼らはそういう運命でそういう結末だった。

けれど悟が助けてしまうものだから、確定された世界では彼らは「助かって」しまう。

何がいいたいかというと、結局、悟は "リバイバル" を使わないように生きれなかったってこと。それは力を持っているものの義務とかそういう話じゃなくて、力を持ちつつ使わないことのほうがよっぽど難しいと私は思うわけです。

力はあるから使ってしまう、選択肢が掲げられたのならば選んでしまう。逆に力があるのに使わない、選択肢が掲げられたのに選ばない―――なんて生き方は衆生にはムリなのかもしれない。

母親だって助ける必要はなかった。加代も助けだす必要もなかった。もちろん悟自身すらも助ける必要なんてなかった。あのまま警察に捕まってなるようにしかならならい人生を送っていいはずだった。

でもそうしなかったのはひとえに、人の弱さ、なんじゃないかな。ありのままの世界を受け入れることは誰にでも辛くて厳しいものだから。そこから逃れられるならばわらにもすがってしまうし超常的な力で万象を覆してしまう。

……

きっと―――朝霧海斗ならばありのままの世界を享受することも可能だろう。そんなふうに想いを馳せる。彼ならば超常的な力を有しても生涯使わないまま人生を歩めそうだなと思える。

おすすめ度:★★★★

 

 

 

 

(4)Dimension W

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2クールだったならば、おもしろい作品になっただろうなと思えちゃう『Dimension W』。

百合咲ミラ、コイル、ナンバーズといった要素要素は惹かれるし面白いんですが、ただそれらを1クールに詰め込むだけ詰め込んでしまったような圧縮感があり展開が早過ぎるきらいがありました。

終盤に至ってはずっと走っているようなスピードで、少なくとも私は追いつけず、終始ぽかーんとしてた。人によってはこれ許容できるレベルだったりする……のかなあという早さです。

1クールではなく、2クールでのアニメ化だったならば、私が抱えている不満は解消されもっと好きになることができた作品だったのかなと思います。もったいない感が強いです。個人的に。

 

・DimensionW 関連記事

『Dimension W』のEDアニメーションは"軽い"

 

 

 

(5)無彩限のファントム・ワールド

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異能バトル×学園×お色気――要素が組み合わさった "よくあるラノベ" アニメ『無彩限のファントム・ワールド』。

予測がついてしまうストーリーに予測がついてしまう謎の数々ではありますが、1話1話のお話の運び方が上手く、かつアニメーションの外形も綺麗なため不満なく観させて頂きました。

特に最終回のラストバトル。魔法陣が多重に描かれ慣性の法則で"引っ張られる"ように動作するアニメーションがかっこよすぎて痺れますよね全くもう。私ああいうの好きで好きで堪らない。"限界突破"している感じを味わえるからかな? とかく最終決戦の胸熱感を味わえて嬉しかった。

そして本作はほぼ1話で完結している(=どの話数から入っても違和感なく観れる)形態をとっているので視聴しやすいですし、OP・EDのワクワク感もあり、水準高めの良いラノベアニメだったんじゃないかなと思います。EDの毎回元気をもらえる感じ、大好きでした。気軽に人にすすめられるくらいに。

ちなみに私が好きな回は、晴彦がちびっこになってしまい舞先輩がお守りするお話。ちびっこ晴彦かわええ……それに振り回されている舞先輩好き……。みたいな感じで。ああいう生意気な男の子いいですよね、でその生意気さがまた子ども染みてて憎めない!みたいな。そしてこの二人の凹凸な関係性が良いよねみたいな。

 

 

 

 

(6)ハイキュー二期

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一期の感想と同じくただただ最高でした。

言葉にしたいことがないので終わり。

おすすめ度:★★★★

 

 

・ハイキュー関連記事

月島蛍の少年時代がぐっとくるVサイン。ハイキュー二期8話感想

 

 

 

 

(7)鉄血のオルフェンズ

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当初は「ガンダムかあ……」と気後れしていたものの、いざ見てみたら面白く毎週楽しみにするほどになっていた『鉄血のオルフェンズ』。やっぱりタイトルやキービジュアルだけで判断しちゃ駄目だよねせめて1話も見ないとねと再認識。

これもハイキューと同じく言葉にしづらく、どこがどう良いか伝えられないんですけど面白い。

おすすめ度:★★★★

 

 

・鉄血のオルフェンズ・関連記事

 

 

(8)灰と幻想のグリムガル

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生きる」ことがどこまでも描かれた『灰と幻想のグリムガル』。

生きるためにはご飯を食べなければいけないし、寝床だって必要だし、パンツはボロボロになるから替えだって欲しい。でもそのためにはお金を稼がなくてはならない。

異世界転生or召喚された少年少女に待っていたのは「モンスターを殺して」生計を立てることだった。敵の肉を剥ぎ・骨を削ぎ・持ち物を強奪して売りさばく。そうして今日暮らすための賃金を得てその日その日を精一杯生き抜くのだ。

そこには強いモンスターを倒すことで得られる快楽や、楽しい冒険が待っているわけじゃない。もうほんとうに命懸けに雑魚モンスター・ゴブリンを倒す毎日である。そして殺すゴブリンだって黙って殺されるわけではなく、同じく生きているので抗うし、知恵をつけてこちらに襲いかかってもくる。

どちらも攻撃されれば傷を負い、血が流れる。

そんな命と命のやり取りにディティールが加えられた本作は、「生きる」ことを強く魅せつける異世界ファンタジーだ。後半ではより過酷な現実が待っているので、生きて何かをすること、あるいは相手の命を奪うことについてより一考してしまうに違いない。

『灰と幻想のグリムガル』はそんなきっつい一面もあり、しかし何気ない幸せな日常の一面も描く。

朝起きてご飯を食べながら仲間と談笑したり、今日はどこに狩りをしようかと相談し、町にでかけぶらぶら散歩し買い物をする。何気ない「日常」だけどその何気なさがとても綺麗に表現されている。

この美しさは―――ひとえに本作のアニメーション外形が「水彩」のような透明感ときらめきを備えているからかもしれない。水彩独特の淡い色彩と"ぼや"っとした印象表現。それが劇中の日常にもどことなく影響している気さえする。あるいは「生死を賭けた戦い」と「穏やかな日々」のコントラスト比でどうってことない生活が美しく見えるのかもしれない。

 

 

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――灰と幻想のグリムガル(アニメ)/アイキャッチ

 

極限状態での命を取り扱った戦いを繰り返していくと、普通なら見逃してしまう風景に立ち止まったり、なんの感慨もなんの価値も抱かない誰かとの会話に大事なものを見出したり、そしてそれらが泣いてしまうくらいに美しく見えるときがある。らしい。そういった「日常が崩壊した後に訪れる日常のきらめき」みたいなものが『灰と幻想のグリムガル』の日常パートではよく表現されているように私は思う。多分こんなふうに見えるのだなあと思ったものだ。

なんにせよ、物語の中身・外形と共に高品質な作品なのでぜひ一度見てほしいアニメ。

     ◆

私は今期見ていたアニメで一番おすすめしたい作品だったりもする。1話で良作感は出ていたけど最終話通してまさかここまでの出来栄えになるとは思っても見なかったし、正直、★★★★★(星5)あげてもいいと思うんだ。

私的満足度:★★★★★
おすすめ度:★★★★

 

 

 

おわり

 

ということで計8作品の視聴感想でした。

1話で見続けると息巻いていた作品が登場しなくなっているのは途中で脱落してしまった痕跡がかいま見えますね……でも無理をせず視聴するのが基本方針なので無理はしないんです。

 

  • 昭和元禄落語心中
  • 僕だけがいない街
  • 灰と幻想のグリムガル
  • 鉄血のオルフェンズ
  • ハイキュー二期
  • ディメンションW
  • 無彩限のファントム・ワールド
  • この素晴らしい世界に祝福を!

(太字はおすすめ度を表記した作品)

 

 以上です。

それではまたね。

 

 

 

 

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