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猫箱ただひとつ

物語追求blog。アニメ、マンガ、ギャルゲーを取り扱ってるよ

絵の具を、水で何倍も薄めた日々がここだよ(天体のメソッド12話)

アニメレビュー アニメレビュー-天体のメソッド
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アニメ『天体のメソッド』のネタバレぶっこんで行くので、見てない人は回れ右

 

 

乃々香と円盤のない街―ノエルが消えてしまった世界―

 

12話。古宮乃々香は「円盤がない世界」で目を覚ます。

 

この世界では7年前に仲間と円盤を呼び、けれど円盤がこなかった世界であり、誰もノエルを知らない世界だった。

柚季、こはる、湊太―――誰に聞いても「のえる? そんな子は知らないよ」の一点張り。ノエルと過ごした日々を、ノエルのにっこり笑顔を、仲間は覚えてなかった。


でも、彼女は所有している記憶を世界に投げかける。

 

 

『どんなことでもいいの!ノエルのこと少しでもいいから思い出して!お願い!』


――古宮乃々香(12話)

 

『ノエル あなたに会いたいの!お願い出てきてよ!』

『もう一度にっこり笑ってよ!』

 

――古宮乃々香(12話)

 

 

そして"反射"してくるのは「ここは私が知っている世界じゃない」というエラーのビープ音だけが繰り返された。errorerrorerror

 

――私がいるべき世界は本当にここなのかな?

 

……そんな言葉が脳裏をよぎってしまう。乃々香が天空に向けて放った叫びは、どうしようもない悲しさだけを残して何も返してはくれなかった。あのとき広大な青空はちっぽけな存在になってしまったように私には感じられてしまった。

きっと世界改変・時間跳躍がもたらす弊害はこういう事なのだ。所有している前世界の記憶と現世界が繋がらない。フィードバックがうまくいかない。投げかけて返ってくるのは空白のビープ音。だからここが自分が生きる世界なのか実感が湧きにくくなる。

 

曖昧で。

あやふやで。

絵の具を水で何倍も薄めたような世界だけが広がっている。

 

そう感じてしまえば、最早それは嘘っこの現実でしかなくなってしまう。私の記憶は偽物なんじゃないだろうか? この記憶は本当にあったと断言できるのか? 信じたいでも信じられない。乃々香が最後にはノエルの存在に疑問を突きつけたのはそういう気持ちだったのかなって。

乃々香だけがノエルとの記憶を持っている事実は、泣きだしたくなるくらい心細くて辛い世界だった。

そして、もしそんな世界で、ノエルを知っている者に出会ったとしたら―――そのときの嬉しさはどれほどのものだったんだろう。

 

 

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同じ記憶を有した汐音という存在は、乃々香にどれだけの希望を与えてくれたのかを考えると視界が滲んでくる。

 

 

天体のメソッドの記事はこちら