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猫箱ただひとつ

物語追求blog。アニメ、マンガ、ギャルゲーを取り扱ってるよ

高坂麗奈と黄前久美子のloveでもlikeでもない関係がラブです。響け!ユーフォニアム

アニメレビュー アニメレビュー-響け!ユーフォニアム
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"ラブです、てんちょ"

表題考えてたらいつの間にか宇佐美ハルを思い出す感じ、長髪が目にかかって鬱陶しい感じ、エテ吉はスライムで僕は魔王で君は勇者だったけど世界の半分はどこにもなくて金に使われる家畜だけが溢れていたんだ―――そんなふうに懐かしい感慨にひたるのでした◯。

 

麗奈「ねえ、お祭りの日に山に登るなんて馬鹿なこと他の人達はしないよね」

久美子「うん、まあ」

麗奈「久美子なら分かってくれると思って」

麗奈「私興味ない人とは無理に仲良くなろうと思わない。誰かと同じで安心するなんてバカげてる。当たり前に出来上がっている流れに抵抗したいの。全部は難しいけど、でもわかるでしょ?」

麗奈「そういう、意味不明な気持ち」



久美子「うんわかるよ」

久美子「高坂さんの気持ち」

麗奈「麗奈」

久美子「麗奈」


麗奈「私特別になりたいの」

麗奈「他の奴等とは同じになりたくない」

麗奈「だから私はトランペットをやってる」

麗奈「特別になるために」



――高坂麗奈、黄前久美子(響けユーフォニアム8話)

 


『響け! ユーフォニアム』8話。

お祭りの日。

高坂麗奈の人差し指は黄前久美子のおでこから鼻先を通って唇で止まった。すとん。右手があるべき場所へ戻る。風がふわりなびき、白いワンピースが揺れて、彼女の告白はエーテルへと吸い込まれた。

このとき二人の関係性はloveでもlikeでもない―――もっと別の「なにか」へと変わった気がした。友情でも愛情でもない全然違うものへと。

それは必死になって手のひらに収めたくなるくらいに眩いもので、大切なもので、失くしちゃいけないものだった。私はこれを知っている、この感覚を覚えている、いつかどこかで、でもどこで? なんだったっけ、なんだっけ、わからない。わからなかった。

「好き」とか「愛」とか「友達」とか「恋人」とか「家族」とか、そういうので括れない関係性なんだ。言語化できない、言葉にしようともすりぬけていくその不定形な他者との繋がりが、心をときめかせる。それはきっと私が最も焦がれている形なのかもしれない。

 

そんなことを思った。

 

11話。

吉川優子から香織先輩の"物語"を無理やり聞かされた麗奈は、オーディションに勝つかどうか迷ってしまう。久美子に投げかけた言葉を考えるにもしかしたらわざとオーディションを負けることだってあったかもしれない。

 

麗奈「久美子は、もし私が負けたら、嫌?」

久美子「麗奈」



久美子「嫌だ」

久美子「嫌だ!!」

麗奈「どうして」

久美子「麗奈は特別になるんでしょ」

麗奈「そうね」

久美子「麗奈は他の人とは違う」

久美子「麗奈は誰とも違う」

久美子「人に流されちゃ駄目だよ」

久美子「そんなの馬鹿げてるでしょ!」



麗奈「でも、いま私が勝ったら悪者になる」

久美子「いいよ!その時は私も悪者になるから!!」

久美子「香織先輩より麗奈のほうがいいって」

久美子「ソロは麗奈が吹くべきだって言う、言ってやるっ!!!」



麗奈「本当に?」

久美子「……っ、たぶん…」

麗奈「やっぱり久美子は性格わるいっ」

(微笑み)

 

――高坂麗奈、黄前久美子(響け!ユーフォニアム11話)

 

 

そしてこのあと「裏切らない?」と目を伏せがちにしつつ問いかける麗奈と、それに呼応する久美子のやりとりが心を打つ。

ああそうか、やっと腑に落ちた。純度の高い絆の糸が寄り合っていく様を、他者の人生と自分の人生を撚り合わせていくのを私は二人に感じていたのだ。それは愛でも恋でも友情でもない――のような関係性を。

他者の聖域に踏み込み、踏み込むことを赦された事柄を。やはりそれは素敵だし、人はこの一瞬の "繋がり" のためにきっと生きている。そんな馬鹿げたことを考えてしまうくらいに。

 

 

「そばにいてくれる?」

「うん」

「裏切らない?」

「もしも裏切ったら殺していい」

「本気で殺すよ」

「麗奈ならしかねないもん。それがわかった上で言ってる」

「だってこれは愛の告白だから」

 

 

――高坂麗奈、黄前久美子(響け!ユーフォニアム11話)

 

 

麗奈が言う"愛の告白"、久美子が言う"愛の告白"は、何かの引用をなぞっているのか詩的表現のように思える。つまりそれは本気で愛の告白をしているのではないんじゃないのかなって。

いやま実際どっちだって構わないのかもしれない。だってどっちにしたって  なのは変わりがないのだから。