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批評は、個々人が抱いている作品評価を書き換えられるか

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*批評=私は"こう"観たを語ったものhttp://eroge-pc.hatenablog.jp/entry/2015/02/03/090000

 

批評は、作品の価値を開拓できるかもしれないが、個々人が抱いた作品評価を変えらはしないと常々思っている。

 

以前にも語ったように実感が伴わないただの言葉で、文字で、誰かの「つまらなかった」「クソゲー」という評価を再プレイ(=実感)なしで★★★が、★★★★になったり覆ったりはしない。

それはどんなにレベルの高い批評物を読もうとも、一度実感によって下した値を変動させることは出来ないだろう。

 

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例えば、私はいろいろな『水月』の感想・考察を読んだが、当該作品に下した評価は変わらなかった経験がある。だからか尚更そう感じてしまう。

ちっぽけな言葉では、実感がともなった行為に影響は与えられない、と。*1

 

 

作品批判によって防衛反応が起こるならば

 

 

しかし、ここ最近、もしかしたら人によっては批評で作品評価が変わることがあるのかも? と思い始めてきた。全員が全員じゃないにせよ。

 

というのも評論家を毛嫌いしている人たちが "評論家気取り" という他称を使い始めてしまうのは何故か?考えてみたことがあった。私はこの原因を「作品批判による自己防衛反応」だと見立てたことがある。

つまり自分の好きな作品を批判されることで、その作品の評価が(当人の中で)低下してしまうからこそ、それに抗うために、評論家(厳密には作品批判者)に過剰に反応してしまう。

故にその批判が適切なものだとしても、認めるわけにはいかない。認めてしまったら自分が下した評価が変質してしまうから。「好き」という評価が、「嫌い」になってしまうかもしれないから。

だから相手の批判を「評論家気取り」とレッテル貼りして「あいつの言っていることは取るに足らない」とマウントを取りにいくのである。

 

もしこれが事実ならば、批判は彼らの作品評価を書き換える力を持っていた事になる。逆説的に、言葉で誰かの作品評価を上げることもできるかもしれない。

 

 

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ただ、これってそんな単純なことではないと思う。

 

人によって "言葉" だけで作品評価が上がりやすい人、上がりにくい人いるだろうし、どんなにいい文物だとされているものでも相性が悪く受け付けない人がいる。特に評価を低下させるよりも上昇させるほうが尚の事難しいのは明らかだ。

 

とはいえ、今までは「言葉で他者の作品評価が変わるなんてありえない」と思っていたので、そうじゃないかも?という見方があるのは良い発見だと思う。

私はこの意味で「批評って無意味だよね」と思っている一人なので(自分自身で書いている記事もその例に漏れず)、他者に向けて、伝えるために作品批評を書くっていうことに意義を持てなかった。

以前、この記事で作品批評って別にいらないよ、と言っているのも私自身批評を読んで与することが殆ど無いからだったりする。ただ少しくらいは(これから)自分の中で他者向けの批評を書くことに価値を持たせられるのかもしれない。

 

もしそういった方向性を目指すとしたら、「この作品嫌い」って言っている人にその作品の良さを語って「なんかいい作品のように思えてきたよ」と思わせられる批評を書くことかも。

考えるだけで、それってめっちゃ難しいよね。でもその手がかりは「言葉で実感を上げる」ことなのかなと思う。実体験を伴った実感より格段に落ちるだろうが、言葉だけで踏み込むならばその方向性だろう。

その作品を好きになれるかも?という実感を言葉によって与えることができれば、当人の中で「この作品嫌いという実感」を捨て去ることも可能かもしれない。

言語で唯一実感を与えられるのは物語であり、もし批評物にその可能性があるとしたら、物語を物語化することを目的にする批評物がいちばん手の届くものかもしれない。

 

つまりそれって "再生批評"  だよね?

 

再生批評を突き詰めていけばそういった可能性も生まれるんだとしたら、ワクワクする。「はつゆきさくらつまんねー」「嫌い」って言っている人も、出来のよい再生批評を作って読ませることが出来ればその評価を反転させることも夢ではないと。それは夢が広がる見方だねえ。

 

でも実際どうなんだろ、そんなこと可能なのか、って思考をループさせてしまうかんじ、私はやっぱり批評の可能性についてずいぶん懐疑的らしい。

 

 

 

 

はつゆきさくら 通常版
SAGAPLANETS (2012-03-30)

*1:ただネットに散見する水月の記事のレベルが低く新しい視点を提示できているものが無かったというのもあるかもしれない。少なくとも私が欲しいものはなかったかな…