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猫箱ただひとつ

物語追求blog。アニメ、マンガ、ギャルゲーを取り扱ってるよ

この国の人間は空気に流される猿やないかーい!ワラワラワラワラワラワラ。ガッチャマンクラウズInsight第5話

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「ヤツは、危険だぞ」

 

――鈴木理詰夢・ガッチャマンクラウズInsight5話

 


そんなことは最初から分かってる。そもそもヤツの思想からしてとても危険なんだ。

自我が充分に形成されてしまった現代の人間が今更「ひとつ」になれるわけがない。もしそれを目指すとしたら、自我の溶解を待つか、自我の反発によってストレスを極大まで抱えるしかなくなる。

――みんなの心をひとつに

それは一見よい考えのように思えるかもしれない。みんななかよくと同じくらいによく見えるかもしれない。しかしこれは「個人の聖域をぶっ壊す」ことを遠回しに言っているにすぎない。

なめんなよ……私は私なんだよ他者は他者なんだよ。今更誰かに"これ"をくれてやる事なんてしたくなんてないし踏み込ませるなんて絶対ご免だね。

もうすこし隠者が現存する古代だったならば――私が私という実感が希薄だったならば――きっと私はゲルの考えを受け入れられたかもしれない。でもどう考えても"今"はもう無理だ。

これからは「信念を持て」「生き方を定めろよ」「超越的自己批判精神を獲得せよ」という時代になるかもしれない。「多様性」を推進している時代へ向かっているのだから当然といえば当然か。共同体幻想は瓦解し、個が"個体"として飛躍的に明瞭になり区別されるだろう。


これもまた責任のパラダイムってか……ははは笑えるなそれ。

しかしそれを背負い、受け入れることこそが、「群衆のヒーロー化」なんだとすればすっげー納得できる。全人類が内発性を獲得できた時、世界はアップデートできるだろう。

しかしな……つばさも言っていたが、本当にそれは必要なわけなの? これもまた人格エリートの夢でしかないんじゃないの? 衆生はそれ望んでいるの? そもそも内発性って後天的に獲得できるの? って言われれば疑問だらけだし、そうだなその通りだよって思うよ。

所詮、累くんが目指しているのは「私ができるのなら他の人間もできるに違いない」というロジックに過ぎない。いやでもね、彼が凄いのは「GalaxSystem」を開発し、内発性という曖昧な精神論をアーキテクチャに落とし込んで単なる一般人でも(内発性が希薄な者でも)「ヒーローっぽい」ことを可能にしたことだ。

 

  1. 「GALAXが問題にマッチングする人間の選出する(楽観的即行性を高める)」
  2. 「参加する人間はただやらされているのではなく、"協力してくれますか?Join" といった様々な細工で動機づけを与えられている(壮大な意義への希求)」
  3. 「GALAXに参加する人間は、横のネットワーク(連帯感)が築ける」

 

この3つはどれも「難しい問題を高いモチベーションでこなす時」にとても大切なことだ。それをGALAXSystemは可能にしているわけね。

それはめっちゃ凄いことなんだよ。

ただこういった社会がある程度円熟していくと、やっぱり個々の内発性の是非は問われるんだけれども、とはいえここまで世界が来たことがすごい事なんだよ。だから私は累くんのその「血を流してでも信念を貫き通す」姿勢に惚れちゃうわけで、でもそれはやっぱりとても難しい問題だよねってことをスズキリズムは言っているわけでね。

 

 

 

・関係しそうな記事

 

 

 

 まだ続く。

 

 

 

内発性って必要なの?

 

累「ゲルサドラ君、クラウズを廃止するってどういう意味かな?」

ゲル「僕はみんなの願いを聞き入れただけです。望みを叶えれば、みんな幸せになれますよね」

累「それは一時的な願いにすぎない。今はみんなただ不安なんだ」

累「誰かに頼っていてはいつまでも内発性は育まれない」


つばさ「内発性って本当に必要なんですか?」

累「?」

つばさ「ごめんなさい。累先輩の言っていること難しくて私よく分かんないです」

つばさ「世界ってもっと簡単でいいんじゃないですか。困っている人がいたら助ける、苦しんでいる人を守ってあげる、そういうことをやるのがうちらガッチャマンじゃないんですか」


累「翼ちゃん。それでは世界はアップデートできないんだよ」

つばさ「みんなが求めてるのは。世界のアップデートなんかじゃありません」

累「それは…っ」

 

 

――ガッチャマンの基地内にて・ガッチャマンクラウズInsight5話

 

「内発性」ってこんなにさらっと日常会話で使われるものだっけと思いつつ、みんなの中で共通認識があるみたいだ。いいね。

 

とかく、累くんが目指しているものと翼が目指しているものは違う。私はどちらの意見も判る。累くんが目指している"丘の向こう側"の景色を私もみたい、きっとそれはあまねく人間が血を流し夢見た風景なのだから―――。

しかし衆生はきっとそんなこと求めていない。彼らはただ幸せに暮らせればそれでいいのだから。オケアノス? 丘の向こう側? ははは何それ食べられんのーって、もちろん食べられるわけない。

それくらい価値観は組み合わないだろう。

求められているのは自分がどちらの「立場」につくか。あるいはどちらの立場にもつかず、自分の立場を確立させるかのどれかだろう。

……悩むな。

私はどちらをお求めか?

 

 

 

流される群衆、猿ども

 

自分で考えて、自分の立場が確立され、信念があるのならば、「今度の選挙だれに投票するんですか」なんてことを人は聞かないと思う。

もしあったとしても、それは自分の意見を決めた上で、議論をふっかける場合、または自分の意見をさらに探る場合だろう。

間違っても「意見がない状態」で「誰かの意見を聞いて」はいけない……とは言わないけれど流されるだけになることは想像がつきやすい。

 

女子高生「ねえ、はじめちゃんは今度の選挙だれに投票するんですか」

はじめ「教えないっすよ」

女子高生「え」

はじめ「選挙っすから」

 

――ガッチャマンクラウズInsight5話

 

はじめは「教えない」ときっぱり言う。

ようするにここでも「誰かに流される人々」が描かれているってことなんだよね……。そしてそれは全くもって他人ごとじゃないし私にだって当て嵌まる。

本当に「考えて」「行動」している人なんて稀なんだよ。人間はそこまであらゆる物事にリソースを割けないという問題もあるけれど、流されるのはひたすらにだからさ。

 

カッツェ「知ってる?はじめちゃ~ん」


カッツェ「原始人ちゃんって『こいつは攻撃してもイイヤツだ』ってサイン見つけると皆してボコにしたがるんダヨォ~?」

はじめ「そーなんすかー?」

カッツェ「『あっ悪いヤツだ』『おマエらゼンリョクでいくぞっ』」

カッツェ「全力で行くぞって、部屋のなかでキーボード叩いているだけやないかーい!ワラワラワラワラワラワラワラワラワラ」

 

――ガッチャマンクラウズInsight5話

 

そう誰も彼も「信念がない」「生き方を持っていない」からこそ起きる問題なんだよねこれ。「自分の考えがない」「考えられない」と言ってもいいだろう。

だから誰かが攻撃されていれば、その「攻撃の妥当性」を考慮することもなく、遠巻きに石を投げつけるし、陰口さえもいとわない。だってそいつは悪いやつだという"空気"があるから何をしたっていいと感じる機構が出来上がってしまっている。(あらゆるニュースといじめを睥睨してみましょう)

 

こういうことを以前からすこしづつ考えているんだけど、どう考えても人間はクソだねっていう結論しか出てこない。その中に私も入っている。紛れも無くね……。

そして基本的に内発性があろうがなかろうが、こういう愚に陥るが数多の人間っすから。勝手に他者の内面を忖度して義憤に燃えたり、他者の代弁をして攻撃しにくるヤツとか本当いっぱいいる。私のせまーい観測範囲でもよく見かけるのだから、全体的な総和は一体どれほどになるのだろう。

なんていうか……いささか悲観的すぎるか?……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はじめ「みーんな同んじ色っすねえ

 

――ガッチャマンクラウズInsight5話

 

だねえ。

こういう衆愚を乗り越える方法は内発性もさることながら、やっぱり私は「自己批判精神」を常に持っていることなのかなあとも考える。いや正直、それめっちゃ難しくない?って言われればそうだね難しいねー……。

でも衆愚的な(空気に流されるだけの)猿の生き方はかっこ悪いって思えるので、それに抗うことを突き詰めていくのも趣味としてみるのもいいかもね、と。

でそれにはどうしたって「対話」が必要なんだなって再認識する。一人の考え方・価値観の射程距離ってめっちゃ短いからね。あとは方法論・システム化さえ構築できればここらへん解消できそうな気もするんだけど、うーん。

 

・自分の考え方を持つ(ループ的な思考を『考える』というのではなくoutputを『考える』と定義)

・自分の主張する考え方に疑問を持つ。疑問を持たせる環境を構築する。(自己批判精神と対話の重要性)

 

この2つを意識すれば(+環境を獲得できれば)、"猿"にはなりにくいのではないかと考えるけどどうでしょうるいるい?

要約すれば、勉強しろ、意見を持て、考えろ、そして批判を受け入れて乗り越えろってことね。「自分の考え方に疑問をもつ」ってのは自分の考え方を"変えろ"ってことじゃない。疑えってことと変えろってことはイコールじゃないことを注意。

 

 

・関係しそうな記事

 

 

鈴木「この6割の層が付き従うものとは何か」

鈴木「それは世間です」

鈴木「この国には合理的な社会というものが成立していない。あるのは非合理的で俗に染まった世間のみ、だから私はそんな集団を"猿"と呼ぶ」

 

(中略)


鈴木「なぜ菅山元首相は、あれほどまでに批判にさらされているのか」

鈴木「全員が全員、小さな失言やくだらない読み間違いに腹を立てていると思いますか?」

鈴木「そんな訳はない」

鈴木「菅山本首相を攻撃している人間のほとんどは、怒りなど持っていないんですよ」

鈴木「では何故批判するのか。攻撃するのか」

鈴木「世間がそういう空気だからです」

累「――っ」

鈴木「理由なんてない、理屈など必要無い。ただそういう空気だから同じものを同じように攻撃し、同じものを同じように愛でる

累「違う! あなたの意見は極論だ!」

鈴木「いいえ、紛れも無い現実ですよ」

鈴木「それでも菅山本首相に関しては、誹謗中傷で済んでいるからまだいい。これがもし、もっと罪が重い人間だとしたら"猿"どもはそんな空気だからといって流されるまま、クラウズを使って一人の人間をリンチするかもしれない」

累「…違う」

鈴木「もし攻撃対象が集団だったら? ひとつの村だったら? 他所の国だったら? 個の意志のない"猿"どもは流されるまま―――やがて世界を終わらせるかもしれない」

累「違うっ!!」


――ガッチャマンクラウズInsight5話

 

鈴木理詰夢の言っていることは正しくて、「CloudsSystem」はやっぱり"強すぎ"ツールなんだよね。入力から→出力による増幅がとても大きすぎて、少ない労力(ボタンぽちぽちしてるだけ)で、建物が損壊するほどの暴力を振るえるのがクラウズだから。

これが一段前の「GALAXSystem」なら使い方を謝っても社会に深刻なダメージを与えるほどにはならなかったという意味で、使い勝手はよかったんだよなあ……。

クラウズを扱うにはやはり、内発性を持った人間(それもニヒリズムに冒されていない善性の傾向を持った人間が)が扱うぶんならまだしも、考えることを怠り、批判精神も信念もない者に持たせるには「危険物」すぎる。

なので、私からすると、一段前の「GALAXSystem」に戻して(いろいろこれでも問題あると思うけど)もっと社会に根付いてからCloudsSystemに移行するかまた悩めばいいと思う。

せめてこの国の人間が「世間/空気」という決断基準から逃れられた時にでも――。

 

 

 

 

はじめ「なーんで嬉しそうじゃないんっすか」

丈「お前は同じ色にならないんだな。相変わらずヘンな奴」

はじめ「変なのは丈さんっすよー。これ違うなーって思ってるのに、違うなーって方に頑張ちゃってるのを、やっぱ変っす」

はじめ「変っすよ」


丈「188人。それが重軽傷者あわせたこの前の渋谷テロの犠牲者の数だ」

丈「それだけの人数がクラウズの被害に合ったんだ」

丈「それになにより仲間が一人、死ぬところだった」

丈「選挙とは本来一人一人が自分の意志で考えて、未来を託したいと思う候補者を選ぶものだ」

丈「こんな、空気に流されるままに答えを出すようなやり方は絶対に間違っている


はじめ「そーっすね」

 

――ガッチャマンクラウズInsight5話



そしてここまで語った上で、ガッチャマンメンバーの意見を踏まえた上で、ゲルの発言を見直そう。

"みんなの心をひとつに"―――彼はそう繰り返す。しかし、けどここまでで問題にしてきたのはその「みんな」という価値観なのだ。

私たちはもう……もうさ……一人で価値観を育み、それを目指して生きるべきなんじゃないか?……だれかの価値観に共振して生きることなんてしなくてもいいんじゃないか? 

もちろんそれはめっちゃ難しいよ。でも。

 

みんなという世間、みんなという空気を邁進させるゲルという宇宙人はそんな意味で、確かに危険なのである。

 

もう書き疲れた。

おわりにしよう。

ではまたノシ

 

 

 

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