猫箱ただひとつ

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葉っぱのフレディで「死」を平気だ大丈夫だと思えるものなのかな?

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*2325文字 

絵本『葉っぱのフレディ』は、フレディという葉っぱの一生を描いたものであり、つまり主人公は葉っぱです。

 

 

葉っぱのフレディを読んで死を考える

 

小さい頃おそらく……この絵本読んだことあると思うんですがどうだったかな? 兎角、いろいろ縁が重なり借りて読んで見ました。

ペラペラとページをめくってみるとイラストタッチの絵本かと思いきや「写真」で構成され、緑の葉っぱ、木々の様子、紅葉、枯れ葉といった色とりどり豊かな風景写真が並びます。

こういうの新鮮ですね、私的な絵本体験って殆どがイラストでしたので余計かもしれません。

絵本の内容は葉っぱのフレディが『死』を怖れ受け入れていく内容になっていますが「さらっ」とした印象を受けます。重く描かれているわけではなく、あくまで頬を撫でる程度に死への姿勢が描かれている。(数十ページしかないのもそういった印象を後押ししているかも)

フレディのお友達であるダニエルが言っていることが興味深いです。

 

「ぼく 死ぬのがこわいよ。」とフレディが言いました。「そのとおりだね。」とダニエルが答えました。「まだ経験したことがないことは こわいと思うものだ。でも考えてごらん。世界は変化しつづけてるんだ。変化しないものは ひとつもないんだよ。春が来て夏になり秋になる。葉っぱは翠から紅葉して散る。変化するって自然なことなんだ。きみは春が夏になるとき こわかったかい? 緑から紅葉するとき こわくなかったろう? ぼくたちも変化しつづけているんだ。

死ぬというのも 変わることの一つなのだよ。」

 

この絵本は「死」というどうしようもない出来事を知り、怯え、怖がるフレディと、それを諭すダニエルのお話だと言ってもいいでしょう。「なぜ生まれてきたのか」「死とはなにか」そういうことを滔々と語られていきます。


そしてダニエルは「変化することは自然であり死もまた同じだよ」と主張しますがこれって自然主義的誤謬ですよね。ただの詭弁です。

「自然だから」で自分の主張を押し通すならお前は何故服を着ているのか問いただしたいのですが葉っぱでしたね失礼。

覚えておきたいのは大抵「自然だから」と口にする場合その人にとって当たり前なこと、普通なこと、という意味でしかないということでしょう。それ以上でも以下でもありません。

とは言え、ダニエルは「葉っぱ」だからこそ根拠付けが自然的摂理を前提にするのかなとも思います。それこそ"自然"と言えるでしょう。彼らが生きているのは"自然世界"ですが人が生きるのはそれを超越しようと足掻く"人間社会"なのであり私の価値観と相反するのは当たり前なのかもしれません。



【過去記事】

 

むしろ彼の主張である「春から夏に移り変わること」は大丈夫なのに何故「死ぬことはこわい」と思ってしまうのかが考えるべき所なのかもしれない。彼が言うように「春から夏へと変わる」ように死もまたそんなふうに捉えられるなら、からりとしていて気持ち良さそうなものですけど。

そして答えを出すのなら「死はまだ経験していない」から、怖いんだと思います。一度もやった事がないから、未知だから恐れてしまう。死ぬ事を何度も何度も繰り返すことが出来れば、否定する感情も芽吹かないでしょう。

 

この絵本をメタ的に見るならば「死に恐怖している子に『こわがらなくて大丈夫だよ』と勇気付ける」ものなのかなと思います。

私自身4歳頃に「死」がとても怖くて泣いていましたしね。あの子もあの子もそして私も死んでしまうの?消えてしまうの?居なくなってしまうの?ねえどうしてそんな事が起こるの?やだよやだやだやだやだとお布団でガクガクブルブル震えてました。誇張ではなく本当に。

成長と共にそんな気持ちも消え失せてしまいましたが、あの時感じた、全てが無へと帰してしまうような感覚は味わう事がないならもう二度と味わいたくはない。(今の年齢まで引き摺ってたらそれはそれで最悪な日常だろうなあとも)

―――死は変化であり、旅の途上にすぎない。

というのは"からり"とした死生観で割りと好きですが、ただこれって「死にやすくなる」考え方でもあります。生にしがみつくからこそ死が怖くなるし、でも死が怖くないというのなら死ぬことすらも容易い。

ダニエルの考えは、はじめての死を許容できてしまうという危うさがある。なーんて事を考えると、ある程度死に対する恐怖は必要かな?と『葉っぱのフレディ』を読んで思います。

(終)

 

 

――次回予告(明日7時)

「SHIROBAKO見たい見たい見たい!!ジタバジタバタ」

 

 

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