猫箱ただひとつ

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意見採用という特典に眉をひそめる・「猫撫ディストーション(恋愛事象のデッドエンド)」クラウドファンディング

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*3964文字

クラウドファンディングとは「企画を立ち上げインターネット上で有志から出資してもらう」もの。銀行からの出資ではなく群衆が財源を支援・協力が出来るため、資金調達のリスクを低減できると言われています。

ちなみにこのSystem「信用の前借り」でありプロジェクトが途中頓挫してお金が返ってこなくなることも海外ではあるそうで……(?

あまり詳しくないですが、支援金の額に応じて大抵は「ギフト」が受け取ることができるみたい。

今回の『猫撫ディストーション・恋愛事象のデッドエンド』で言えば、当初はDL販売のみを目指していたそうですがDVDパッケージ版も販売して欲しいという声を受け「当該作品のパッケージ版を販売したいので支援してくれませんか」という企画を立ち上げた形なのかな。

 

(恋愛事象のデッドエンドのPV) 

(はーい、そういうわけで始めたいと思います)

(結衣姉さんは相変わらず可愛いが以前の声とだいぶイメージ変わっているのよね)

(それもアリ)

(いやしかし) 

 

そして支援額に応じて7つギフトに分かれておりそれぞれ中身が違います。最高金額の10万ギフトでは「次回作の意見を採用」という特典も付いているそうですよ。

 

¥ 100,000

⑦『猫撫ディストーション』特別サポートメンバーになれます!

『猫撫ディストーション』特別サポートメンバーになれます!
①次回作シリーズに必ずあなたのご意見を最低1つ採用致します!
※作品にそぐわない、または無理な案は採用可能な代案を頂くことになります
②次回作のベータ版を誰よりも早く体験できます!
③特別なシナリオを追加いたします!
④作品の未使用ボイスをお届けします!
⑤今回特別に複製台本をお届けいたします!
⑥『猫撫ディスト-ション恋愛事象のデッドエンド』のパッケージ版ソフトをお届け致します!
⑦クリアファイル、缶バッジ、下敷き、ストラップのグッズセット
⑧クレジットにお名前を記載いたします!
⑨作品の設定資料集をお届けいたします!

 

※支援の受付は「2015/05/05 (23:55)」まで(あと4日後)、なので支援したい!という方は期限にお気をつけ下さい。

 

では、ここから先は猫撫のクラウドファンディングについての私が感じたことを書き連ねていきます。

 

 

 

 

¥100,000の特典「次回作・意見採用」がイヤーな感じではある

 

はじめに言っておくとこの意見は「ただしさ」を基準にしたものではなく「そう感じた」といったもの。単純に私は受け付けないし嫌いっていうこと。そこにマーケット的価値や正しさがあるのは判るけど好きになれない。

もう少し厳密に言うと10万ギフトだろうが、3000ギフトだろうが、「次回作の意見採用」という特典付加がイヤーなんだ。この価値を"買える"という所に眉をひそめてしまう。もちろんこの意見にただしさはない。でも私はそう感じる。

現時点(4/19)でこの特典が付いているギフトを購入している方は3名。どういう意見が伝えられどのような意見が採用されるのか分からないが少なくとも「3つの意見が次回作に組み込まれる」ことになるんだけどああこうやって面白かったシリーズ作品は壊れていくんだなあ……なんて感じる。いくらなんでも悲観的すぎるか。

マーケット的にこの方法は良いと思うし、文句を言われる筋合いの類でもない。価値を求めるものと価値を提供できるものが合意の上で交換しているし、さらには市場的に(物質的なものではないものを)「自分たちに提供できるものでこれとこれはどれくらいの価値があるのだろう?」とフィードバックを行い効果を見定めている事をクラウドファンディングだと見極めやすいんだろうなとも感じるので。

でも《物語そのもの》の視点に立つ場合、受け入れたくはない。

プレイヤーの意見なんて加えられても作品が"面白く"なるわけがないしというのが長年ずっと思っていることでありプレイヤーは出来上がったものを見て「ダメな所」「不足している所」「不満な所」を語ることはできるしそれをどうすれば改善できるか?の方策は立てられるかもしれない。けれど「新しい価値」を創れるわけではない。"面白い"を創れるわけではない。

読み手と創造者で意見を交わしたって質が上がるどころかむしろ迷走したり改悪になる場合だって十分考えられる。(Forestを否定するのか?)

この特典は注書きとして「作品にそぐわない、または無理な案は採用可能な代案を頂くことになります」と書いてあるが、例え無難な意見でも数が多くなればなるほど、そしてその複数の意見を1作品に統合しようとすればするほど齟齬が生まれ大きくなりグチャグチャに変になっていくのではないかなあ……と危惧するわけです。

ここらへん意味わからんっ人もいると思うので、厳密に言うと私にとって猫撫ディストーションは"製品"ではなく"《物語そのもの》"として捉えられているということ。そう視てしまうからこそ「プレイヤーや《物語そのもの》に介入する」ことに嫌悪を感じるということね。

私は「猫撫ディストーション・シリーズ」に心をぐらっと揺るがせる面白さを期待している人なので、別段いろいろな要素を交わらせていく民族伝承・ケータイ小説のようなものを望んでいるわけではない。だから前述した想いが余計に強いんだと思う。

 

もともとは民族伝承だったと言われるホメーロスの「オデュッセイアー」「イリーアス」は、

語り手たちが多様なストーリーや場面に対応する決まり文句を習得しておくことによって、物語を的確かつ迅速にその場で構成することができたと言われている。
つまり物語を丸暗記するのではなくて、決まり文句を駆使して口頭で構成していくという方法を採ったということだ。これは「どこかで聞いたようなエピソード」「どこかにいるような高校生」「どこかにあるようなシチュエーション」といったモジュールをつなぎ合わせ、その場その場でアドホックな物語をつむいでいくケータイ小説と構造的にはつながっているといえる。

――100年後の「本」3(横滑りするコンテンツ)

 
付け加えるならこの「プロジェクトチームに意見を出す」っていうのは、ある種の物語介入方法だよね。

ある《物語そのもの》を救済しようと望むものがいるとしよう。(※物語ではなく《物語そのもの》を)けれど私たちと《物語そのもの》は繋がっているとはいえ大きな断絶の壁が横たわっている。容易に手を伸ばす事は出来ない。

世界が違う。次元が違う。観賞する事は出来ても干渉することはままならない。

故に一介のプレイヤーに与えられている選択肢は「ゲームを放棄する」「ゲームを最後まで進める」しかない。邪道だけどここに「別√を自分で描く」という方法もある。でも残念ながらそれを"自分の手"で創造してしまった途端A作品とは似ても似つかないX作品になってしまう。

つまり二次創作である《物語そのもの》の救済は、別の《物語そのもの》を救っただけで本当に助けたかったモノではないということなんだよね。(ここはイリヤスフィールプリズマ☆イリヤを題材にして別途記事にして語りたい)

けれどここで「オリジナル創造者」の枠内に入ることが出来れば(←恋愛事象の特典はオーバーにいえばこういうことである)、《物語そのもの》になる前のモノを内部から干渉することができる。

語る賢者と創造する魔女の関係。それは果たして・・・。と思うわけです。近代的な作品鑑賞の癖が強すぎるんじゃね?って言われればまあそうだと思う。

とはいえクラウドファンディングのSystemは好きなので(なんでかっていうとインターネットという《場》が成熟していくとこうなるのねと感じるから。GVP計画も近いですか?(にやり)でもこれは私が生きているうちは実現しなさそうなのが残念で仕方ないけれどもね)どんどん展開していって欲しいとは思う。

 

 

 以下、この記事に関連するエントリや作品↓

  

 

 

Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ(1) Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ(1)
ひろやま ひろし,Fate/staynight(TYPE-MOON),TYPE-MOON

KADOKAWA / 角川書店

Amazonで詳しく見る

 

 

Forest
現代の新宿を舞台に、謎の異空間・森に呼ばれた男女5人が、その森から提示される謎・リドルに立ち向かって行く、エキセントリックな雰囲気のAVG。本作の物語は「不思議の国のアリス」..
 

『Forest』はとても良い作品だったのでまだやっていない人は是非是非。(ただある種人を選ぶクセの強い作品なので要注意でもある) 

 

 

――次回の予定記事(今日の17時)

「魔女ADV・サノバウィッチおもしろい」