猫箱ただひとつ

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神崎萌_感想(2807文字)

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きっとわかりえあるさ。

むり……だよね……うん。 

 

 

 

神崎萌と禁止区域

 

「きっと、わかりあえる、さ」

――萌

 

禁止区域でこの言葉を吐き出せてしまう神崎萌を見てみるとくらくらしてしまうのだけれど、彼女はあれ以上の禁止区域"らしさ"、日常を見た上でも同じ言葉が言えるのかなと少し気になる。

今はまだ「知らない」から言えるのか。それとも「知っても」なお言えるのだろうか。[f]

 

 

 

海斗はなんで嘘ついたんだろうな……

 

「一つだけ、聞かせてくれんか?」

「お主の雅樹と百合……両親は……今も元気に暮らしておるのか?」

「…………」

「ああ、ピンピンしてるぜ。嫌ってくらいな」

「そうか」

――海斗、佃吾郎

 
海斗からするとここで別段嘘をつく理由って無い気がするんだよね。だって両親が死んでいるってことを言ったってもうどうすることもできないし、何をしたってもう遅すぎるのだから。

とはいえ、もしも「死んでいる」と答えたら根掘り葉掘りと過去のことを聞かれるだろうしそういった雑事を棚上げにした結果が「嘘をつく」ことだったと考えるとわりと納得できるかもしれない。

つまり、面倒だったのだ。と。

 

 

 

非日常から日常へ

 

そこにお嬢様を護衛する仕事が割り当てられていても、特別刺激が強い毎日じゃなくなってきている。

……やっぱり、な。

訓練校を卒業する前に感じていた気持ちは、間違ってなんかいなかった。

オレはもう『ボディガード』であることの『非日常』性を感じなくなってきている。

人間としての『適応能力』。
人間としての『飽き』。

少なくとも神崎と関わっている間は、退屈であることを忘れていられたんだな。

全部そうだ。

なにもかも『非日常』であることが、オレの……。

むかつくほど、吐き気がこみ上げてきた。

 

海斗にとってどれが一番最適なんだろうね。

私からすると海斗が『非日常性』を求めなくなったとき海斗は海斗として最大級の幸せを得られるのかな?なんて思っている。変化し続けるということは安定がない事と同義であり疲弊せざるをえない。

強い刺激という言葉も裏っ返せば毎日ヘトヘトになることを望んでいるようでさえある。実際海斗は望んでいるのだ。何も考えず行動し続ける毎日を。

それはそれで私の感覚からずれるけれど幸せな場合だってあるとは思うんだよね。……うーん。ね。

でも彼はそこになんていうか若干の「違和」を感じている気がするので、海斗が非日常性を追求することは心から願うものではないのかもしれない。

 

昨日の、屋台作りからの帰り。

確かにオレは、明日を楽しみに思っていた。

自ら進んで来たいと思った。

――海斗

 
思ったんだけど海斗って「明日を楽しみに」することってこれが初めてなのでは? というのも恐らく彼は明日を夢見る行為なんてことよりも「今を楽しむ」とか「今を生きる」ことに必死なタイプだと考えるので。

 

 

 

 

力を合わせること

 

ここで麗華と海斗は正反対なんだなってなる。

 

誰かと力を合わせて、一つのことを成し遂げる。

それは難しくもやりがいのあること。

一年前のオレには理解出来なかったこと。


――海斗 

 

麗華は「一人で生きれると思っていた」けど実際にそうではない。対して海斗は「一人で生きてきた」んだよね。

でここは薫と萌の3人で屋台を作るところであり、海斗がはじめて「共同作業の充実感」とでも呼ぶべきものを味わったところでもある。おそらく一人で長いこと―――本当に一人で生きてくると―――他者と一緒に活動をすることに懐疑的で意味分からんものに映っていたんだろうなって気はする。だからこそ活動による達成感やらをようやく体験したと。

 

自分が先導し仲間を導く行為。

それは鬱陶しく面倒なものであると同時に、心の中がこそばゆくなる心地よさも持っていた。

いくら言葉を羅列しても、説明がつかない。

オレは、今の自分が不思議で仕方がなかった。

萌「ここの塗料は、どう、塗ればいい?」

海斗「ちょっと貸してみろ。手本見せてやるから」

人に親切にするということは、それだけその人物に信頼を置くことに似ている。

信頼出来ない人間に対しても親切になれるというのはうそだ。

 

 

 

相手を知ろうと思うことは

 

部屋の電気を消したらツキが叫び始めた。

そして海斗はいろいろ理由を考えるが、最終的な答えはこれ。

 

海斗「ま、考えても仕方ないか」

別にあいつを知ろうとは思わないし。
あいつもオレに知って欲しいとは思わないだろう

 
人に執着すると「一番大切なもの」になってしまうからか、そうじゃないかはわからないけれど、やっぱり海斗はこんな身近な人間にさえおよそ執着と呼べるものを持たない。

 

 

 

懐かしい……

 

「わしは心を鬼にして言った。
『お前に食わすタン麺はねぇ!』とな」

――佃吾郎

 

懐かしい。もうそれだけ。

 

 

 

萌えの場合は過去をこだわらない

 

麗華は海斗の過去を気にした。それは興味ある人間を知りたかったからという単純な知的欲求だったのかもしれない。

でも萌の場合は一度たりとて過去は気にせず海斗と対峙する。この対比は面白いなって。

 

「萌とて、お主の過去に興味はあるまい?」

「一度もそんな素振りは、見せなかったな」

「考えてもおらぬのよ。当然のことじゃ」

「目の前におるお主がすべてじゃからのう」

「けして立ち止まり後ろを振り返るな。
今は前を向き、二人で歩いていくこと、それがすべて」

「いつか歳を重ね、ふとしたときに振り返れ」

「そのときお主に見える過去は、必ず今とは違うはずじゃ」

――佃吾郎、海斗

 

 

「今」だけを見続けるのって難しいからね……。萌が特殊といってもいい気はする。

 

 

 

今まであなたが積み重ねてきたもの

 

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「いってらっしゃいませ、海斗さま」

――ツキ

 

ジンとくる。今までなんだかんだあったけれど今までの時間積み重ねてきたものの結果だと思うとよけいね。

 

(終わり)

 

 

 

 

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