猫箱ただひとつ

物語追求blog。アニメ、マンガ、ギャルゲーを取り扱ってるよ

返信savaさんへ。

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コメント欄ではなく記事にてお返事させて頂きます。さらっと読んだ感じではどういうことをお伝えしたかったのが判らなかったので自分の読み解きのレベルを上げる為でも記事という形を取りました。

それではいつものごとく少しづつ引用しながらコメントしてきます。

いつの間にか、記事をブラッシュアップされていたのですね。 今更のコメントかもしれないですが、なるべく長文にならないように自重しつつ、「共感」というところに焦点を絞ってコメントさせていただきます。

savaさんの返信にさいし言及記事の要約をしました。あったほうが便利かなと思い。

文脈=事柄の背景・周辺の状況・個々的な文や概念の流れを指し示したもの。ざっくり言えば「過去から今への流れ」と捉えています。歴史・知識・記憶なども文脈に包括。

舞台裏=作品をそれ単体とした見たときに生じる外部的な要素。ここは明確に区分け可能な事柄の集まり(製作者、関連作品、時代性、歴史的背景など)


(1)文脈を用いて物事を理解することはとても楽。端的にいえば知識もそうだし、記憶もそう。私たちはこれを日常的に使い物事の効率化を図っている。

(2)しかし作品を語るさいにも文脈を使うことは「楽しようとしてる」「考えていない(*1)」と見られるし事実としてその通り。

*1:このブログで強調での「考える」という言葉を使うときは、「可能な限り知識の枠組みを取っ払った状態で自分なりの結論を出すこと」という意味合いになっている。

(3)この記事で憎んでいるのは作品を<主>として扱わず<従>として扱い、文脈を<主>と扱っている連中に尽きます。「作品と文脈の主従関係が逆転」したものは決して作品批評でも考察でもない。彼らがやっているのは作品ではなく文脈語りです。

あの記事はこの一言に集約できます。

「BlackbirdはBlackbirdの歌なのだからその視点で語ればいい」と。

当該記事では多くの文量を割いていませんが

(2)の部分では、私たちは文脈から逃れられないこと。可能な限り文脈を殺すことは出来ても完璧には殺すことはできない。ゆえに当該記事では文脈そのものすべてを敵視しているのではなく、(3)の状態を敵視しているということ。

(3)の部分では、文脈で語ることが楽しいかは別問題であり、あの記事ではどちらかというと「楽しさ」の視点ではなく「正しさ」の視点で作品語りについて言及しています。その為「楽しさ」を求めるならば、過剰な文脈を使い作品語りしようが、作品と文脈の主従関係が逆転しようが、人間批評しようが好きにすればいいんじゃないでしょうか。というスタンスです。

これらがキモかなと思います。

作品を語るときになぜあなたは「文脈」を使うんですか?(7601文字)【完成版】 - 猫箱ただひとつ

 

以上を踏まえて返信していきたいなと思います。

今自分の中で抱いている疑問は、「文脈」という言葉の示す範囲です。

たとえば、作品を越えた他のキャラクターと絡めて言及することは、すでに「文脈」を用いてしまっているのでしょうか?

たとえば・・・まず日常における共感から話を始めると、私の場合「なぜこの人はこういうことを言うんだろう?」と疑問だったことが、自分が同じような立場になったときに初めて「共感」できたというようなことが何度もあります。(子供の頃親から言われていたようなことが、自分が大人になってはじめてなぜそういうことを言うのかの心情がわかった、というようなことです。発言内容に同意するかどうかは別として)

用いていると思います。とはいえ他作品キャラをある作品で言及することが必ずしも悪いわけではないです。あの記事で言っているのはあくまで「作品語り」についてなので、日常生活で文脈を用いて効率化をはかるというのはいいんじゃないでしょうか。というかそれが出来ないと社会的に支障をきたすものだと思います。私もまた人の気持ちを理解するとき、私は私の過去の経験と記憶の蓄積から判断しますよ。あるいは誰かよく知っている人間のの気持ちをダブらせて別の人間の気持ちを解釈することだってあります。

もう少し話をすすめると、たとえばある人物(現実・創作問わず)を理解しようとするときに、ふとこれまで触れたキャラクターのことが思い浮かんで、「ああ、ひょっとしたらこの人はあのキャラクターと同じような心情なのかな」などと考えることがあります。そうして補助線を引くことで、目の前の人物に対して「共感」ができるような気がするのです。 これもまた文脈だとすれば、「他のキャラクターが思い浮かんだ時点ですでに目の前の人物が見えてないんだよ」「目の前の人とそのほかのキャラクターが似ているというのは幻想だよ」という批判がありうるのかもしれません。 確かにその共感が幻想であることは否定しないのですが、そうした幻想を積み重ねていくことの可能性というものがあるような気がするのです。文脈は「共感」のセンス・オブ・ワンダー自体を深めてはくれないかもしれませんが、一方で「共感」を感じる対象の幅自体は、文脈によって拡げることもできるのではないかなというふうに考えています。(もちろん、共感自体を台無しにしてしまう文脈が存在しているということには強く同意しますが) ・・・センス・オブ・ワンダーを深めることについても書きかけたのですが、無駄に長くなってしまったので割愛します。長文失礼しました。

あんまり自分の記事の解説やあとがきみたいなことはしたくないのですがそれでもあえて言うなれば、あの記事は「文脈主義者に対する反発」「文脈でしか作品を語ることしか出来ないのに【なぜか】それを至高だと思っている者への批判」「作品を内在的に読むことの重要性が低い風潮への疑問」でしかありません。あの記事を通じて「文脈で語ることを見なおしてほしい」という期待もありましたが、ただかなりキツく書いているのでまちょっと無理かなと思いつつ分かる人にだけ分かればいいかなと考えてましたね。なので「文脈=悪」と言っているわけではないので、もしsavaさんがそこに引っかかっているのでしたら気にしなくていいと思います。そしてsavaさんのコメントの内容に戻ります。文脈による共感というのは、簡単にいえば過去の積み重ねにより他者の気持ちを深く理解できていくことと言えると思います。私は自分が今あの過去記憶(=文脈)を使っていることを理解していると、そのうちそれらの文脈が取り払われた(実際に全ての自分に内在する文脈は取り払われるわけではないですがここは可能な限りの文脈と読んで下さい)上で、この人物が何を考えていたのか理解した―――という状況は起こりえます。それはある意味でその人物固有の気持ちに達することが出来たと言えるんじゃないかなと思います。 例えば小さい頃に見た『Stand by me』という映画では、最後のラストシーンの意味は到底理解できないでしょう。(あ、もしかしてStand by me見ていなかったら申し訳ないです。念のためネタバレ抜きで語っていきます)けれど経験を蓄積し度重なる記憶を積み上げて(=文脈)ある程度の年齢になったときにもう一度『Stand by me』を見ると最後のシーンがとても悲しくなるはずです。あれはあの最後が"どういうものか"気持ちで理解できるからですね。ちなみに私はこの意味での文脈に肯定的です。つまり知識というよりは「心」「感情」「気持ち」で作品に触れようとし理解しようとすることをです。知識主体の文脈で作品を見ることが楽しいのも私はもちろん知っているのですが、ただそれってやっぱり「作品そのものを楽しんでるのではなく作品を語ることを通して自分の知識を他人に披露したい態度」になりがちです。作品が提示する知識を引っ張りだす分には留まらず、なんかもう全然関係なくてただ言いたいだけの作品批評や考察を見ると「作品はどこいったのか……」っていいたくなってしまいますから。ただ作品を内在的に、主体的に読解したあとに、その後に、外部文献の参照や過剰な文脈での語りを私が是としているのは文脈記事でさらりと語りました。あれはただのがわがままなんですが、あまりにも文脈主義の作品批評が多いゆえに内在的な感想が増えてほしいというものなのですが……おっとこれは文脈記事の焼き直しになりなことをずらずらと言いそうになってきたので置いておきます。

話し戻します(汗)

savaさんが言っていることは、これって実は私が「祈り論」で言ったものだと思います。つまり物語に感動するには祈りが必要になる。祈りとは他者に深く感情移入できることであり共感であると。

そしてその共感・感情移入の力を鍛えることができるのは、記憶の積み重ね・経験の蓄積だと考えています。それが膨大な経験値がたまる「旅」でもすればいいんじゃないかな?という最後の結論になっているのですね。

「人生の有限感」もまた、「死」というものを理解できればだらだら日常を送るのではなく毎日毎日を意味あるものにしようとするからです。だって人生の有限感って、"私の命はもうあとわずか"という感覚を持って生きることですから。

それらは自分の経験を多くためることに繋がるのではないかと考えます。savaさんが感じた、経験主体の文脈で他者の気持ちに「共感」できるというのはこのことだと。 

物語に感動するには【祈り】こそが鍵になる(8549文字) - 猫箱ただひとつ

 

いろいろどうでもいいことを言っていてかなり長くなってしまいましたが、こんな感じで返信は終わりにさせていただきます。参考になれば幸いです。(ちゃんとコメントに対応できたか不安ですが……)