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~風の歌を聴け~読書会に参加してみたお話(4694文字)

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風の歌を聴け―Hear the wind sing 【講談社英語文庫】

読書会に参加しました。

第4回Skype読書会「徹底解読『風の歌を聴け』(村上春樹1979年)」は2014年11月16日 19時より開催します - 太陽がまぶしかったから


本記事は、『風の歌を聴け』読書会での感想を時系列的に書いてみました。 1参加者としてこういう気持ちで参加できましたという記事になっています。

ではどうぞ。

 

 

 

 

はじめての読書会


Skypeで、7人の読書会がはじまる。

(順不同)

  • 池田仮名さん
  • n2さん
  • コウモリさん
  • よしきさん
  • チェコ好きさん
  • ズイショさん

(お名前にATNDにあったリンクを貼らせて頂きました。多くの方がブログ管理人さん・Twitter所有者の方です)

 

まず最初に池田仮名さんが『Skype読書会』での進め方を説明する。この読書会は「共有ドキュメント」を完成させることが目的であり、音声会話はサブ的な位置にあるらしい。

共有ドキュメントとは、参加者全員が編集できるwebページのことだ。このページに読書会で気づいたこと、考えたこと、自分が思ったことをばーっと書いて充実させていく。

会話の俎上に「『風の歌を聴け』は一体なんだったのか?」という話題があがっていたとしよう。しかし共有ドキュメントのほうでは「そういえば"僕"って何歳だっけ?」とか「"鼠"はあの時何をしたかったんだろう?」とか書いちゃってOKなのだ。

そしてそこにツッコミを入れたり、同意したり否定したりしていき、話のネタが無くなれば進行役である池田仮名さんが拾っていくのである。

この共有ドキュメントは、会話の流れを書き留めるものではなく、『風の歌を聴け』という課題読書の思考を拡充させるためのものだという印象を受けた。

風の歌を聴け (講談社文庫)

風の歌を聴け (講談社文庫)

 

 

私は読書会というものに参加したのがはじめてなのだけれど、これは面白い方法だなと思う。

いくら多人数で読書会をやると言っても、音声での会話は基本的には2~3人だ。喋る人がいて、応答する人がいて、切り返す人がいる。だから参加者7人が同時に喋ることはないし、ゆえに手持ち無沙汰な人が出てきてしまう。

もちろん話している人がいるのだから、それを聞くべきだとは思うがどうしても興味のない話題だったり、喋るのが苦手でうまく会話に入っていけない人もいる。

そんな手持ち無沙汰な人達は、共有ドキュメントを充実させていけばいい。

音声会話の流れを記述していくのもありだし、それとは関係なく疑問や気付きを書き留めていく、すると会話に参加していなくても「読書会に参加している感」がちゃんと出てくる。

もし「共有ドキュメント」という装置が無ければ、手持ち無沙汰な人は長い間手持ち無沙汰だろうし、するとつまらないという気持ちを膨れ上がらせてしまうかもしれない。

そういう事態を回避する為だけでも、「共有ドキュメント」の存在価値は高い。

私自身、なんども言うが読書会ははじめてだったので、なにをすればいいか分からなかった。

こう……さ、 

その空間内での暗黙の了解や、ルールといったものが往々にしてあるものじゃない? 議題提供のタイミングとか、この場面で長々と話していいのだろうかとかそういうの。私はチャット参加者だったので余計にそういうのを掴まないとなーと思っていた。*1

「ゲームのルールが分からない内は、ルールを把握すべき」

そう思っているので、とりあえず序盤は傍観に徹し、どういう雰囲気で読書会が行われ、どういう役割が各々に与えられ、どんな進行でいくのか眺めようと判断した。

 

 

 

風の歌を聴け」を読解する時間


風の歌を聴け』を読了したのは、読書会の前日だった。そして当日はいろいろあり読解することは叶わず、当然のように感想記事も上げず、他の参加者の方の感想エントリーすら読み込めていない始末だった。

つまり課題読書を深く読み込んでいない状態で、読書会に参加したということである。*2

しかしここで「共有ドキュメント」あることで、読書会に参加しながらも『風の歌を聴け』を読解する時間が得られることに気づいた。

私の作品読解の方法はシンプルで、気になった文章を全て文字にし、それを元に思考していくというものだ。(ここは長くなるので以前書いた記事に託します)

読解モジュールを駆動させると、エ口ゲは7倍面白くなる


共有ドキュメントの最下部にやたら引用記述があったのは、そういうことだったりする。そしてやたらと引用に誤字脱字があったのもばーっと打っていたからだったりする(汗)*3

本のページを開き、キーボードを打鍵し、残っている脳内リソースで音声会話に集中する。抜き出したいページが終わる頃には読書会の流れも大まかに把握できるようになり、「さて次はどうしようか」と考え始めた。

 

 

読書会


私が想像していた読書会というものは『海燕さんたちのラジオ』みたいなものだった。(海燕さんとは主にサブカルコンテンツをメインにしているブロガーさんです)

あるテーマがあって、お互いに言いたいことを目一杯語り、聞き、それを受けて喋る。皆がみんな言いたいことがあって会話するよ!雰囲気だ。

私の「読書会」のイメージはそういうもので、そして人数が増えれば増えるほどその傾向が増していくのかな?と思っていた。

今回の『風の歌を聴けSkype読書会は、音声参加者は確か4人で、チャット参加者は私を含めて3人だったと思う。

ただ音声会話・チャット会話も少なかった。

あまりにも(私も含めて)みんなが話さないので、池田仮名さんがご自身の『風の歌を聴け』の感想を話すことで、その場を静かに繋ぎ止めていたような印象を持った。(一応ですが、何かが悪いとか、誰かが悪いとかそういう話しをしたいわけじゃないですよんこういうのは雰囲気とか流れとか空気とか体調とかいろいろあると思うので)

進行役ってすごいなって思った。私だったら途中で心折れちゃうような気さえしますもん。

―――そして自分はどうすればいいのかなーと悩んだ。

すでに引用したい部分は終わりを迎えたし、かといって話題を提案しようにも『風の歌を聴け』の疑問点や考えたい部分が纏まっていないからそれを提案することも叶わない。ん?そうか。

なら疑問点や考えたいところを纏めようと思い立った。幸いにも共有ドキュメントは自由に書いていいのだし、いつものように、いつも作品を読解するようにただ文字を書き連ねよう。

この時「共有ドキュメント」の内容は、主に音声会話であがっている話題を追いかけそこにツッコミをいれたり、あるいは各々の感想を書いていたけれど、

当の私はページの隅っこのほうで「なぜ鼠は"僕"に女を合わせようとしたのか?」「鼠がいう"風"と、火星の井戸の"風"は同一か?」「何故居酒屋で指が4本しかない女は倒れていたのか」「人が小説を書く理由」といったことを黙々と書いていた。

これを書き終わったら、これを元に疑問点をぶちまけてみたり、あるいは『風の歌を聴け』を考察する際の足掛けとして使ってみたいなと思っていた。

するとその話題を池田仮名さんに拾ってもらい*4、(私の中で)なかなかにいろいろな話題が発展し、リンクしていったりととても楽しかったです。

最後にどでかい謎である『HAPPY BITHDAY AND WHITE CHIRISTMAS』は特にそう。

読書会の醍醐味ってやっぱりこういうとこにあるんだろうなーって思いました。全員が思いもよらなかった謎を誰かが「見つけ」て、みんなで「考え」ていく。ああじゃないか、こうじゃないか、いやそれだと―――。

そんな風にして作品を考察する。

それが最も楽しいところっぽいなって私は思います。

 ◆


以前『ギャングスタ・リパブリカ』という作品で、Palantirさんとレイシアさんと対談したときも、やっぱここがめっちゃめちゃ楽しいよねーって思いますもの。にしし。

第1回「ギャングスタ・リパブリカ」で5時間対談-Togetterまとめ

第2回「ギャングスタ・リパブリカ」で330分お話- Togetterまとめ

『ギャングスタ・リパブリカ』の登場人物はほんと何を言っているか分からない。流れのまにまに読んでいたら「えどうしてそうなるの?」とか「禊んがいう"救世主"ってなにさ……」って絶対なる。それ程までにギャング部達の思想は複雑。

けれどもそんな誰にも分からない部分をお互いに考えて、仮でもいいから答えを出し出し続けていくと両者に「おお?!!これか!!ひゃっほうう!!」という瞬間を迎えるときがある。

言うまでもなく、納得できる"解"を見つけられた瞬間である。これがすごい楽しいんだよね。脳内からドーパミンがばんばん溢れる感覚があるんだとしたら、間違いなくこれだと思う。

感想会するといつも最後は「うわもうこんな時間経ってる?!」ってなるのは、ひとえにお互いに思考のギアを最大まで"がちん"と上げるからなんですよ(ΦωΦ)

 

 つまり何がいいたいかというと

「ここってどういうことだったんでしょう?」「それはですね」という答えがある感想交換も楽しいし、

さらに「ここってどういうことだったんでしょう?」「私にもわかりません」「じゃあ一緒に考えましょう」っていう1つのテーマで互いに考えていくってのもまた読書会の良さだなーってことです。 

 

今回のSkype読書会もまた、私にとってそんな感じで2時間50分あっという間でした。楽しい時間でした。迷惑じゃなければまた参加したいです。

 

  

 <参考>

風の歌を聴け―Hear the wind sing 【講談社英語文庫】

風の歌を聴け―Hear the wind sing 【講談社英語文庫】

 
風の歌を聴け (講談社文庫)

風の歌を聴け (講談社文庫)

 

 

 

 

 

*1:文字での会話は音声に比べるとレスポンスが遅いからだ。亀と兎の競争かってくらいに差があるものだし、応答の早さは絶対に追いつけない。例えば自己紹介してねと求められたとき、音声ならば「えー……と」「んーそうですねー」と限りなく沈黙という時間を無くせる。 しかしチャットの場合は、「内容を考える時間+タイプする時間」分の沈黙が襲い掛かってくる。実際私は自己紹介を求められたときに、キーボードをタイプしている間中ずっとしーーんと静まりかえってしまい焦った。沈黙は怖くはないが、自分のせいで"貴重な時間を待ってもらっている"っていう状況がすこし心苦しかった。でもこれはチャット会話ならば仕方ないのである。

*2:まあそれはそれでいいかなと自分でも思っていたのでここは気に留めたり申し訳ないという気持ちはあまり感じていなかった。そんな状態で参加した経験は後に役に立つだろうなとは思ったので。

*3:天の啓示を→天の刑事と打ったり、地文を→じ分と打っていたりと後で気づきました

*4:嬉しかったです