猫箱ただひとつ

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すべての動物と会話できるってどんな感じ?「どうぶつの国」最終巻・感想(2870文字)

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どうぶつの国(1) (少年マガジンKC)

どうぶつの国』を読んでいると毎度毎度自分の感情を切り替わる感覚が堪りません。

"カチリ"と小さな音を立てながらスイッチを押すように今そこにあった感情がもう全く違うものになっていく感覚。それにつられるように目元に力が入ったり、眉が上がったり下がったり眉間にシワが寄ったりころころ表情が変わってしまいます。そんな自分の感情が沸騰するような感覚が好き。

タロウザが怒ってる時は私も怒りますし、カプリが泣きそうな時は泣きそうになっちゃいますしリエムが落ち込んでいるときはううってなります。(それと動物たちが克己する姿がほんとにカッコイイ)

 ◆

本作品は動物たちだけが生きる弱肉強食の星でタロウザとう赤ん坊が現れるところから始まります。タロウザは「すべての動物の声を聞く」ことができる力を持ったこの星で唯一の人間です。*1

たぬきときつねでは互いに鳴き声が違うため意思の疎通は出来ませんが、そこにタロウザという少年が仲介することで3人はお互いの「言葉」を理解できるようになります。この「すべての動物達と会話できる」ってのがが『どうぶつの国』のキモ。

この弱肉強食のどうぶつの星で、タロウザは弱いゆえに殺されていく草食動物の鳴き声(泣き声)を聞き、草食動物を食う肉食動物の声を聞き、会話し、対話していくっていう内容なんですが……詳しくは全巻読んでね!

 「言葉」「繋がり」「絆」「生きる」「死ぬ」。このキーワドにビビっとくる人は楽しく読めるんじゃないかなーって思います。

金色のガッシュベル!』が好きな人もきっと楽しめるんじゃないかなって勝手に妄想してます。私はガッシュめちゃ好きなのですよふふふ。

それと『ガッシュ』より『どうぶつの国』のほうが好き!とは胸を張って言えませんが、良かった、と云えるくらいには『どうぶつの国』好きです。

金色のガッシュ!!(1) (講談社漫画文庫)

金色のガッシュ!!(1) (講談社漫画文庫)

 

今みたら新装版(?)のガッシュの漫画売ってることに気づいた。ガッシュは名場面多くて(ほんと泣くことが多くて)大好きな漫画です。ざけるっ。
……。

ここからは『どうぶつの国』全14巻の感想―――という建前の気になった部分、書き残しておきたい部分を文章化してみました。興味あればどうぞ。

 

 

 

 

 

 

人間は弱肉強食のピラミッドから抜けだした

「弱肉強食」という単語といつもセットになっているのがピラミッド型の図だ。ピラミッドの一番上が人間で、次に肉食動物、その下が草食動物、虫、一番下が微生物などなどを簡略的な図として弱肉強食とはどういうものかを指し占めている。

けれどクオウは言うのだ。「人間はこの弱肉強食のピラミッドから抜けだした存在だ」と。

ここの理由の説明をちょっと忘れてしまったんだけど……(なんだったかな)人間は武器を作り、宗教を作り、科学を発達させ、文明を築きあげてきた。国を社会を作った。それは「どうぶつ」では出来ないことだ。「どうぶつ」の世界での食う食われるというルールとは関係ないところで、人は生きているし日々を営んでいる……みたいな感じだったけ?

クオウの考えは突飛なものだったけれど、聞けば聞くほど「そうかもしれない」と思った。私の前提ってやっぱりというか、人間は弱肉強食の頂点に立っていると思っていたから余計「なるほど」という衝撃が大きかった。

そっかそっか人間は弱肉強食の世界から抜けだした存在なんだなーと。


そしてこれって以前書いた「永遠世界の過程」の部分(厳密にいえば海燕さんの話ですが)だなーとリンクした。これも「人間が望んだから生まれた結果」なんだなと。

↓ 

永遠世界は人が目指した「不条理がない究極の世界」である。暁の護衛からCLANNADまで(6362文字) - 猫箱ただひとつ。

 

 

 

どうぶつは皆「世界を変える」と叫ぶ

最終巻に近づいてくると動物は「世界の在り方に苦し」んでいた。どうして子どもを10匹産んでも結果的に2匹しか大人になれないのか、それではまるで成熟する1人の為に多くの屍を積むようじゃないかとかイタチが言ったり(イタチだったよね?)

肉食動物であるトラがひょんなことから仲良くなった鹿を、他のトラに食い散らかされてしまい「肉食動物が草食動物を食べるという世界の在り方」に疑問を覚え、けれどもどうすることもできなくて諦めてしまったり。

けれどもそんな「世界の在り方に疑問を覚えた」動物たちは、タロウザという少年が話す輝かしい未来を聞いて絶望を払拭させていくんだけれども―――。

ここでね私は思った。

本来動物は世界に従属する存在なんだよ。弱肉強食なのは当たり前だし、強者ががより強い者に食われるのは当然。けれども、もし、動物が、世界のルールに気づくほどの「知性」があったとしたら?

そうしたならば『どうぶつの国』の動物のように、世界の辛さ、どうしようもなさに涙するんだと思う。そして「どうしてどうしてどうして!!この在り方を変えることができないんだ!」ともがき苦しみ、あるいはその在り方を変えようと克己するんだと思う。

人間は世界に従属しない。

それは人間が「世界の在り方」に対し気付き、疑問を覚えられるという前提が必要なんだ。(そして人間は「観念」を直視できるからこそ、「世界を変えよう」と思うんだろうけどね)

つまり悪いことが起こった→悪い誰かのせいだ!→でもよく考えてみると悪い誰かが悪い行いをしているのはそいつのせいじゃない?→考える→この世界がそういうふうにできているんだー!

となるんだと思う。

 

 

リエム可愛い

どうぶつの国(7) (講談社コミックス)

カプリも好きだけど、女性として見るならリエムがめっちゃ可愛い。黒髪で性に敏感な感じがきゅんきゅんするよね!

 

 

タロウザとジュウとギラー

タロウザは自分の理想を現実に反映しようとする者

ジュウは弱肉強食という自然世界のルールを大事にしている者

ギラーはロジックで突き詰めればこの世界には絶望しないと気付き叫ぶ者

と言っているように見えた。

タロウザはArtっぽくて、ジュウはMarketで、ギラーはLogicかな。そんな感じ。

 

 
<参考>

どうぶつの国(1) (少年マガジンKC)

どうぶつの国(1) (少年マガジンKC)

 

*1:1巻までの情報を前提にした説明