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アルドノア・ゼロ11話_何故ゆき姉は怒ったのか?イナホの思考はどうなっているのか(2820文字)

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「理屈は合ってる」

「理屈しか合ってないでしょ!」

 

 

 

 

 

ゆき姉が怒る理由

「それとバース皇帝の血を引くものなら強制的に止めることが可能です」

「それはつまりセラムさんなら止められる、というわけですね」
「はい」
分かりました。セラムさんを敵要陸上へ案内します

「待ちなさいナオくん!」
「どうしてあなたいつもそうなの」
「なにが」「なにがじゃないわよ!」

「どうしていつも平気な顔で無茶なこと言うの」

「政治的な交渉ができないと分かった以上、姫の存在は力にならない。でも、戦術的でも力があるなら活用するべきだ。負けたらどのみちセラムさんだって無事ではいられない」

「理屈は合ってる」
「理屈しか合ってないでしょ!」

「どれだけ犠牲が出ると思ってるの?!」

「このままでも多くの犠牲が出るよ」
「だからって無茶していいの?」

「……戦争だし」
「戦争だからよっ!!」

「ごめんゆきねえ。でも僕は一番可能性が高い方法に賭けるがいいと思う。それだけだよ」

――セラム、イナホ、お姉ちゃん

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まず整理しておくと、

火星の要陸上を止める為には、起動させた者を殺せばいい。つまり起動者を殺すことが出来れば相手の主力の要である要陸上を停止させることができる。

しかし「起動者を殺す」たって様々な障害がある。まず「誰が」起動させたか分からない。次にどうやってそいつを探す? 

起動者は要陸上内部にいる可能性が高い(戦場に出て死んだら元も子もないので)けどそれでもあのただっぴろい要塞の中から起動者を探すのにすごい時間がかかるのは想像がつく。それに相手は自分達をもちろん攻撃してくる。

だからリスクが大きすぎて、誰も実行に移そうとしない案だと言っていいんじゃないか。

だから今地球VS火星の戦いは、一方的な火星の攻撃を地球がひたすら防衛しているっていう現状なんじゃないだろうか。相手を無力化する有効な手立てはないのに、あちらはこちらを殲滅する策も力もある。負け戦に近い状況。

しかしここで「アセイラム姫が火星の要陸上を停止できる」という情報が加わればどうだ?

火星の戦力を根こそぎ落とせて、あわよくばこの戦争に勝利する光明にならないか?

「それはつまりセラムさんなら止められる、というわけですね」
「はい」
「分かりました。セラムさんを敵要陸上へ案内します」

――イナホ、姫

そしてもちろん、相手の城に入るということは多数の犠牲者が伴う。多くが死んで死んでを繰り返すだろう。それは簡単に想像がつく。

だからお姉ちゃんがイナホに怒る。

どこまでもロジックと理屈でしか計画を組まない弟に、感情的な立場と視点が欠けている弟に、もっと情緒的であれとそう言っているように聞こえる。

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「どうしていつも平気な顔で無茶なこと言うの」

「政治的な交渉ができないと分かった以上、姫の存在は力にならない。でも、戦術的でも力があるなら活用するべきだ。負けたらどのみちセラムさんだって無事ではいられない」

「理屈は合ってる」
「理屈しか合ってないでしょ!」

どれだけ犠牲が出ると思ってるの?!
「このままでも多くの犠牲が出るよ」
「だからって無茶していいの?」
「……戦争だし」「戦争だからよっ!!」

――イナホ、姉

おそらくお姉ちゃんは味方の死――犠牲――をありありと想像できてしまうんだろう。彼女は軍人で、軍人は戦場にて戦う。仲間が戦場で戦い、死ぬ姿を思い描ける。だから"そんなかんたん"に犠牲を込み入れた計画を、情緒的な表情を、感情をいっさい失せた顔で喋っているイナホに怒っているんだ。

―――戦争だからこそ、無茶をしていいわけじゃない

 

 

 

イナホの思考ベース

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イナホの思考がだんだん分かってきた気がする。

彼はおそらく「自分が最適解だと思ったものなら、そこにリソースを注ぎ込める」という思考の持ち主なんだと思う。

なにそれふつーじゃん?って思った? なわけないなわけないないない。

こんなの全然普通じゃない。私から言わせれば怖いくらい「感情的要素」を排除した人間だよ。

つまりねイナホくんは「自分が最適解だと思ったもの」なら、その結果に至るためにしっかりと行動するということ。そこにだるいとか面倒くさいとか怖いとか嫌だとかそういう感情を持ち出さない。

火星の要陸上の強襲を計画する場面で、彼はこう言う。 

「マリト大尉、強襲隊の編成を頼みます」
「……了解」
「僕が第一陣に加わります」
「ナオくんっ」
「多分、僕がいちばん火星の兵器と戦った経験が多いから

 戦争の経験なんてほとんど無いイナホが、毎回毎回戦場に出て、命を賭けて戦って、敵を倒していたのは

 

それがもっとも成功する確率が高いからだ

 

だから今回の空中強襲作戦も、自分が出ると言うんだよ。

怖くないの? 生命の危機を感じて逃げたくならないの?

イナホと同級生である女の子はめちゃくちゃ怖がってるじゃん。死にませんように死にませんようにってコックピットの中でガクガクブルブルしてるじゃん。なのになんで君はそこまで「感情的要素」を排除できるんだ?

人は最適解だと思っても、そこに至るまで行動できない奴が本当に多い。この方法が良い結果を生むって分かっていても、その結果のために努力出来ない奴は本当に多いんだよ。

それは人間が「感情」の生き物だから。勉強したほうがいいと思ってもそのときの気分で勉強を投げ出してしまったり、ゲームしてしまったり、部屋を掃除してしまったりする。

それは人間が「理屈だけでは」動けないことを表している。いくら最善手だと最適解だと分かっててもなお、「最悪手」を選ぶのが人間なんだ。バカだねー、でもいいんだよ。この種族は感情というノイズによって「人間らしさ」を担保しているし、それが文明を発展してきた。

「飽きた」「だるい」「面倒くさい」

それが経済や生活環境を発展してきた。

もし人類が理詰めでしか動くことが出来なかったら、それに伴う技術の成長は無かったんじゃないかな。

だからそれだけイナホが異常に映るということでもある。最適解に向けて自分の全リソースを注ぎ込める………それが彼の本質なんじゃないか?

おわり。

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