猫箱ただひとつ

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仮面ライダー鎧武42話_そいつは蛇で、ただの概念だった(2977文字)

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仮面ライダー鎧武 (ガイム) アームズウェポン 01大橙丸

 

そいつは蛇で、古き民を変革するもの

「そいつは始まりの女になるんだよ」
「始まりの女が選んだ男こそが、黄金の果実を手に取る。英雄となる」

――サガラ

 一話、片目が赤く銀髪の<始まりの女>がコウタに「違う道もあるんだよ!その道を選んでしまうと運命が決まってしまうんだよ!」みたいなことを言っていた気がする。それとミッチがリュウゲンになったときも同じ言葉を言っていた気がする。

おそらく時系列的にはこういうことなんじゃないだろうか。

オーバーロードが舞に黄金の果実を渡す↓
舞始まりの女になる↓
黄金の果実を誰かに授ける↓

そして同じこの世界での未来の舞なのか、それとも別の世界線の舞なのか分からないけれどコウタ達が「運命を決める」直前に現れては忠告をしている。このことから「忠告する何か」があったと観るべきだろうか。

「忠告する何か」というのは、例えば、コウタ達が選んだ運命がろくでもないものだったとか、その結末が悲惨なものだったとかね。だからこそ同じ道を辿って欲しくないからこそ過去に戻って、あるいは別の世界線から舞<始まりの女>として忠告しにきた?

 *

そしてこの後サガラは、ミッチと戦極竜馬にこう言い放った。

「黄金の果実は種族の神話になぞって与えられるべきだ。そして始まりの女に果実を渡す」
「それがこの俺の勤め」

ふむ。サガラは「神話になぞって」自分の役目を果たしているって考えていいんだよね? でもさ鎧武の世界だと黄金の果実の神話は、「事実が伝承されているもの」だったんじゃないだろうか?

つまり何がいいたいかというとね、サガラが起こしてきた変革こそが黄金の果実としての神話として人類は伝承してきた。けれどもサガラは「神話になぞって黄金の果実は与えられるべきだ」とそう云う。

じゃあまずは「神話ありき」なのか。古代の人類が造ったお伽話になぞられて、サガラは黄金の果実を渡すストーリーを作り上げていっているのか。ははーん……そうかそれならば今までの行動も頷けるようなきがするぞ。

コウタにカチドキや極みロックシードを授けたり、あるいは助言をしたのも全ては「神話通りに(自分が思い描いたストーリーに)黄金の果実を舞に与えたかっただけ」なのね。ふむふむ

劇場版仮面ライダー鎧武 サッカー大決戦 黄金の果実争奪杯 オリジナルサウンドトラック

劇場版仮面ライダー鎧武 サッカー大決戦 黄金の果実争奪杯 オリジナルサウンドトラック

 

「我らは永遠に蔓延るもの」
「空を超えて茂るもの」
「古き民に変革を促すものであり、あるいはただ単に蛇と呼ばれたこともある」
「蛇」
「ああ」
「そうだな」
「お前たちがくれた呼び名で名乗るのもいいかもしれない。そうなると我が名は"ヘルヘイム"ということになるか」

「サガラ、君はヘルヘイムそのものだというのか」

――サガラ、ミッチ、戦極竜馬

 ああ、なるほどねえ……。こいつはもう既に「概念」なのか。どおりで。

つまりサガラは一見対話できて意志や感情みたいなものを感じ取れるけれど、ただ言われたことを忠実にこなす機械となんら代わりない。おそらく交渉も通じないだろう。

だって彼は「概念」なのだから。彼は彼の役目を自動的に機械的に行い、再現し完成させる。それがサガラの存在意義であり行動する目的である。ただの人間なら「揺らぎ」というものがある*1けど、彼には無い。揺らぐこともなければ会話をして意志を曲げてもらうことも変質させることも―――おそらく出来ないんじゃないかな。

だからこそサガラが人類を滅ぼすという意味での"ヘルヘイム"と名乗り(←事実上今の世界を壊すという宣言)、お前たちを"見守る"(←見ているだけで何もしない)という発言もきっとそういうことなんだろう。

「あんたがヘルヘイムそのものだっていうのなら、どうして人類を滅ぼそうとする」

「滅びそのものは手段にすぎない」

「お前たち人類が、新たな段階に進化するためのな」

「そんなことをしてなんになる」

「魚にはトカゲになってほしい」
「猿には人になって欲しい」
何故と問われても困る」
「俺はそのように生まれ、そのように無数の世界を変えながら宇宙を渡ってきた」

 そう、サガラは「古き民を変革させる」ことだけを目的にしている存在なんだ。今ある世界を壊し、新しい世界へとシフトさせるだけ。人類を多大な犠牲のもとに「進化」させたいだけ。進化すればなんだっていい。そこに理由なんてものはない。

ただ、"あ"るだけなんだ。

理由なき悪意となんらかわりない。そうあるだけ。

 

ちゅーかサガラが求めている「進化」というのはどういうものなんだろうか。環境適応とかそういうことではないんだろう。技術的特異点が起きるようなそんな未来が予測できなくなるほどの世界の切り替えみたいなものを臨んでいる気がする。

人間が皆オーバーロードになってしまうような。今の種族から別種族になってしまうようなそんな感じ。

あるいは人間として正当進化するような能力値の大幅UPとか? あるいは今ある社会から考えられないような「新社会」みたいなの。『ハーモニー』的慈愛と安定に満ちた世界とか、なんだか今の社会よりより完全で完璧なそんな世界が作り上げられれば満足してくれそうな気もする。

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

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運命を選んでしまったんだ

「僕はただ舞さんを守りたかった。それだけなんだ」
「今さら引き返す事はできないぜ」
「お前は運命を選んでしまったんだ」
「葛葉紘汰も駆紋戒斗も自ら選んだ道を突き進んでいる」
「お前たちが最後にどこに辿り着くのか。俺はいつでも見守っているぜ」

――ミッチ、サガラ

 運命を選んでしまったって何度も何度も繰り返し云うけれど、どういう意味なんだろうか。

始まりの女の言葉も照らしあわせて考えると、ベルトを装着し、ロックシードで仮面ライダー鎧武となってしまったことイコール「運命を選んでしまった」と考えていいんだろうか?……。

んーいやもしかしたら、仮面ライダーになった後に生じる出来事(例えばコウタならユウヤを殺してしまう、ミッチなら今現在の状態になってしまうなど)起きてしまうことそのものが変えられないほどの運命を引き込んでしまったみたいな感じなのかな。

 

<参考>

 

*1:Aだと信じていたものが時間によってBを信じるようになったりそういう変わりゆく存在と言えばいいだろうか