猫箱ただひとつ

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東京喰種2話_立場の違いと尊厳の規定(3967文字)

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あんたはね、

こいつを喰い散らかした後で後悔するの

血と臓物の海の中でね―――

 

……もうどないしろというんですか(白目

では2話感想です。

 

 

 

 

 

立場の違いがもたらすもの

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ねえ、ケーキってほんとはどんな味なの。

吐くほど不味いから分ないんだけどさ、あれ、人間は美味しそうに食べるじゃない。

……

平和な生活はどうだった。

CCGやグールに怯える日々は
…………

……

すべてが最悪?

ざけんなよ

だったら私は生まれた時から最悪ってわけ?
 なああんた教えろよっ!!


――霧嶋 董香 (CCGでいいのかな?どうもうまく聞き取れない)

そうか今やっと気づいたグールという種族は、私が美味しいと感じている食べ物がすべて不味いという認識から生まれ育ってきているのか。 

いやそこはどうでもいいか。グールに怯えるってことは、人間にとって食物連鎖の頂点がグールになってしまい彼らの捕食に怯える生活が当たり前になっていると。それはきっと通り魔殺人とかと変わりない。ただ唯一違っているのは、グールには「圧倒的な武力」が存在し、かつ定期的に「殺人」を行わなければいけないということ。

通り魔殺人とは根本的に脅威の差が段違いだ。

いやそこもどうでもいい。

結局のところそんなグールに対して、金木はこう思うことしかできない。
 

ぼくは、ぼくは人間なんだ!!

――金木

そう僕は人間で、お前たちはグールだ。と。そして人間である自分が、人間を食べたりすることなんて出来ないそう言っている。

そしてそれはきっと金木にとっては、とても自然なことで、グールに対してそれ以上の他意なんてものはない。

けれども董香さんは思っているんじゃないか?

人間人間って……お前私を見下すのもいい加減にしろよ」と。実際彼女がどう思っているのかわからない、ただ彼女は明らかに「怒って」いる。金木の発言にたいして苛立ちを覚えている。

金木は「自分は人間なんだ」という彼にとって当たり前の認識を宣言しているにすぎない、発言しているにすぎない。しかしそこに「立場の差」が生じているのも事実だ。

人間とグールという区別。あるいは差、あるいは位置の違い。あるものにはそれを表明されるだけで、心に刺さるものがある。金木が自分は人間でお前はグールだという宣言が、董香さんの心にナイフがぐさぐさ刺さっているんじゃないか?……。

立場が違う両者は、その立場ゆえに勝手な劣等感を覚えたり、勝手に攻撃されたと思ってしまうことがある。

「お前は傲慢だ」
「お前は上から目線だ」
「お前はいつも俺を見下している」

話者にはそんな意図がないにも関わらず、そういった発言をされることがある。


意味が分からないのなら、こう例えよう。

・町中で恋人同士がいちゃいちゃしたらどう思う?

・お金を持っている人が「お金持っている」と発言することにどう思う?

・自分より優れた人が「俺は優れているからな」と発言したらどう思う?


人によっては勝手に劣等感を感じて、町中の恋人に「リア充爆発しろ」と心の中で叫ぶかもしれない。でも恋人がいる人は、初初しいなと思いさらっと流すだろう。

お金を持っている人や、優秀な者が「自分はお金がある・自分は優秀であるという事実を言っただけ」で、彼らに劣等感を感じたり、見下されていると思うのならば、それは自分自身になにかしらの問題があるということになる。*1

あるいは当人には問題はないのかもしれない。けれどもこういった「劣等感」は「立場ゆえ」に必ず起こることだと私は思う。

もう一つ例をあげてみる。私には十年以上付き合いのある友達が3人いる。小さい頃から現在まで家に行って遊んでバカやったり宅飲みしたり14時間以上だらだらと話あったりするそんな旧知の仲的存在がいるんだけれども

そんな事実を聞いて「へー私にもいるよそういう友達」とか「そんなの普通じゃん」という人もいると思う。

逆に「それは友達がいない俺の当て付けか?」「嫌味な感じ」「言い方があるでしょ」と思ってしまう人もいるかもしれない。

でも私には前述した言葉に見下した意図もないし、上から目線な態度も含めていない。ただ事実を言っただけだ。そんな事実を聞いて、劣等感や「上から目線」を感じてしまうのだとしたら、それはもう当人の心の問題としか言い様がない。

これは金木と董香の関係も一緒だと思う。金木はただ事実(あるいは事実にしたいこと)を言っているにすぎない。僕は人間です。人間なんです。と事実を言っているにすぎない。

しかし金木と董香の間に横たわる断絶を鑑みれば、その"事実の指摘"はより深い溝へと様変わりするものなんだろう。

「お前が人間だから? 私がグールだからなに? だから最悪ってか?」そう思ってしまうのも理解はできる。金木にそんな意図がなくても、そんな上から目線な態度を含めてなくても、だ。

これは董香に劣等感を感じるだけの何かがあるのか、あるいはやっぱり立場の違うゆえに起きる意識の断絶なんだろう。


相手の言葉を勝手に拡大解釈して、勝手に傷ついて、勝手に憎悪を抱いて、勝手に裏切られたと思って、勝手に自己完結する。そんなのが人間ってやつなんでしょうね。



グールに性欲はあるん?

西尾は女性とえっちな行動をしていたわけなのだけれども、ちょっと待って。グールに「性欲」ってあるんだろうか? というか生殖器官はあるのかな?

そこは人間と同じなのかな? 人間のフリをしていたとかじゃなくて? 実際に性欲があってムラムラして一発やりたいなとか思っているの? どうなんだろ。

グールと人間に出来た子どもは、グールになるのかなとかいろいろ疑問が出てくる。

 

 

グール、たい焼き食べる 

グールの生活もすげーきついな……ということが分かる。人間社会に溶け込まなければいけない事情があるんだろう、だから人と同じように「料理を食べる」ことをしなければいけない。

もし何度も相席や同席、食事の席を断り続ければ「こいつグールなんじゃないか?」という疑惑が強まってしまう。それはまずい。おそらくグールだと分かれば、グールを駆逐する組織が出てきたり、あるいは捕食する人間を取り逃がしてしまう結果になりかねないんだろう。

毎日毎日、クソマズイご飯ともよべないものを数度口にしなければいけない。それってもう最悪じゃない?

私に例えると「靴を食え」とか「スポンジを食べる」とかまだいいほうで、……やめようこの想像は最悪の事柄しか想起できそうにない。

 

 

 

大事なのはきっと、尊厳、だ

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ずいぶんらしくなってんじゃん半端やろう

空腹すぎて理性吹っ飛んでんじゃない?

「どけ」

もう友達の命すらどうでもよくなったんだ

あんたはね、

こいつを喰い散らかした後で後悔するの

血と臓物の海の中でね

それがグールの上、私たちの宿命。

 

――董香

 

もう人間でもあり、グールでもある金木が出来ることは「自分の尊厳をどう大切に扱っていくか」しかできない気がする。

つまり何を一番優先するのか? その為には何を妥協して何を切り捨てなければいけないのか?を考えて設定しなくちゃいけないんだと思う。

ここでならば「友達は絶対に食べない」と誓うとする。しかし「誰も食べない」ことを選べば、この日のように空腹で理性が吹っ飛んでいつか必ず友人を捕食してしまう結果を招くだろう。

そんな最低で、最悪の結果にならないために、「友達じゃない、誰かの肉を食べる」という妥協が必要になってくる。空腹じゃだめだ。空腹ならばもっとも大事なものを壊してしまうから。

でもこれは単なる理想でしかない。

今まで人間だと思っていたものを「食べる」のだ。その生理的嫌悪は生半可じゃない。生きている鼠のおどり喰いとか、ゴキブリを口のなかにたらふく詰め込んで咀嚼するとかそういったレベルの嫌悪感だと思う。

……もうね……、もうね……もう嫌だ……。

もういやだよ。こんなのってないよ…………あんまりだよ……。

 
 *

董香さんが言っている「グールの上」ってなんだよorz kininaru

 

 

 2つの世界を行き来できるもの

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金木は人間でもありグールでもあるのだ。だから彼は2つの世界どちらも行き来でき、そこに居場所を作れるよ?みたいなことをオーナーさんは言った。(微妙に違うかもしれない

ここでは「2つの世界を行き来できる存在」というものを考えてみる。

2つの異なる、断絶した世界を行き来できるということは……それは異文化交流のはじまりを予感するものなのかもしれない。

つまり人間にとってグールとは捕食者であり未知であり恐怖でしかない(と思う)。しかし実際にはどうだろう? グールはそれだけの存在なのかな? 彼らも人間と同じように生きて、同じように尊厳を懐き生活しているように見える。何かに苦しんだり、痛みを覚えたりしているように見える。

同族殺しになにかしら感じている人だっているかもしれないし、何かしらの誇りを掲げている者もいるかもしれない。わからない。

ただそれを「理解」して「他文化」に「伝達」できるものがいるとしたら、金木しかいない。

でもそれは「2つの世界を比較する」という滅茶苦茶ハードな行程が待っているわけで……そしてそれの苦痛を伴うのも金木くんなわけで…………。

もうなんか……なんかなあ……見ていると不安渦巻いてメンタルが少しおかしくなってきますよまったく(白目

おわり!

<参考>

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*1:もちろん今挙げた3者が「お前は私より下だ」というニュアンスを含めた発言を、"意図的"にした場合は話は別になるが、ここで言いたいのはそういうことじゃない。