猫箱ただひとつ

物語追求blog。アニメ、マンガ、ギャルゲーを取り扱ってるよ

牧野那波_感想(18249文字)

スポンサーリンク

f:id:bern-kaste:20140515154916j:plain

那波ちゃんの赤い目は吸い込まれそうになる。時に"美しい"は"狂気"へと変質していく様をふと思い出した。

あまりの難しさに、疲労にギブアップしようか悩みましたがここまでこれて良かった。ということで感想です。

 

 

 

 

 

無限退行

 

透矢「だけど、目が覚めてからも、すごく不安だったよ。自分の目が覚めているかどうかを確認するなんて事、できないし。

目が覚めたと思っているけど、実は図書館で寝て、ひざまくらをされている夢を見て、図書館で目を覚ます―――っていう夢なのかもしれない。考え出したらキリがないんだけどね」

――透矢

すべてが夢。夢の夢の夢の夢―――みたいな。

 

f:id:bern-kaste:20140515155253j:plain

「…無限退行、ですわね」
「無限退行?」

「人が死ぬ時に、それまでの人生をものすごいスピードでさかのぼるという話がありますの」

「走馬灯のようにってやつだね」

「ええ。時間は絶対的なものではありませんから、物理的に一瞬であっても、意識という空間の中では、処理さえ追いつければ、人生の全てを再生することも可能ですわ」

――那波、透矢

 
まじか……。脳の処理さえ追いつければ、コンマ世界で今まで生きてきた人生を再生をすることが可能なのか

……。

…………ん?  あれもしかしてもしかして!!?!

この水月世界が、"事故死"寸前の瀬能透矢の見ている「夢」だとしたらという仮説を思いついてしまった。

つまり父親と一緒に車に轢かれた透矢は、事故死を回避できず、そのまま死んでしまう。けれどもその死と生の境の一瞬のコンマ世界で、彼の人生の全てを再生しているんだとしたらどうだろう?

その人生の再生――無限退行――そのものが、このなんでもアリな水月世界だとしたらどうだろう?

もしもという可能性と、無限退行という要素によって、この世界が作られている可能性。

どうよ!

 

無限退行2

那波「早送りの映画でも、それで音や絵を追える力さえあれば、普通に見た場合と、同じような感想を抱くことはできますわ」
(中略)
那波「それで…もしも、その意識が、最後の最後――つまり、死の瞬間にある現在の自分に追いついたら、どうなりますか?」
(中略)
那波「死の恐怖に直面した時、意識の中で、人生をもう一度やり直す。つまり、再び記憶を一からたどり直すというものがあるはずですわ。同じ人生をたどってきて、同じ死の恐怖に直面した以上、脳は同じ判断を下すはずですもの」


やっぱり透矢の交通事故は、ここらへんと絡めるべきな気がしてきたぞ。

コンマ世界で記憶を1から辿るというのは、0才~17才、約17年分の時間を再び歩むということ。(透矢が17才だと仮定して)

 

透矢「でも、それって物理的に死ぬまでしか続かないよね」

那波「理屈では。たとえば、コンマ何秒の世界で、そういったやり直しが、何万回もできるとしたら、どうでしょう?」

透矢「そうなると、半永久的にくりかえせるんじゃ…」

那波「ええ。さかのぼっていくと、どこまでもさかのぼっていけますわ。けっきょく始まりがどこかを証明する手段はありませんの」 

 
【現実世界】
→→→死「ここで無限退行発生!」
     ↓
     【コンマ世界】 

      0才→→→死「ここで無限退行発生!」
            ↓

             以下ループ

ってことなのかな?

 

「それで無限の退行か……じゃあ考えるだけ無駄なんだね」

「というよりも、それが正解なんだと思いますわ。無限に退行することができる、ということが

「じゃあ、僕らのこれも、繰り返されてる誰かの夢の一部? そう考えると怖いんだけど」

「誰かのではなく、わたくしたち自身の、ですわ」

――那波、透矢

すげええええ!!!そうかようやく意味がわかった。理解に達した。そういうことかそういうkとおかえうれかああ!!!

"わかった"感覚というのは、すごい。精神が圧縮される。いやまあいいかここは。


最初はなに言っているのか分からなかったけど、つまり今、私が認識している世界もまた「無限退行」の過程だとしたらどうだろ?! おい!!(歓喜・興奮)

そして今私の目の前で誰かが死んだとしよう、その死んだ人が、コンマ世界に突入しまた"人生を再生"しているんだとしたら? 

そうなると―――無限退行という概念は―――【死】という考え方をひっくり返すぞ!!!

これはマリアが書き換えた死の概念に近い。つまり死は終わりではなく、ただの始まりだっていうこと。「絶対的に終わる」なんてことはないのだ。

私が今ここで命を断つとしよう。しかしその死に至るその瞬間「無限退行」がはじまり、また1から人生をやり直しはじめる。うあああ!!なんだそれすげー!!

きた!きたよこれ!!

そして無限退行を採用するということは、過去も未来も等しく同価値になる。今と同じ価値。うおおお!!!!!

過去も未来もないよ!って言ってもいい。EUREKA(わかった)!!


*追記。

あと「生きてきた人生を再生する」という意味は、瀬能透矢0才から再生しはじめるんじゃなくて、

彼の「全人生」ってことを視野にいれるべきだと気づいた。つまり透矢の前世である"七波"の分までってことだ。あるいは七波よりもっともっと前の過去まで遡ることが無限退行の真実なのかもしれない。

 

「ナナミは皇帝の命令で、不老不死の法を探して、この国を目指した。だけど、途中で船が難破して…」

「……どうしてそのようなことまで? ナナミはただ、海の向こうにも神の世界などは存在しないとしか」

さっきまでのが、夢だとするなら、そこで見た。僕は七波じゃなかった。ナナミは……違う那波だった。この話は、ぜんぶ向こうのナナミがしてくれた」

――七波、ナナミ

 

21世紀の現代と、大昔がリンクしているっていうこと。

"今"の透矢と、"今"の七波の記憶が連続性を持ち始めて、同期しつつあるこの状況はまさに円環である。

 

 

 

水月

那波「その夢を見るたび、とても悲しい気持ちになりますの。それで、いてもたってもいられなくて……」

透矢「抜け出して来ちゃったわけだね」

異常なんだ、僕も牧野さんも。
夢なんか真に受けて、それを疑いなく自分の行動原理に組み込んでいる。それは、果たしてまだ夢と言えるのか。

f:id:bern-kaste:20140513233625j:plain

夢と現実の狭間、手が届きそうで届かない、そんな不確かなところに僕らは迷いこんでいるのかもしれない。

波間を漂う、あの月のように。
水でも月でもないもの。
ゆらゆらと揺れる不確かなそれは、実存していると言えるんじゃないだろうか?

――透矢

夢と現実の狭間。間。

水面にうつる月のように。でもそれは月でもなければ、水でもない。

(なんか火のお話に似ている気もする。火は現象なだけで、なにかしらのエネルギーを放出しているわけじゃない)

水でも月でもない「なにか」。その「なにか」を「なにか」以上に説明することはできないけれど確かに存在している―――ああこれはまるで『怪』と同じじゃないか。

そしてそれを透矢は実存している、といえるかもしれないと言っている。実際に存在しているという意味での実存ではなく、もっと深い意味で使っているんだろうか?

『何故』を赦さない存在というものは確かにあるのかもしれない。

水月という言葉には、すべてのものごとには形がない、という意味があると言いますわ。透矢さんと同じことを考えた人が、いたんですのね」

「そっか……」

「夢は現、現は夢…」

「現実を月とするなら、夢は水月っていうところかな?」

「…わたくしは、逆だと思いますわ」
「え?」
現実こそ、不確かな海面そのもの…夢はそこに映った確かな可能性

月っていう、確かに存在する、だけど手の届かない場所。不確かな僕たちの世界では、それが幾重にも重なり、揺れ動く、水月になってしまう。
漠然とした形をし、無限に広がりながらも確かに存在している別世界――彼女の言う夢って、そういうものなのか。

――透矢、那波

 

那波ちゃんが言っていることは難しい。

私が思うに「夢も現も同じ」だとは思うんだけれどね。夢=現、そこになんらかの差異はない。月が夢でもいいし現でもいい。水月が現でもいいし夢でもいいと。

現実が不確かな海面というのは、ノイズ(乱数)による無秩序な世界って意味でなら納得。だけど"手の届かない場所"っていうのはどういう意味なんだ? 私たちは何かに触ったり、希求すればある程度のものは自分の手元に置ける。

ならば、これは手の届かない場所があると言いたいだけ? そりゃ現実は永遠に届かないエントロピーを覆すことはできない。そゆこと?

 

 

実存がぶっ壊れたらどうしますか?

 

f:id:bern-kaste:20140515155412j:plain

「だけど、それじゃあ、僕はどうしたらいいの? 僕は夢の中で何もできない。すべてが一つだとしたら、僕は……何もできない人間ってことなのかな……」

言葉は海風にさらわれて―――

来て、くれましたわ

「牧野さん……?」
「那波のために、来てくれました」
「…」
髪の長い、はかなげな少女の涙に、僕はなにも言えなくなってしまった。

――透矢、那波


ああそうか……水月って、実存が<核>にあったのか……。ようやく全てが合点がいった。

「泣かないで、牧野さん」
「透矢さん…」

だけど、今この人の涙を拭ってあげることができるのは、やっぱり、僕だけじゃないか。この現実の正体が、夢であれ幻であれ、ここにいる、僕だけ。

ああ……

そのために僕っていう人間は、ここに存在しているのかもしれない。遠い昔のひとしずくが、少女の祈りを聞き届けた結果として。

難しいことはよくわからないし、哲学みたいなこと、単純に信じたりはできないけど、腕の中にある温もり、鼓動―――これは確かな現実なんだと、それだけは信じていたいと思った

――透矢、那波

 

記憶を損失したら、実存が壊れてしまうのか……。なんでいままでこの事に気づかなかったんだろ。そうだよね、そうだよ。

実存を取り戻すには【今】を生きるしかない。それだけが確かなこと。そして今目の前の涙を拭ってあげることが、自分ができること。それこそが拠り所を失った自分を取り戻すこと。

今この瞬間、この時を生きる。見る―――。

 

 

 

 快活な那波の世界

 

透矢は夢をみた。その夢はいつもの那波ではない元気で快活な那波とお喋りする夢だった。

そんな見た夢を、現実にいる那波に話す。

 「…もし生まれ変わるのでしたら、あんなふうに生きてみたい気もしますわ。透矢さんの恋人として」

「ぁ…ぅ…」

「ですけど、今の那波には、きっと無理ですわ」
「どうして?」
「内緒、です」
「そう……」
困り顔の牧野さんは、いつもの、どこかうつろな目をした牧野さんだった。

――那波、透矢 

 
透矢がみた夢ってことは、それは可能性的にありえるということ。"ああいう"牧野那波がいてもおかしくないということになる。

そしてそれは透矢自身が望めば、そんな那波と生きていくことも可能なのだろう。だってここはそういう世界だから。

「あんなふうに生きてみたい気もしますわ
「ですけど、今の那波には、きっと無理ですわ」

那波はそう語った。何故今の那波には無理なのかを、彼女は話さなかったが……どういう理由で無理だと思ったんだろうか。

病気だから?
虚弱体質だから?
それとも父親の願いを叶えるために存在しているから?
役目を終えたら死んでしまうから?


 

 

夢見の力

 
夢見の力とは―――

f:id:bern-kaste:20140515155444j:plain

 「夢から世の理を導き出す力ですわ。星見の力と同じですの」

――ナナミ

 

「わたくしも似た夢を幾度か、旦那様に救われた直後……視力を、失ってから身につけたものですの」

「なんだって?」

「一時的に、光と記憶を無くしていたからでしょう」
「!」

記憶と視力。
それは、瀬能透矢と牧野那波に欠けている、ふたつのものだ。何か、そのふたつであることに意味があるっていうのか?

――七波、ナナミ、透矢 

 
星見の力を使うことが出来るには、ある条件が必要なんだと思う。

それが「記憶の欠落」あるいは「視力の欠落」だろうか。だから透矢も那波も、現代から→大昔の世界を観測できるのか。

そして記憶と視力2つとも失くしているナナミ様も、彼女の時代から21世紀の現代の世界を夢見ることができる。

記憶と視力の欠落―――これが指し示すのは、実存の欠落と同義なんじゃないか? つまりこの2つを無くしてしまうと、自分が何者なのか、何故ここにいるのか、何故生きているのかという体感覚を覚えてしまうことに繋がる。そんな実存感覚を欠けてしまっているものほど、現実に執着しないのは周知のとおりだ。

現実に執着しないからこそ、「夢」の世界に行けるようになるのでは?

それこそピーターパンのお話のように―――。

 

「旦那様、何も見えず、何もわからずという状態が、どういったものか、おわかりになりますか?」

「…いや。ただ、とても恐ろしいことだとは思う」

「それは、わかるということや、光というものの存在を、すでに知っているからですわ。そうでなければ……ただ、意識の海を漂い続けるのみ

「……?」

「知ってしまうことで、許容できなくなることがありますわ。見えてしまうことで見えなくなってしあうものも―――それが怪の正体」

 ―――ナナミ、七波

 
以前、私は「5感全てがなくなったらどうなるか?」ということを考えたことがあった。↓

 

これ想像の埒外だわこれ。概念の外側にある事象だよ。「五感すべてを閉じた」という体感はさ。今のわたしがぎりぎり想像できるラインは、「真っ暗な押入れで何の音も聞こえなく体を動かせない状態」くらいがせいぜいだ。

「真っ暗な押入れで何の音も聞こえない体を動かせない状態」で、何ヶ月も何年もただひたすら【思考】し続ける。考えて考えるだけになる。 

ああそれは最悪だ。最低の気分だ。

(中略)

無理だ。無理にきまっているなに考えているんだ、それは文化的教育を受けてきた人間の精神構造で耐えられるものじゃない。いつか砕け散るぞ。

――【少女を監禁する事情】

そうこれは「5感を知っている」ものが、後から5感を失ってしまったら? という状況だった。


でも今回のナナミの話は違う。これは「そもそも5感がなかったら?」ということを言っているのだ。正確には5感ではなく視力と記憶のみだけれども。

最初から視力がない世界、Episode記憶がなくなった世界に放り込まれたら人はどうなるか? 

視力がないということは、色や形というもの概念がそもそもない。三角といっても△を思い浮かべられない。はずだたぶん。いくら三角形の物体を触って把握しても「△」←この形思い浮かべられるのかは……出来ないと思うのだ。

だからこそ形という概念が消失しているんじゃないかと指摘する。

ナナミはそんな世界を「意識の海を漂い続けるのみ」と言う。意識の海? 精神世界にどっぷりつかっているみたいな? トランス状態みたいな? 世界と自分が一体化しているようなあの感覚のこと?

おそらくそれだ。世界に訴えかけるからこそ(=見るという投射)、私たちはその反射として自己が確立されていく。

でも視力がない人間はそれができない。すると自我が極端に薄い人間になるんじゃないか? だからこそ世界と一体化できるわけなのだけれども。

意識の海に漂う=自己と世界の一体化感覚

ゆえに……星見が出来るんだよねえ……。普通じゃ無理だもの。この感覚は。

「わからないよ……」

「わかっては、いけないことです。旦那様がこの世界に生きている限り……知ってはいけませんの」

――那波、七波

 

 

 

 

 

 

巫女の垣間見る世界

 

「あれが、巫女と呼ばれるものたちが垣間見ている世界…」
「巫女?」

僕の側にも、いなかったか……
その力を受け継いだという人が。
だけど、思い出せなかった。

――ナナミ、七波、透矢

 

透矢が言っているのは花梨のことだよね?
花梨が"本番"でも失敗なく舞を踊れるのは、このことに関係しているんじゃないか。つまり花梨は夢見の力と同様の現象を、舞を踊っているときにだけ発現できる。だからこそ彼女は本番でも失敗なく踊れるのだ。

しかし……透矢はなぜ花梨のことを思い出せないんだ?
もしかしてもう透矢の世界では、「花梨」という女の子は消滅しまっているとか?……。

 

 

 

過去がこの世界から切り離される

 

f:id:bern-kaste:20140515155606j:plain

「いちどすべて忘れてしまって、わかったんですの。過去というのは、現在という世界から切り離されてしまった世界だということが」

「現在から、切り離された?」

「ええ。わたくしは、生まれた瞬間から、この年齢で、こういう記憶を持っていたのかもしれませんわ」

「極論だね」

そうではないと、どうして言い切れますの?

「少なくとも、僕はここでナナミが倒れていたのを覚えている」

ですから、その記憶が確かなものだと、どうして言い切れますの?

――透矢、ナナミ


ね!やっぱりそういうことなんだよね。

過去と今は繋がっていない。あるのは「今」だけ。なぜなら記憶を保証してくれるものが無い以上、過去が本当にあったのか?を確かめる手立ては絶対にない。それが記録物だとしても、その記録物の絶対性は一体どこに保証されるんだろう?

もちろん現実ではそこをなあなあにして、"そういうもの"おして認めないと前にススメないから、とても細かいことは置き去りにしている。それでいいんだけどね。

ただ「記憶を保証してくれるものはなにもない」ってことは覚えておいて損はないと思う。

 

「誰しも、そういうものでしょう? 自分が信じているものを信じて生きていく。けっきょくは、それだけのことしかできませんもの」

――ナナミ

信じるって難しいよね。
でも信じたならそれは本物になる。真実としての価値を持ち始める。アリスはそれを魔法だというけれど、私もまったく同じ考えだったのはきゅんとくるよねやっぱ。

「この温もりだけが……ナナミの確かなものですわ」 


 確かなのは今だけ。今ここにある瞬間だけ。それは字面以上の意味を持っていて、これを実感することが可能であれば命に意味が灯し始める。

 

 

 

アレ? アレだよ涙石

言い伝えによると、アレは天より降りてきたという。

見た目は美しく、触れたものの肉を腐らせ―――しかしながら時には人を助ける、大いなる力を持った荒ぶる神の化身。

――七波

 

涙石ってなんなんだろう?

天から降りてきたねえ。んー。放射線を放つなにかが空から降ってくるものなのかな。わからない。

七波がみた腐ったナナミの姿って、幻影なんだっけ? 涙石が見せるそういう事象

 

「これは常世の門を開く鍵」

――ナナミ

 

「石が力を持っているんですの。わたくしたちは、祈りや儀式を通じて、その想いを石に伝える。そして、石に含まれたエネルギーの分だけ、世界に干渉することができる……」

――ナナミ

 

ふーむ

「あと、水がどうとか言ってたな……涙石って川岸とか海岸で見つかるんだよね?」

「ええ。そうですね、時は……半減期と考えればわかりますけれど…水は……?」
半減期?」
放射性物質には必ず半減期というものがありますの。放射線の放出量が半減してしまうんですわ」

 
涙石は放射線物質を発していると、でも水とは? 温度とか関係あるんだろうか。うーん謎。


 

 

世界と自分と繋ぎ止めるもの

 

「何かひとつ、自分をつなぎ止めるものを持つことですわ」

「要するに、大切なものや好きなものですね。楽しいことでも良いですし、けっきょくは自分にいちばん都合のいい世界が現実になるものですわ」

――那波

 世界と自分をつなぎとめるもの、好きなこの大切なものがその錨となってくれる、と。

そうなんだよね、大切なものがないと、その世界に執着しなくなっちゃうんだよねえ。

 

「ふーん……まあ、そうかもね」

だったらどうして、僕は記憶喪失なんて不便な世界に、好んで身を置いているのやら。
――透矢

 もしかしたら、透矢は「記憶喪失」を望んでいたんじゃないだろうか? なぜ? 思い出したくないものがあったから? わからない。

無限退行が起きているのなら、「記憶喪失」っていうのもまた変な感じだ。

 

 

 

理解するための知能差

「たとえば虫にとって、人間の作ったものが何か意味を為すでしょうか? 結果として起こる現象ではなく、存在が」

「ちょっと、よくわからないかな」

「たとえば、街頭の『光』には虫が群がりますわ」
(中略)
「ええ。つまり知能の差によるところがありますわね。理解するためには、それを受け止める器がいる。そして理解できないものは、存在していないのと同じ事になる」

「…でも、その話がどうしたの?」
「物事を何らかの存在として認識するためには理解するというプロセスが必要だということです。そして、それを行うのは脳の仕事」

――那波、透矢 

 コペルニクス的転回のお話のように感じられる。

一次元世界を観測するには2次元世界に存在する人間ではないと無理。そして三次元世界を観測するには、4次元世界の人間ではなくてはならない。


 

今的世界にようこそ!

事象の連続性というものがあります。たとえば、現在あなたのお母様は亡くなっている。これから繋がる時間の中に、あなたのお母さまが存在することは?」

「あり得ないよ」

「逆もまた真なり、ですわ。もし現時点であなたのお母様が生きていれば、あなたの過去において、お母様が死んでいることはあり得ない」

(中略)

「ですから、すべては現在という瞬間から始まっていますの。未来が自分より前のもので、過去が自分より後ろ、ではありません……現在以外の事象はすべて、未だ来ぬ時、という意味では、すべてが未来と捉えるべきでしょうね」

――那波、透矢

 

現在以外の事象はすべて、未だ来ぬ時。すべてが未来という考え方。それは今だけが、確かなものということ。今だけしかないということでもある。

過去も、未来も実際はなくて。ただそう"捉えている"だけ。というのはとても面白い。


脳と夢

 

「だから、たいていの夢は目が覚めた瞬間に忘れてしまう。本来ならば認識もできない可能性ですからね映像として捉えることもできないんですの。知らないもの、ありえないものは、目に見ることができませんから

「……だけど、はっきり記憶に残る夢だってたくさんある。僕と那波の夢がそうだ」

「ごく近い可能性や、本来これから見る可能性を夢に見ることがありますわ。脳が休憩中ですから、中途半端胃に処理されたりもして、おかしな具合になることが多いですけど」


――那波、透矢

夢が目が覚めた瞬間に、覚えていないのは"捉えきれない"ものが殆どだから。無秩序で矛盾でいっぱいな出来事は認識不可能なんだろう。それはまるで「怪」と同じだよね。『何故』をゆるさない何か。 


 

誰かに必要されないってこと

「そういう役割なんですの。それに、誰にも必要とされていないからこそ、あれはきっと夢なんだと思いますわ。誰かに必要とされて、自分の中で確かな存在感を持ってしまった世界は、夢とは言わず、現実と言うはずです。

あの世界が夢であるためにも、那波はそうで在り続けなくてはいけないのだと思いますわ。夢の中の那波という存在が消えることで、夢は終わるわけですし……」

――那波

うーん、何を言っているのか全然分からない。

 

 

花梨退院……そして

「練習しすぎだったみたいね。体力のないところに直射日光と緊張でバタン…」
「そっか。でも、ホント、なんともなくて良かったよ」

「なんかねー、変な夢を見たよ。透矢と一緒に弓を構えてんの
「……!」

――透矢、花梨

 
これって花梨物語で起きた出来事だよね。マヨイガで一緒に弓を射て那波を殺したあの出来事。

なにがどうなっているんだ。花梨がみた夢もただの可能性ってだけなのかな。それとももっと深い意味があるんだろうか。

 

「ごめん…。うん…亡くなったんだ、去年の夏の…今頃だね。急に体調を崩して」

夢と現実が、つながった。
――透矢、花梨 

 もうやだorz もうやだ……もうやだ……。

もう思考ががりがり削られててもういやだ!1いやいやいやだ(泣)
もうお意味分かんないよ!(思考停止)うるさいよ!(思考放棄)ううう。



 

 

 

??!あ?!

夢を見なくなった。
あの日、牧野那波という少女が亡くなってから―――

ふたつの夢が相互に干渉している以上、一方は一方にとっての夢。だから、ふたつとも消えた。牧野那波――僕の夢に現れた少女。はるかな昔の願いが作った、存在し得ない少女

――透矢

f:id:bern-kaste:20140515155711j:plain

え?!なにどういうこと? 那波もまた雪さんと同じ存在ってことなの?

少年の透矢が那波母に願った出来事を、元にした人物だっていうの?

牧野那波という人間は、本来、この世にはいませんの
「それは、さっきの捨て子がどうこうっていう話?」
「ええ。ですから、あるべき場所に帰りますわ」

「自分があるべきものではないから、そのマヨイガに変えるってことだね? なんかかぐや姫みたいな話だね」

 


「捨て子」が私が認識する意味での捨て子ではないんだろう。なんというか哲学的な意味での捨て子なんじゃないかな。

「あなたの娘、そして僕の恋人、それが牧野那波だ」
「違う。牧野那波とは、わたしの母親の名前だ」
「母親?」
「母は美しかった、ちょうどこれのように。そして優しかった」

――透矢、那波父

 

昔、少年透矢が出会った女性って、那波の母ではなくて、「那波父の母親」だったのか。(というか那波父って名前なんていうんだっけ?ややこしいからなんとかしたい)

 

「だが彼女は殺された―――売り渡されたと言うべきか。私の父によってだ
「?」
なんの話だ……?

「……それは……気の毒だけど。那波となんの関係が」
「気安く呼ぶな! ようやくここまで弱らせて、器を作ったんだ……」
「弱らせて?……器?」

「本当の牧野那波を、降ろす。すべてが終わればそれに用はない……なんあらくれてやる。ただし、そこにキミのいう那波がいればな」

――那波父、透矢

 
いやほんと何の話だよ。というかなんであなたの母親は旦那に売りたわされたなければいけないのよ。どういうこと? えもしかしてここで「廃校舎裏の防空壕」が絡んでくるの?

あそこで死んだのって、もしや那波父の母親ってこと? だからシャベルで掘り返そうとしていたと?

 *
というか「弱らせて」ていうのはどういうこと。那波が病気がち、虚弱体質なのは仕組まれていたということなのか。那波父によって、衰弱死?みたいな状況を作ろうとしていたんだろうか。

たぶん、ただ那波を殺すだけではな駄目なんだろう。

何かしらのタイミング、と死に方が重要になってくるんじゃないか? じゃなかったらわざわざ"弱らせ"ないので。

 

 


那波の父の母親は山ノ民

 「……何をしようって言うんだ?」

牧野那波に戻ってもらうだけだよ。母が山ノ民という存在だと知ったのはすいぶん後のことだった。私は母が死んだとは思っていない…死ぬところを見たわけではないし、報告も聞いていないからな。そこで、探したんだ……山ノ民を。そうして、これに出会った。まるで母に生き写しの素材に」

「さっきから素材とか器とか…彼女は彼女だろう」

「本来は存在しないものだぞ? 存在が無い物を存在として引き止めたのは、私の力だ。私の娘であることだけが、これの存在価値だった。牧野那波という名前を与えられた以上、これは牧野那波なんだよ」

――那波父、透矢

f:id:bern-kaste:20140515155903j:plain

 
・那波父の目的は、「牧野那波」という自分の母親を存在させたい。
・山ノ民を探してたら、そしたら"これ"(=那波)に出会った。
・"これ"に那波父は、「牧野那波」という名前を与えた。彼の娘として生きるのが那波の存在価値だった。

・儀式を完成させるためには、那波父が「彼女」の中にはいればいいらしい。(彼女って娘の那波のこと? それとも違う誰か? だって今まで"これ"と呼んでいたので気になる)

 

「人が人の魂を取り込むために行う儀式は性交ではない。喰らうことだ」

「そうだ。私は那波の中に戻る。それで本当の母子になれる。そして私が死ぬことで、牧野那波は、誰かの娘ではなくなる。内に私の魂を宿した、母、那波に入れ替わるんだよ」

どうかしてる……

――透矢、那波父

 
透矢は理解したくなさそうだけど、私は那波父のことが気になるよ。

だってさ、もう何いっているか全然わからないんだもの!!!でも分かりたいと思うよ。ねえ那波父あなたは何を言いたいんですかね。教えてくださいよ。

那波父が願っていたのって、母親の再誕なのか、それとも「本当の母子」になることだったのか。どちらとも? それともどっちか1つ?

母親の体内で生きたいってことなのかもしれないけれど。そんな気がする。そこまで母親を愛していたと……思っていいんだよね。

 

「気が触れていると思っただろう? だがここは非常識を常識に変える場所だ。世界が生まれる場所なんだよ」

――那波父

もう寝たいなあ……(今、夜中)睡眠時間を削りながらもガリガリと書く水月

もうさ全然話違うんだけどさ、こう今まで滅茶苦茶水月の感想を書いてきたわけじゃない。そうすると、「本気で接する」とか「クンフーを積む」ことについてだらだらと考えちゃうわけよ。

ストリートファイターを遊びで娯楽でやっている人と、ストリートファイターを徹底的に極め尽くそうしている人じゃその本気度は全然違うと思うんですよね。それはもう圧倒的な歴然とした事実のように感じる。

だって熱量がちがうもん。だからって見下すわけじゃないけど、でも確実にレイヤーは違うわけだから「お前たちとは違うんだよこっちは」と思っちゃうのは仕方ない。実際に違うんだもの。

ここでプレイスタイルに言及して相手を貶めると、対立しか起きないわけなのだけれど、でも本気じゃない人、面白くプレイできていない人に「本気じゃないでしょ?」「惰性でやってるんでしょ?」って言っても別にいいとは思うんだよね。

あとクンフーについて。
これは本来アンカーという山頂を目指すための「過程」としてあるいは方法として論じてきたわけだけれども、でもそうじゃない道もやっぱりあるんだよね。何かを目指すわけじゃなくて、手段を目的化してしまうこと。手段そのものを「楽しめる」ようにカスタマイズする。するとあっという間に時間がすぎるし、生活の質があがるように思える。

そして"気づいたら"、山頂にいた。っていうことが実際に起きると思うんだ。山頂を目指すんじゃなくて、山道をただただぐるぐる回り続けることにも意味があるんだよって言いたいの。




那波の存在と人の母という役目 

 「牧野那波とは、存在しないもの。あの日のあなたの願い、そして、牧野健司の願いが、こちら側に呼び込んでしまったもの

求められることで、人は存在することができますの。牧野那波という少女は…人の母の代わり、として存在している。元より巫女で、明確な自我がない。生まれつき目が見えないことも……拍車をかけましたわね。世界のとらえ方が違う。他人の意思に感応しやすいんですの」

――ナナミ

f:id:bern-kaste:20140515155931j:plain


やっぱり……そうなのか。ナナミもまた雪さんと同じく「あの日の透矢の願い」が具象化した存在なのか……。

そして牧野健司の願いも一緒に叶えてしまったのかもしれない。「人の母の代わり」として、透矢と健司の願いを叶える為に牧野那波は存在する。

―――求められることで、人は存在することができますの

そして求められなければ、人は存在できない。牧野那波からも透矢からも「母の代わり」として求められなければ(あるいは役目を果たしたら)、那波はこの世界にとどまる理由をなくしてしまう。つまり死んでしまうのか。

あとここがすごい肝要なわけなのだけれども、自分で自分を求めることができればその人は世界にとどまることができる。しかし牧野那波は自我が薄く、明確な自分を持つことができなかった。

だからこそ、あっさりと手放すことができるのか自分がいるこの世界を。

 

 

那波=ナナミ

「あなたとは…どういう……」
同一の存在、別の可能性ですわ。人の願いが、ナナミをこの世界に存在させている。たとえば幼い日の透矢さん……あなたが、ずっと側にいてほしいと願ってくれたから、ナナミはここに存在しています。ですから、わたくしも那波」

――那波、透矢

 

別の可能性……そして同一の存在。それが那波とナナミ様の関係性。今と今が相克した結果のようにも見える。

すべては、あの日の透矢の願いからはじまっている……か。願いを具象化する石、涙石。

 

というか、そうか、牧野那波もまた山ノ民だからこそ、彼女との思い出をもとに「雪さん」という存在が透矢の中で創りだされた可能性があるな。赤い目、発情期など。


 

同一性を欠いたその先に

 

「また、すぐに会えますわ」
「…」
「あなたを、愛してしますもの」
「そうだね」

「わたくしたちは、きっと惹かれ合っていますの。ですから、夢が覚めても、その先の夢でまた出会えますわ。その中にはわたくしたちが繋がる未来も、またあるはずですもの」

 

いつか…いつかの未来で会えるなら
「ええ」

「その時は……いつも笑っていて? 幸せでいてほしいんだ。願いが未来に繋がっていくなら……それが僕のお願い」

「っぁ…はい、透矢さんも」
「っっ…那波…」
「透矢さん…」

さようなら―――

 

このあと透矢は、別の可能性の世界で目覚める。そこには雪さん存在して、溌剌とした牧野那波がいる場所。明るくてしあわそうで、いつも笑っている女の子がいるそんな現実。

夢が夢であるとするのなら「覚えていない」という条件がつきまとってくる。その夢世界の記憶がないからこそ、夢は夢たりるのだ。透矢は那波と泣きながらセックスし、悲劇であった世界を忘れてしまっている。

でも……それって…………。あの時の透矢と、今の透矢は「別人」だっていうことを指し示している。なぜならその人がその人足りえるのは「記憶の同一性」だけがたよりだからだ。

だからもし前の世界のことを忘れているのなら、そんな世界は無かった事にも等しいし、あの時感じた感情すらも無かったことになる。

…………。

んー、前の世界と、今の世界を「繋がっている」という観点から離れなきゃいけないんだろうね。

前の世界が閉じたのなら、それはもうあとは「ある可能性の世界」という以上にはならない。そしてその時の透矢と、今の透矢はもう違う。でも……なんていうんだろうなあ、

自分がたった一つだと思っていると、うまく水月世界を理解できない気がする。



 

 

狂気と美しさ

血に濡れる彼女を、僕は、心底から美しいと感じている

――透矢


透矢は「なんて夢だ……」と苦笑しながらも、血に濡れている那波を美しいと感じてしまっている。

人は特別な何かをみたとき美しいと感じる。そしてその特別の位が上がると「狂っている」になる。狂っているものを見ると、人は美しいと感じてしまう。


 

 

人を食べる

 

 「食べてさしあげますわ」


(中略)

わからない、わからない……食べるって、なんだろう? 人を食べるのか、食べ物だったのか、人は―――

――透矢、那波 

 

牧野健司は、母親の体内にはいりこむことを、自分が魂になって母親と同化することを望んでいた。

那波はその願いを叶えてあげたのだろう。

まあそこはどうでもよくて、関心があるのは「人を食べる」というその事象について。

これは物理的な意味で人を食すという意味じゃなくて、精神的な意味合いでの「人を食べる(=取り込む)」ってどういうものなんだろうって純粋に気になる。

自分と他者ってもう限りなく断絶している。0と1のように絶対的に埋まらない距離がある。でも思うんだよ「他者と共有」することを突き詰めれば、「私があなたで、あなたが私」という状況になってしまうんだということを。

自分=他者。他者=自分。

そんなことが可能なのか? もちろん……今現在は無理。自分というものの本質を人格あるいは魂だと仮定してみても。その方法はない……と思っていた。

けれどもこの「人を食べる(=取り込む)」ことこそが、他者を何もかも共有することに他ならないんじゃないか?

相手の肉の中で生きつづけるということ。あーそれは怖いなあ……。
または自分の肉のなかで相手が生きつづけること。これはとんでもない異物感を感じる……。女性で子どもを産んだ人はもれなくこういう経験をしているように思える。

自分の中に異物が紛れ込んでしまったような。異物が悪いものという意味ではなくて、自分とは違うものといういみで。

「…彼女の中には、父親がいます」
「うん……」
「あの方の儀式はね、成功したんですわ。すくなくとも、牧野那波という存在は、ほとんど消え去りましたもの」

「…じゃあ…」
もう、駄目っていうことなのか?

――ナナミ、透矢 

 

 

 

 

 

 

夢を終わらせましょう

 

「わたくしを、射抜きなさいな」
「え…」

「もう、承知しているはずですわ。ナナミを否定することで消える可能性がある。わたくしを否定することで……この辛い可能性は消えますの

何度も見た夢。
あれは、そういうことだった。

これは夢。
ありえない世界を舞台にした、ぼくの、夢。
彼女を射抜けば、すべてが無に帰る。

――ナナミ、透矢 

 
ナナミ様を否定することで、どうして可能性が消えるのか。
うーん「否定」という言葉がうまく捉えきれていない気がする。この言葉は「存在を無くす」という意味なのかもしれない。

透矢の中でナナミを殺すことは、「ナナミがいない世界」を見るということなんじゃないだろうか。そしてその瞬間、今から、全てが書き換えられていき、ナナミがいたことで起きた辛い出来事、悲しい過去が消え去っていくのか。

ふむふむ。

 



また会えますか? つなげゆく想い

「また、会えるのかな?」
「いつも、私たちは出会っていますわ。いままでもこれからも、想いは必ず、いつかどこかにつながっていくんですもの

――ナナミ、透矢

 

僕のこと、友達のこと、勉強のこと、部活のこと。

僕はまた、こんな悲しい夢を見てしまうのかもしれない、キミのいない夢だって見てしまうかもしれないけど、いつか出会うキミに笑ってほしいから、これからも一生懸命つないでいくよ

浮かんでは消える、僕の夢。
はるかな未来の思い出を―――

 

 

雪さんのときも、「想いを繋げる」ことを考えていた透矢。ここでも想いをつなげ……

あ? おおおお?!!そうかそうかそうか!!!そうだよ!!!

そうだったなd!!いやっほう1!!!

さっき「記憶の同一性」について語った。その人がその人だと保証できるものは記憶しかないと、記憶の連続性によって過去と今の自分が担保されるんだと。

でも違う。いや正確には、もう1つ「自分」という自己存在を保証できるものがある。

 

それが 想い!! 想いだ!

いつかに願った想い、いつかに味わった想い、それがどこかの可能性世界に"つながってゆく"んだとしたら、それは明らかにその人たりえる同一性だといってもいい。

A世界の透矢の想いが、B世界にまで届けることができたのだとしたら、そこに「A世界の瀬能透矢はいる」といっていい。

想いは記憶ではない。想いはただの感情だ。感情の同一性。それによってその人がその人足りえる錨としての役割を果たすことができる。

そうか……そういうことね!

 

 

  

 

 

 

さあ、"今"をはじめようか

 

「だからって、なんで腕を組むかな?」
いっしょうけんめい、生きてるの
「んー」

にこり。
女の子の笑顔には勝てない。

――透矢、牧野

 

f:id:bern-kaste:20140515160050j:plain

 「がんばれ―――」
「応援するくらいなら、返事しようよ…」
「僕もがんばれ、ってこと」

まだ、何をしたらいいのか、誰のことが好きかとか、よくわからないけど、自分の生きる世界、みんなのいる、この世界が好きだ。

だから僕は、もっとこの世界に生きたい。もっと、いっしょうけんめいに勉強をして、弓道をして、恋をして―――

辛いこともたくさんあるけど、そうやって、生きていこう。

――透矢、牧野

 

平凡でつまらない、そんな日常っていう世界にも、目をこらせば、ほら…こんなに素敵なものが溢れている。

――透矢

 いま気づいたんだけど、この世界の透矢は記憶喪失じゃないんだね? だっていっしょうけんめい生きるといった際に、記憶喪失が障害にならないわけないのに、それについて少しも考えていない。


ここから導き出されるのは?

瀬能透矢が「いっしょうけんめい生きる」=「記憶喪失にならない」という可能性を考えてもいいんじゃないか?

つまり一生懸命に生きようと思っていなかったからこそ、透矢はなんどもなんども記憶喪失な自分の世界に生き続けてきたんじゃないかってこと。あれはある意味で透矢が望んだステータスだったという指摘。

または世界が好きになったからこそ、記憶喪失にはならなかったのかもしれない。

ここからは大和鈴蘭ちゃんのことを語っていく

 

 

 

 

大和鈴蘭

 

 

 

 「あっ…うああああああ!」

にげなきゃ……逃げな…

「鈴蘭ぱーんち!」

底抜けに陽気な声を聞かされて、我に返る。彼女は、いた。

――透矢、鈴蘭 

 

 
マヨイガ手前の鍾乳洞にて、腐り落ちるナナミを見て絶叫する透矢。しかしそんな彼を鈴蘭パンチで正気に戻させることに性交する大和鈴蘭

 

 

 

「ほらー、良かったねー」

――鈴蘭

 

 と、このあとナナミに髪飾りをつけてあげる鈴蘭ちゃん。そういえば「髪飾り」ってアマテラス伝説でいっていた、あれだよね。贈り物として持ってきたけど、投げつけてしまった品。

でもこれがなんだっていうんだろう?

そしてそれからお祭りの日まで話が進む。

 

 

 

あの日、この子と僕が、ナナミという少女を通した不思議な体験をして依頼、僕の周りで、何かが変わり始めたような気がした。

元に戻ったというべきだろうか。

誰もが、のんびり日常を過ごす、そんな日々―――
今までは許されなかったそれが、許されるようになったとでもいうのか……。

――透矢

 


「ナナミ様が髪飾りをつけることができた」このことが→「元に戻った」「のんびりと日常を過ごす」ことに繋がった?のかもしれないと透矢は語る。

えーけど、これの因果関係ってなんなんだろう……。ナナミ様の悲しみを払拭させることができた? じゃあナナミ様が悲しみを抱えていたからこそ、今までのんびりと日常を贈ることができなかったと?

というか「のんびりとした日常」ってなによ。事件が起きないってことなんだろうか。それとも重大な人生転機に出会わないという意味なのかも。

でも……うまく飲み込めないな。


 

【メモ】

 

 

・篆書

・ナナミ伝承と、透矢たちが見る夢のいくつかの符号

・透矢と那波が見るゆめの共通点は「前世の体に自分の精神をすべりこませる」体感覚がある

・前世のナナミが、今のナナミとしてこの世界の知識を取得している可能性

 ・徐福伝説(秦の始皇帝にめいじられ不老不死の法を探しまわったお話)、に出てくる探し人がナナミ様ではないかと那波は指摘する。

・七月七日は那波の誕生日


「でも、僕らがふたりの知識を持っているのはともかく、過去のふたりが、未来の僕らの知識を持っているのは……」

「ですから、過去も未来も、今とつながっているんですの」

――那波、透矢

 

「二千年が超えられたんですもの、すぐですわ。今、那波には星を確認することができませんけれど、一万三千年後のわたくしたちは、もっと別の、素敵な星空を眺めているのかもしれません」

一万三千年後の、僕たち。

――那波、透矢

 

母を亡くし、彼女と出会った。
そうして、魅入られてしまった。

あの時から、ずっと、夢を見ていたのかもしれない。
事故死を回避し、記憶喪失になるという偶然を経て、あなたと出会えた奇跡。忘れないと言っても、僕は忘れてしまうんだろう。

夢が覚めるって、たぶん、そういうことだから。
それでも、ひとつだけ、この先に、あなたと同じ時を生きていく夢が存在しますように。
――透矢

 

 

 

 

「那波はね……捨て子なんですの」
「え?」
「山で、拾われたのだそうですわ」

――透矢、那波

 

 

 

 「夢か…夢ってなんだろう?」

「ここではない、どこか。今ではない、いつか」

――那波、七波

 

 

 

 

 

眠っている間に見る不思議なもの、それが夢。

それじゃあ、今この瞬間は夢か?
わからない。
少なくとも、夢を見ているっていう現実だ。

ああ、夢は、別に現実の反意語じゃないんだよなあと、当たり前のことに納得する。

――透矢

 

 

 

 

 

 おわり

 
ゆーれか!!ゆーれか!えうれか! って感覚がすんごいあった。でも疲れたよ、これは疲れるもういやだもん、どうにかして、どうにかしてください難しすぎます。あああもう!!


*追記

水月が終わったのが4月4日。そしてこの記事を書き終わったのが4月30日ほど。今この追記を書いているのは5月16日。

しかし時間かかりすぎだと思うの…。感想書くの乗り気じゃないやつはどうしたってすごい遅れるんだよねえ。それにカツカツなときが波のようにきたときはは余計に、そんなこんなであっという間に一ヶ月過ぎててやばいと思いましたはい。

さいしょ水月の感想書くの嫌で嫌で仕方なくて、いろいろ浮気していたせいだよ全く。雪さんの感想がいちばんノリよく書けた気がする。あれはストレスあんまり無かったですね。

 

 <参考>

水月 ~Portable~ ベスト版

水月 ~Portable~ ベスト版

 
水月 弐 ~Portable~ (限定版)

水月 弐 ~Portable~ (限定版)