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アクセラ、島津秋、キズナ、大河内希望、水野凛。5人のレミニセンス√感想(23640文字)

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キズナ、島津秋、アクセラ、大河内希望、水野凛、5人の√の部分感想と共通パートの感想記事です。

ではいってみましょう


 

 

 

 

 

 

 

 

 

情報開示によるボーダーの超え方

 

「ほんとはさ、言いたくないんだけど……
でも、お前等とは本気で仲良くなりたいと思ったから言うよ」

――ユウキ

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ユウキは自身がアンドロイドだと語った。アンドロイドだと知られれば他者が離れていくリスクを賭けながらも、自身の"弱み"にも似た情報を開示した。

……誰かからそういった弱み、秘密に近い情報を聞くと、その人の汚さを直視すると共に一気に距離が縮まる。否応なく。自分自身の内蔵を曝け出すことに、躊躇うことがなくなればこれはとってもいい手法なんだろう。

ユウキの凄いところは、その迅速な行動力だよなと思う。友だちになったから自分の秘密を話すのではなく、友だちに"なりたい"から話すというコペルニクス的転回!!


 

 

秋の冷たい目

「おまえ、今楽しいか?」
「なんですかそれ……酔っぱらいの相手はしたくありませんよ」
「なんとなく、聞いてみただけなんだけどな」

「お答えしなければいけませんか」
「出来れば」
「はぁっ……楽しいと思います?」
「楽しくなんてありませんよ」
「楽しいはずがありません。毎日毎日、吐き気のする日々を送っています」

「何かも捨てて、どこかに消え去りたいと思ったことも、数え切れません」

――秋

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自分を憎んでいる相手なんかと暮らしていたら……そりゃ楽しいわけがない。

秀隆の狙いどおり、秋は兄を憎んでいる。そして「兄にも憎まれている」という思いを植えることに成功した。この結果、秋の思考はそこでロックがかかるようになっているように見える、過去も未来も考えがうまくめぐらない、大事なのは兄を憎むことであり、憎悪し続けることだけ。


「おまえは、卒業したらどうしたいとか、あるのか?」
「なにもありません」
「なにも」
――秋

 
秋が未来を考えられないのは、自身の寿命の限界の悟りもあると思うが上述したように"今"兄を憎むことだけに躍起になり、それ以上進められないというものもあるかもしれない。


そんな"今"だけに憎しみを生成し続けている現実。憎しみだけが秋を生へと繋ぎ止めている事実……なんだとしても……

誰かを
片時も
忘れずに
毎日毎日



憎み続けるのって、どんな気持ちなんだろうね。どんな世界を観ているんだろうか。

  

「あんな人、死ねばいい」

「転んだままでいちゃいけないと思った、なんて……」

「夢をあきらめて、転んでる兄さんを見てるのが、私のたった1つの楽しみにだったのに……知ってるよね? アクセラは」

「あの人が特務官の夢を諦めたとき、私は嬉しかった。挫折して、苦しんでいく姿を見てるのが幸せだった」

「なのに……今更、夢を取り戻そうとして……」

「何ひとりで前を向き始めてるんだろ……
 いつだってそう。兄さんは身勝手」

――秋(途切れている言葉多数) 

 

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「あいつは一人ぼっちなんだぞ?」
「この遠い未来の世界で、頼れる存在が誰もいないんだ」

「私と何が違うんですか?」

「私にも頼れる人なんて、誰もいません」

――秋、秀隆

 
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!


……秋の憎しみの総量を想像するだけで、もうなんか嫌になる。誰かを恨んで妬むだけの日々なんて、心がすり減ってしまうだけなんだよ。そして擦り切れてたあと、過剰に適応してしまい憎むことが日常になる。

当たり前に、当然のように…………。

 

 

 

 

見たことがない世界を見たいですか

 

「だったら、私はその壁を超えます。
超えてから、後悔することにします。

見たことがない世界があるなら、見てみたいもん


――希望

 

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人間には2種類にわかれる、放散するか帰結するかのどちらかに分かれると思われる。

つまりまだ見知らぬ領域に足をつっこんでみたいと思うのは、放散型の人間である。希望やキズナは私からみると外に外に向かう放散型の人間だと思うのだ。

逆に内に内に向かうのが帰結型の人間。外に魅力を感じなく、内側の精神や観念に価値を置くタイプ……かずちー……とかちょっと近いかもしれない。

 

 

 

 

愛佳は可愛らしさすぎるよな……

 

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一途で健気な女の子はもうそれだけでラブメーターがMAXになるのは当然だよね!!

 

 

 

勘というなの感覚と、姉という概念モジュール

 

 

懐かしい感覚が、オレの中を駆け巡っていた。

オレの勘が、片桐の言うことは本当だと告げているのだ。

――秀隆

 

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 秀隆のすごいところはここだろう。周囲の無作為な情報から1つづつ読み取り、オートによって意味を並べ替え結合していく。それは「姉」という形で、彼の意識下に具現化する。

「姉」が指し示すところには常になんらかのヒントがある。竹内特務官はそれを危険を伝えるものだと言っていたが、私はそれだけではないと思う。*1


別に根拠はない、ただこの「姉」は、秀隆が網膜上に映っている映像、触覚、嗅覚、聴覚といった受容器官で感じ取れる情報すべて、取りこぼさず積み重ねていった「測定予知」*2にも近いものだと思う。

人はほんらい眼に見えているもの全てを見ているようで見ていない。自分が見たいものしか見ていないのだ。だから今日すれ違った人間の数、男女比など覚えていない。入った松屋のスタッフが何人いたのかなんて記憶しちゃいない。でもそれが当然なんだ。

けれど島津秀隆という人間は、おそらく無意識でそういった情報すべてを織り込んで、先の先の先の答えに辿り着く。常人ではいくら頑張っても辿りつけない境地、それが測定された予知、あるいは確定された事実を知るということ。


それも「先の答え」を知って、実現するための力すらも兼ね備えているときている。

 

「……全部、合っております」
「そうか。そりゃよかった」
「1ヶ月近くも前から、全て覚えていらっしゃるんですか?」
「オレほどのトウモロコシラブになると、余裕だな」
「常人の記憶力ではありませんね」

――秀隆、アクセラ

 

 圧倒的な記憶力の保持や、躊躇わない行動力、自分の概念を言語化し相手により伝達効率の高い言葉で伝えられるその技能。交渉力……。いくら先の答えが分かったとしても、そこに行き着くまでの過程をふめないと意味がなくなってしまう。だって辿りつけないからだ。

目的地が分かっていたとしても、道を歩かなければそこには行けないことと似ている。


もちろん過程を踏める力量を秀隆はもっているが、それでも周囲の人間には理解できない。彼が「先の答え」を説明できないこととが大きなひっかかりであるように見える。

 
でもそれは仕方ないっちゃ仕方ないんだけどね。だって「先の答え」を導きだした方法が、創造の埒外だからだ。「測定予知」にも近いこの力は、どうやたって他人に説明できるものじゃない。



あと面白いのが秀隆は、「姉の幻影」そのものになにかしら惹かれているところがあること。

 

 それに―――オレは、自分で見た姉さんの幻覚が気になっていた

交渉をまとめたいとか、凛さんを救いたいとかは、ひょっとするとどうでもいいとさえ思っているのかもしれない

――秀隆

 

こういう自分の一次元的な情報を、言葉ではなく、映像として概念としてモジュールのように具現化させるのってとてもわくわくする。

何かの行動をおこなうときに、イメージが現れるみたいな。訓練すれば出来るんだとしたら、私は身に付けたいなとも思ったり。難しそうではあるが。

 

 

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倉屋敷和葉の心象領域

 

「あんたの夢物語が本当だっとして、それがどうしたっての」

「食った人間が病気になった、万一に死んだとして、だから?」

「あたしは、あたしのこと以外に興味ない」

――和葉

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かずちーの世界は自己サイズなんだ。自分の領域内だけのみをさして"これが全てだ"と宣言しているに等しい。

だから自分という世界の外のお話なんて気にも留めないし、どうだっていい。自分以外の誰かが何万に死のうと、いつの間にか夜になったなーみたいな感慨しか浮かばないんだろう。

きっとかずちーは自分以外を"人間"だと看做していない気がする。


人は他者を「自分と同じような人間だ」と認めるからこそ、他者を人間として認識するようになる。彼らが血を流せば、恐怖したり、なんとかしようと思うのは「自分が傷ついた痛みを共感」できるからこその行動だったりする。

でも倉屋敷和葉は違う。彼女は他者に「自分と同じような人間だ」、という認識を適用していない。ゆえに恋もできないし、友人と呼べる存在がいない。だって彼女にとってそれらの要素は、世界の外側の事象だから。

 

 

「テメェの正義振りかざすのに、
 このあたしを巻き込んでんじゃねぇよ!」

 

かずちーは自分の世界を乱されるのに、とてもストレスを覚える人間なんだろう。聖域のボーダー位置が極端に狭いっていうのかね? この時代の倫理観にそったちょっとした行動でも、すぐ和葉のボーダーに抵触してしまう。通常こういう人間と意思疎通をはかるのは困難といわざるをえない。

 

「天才の時間は貴重なんだ。
 今すぐ消えないと、本当に殺すわよ」

――和葉

 
そこがとてもカッコよくも、魅力的なんだけどね!

 

 

 

意味記憶エピソード記憶

 

 

「どうにも、記憶が全くありませんでして」

「それでも、意味記憶はそのままだから、その差異を埋める必要だけどね」

コールドスリープによって消して構わない記憶は
 『エピソード記憶』だけに限られてる」

「そしてその子が覚えているのは、意味記憶
 父親とはどう言う意味か、机とは何か、みたいな部分よ

――キズナ、和葉(途切れている言葉多数)

 

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「記憶を失う前の私は結構図太い性格だったようです。
かずちーが言っていました、記憶は消えても、
元々の性格に似ていくだろうって

――キズナ

 
記憶には「意味記憶」と「エピソード記憶」の2種類がある、という考え方はとてもいい。

意味記憶」だけ残っていれば、たとえ思い出といわれるエピソード記憶が無くなっていたとしても、見る世界、見える世界、感じ取れる風景は当時のままと一緒だっていうことだ。

なぜなら「意味記憶」とは、個人の概念の印象を記したものだから。受け取る「概念」が同一ならば、元々の性格に似通ってくることも頷ける。うんうん。


もしも意味記憶を他人と共有する日が訪れたならば、他人の「見ている世界」を私達は覗けることもできるのかもしれない。それはとってもロマンチック。

 

 

 

 

凛が遭遇した出来事は、とても辛いもの

 

彼女は、その親代わりだったアンドロイドに、
 殺されかけたことがあるんですよ

「一命は取り留めたものの、
 多重骨折の重体で生死をさ迷ったそうで」

「あたしはアンドロイドが信用できない。ただそれだけです。どれだけ技術がすごくなっても、アンドロイドはアンドロイドです。いつ暴走するかわからない。私は、それが怖いんです」

――凛、マネージャー

 

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凛が幼少期に起きたアンドロイドにやる暴力沙汰は、とても恐いものだ。

なぜならある日、ふとした瞬間に自分の常識が覆され、事態をうまく理解するよりも先に激痛が襲ってくることに等しいからだ。

私達は地球という星に住んでいる、でももしそれがある日「いやいやいや君たちが住んでいるのは■■■■という腹の中なんだよ」と言われ、なに言ってんだこいつと思った瞬間に、全人類が■■■■の消化液によって死滅する―――そんな空想事に近い。

ある日、東から昇ってきていた太陽が現れなくなったとしたら? 太陽光が失われた弊害は、作物から気温や衛生とさまざまなもの波及していく……そうなれば生物は滅びるしかない。当たり前だと思っていた信じる/信じないという問いかけ自体が無駄だと思っているものに、ざっくり裏切られるのだ。

世界に対する信頼、そして世界は乱数だらけの不確実性に満ちた暴力にも近い存在なんだと認識するようになる。凛に起きたアンドロイドによる多重複雑骨折の入院もそれと同じだろう。

だからこの話を聞いてて、凛はよく立ち直れたなと思ってしまった。仲良くしていた隣人が、いきなり自分の骨を折ってくるのだ。そんな恐いことって、なかなかあるものじゃない。

 

 

 

 

手料理の時給換算……つまり手料理は高い!

 

「仮に準備と後片付けで一時間使うとしたら、そこには材料費+あたしの時給代がかかってるわけ」

「そうすると、もう出来合いのものを買ったほうが安いのよね」

「そんな考え方……もあるのか?」

「疲れて返ってきたら、一分でも大切に使いたいじゃない。一時間って言う貴重な時間を料理に使ったら、勿体無いわよ」

「てなわけで、自炊は本当は高い、があたしの考え」

――凛、秀隆

 

 なるほど……一理ある。たしかに手料理は時間かかるんだよなあ……。後片付けもめんどくさいし、かといって出来合いのものは味付けが単調でやたら濃いから……難しいところでもある。

 

 

 

 

差別しないとは、「自分と同じように扱う」ということ

 

 

「畏まりました。それではおやすみなさい、秀隆様」

そう言い、アクセラは椅子に座ると、静かに眼を閉じた。
アンドロイドは、本来ベッドなどを必要としない。
大げさな話、立ったまま機能を休めることだってできる。

だけど秋はそれを嫌い、アクセラを人として扱うことを望んだ。

――アクセラ、秀隆

 

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秋とアクセラの関係を見て思ったことがある。それは差別しないということは、相手を自分のことのように扱うことなのではないか? と。

アクセラを秋が「自分だ」と思えば、立ったまま寝ることや、雑多な場所で急速を取らせることに不快感を出してしまうのもわかる。だって"自分がされたら嫌"なのだから。

自分がされたら嫌なことを、相手にしない。それが差別しないことの基本的な考え方なのかもしれないそう思った。

差別というと、その言葉の多用な意味からどれが差別なのか?差別じゃないのか?と頭をごちゃごちゃにさせてしまうのだけれども、「相手を自分のことのように扱う」と考え方ならば、とても分かりやすい。


例えば、秋が立ったまま寝るタイプの人間だったとしよう。毎夜ベッドで寝るのではなく、自分の部屋で立ったまま寝る女の子島津秋。


そんな秋が、立ったまま寝ることをアクセラにお願いしたとしても、それは差別ではないのだ。なぜなら秋には「アンドロイドだから」「人間だから」という考え方はなく、ただ自分と同じように寝るのはどうかと提案しただけなのだから。

もちろんアクセラが承諾するかどうかは別だが、秋はアクセラを"自分のように"扱っているのだから、そこに差がある分け方をしていないと見れないだろうか。

この考え方はとても分かりやすいと思う。もし自分自身に適用するんだとしたら、自分が出来ないこと、自分では嫌なことを相手に押し付けたとしたら、それはもう差別なのだろう。

そうだな……例えば私はシチューが好きなんだけれども、シチューを食べる日に限って、アクセラにだけトウモロコシを与えていたとしたら、それは差別ということになる。

もちろんアクセラがトウモロコシを食べたいと言って食べているのなら別だが、わざわざシチューが食べられる日に、トウモロコシを食させることもあるまい。

 

「アンドロイドは機械だ。人間じゃない。だが、あたしは1人の人間と対等だと思っている」

「おまえがモノとして扱わなければ、そのアンドロイドはお前にとって、これからも大切な存在であり続けるだろう」

――和葉

 

 かずちーも良いこというよね。

 

 

 

 

心臓に悪い、凛の言葉

 

 

「あんまりしつこいから、1回だけエッチさせてあげたわよ」
「えっ!?」
「なによ」
「い、いや、そう言うこと、させるのか?」

「言ったでしょ、しつこいからだって
 1回きりにしてくださいってことで折れることにしたの」

――凛、秀隆

 

凛のこの発言はのちに冗談だと分かるのだが、心臓に悪かった。

いやなんだろうね?……。処女かどうかとかは別にどうでもいいのだけれど、こういうふうにぽいぽいいろんな人と関係持てちゃう子なのかーとちょっとショックだったのを覚えている。

性交渉のハードルが低い人っていうのは、ちょっと理解が難しいなとか。好きじゃない人に身体を晒すっていう行為が不可解なんだとも。

 

 

 

愛佳とのコミュニケーション。

 

「最近、よく笑うようになったよな」

「あたし? 
 あたしって昔から笑顔振りまいていたけど?」


なんつーか、優しい笑顔するようになった

 

「そ、そうかな?」

 

――愛佳、秀隆 

 

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 これは惚れちゃうよ! 惚れちゃうでしょ! 


「やさしい笑顔するようになった」とか!!ばっかww私もずきゅんとくるしかないぞwwwこれはラブメーター(キズナ言)がマックス振りきれるくらいの出来事だよほんとに。

 

 

 

 

 悪口からはじまるコミュニケーション

 

 凛「わかるわかる。だって大変でしょ?」

アクセラ「それはもう。日々苦労しております」

秀隆「人の悪口を言い合いながら打ち解けるのやめてもらえます?」

凛「女の子ってのは、こういうところから仲良くなってくもんだから

秋「それはあるかもしれませんね」

 
うーむ。私もあんまり偉そうなことは言えないのだけれど、どうして人の良いところでコミュニケーションを取ろうとするのではなく、冗談に近い、悪意のない悪意のような悪口で疎通をするんだろう。

建前ではなく、ある程度の本心を言える仲、になるための行為……とか?


そもそもみんななにか腹にイチモツ抱えているからこそ、悪口でコミュニケーションしてしまうものなんだろう。あるいはそうした人間と接するからこそ、不満が溜まる……かな。

 

 

 

 

なにか1つ見つけたい

 

 「普通にお嫁さんになるって選択は、選ぶつもりはないのか?」

「そう、だね。何かチャレンジしてみたいとは思ってるかな」

私として生まれた以上、何か1つだけ見つけてみたいの

 
――希望、秀隆

 

希望のこういうところとてもいい。 

自分が生きている中で、これだと思うもの1つを見つけてみる。それは本気になれるものといった意味に近いんだろうか。

 

 

 

 

「思う」という言葉

 

 「高坂特務官は、一度だけ『思う』と言う言葉を使った。それも、希望より素敵な女性を探す、と言う会話の時にね」

「『思う』って言葉には決心や決意の意もあるけど、怪しんだり疑ったりするって意も含んでいる言葉だ」

「もし自分の中に何か、言葉の決意を揺るがせるものがあったなら、自然とそんな言葉がでてきしてまってもおかしくはない」

――秀隆 

 

 無理すぎるけどね、と最後に付け足して秀隆はそう語った。

ふむにゃるほど。

 

 

約束と小指

 

 「あたしは、一応あんたを信用してる。希望を悲しませるような奴だとは思ってないから」

「だけど、あの子が困る真似だけはしないって、ここで約束しなさい」

そう言い、細く綺麗な小指を前に出してきた。

――凛

 

約束の契りとして、互いの小指を"切る"文化がある。

私も小さいころは小指で約束をしていたけど、今じゃもうすっかりやらなくなってしまった。それはもうそういうものだから仕方ないのだけれども、それでもこの文化は好きだなと改めて再認識。

行為を伴う約束事は、意志が堅くなるから。

 

 

 

 

 

 

 愛佳のメール

 

「何度かって、全部で93通も送ってるのに、今日も送ったし」

「返事してくれないの、結構寂しいんだよ?」

――愛佳

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メール返ってこないのって寂しいよねしかしそれを続けること93回……!! ひとつなにかがずれればストーカーぽくないこともない愛佳の好き好きメーターはマックスへと近づいていたのだったにゃ

 

 

 

 人との出会い、あるいは縁

 

「愛佳は、オレのことを嫌ってはいないかも知れない。
でもそれは、あいつをたまたま助けだす形になったからだ」

「もっと普通の出会いだったなら、愛佳はオレのことを相手になんてしやしないさ」


人との出会いや繋がりは偶然のものだ。
その理由にケチを付けることは、俺はしたくない」 

――秀隆、祐輔

 

 秀隆の話だと、どんな関わり方をしても結局は「偶然の接し方」にすぎないわけなので、愛佳の行為を断る理由としてはちょっとおかしいんじゃないかというのが祐輔の意見だよねと。

愛佳はきっと一人で勝手に助かっただけ。だからそれでいいんじゃないのかなとも思う。

…………好きの真実性とか純度性に目を向けちゃうと、秀隆のような「偶然助けたから」慕っているだけという考え方に傾いちゃうんじゃないのかな。……あれねあれだよ、好きの真実性の否定はわりと辛いもんね……。

 

 

祐輔を心配してしまうってこと

 

「お前はセンスがあるし、身体能力も高い。おそらく鍛錬を積めば相当強くなるだろう。だが、付け焼刃で行くのは非常に危険だ」

――祐輔

 
祐輔は秀隆が心配だということで、下層区画の護衛をしてくれるという。

でも……なんというか……本当に申し訳ない気持ちと、心配な気持ちでいっぱいだった。だって秀隆は仕事の為に下層区画に行こうとしているだけなのだ。そこに祐輔が危険を犯す義理もなければ理由もない、力を貸してくれるというが、私はそんな優しい彼が傷つく未来を考え方だけでいたたまれなくなった。

もし―――護衛を引き受けてそこでなんらかの傷を負ったら?
もし―――祐輔が下層区画の護衛を引き受けたばかりに死んでしまったら?

そんな未来は嫌過ぎるなと。 

 

「……ここは……」

「気がついたか」

「秀隆……」

まだ状況が飲み込めていないのか、祐輔は混乱しているようだった

 
そして怪我をして、それでも誰のせいにもしない祐輔がもうね!もうね!

 

 

「護衛を買って出たのは俺だ。気にしないでくれ」

――祐輔

 

そして罪悪感でいっぱいな状態からの、愛佳と秋の責め言葉によってHPががりがりと減らされていく現実を目の前にして、もうやめて私のHPは(以下略)

 

「センセ、どういうことか説明してくれるよね?」
――愛佳

 

「人様の家族を傷つけるなんて……見損ないました。今まで以上に」
――秋 

 

 は……はい……もう言葉もないです……。

 

 

愛佳への不安もそうだし、これ以上巻き込むわけにはいかない。

一人で大丈夫か? 俺も―――

「けが人のおまえを連れて行けるわけないだろ」

隣で心配そうに兄を見上げる愛佳。
「心配するな。祐輔を連れてったりはしないよ」

――秀隆、祐輔

 

 もうこんな良い友人は他にはいない、守っていかなければいけないとそう堅く誓った瞬間だった。祐輔えええ!!

 

 

 

 

長谷川恋のかわいらしさと涙目

「最低ですね、あなたは……」

「本当に最低です……」

――恋

 

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恭一が恋の財布からお金を抜き出すところで、恋は泣いてしまう。

……そりゃそうだよな……って思うもん。もうこんな男を放っておいて幸せつかもうよなんていうガールズトークの一小節が出るくらいに不憫さを感じてしまった。

もうもう、かわいそすぎるんだよほんと! 

あともうめちゃくちゃ可愛いんだよ!!

 

 

 

 

ルーツを探るということ

  

「人のルーツを話すということは、
 ある種弱点を露呈することにも繋がる。それだけだ」

――恭一

 恭一がこれを話しているときに、なにか思ったんだよな……なんだったけな。

ルーツと記憶と人に関係すること。

自分のルーツ探し……か。いやなんだろうな、人間誰しも自分の「ルーツ」を把握していないと不安になってしまうのかもしれないと思った。

自分を形成してきた過去が失われたり、あるいは自分を産んだ親が実は違う人だとかで、簡単に悩んでしまう。それは人は今と未来だけでは生きられないからなのかもしれない。

過去という起源がなければ、よりしっかりと土を踏みしめることは難しいのかもなと。

 

 

 

アクセラの想い

 

「また家庭内における財政状況も芳しくありません。そこから推測するに、もしも私が故障したことを知られた場合、破棄されることが予想されます

「私はお2人のお傍を離れたくありませんでしたので、それらの情報を知られないようにするため、お伝えしておりませんでした」

 
――アクセラ

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秀隆も秋も、アクセラのことを大事にしている。秀隆は以前はアンドロイドという枠を超える感情は持ちあわせてはいなかったが、ここ最近はアクセラを本当の家族のように接してきていた。

秋はもちろんずっと前からそうだ。

でもきっとそういうのって言わなきゃ伝わらないなんだと思う。アクセラは自分に修復不能なエラーを伝えれば、2人に破棄されると思っていた、それってつまりアクセラからすれば、自分は「アンドロイド」にすぎないと思っていたわけで……そして秋と秀隆から離れたくないっていう想いがむしょうに泣けてきた。

きっともっと「アクセラは大事な家族だよ」と言葉にしていたら、アクセラがそんなことを思う必要なんてなかったのになと、悲しかった。

 

 

 

 

アクセラの存在は、島津家のいかり

  

ベッドの上には、動くことをやめたアクセラが横たわっていた。

「くそ……」
「アンドロイド1体の存在が、こんなに大きいなんて」

島津家を支えていたのは、オレでも秋でもない、アクセラだった。
ここまで崩壊せずにいられたのは、あいつのおかげだった。

――秀隆 

 
アクセラはいわば島津家のいかりだった。秋と秀隆ではぶつかり合い衝突しあって離れ離れになるのそ、留めておけるほどの力を持った存在だった。

それは……きっと彼女が中立者だからこそ成せていたことなのかもしれないとも思った。どちらか一方に肩入れをすれば、秋と秀隆のひび割れた関係は一層亀裂を走らせる、それなればアクセラに留める為の"いかり"としての役割はなくなってしまう。


 「私は、数えきれないほどアクセラに助けられてきました。それは兄さんだって同じはずです」

「無茶なことは分かっていますが……アクセラを、助けて」

――秋

 
それに秋がいうように、いっぱい力になってあげたんだろうなと思って、胸がじーんとする。アクセラやさしいもんね……。きっと秋が辛いときに悩みを聞いてあげて、相談にのって痛い気持ちをそっと受け止めてあげたんじゃないのかなと思ってまだうるっとする。

 

 

 

 

秋との近づきつつあるコミュニケーション

 

「でも最近は、今みたいにしつこく話かけてきます

「しつこくってほど話しかけてはいないだろ」
ちょっと不機嫌そうに言うと、秋は……。

「ほら、今みたいな返事をすぐします。なんですかそれ」

「意図的に私を怒らせようとしているの、バレバレです」

 

――秋、秀隆

 

 秀隆がここ最近、やたら秋を怒らせているのは、秋を生かすためなんじゃないだろうか。

今年になってか、ここ最近になってかは分からないが、秋にとって今は生への執着が希薄になってしまう時だ。進路は近づてくるし、体調はどんどん悪化し「死」が頭をよぎるそんな日々。

未来はどうしますか?なにになりたいんですか? と問われても「どうせ私死にますから」という答えに帰結する。そりゃそうだ、自分があとどれくらい持つかなんて秋にはきっと分かってる、そんな彼女に「生きる」ことの話をしても無意味だと一蹴してしまうだろう。

だからこそ秀隆はわざと、秋の憎悪を膨らませているように見える。怒らせて、より恨ませることで、逆ベクトルで生に執着しようとさせている。"私が死んだら兄さんが喜ぶ" そんなありえない想像を植え付けさせることで、秋を一分一秒でも生かす。

そんなふうにどうしても見えてしまう。

 

 

 

  

 

世界の可能性

 「私たちの住む街が、こんな形で他にも存在するんですね」

「夢は広がるよな。もしかしたら、ドリームタウン以外にもあるってことなんだ」

そう、別の街を知るということは、世界の可能性を知るということ。己の中での可能性が広がっていく。

「すごいすごいすごい!」

――秋、愛佳、秀隆

 
人の想像力の限界を引き上げるには、「可能性を見せる」ことが重要なのかもしれない。

それは国の歴史、他国の文化、概念上の物語、形而上での出来事、あるいは世界の真理……そういうのが想像力のリーチを伸ばし、ワクワクドキドキすることを覚えていくんだよねうんうん。

 

 

 

凛の場の支配力、またはキツ目の性格について

 

秋「でも私は、別に好きな人なんていません」

凛「あーはいはい、そう言うのは無し無し。仮にそうでも、場を盛り下げるようなことは言わない」

秋「はぁ……」

 
はぁ……。そう思わずにはいられなかった凛という人間の行動。いやねこういう人けっこういるよねと、場を支配したがるというか自分の予想通りに進行しないと不満を覚えている人にでも強制しちゃう感じがさ。

「あーはいはい、そう言うのは無し。仮にそうでも、場を盛り下げるようなことは言わない」

でもさこれって秋にとって嫌な事柄だったら、最悪の行動といってもいい。だってしたくないことをさせているのだから。もし秋が強制されるのが嫌いで、自分の不満を相手にストレートにぶつける子だったら一発でこのホテルのガールズトーク的な雰囲気は壊れる。

場を盛り下げる……というか空気を読めよみたいな態度は個人的に好きじゃない。秋も楽しめるような企画を提案しなよ、あるいはガールズトークをすることに秋が嫌だというのなら、わざわざ参加させることもあるまいてと。

 

 

 

祐輔へのからかい

 

凛「もうぶっちゃけ聞きますけど……」
 「祐輔さんって、秀隆が好き、だったりしません?

祐輔「……何を、バカな」

希望「い、今の間と反応を見た?」
愛佳「み、見ちゃった。どうしよ、本当にそうなのかも……」

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もうかわいそすぎる……。祐輔がほんとうに秀隆のことが好きだろうと好きじゃなかろうとも、こういう「笑い」にされるのって最悪でしかない。それを率先する凛は間違いなく最悪の先導者である。


それも祐輔が抱えているかもしれない「同性愛」というナイーブな問題に、切り込むかなあ……。キズナは祐輔のことを真面目に考えて発言しているけど、凛なんて完全に娯楽じゃない。あーあー好感度みるみる下がるよー。

 

 

 

家柄を好きになる

 

「それに―――私と結婚することで、龍也さんは確実な地位を手に入れられるから」

「それはそうかも知れないけど。なんつーか、そう言うのって恋愛としてどうなんだ?」

「悪いことだとは思わないよ。人を外見で好きになったり、性格で好きになるのと変わらないよ

「そう言うもん、かなあ」

――希望、秀隆

 

 希望が言っていることは面白い。家柄で人を好きになる、と言われれば眉をひそめてしまうものだけれども、でもそれって外見で人を好きになるのと変わらないじゃんと言われると納得してしまう。

その人の「価値」をどこまで広く見るか、ということに尽きるんだろう。私はその人の最小単位の価値って「人格」だと思っているので、それいがいの要素、外見や家柄は気には止めるけど絶対重視ではないみたいな感じ。


でもその最小単位の価値って、人によって違うんだなと気づいた。家柄を重視する人は、家柄こそが最小単位なんだろう。外見を重視する人は、人間の最小単位は外見だと見ているということになる。

いや違うか? もしかしたら価値の範囲ということなのかもしれない。ある人は人間の価値を「人格」までにしか波及させないが、別の誰かは人格→外見→家柄にまで価値を波及させていくのかもしれない。ふむにゃるほど。

 

 

 

相思相愛ではない希望との関係

 

「な……んで……」

唇を拭う希望。

「悪い。なんか止まらなかった」

「希望が、もうオレと会わないって言った瞬間、すげぇ効いた」
「おまえが、高坂特務官と結婚する意志を固めたことが、嫌だった」

――希望、秀隆

 
もう希望に会えなくなるとしった秀隆は、希望に無理やりキスをした。

それは秀隆にとっては彼女の考えを変える為の、必要な行動だったとはいえ代償は大きかった。 それは希望にある秀隆への信頼感だった。


相手の心に踏み込む時や、相手が聞きたくないことを言わなければいけない時に、自分の信頼感を削っている。今まで積み上げてきた信頼感があるからこそ、相手の心に踏み込んだ後でも、今までの関係を続けられる。

しかしもちろん注意事項がある。それは自分の行動によって、相手が自分に対する信頼感を失っていないければ、相手と今までの関係を続行できる。

もし今までの関係性を維持するための信頼が無くなってしまえば、相手との関係はそこで終わる。どうやっても修復できない場合がそれだ。

 

 

秀隆「それでも―――オレは、おまえのことが―――」

希望「聞きたくない……」

秀隆「でもオレは―――」

希望「ごめん、聞きたくないよ……」

秀隆「おまえが好きになったんだ。希望」

希望「……聞きたく、ない……」

希望はオレに背中を向け歩き出した。
さよなら、とも、またね、とも口にせず。
怒りもせず、涙も見せず。
オレはその姿を追いかけることも、出来なかった。

秀隆「……ごめんな」

そう、聞こえない声で希望に謝った。

 
秀隆の行動も、希望の信頼をほぼすりへらした結果だったように思える。もしここで希望が秀隆に好意感情を覚えなければ、2人はそれで終わっていたんだろう。けれども秀隆が無理にキスでもしなければ、彼が望む結末は1%の確率も無かったんじゃないだろうか。

積み上げた信頼を0にしてもいいという覚悟。信頼値を一瞬にして切り崩すことの行動に、とても高い価値は付随するんだなって思ったのだった。

 

 

 

 

希望END

 

「なんだよ、大変なことって」

希望は、一度自分のお腹に手を触れた。

「……秘密」

そして優しく微笑んだ後、意地悪な笑みを見せる。

「多分半年後に解決してないと、お父さんに殺されると思うな」

――希望、秀隆

 

こういう希望ある終わりって好きだったりする。未来を感じさせるよね。

 

 



 

男はけだもの

 

「俺はさー、時々思うんだよ。男女の恋愛って価値観が違うよなって」

「男は口では大切だとか愛しているとか言うけど、つまるとこエッチがしたいだけだと思うんだよ」

「や、もちろん感情ありきなのは分かるんだけど、もし好きになった子がエッチNGだったら付き合えないだろ?」

――ゆうき

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これだから男の人は(以下略)

どうなんだろうね? 男性全員がそうではないとは思うけれど、私の観測する感じでもエッチしたいだけみたいな輩が多いなとは思う。私としてはエッチなしの関係も十分にいいものだと思うんだけれども。

 

  

 

処女を隠そうとすること

 

「男の子って、童貞隠そうとするじゃない? 女の子も同じ。処女ってかっこ悪い認識だからさ……」

「だってさ……かっこ悪いと、思ったんだもん……」

「アイドルやって、男の子全部理解してる様にふるまっといて……」

「処女だってバレるの、すごく嫌だった」


――凛

 

童貞と処女が恥ずかしいと思ってしまうのは経験至上主義だからなんだろうか。なにごとも経験している方が偉いんだぜみたいな。

あるいは周囲が"そういう"空気を醸し出しているせいなんだろうか。倫理観に刷り込まれたゆえの価値観というか。もしかしたら人間の本能とか関係あるかもね、生殖上、交接をしていないとなればそれは種の危機ですし。

 

 

 

誰が最初に

 

「誰が最初に、女の子の中にそれを入れるなんて考えたんだか」

――凛

 

 ねーほんと。

抱き合う→ペッティング→耐え切れなくて暴発。という状況がデフォルトだったかなと考える。そんなある日、たまたまなんらかの偶然のもと、より気持ちいい穴を発見→繰り返し穴を貫いていると妊娠した。みたいな

 

 

 

 

アイドル生命と覚悟

 

「でも……最近、好きな人が出来たんです」

「み、水野さん!? い、一体何を……」

「いいんです。言わせてください」

「今日は、アイドル生命をかけて、この場に立つことを決意しましたから」

「批判も、覚悟の上です。アイドルが、恋愛を許されない風量にあることは理解しているつもりです。仮に恋愛をしていても、それを口にしないのが、ある種のマナーだとも思います」

「でも……私は今の仕事が大好きです。芸能界が、大好きなんです」

「清純派? 清楚? ごめ、あたしって、実はそう言うキャラじゃないんだよね

――凛

 

 凛のこういう大胆な行動はカッコいいよね。何かを失う覚悟を持って、よりより道を選択する。それはとても難しいことだから。



 

 

秋との関係は胸が痛くなる

 

今度はわざと、舌打ちをした。

「私は、卒業したら家を出ます」

「前に聞いたよ」

「今までにお世話になった分は、キチンとお金で返します

「そうか、そうしてくれ。お前に使った金は少なくないからな」

「ただ、家を出るのは金を返し終わってからだ。そうじゃなきゃ、お前は逃げる可能性があるからな」

「……逃げません」

「そんな保証がどこにあるんだよ」

「金を払い終わったら、お前の好きにしろ」

「分かりました……そうします」

「お前も嫌だろうが、オレもいい加減うんざりだよ」

「はい。そうですね」

――秋、秀隆

 

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 こういう家族関係をみると胸が痛くなる。情のもと一緒にいるのではなく、自分たちの利益、お金で結びついているのがひたすらキツい。

 

 

「私は兄さんほど、世間を気にしてませんから」

「なら、普段から堂々と距離を置いとけってことか?」

「私はその選択も、あるとはと思っています」

こんなに嫌な思いをしてまで、世間に取り繕っていくのは嫌です

――秋、秀隆

 

秋との関係は胸がきりきり痛むものの、どこか嫌われていることで安心する感情もある。でも……。 

 

 

 

 

 

 

アンドロイドを人間として見ること、それこそが人間の力

 

「もし、あなたの言うアクセラと言うアンドロイドを取り戻したいと考えているなら、選択肢は1つしかありません。私を破壊することです」
――静乃

  

静乃「アンドロイドでも、ですか」

秀隆「そうです。あなたもアクセラと何も変わりません


静乃「人と言うのは面白いですね。理解のできないことばかりです」

「私の中には、あなたの考えに達するまでの答えがない」

「出来ればもう少し、深く追求してみたかったんですが」

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秀隆の行動を静乃が理解できないのも仕方ない。それこそが人間の力というべきものである。

人はただの物に、自分を重ねられる。自己を拡大化することができる。絵に機械に小説に音楽に人形に―――命なきものにまで、感情を移入し、自分と同じように扱うことができる。

それは人が観念と実体の世界を同時に見ているからこそ可能なんじゃないだろうか。 

 

 

アンドロイドと人間の違い

 

「人間とアンドロイドの違いはなんだ、とおまえは言ったな」

「ある意味、これは1つの答えかもしれん」

「どういうことでしょうか?」

キズナは記憶が消えてもキズナだ。多少趣味や好きな物は変わっても元の人格に似ていく。だが、アンドロイドの場合はそうはいかない」

――和葉、秀隆

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かずちーが言っているのは、「意味記憶」があれば人間どうとでもなるが、アンドロイドはその意味記憶すらも消せてしまうからそこが違いなんだよ、ということなんだろうね。

 

 

 

また1からはじめたっていいんだ

 

「ならこいつは遠慮なく処分させてもらう。元々違法アンドロイドとして改造を受けた機械だ。無理に残す理由はない」

「……っ……」
目の前にアクセラの外見をしたアンドロイドがいる。
なんて残酷な光景だろうか。

「気にするくらいならひきとりゃいいだろうが」


また一からセッティングしなおせばいい

「そんなんじゃ、ないんですよ。オレはアクセラをアンドロイドとしては見ていない」

――和葉、秀隆

 

かずちーの言葉は突き刺さるものがある。たしかにアクセラはもういなくなってしまった、メモリーがぶっ壊れ修復できたのは外見だけ。島津家5年間の記憶がないアクセラはもうアクセラではない。

それはもう死んだことと等しい。でも和葉は言うのだ。


「また一からやり直せばいい」と。

 

たとえアクセラが死んだとしても、アクセラに近い存在は目の前にいる。もうアクセラという存在と再会することは不可能だろう、でもそれでもだ、それでも"やり直す"ことができる。


また今からアクセラと思い出を積み重ねていけばいい。アクセラを取り戻すのではなく、過去を"やり直せば"いい。アクセラとの死別を覚悟し、アクセラの誕生を喜ぶそんな感慨を持った。




 

 

アクセラとの再会

 

「お約束、しましたよね」

――アクセラ

 

 アクセラのメモリーは無事だった。ずっとニコニコしているアクセラを観ていると、心が満ちてくる。こういうのも悪くない。


 

 

 

 

賭けるチップはあと何枚ですか?

 

秀隆「お前たちに話して聞かせるようなことじゃない」

凛「いいからいいから、話してみなさいって
 まずその内容を聞いてから、あたしたちが判断してあげるから」

秀隆「凛」

オレは全てを捨てる覚悟を決めた

秀隆「―――ちょっと黙れ

凛「っ……」

  

ズキズキと、心臓とも違う場所が、痛んだ。

「やっぱ、心は痛いんだな……」

「凛や、希望の、オレを見る目をみたか? 信じられないものを見るような軽蔑する視線を」

「他人にされても耐えられる自身はある。どうでもいい奴なら、気にも留めない自信がある」

「だけど……あいつらは別だ」

「大切な友だちに、あんな目をされて、辛くないはずないよな……」

「祐輔や愛佳、キズナの気持ちを踏みにじってしまった……それが、どれだけオレの心を深くえぐったと思う……?」


ごめん……ごめんな……皆、ごめん……っ……



「私だけは、理解しております」
「秀隆様が、誰よりもお優しい方であることを」
「自分の全てを犠牲にしてでも、信念を貫き通される方だと」

――アクセラ、秀隆

 

 いちばん大切なものを守るために、次の大切なものを捨てていく、そんな過程。こういうことを繰り返していくと、どれが大切だったのか、なんで大切にしてきたのか、大切なものを毀してまで大切なものを守るのっていったいなんなんだろうという疑問が首をもたげてくる気がする。痛い。

 
心のチップを賭けた先に待っているのは、やっぱり最善の未来。しかしそれはそのギャンブル的行動が成功した場合のみである、時に失敗してしまうことももちろんある。失敗したときに待ち受けているのは、賭けた分のチップの没収、つまり相手を信じること、世界を信じて裏切られた痛みが待っている。 

 
秀隆の行動も、キズナの行動も、バカ高いチップ代を支払った上での行動。

 

秋「もうやめてキズナ。どうしてそんなに私と兄さんの中を取り持とうとするの?」

キズナ「ひーくんとあっきーに、幸せになってほしいからです」


秋「幸せ? 無理に決まってるじゃない」
 「私と兄さんは、お互いに憎んでる。それはずっと変わらないこと」

 
頬を叩かれても、好きな人に嫌われても、言わなくちゃいけない時がある。行動しなくちゃいけないときがある。失敗を恐れてちゃきっとダメ……なのかもしれない。

 

 

 

 

私はそう信じてるってこと

  

「……あんたなら、秋ちゃんと仲良く出来る。私はそう信じてる」


――姉


お姉ちゃんの言葉は良い。

いろいろな事象に具体的な根拠を必ずしもあげられるわけじゃない。でも自分がそう「なって欲しい」ことを告げるのに、躊躇うことなんてない。

ある未来を信じていることを、誰かに告げること。

 

―――私はそう信じてる


この言葉の響きが私はとっても好き。

 

 

 

 

自己洗脳

 

「オレは無理やり、記憶を封じ込めた。あいつが憎いって部分だけをコントロールしていたんだよ」

「そんなこと、出来るんですか?」

「杉村さんの下で心理学については勉強させてもらってたからな」


元々は、姉さんの記憶を封じ込めることを目的に教わった。
その流れで、オレは秋への気持ちも一緒に封じ込めた。
何か引き金のような出来事が起こるたび、必死に心をセーブして思い出さないようにした。

思い出せば、自分の心に強い負担がかかる。

――秀隆、キズナ

 

 

何度、傷つけただろう。
そんな行為に、オレの心は耐えることは出来ない。
妹をきずつけているという、自分を見つめたくは無かった。
それが―――心を封じる、セーブすることへと繋げられた。

――秀隆

 

自己洗脳という行為は、「現実の上書き」みたいな効果があると思う。現実に起こった事実は本来変えることは不可能だ。それは私達が過去に干渉する方法を持たないからでもある。

けれども事実はそうでも、自分の中の真実ならば変更可能なんだ。自分が秋を憎むという現実に上書きする、あるいは不幸だった過去を幸福なものへと誤認識させる。その誤認識が死ぬまで続いたのなら、"誤"ではなく"真"としての認識に昇華される。

秀隆が観ている幻である姉さえも、本来もう会えないはずの故人を彼の中で復活させていることと同義だ。ありえないもの、失われたものを蘇らせる方法に、「自己洗脳」という方法もあるんだろう。

 

 

 

 

 

愛と憎悪の反転

 

「自分勝手だってことは十分わかってる。でも、それでも胸が痛いの……」

「思い出した……兄さんと出会った日のこと。私が一人でふさぎ込んでいる時、いつも助けてくれていた兄さんのこと……。兄さんに彼女が出来た時、一人で泣いて、悲しくて、辛かったこと……」

「兄さんが心を痛めながら、私を生かそうと必死だったこと……」

「秋ちゃん……」

「思い出したの、今になって、兄さんのことが大好きだったってこと……!


――秋、愛佳

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自分で自分が信じられないんです。兄さんに抱いていたはずの嫌な気持ちが、全部変わっていくんです

「こうして隣にいるだけで、鼓動が早くなってしまう……」

「兄さんを好きな気持ちが、どんどん溢れてきてしまうんです」

――秋

 

こういう気持ちよくわかる。ただどういう原理で「感情が反転」するのかよく分からないのが謎なところである。

あの子好きだなーと思ったら、ある日ふと、ちょっとしたきっかけでどうでもよい存在に成ってしまったり、どうでもいい無関心だったある人にふと好意を覚えて関係が良好になったりそういうの。(あでも最後にはお互いに無関心になる感じ、好意の反対はやっぱり無関心なんだなと痛感する)

感情というのは予測不可能なものなんだろう。乱数の塊みたいなね。ある日、全然違う感情を抱いていること、好きだったのに無関心になってしまうこと、無関心だったのが大好きになってしまうことがある。憎悪に移り変わるのは、人の適正があるのかなと思った。

秋でいえば「執着」と「固執」という性質を持っているからこそ、憎悪と愛の反転が起こり得たんじゃないのかな

 

 

 

 

  

 

 

 

 

許す努力

 

「今だって、まだおまえには辛い記憶を残させてしまってる」

「否定のしようもありません」

「許して欲しい、と今はいえない。でも、許してもらえる努力を、オレはしたい」

「……私も、許す努力を、したいです……」

――秋、秀隆

 

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 この「許す努力」という概念がとても良いなあと思う。

今はまだ許すことができない。でもこれからいろいろ積み重ねていって、未来には相手を許せるようになりたい、っていう秋の意志を感じられるから。そしてそれは「約束」と同じ性質を持っている。


 

 

 

大好き!

 

「……やっぱり嫌い……あのメス犬」

 

「兄さんは、私だけの兄さんなんです……他の人には、触れさせたくない……」

 

「ありがとうキズナ。でも……
今度から、勝手に兄さんの部屋に入るのはやめてね」

 

 

「佐々野さんとは、口を利かないようにしてくださいね」

 

「色目とか、使ってるんじゃないですか」

 

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もう秋は可愛すぎるなあ……可愛すぎるかわいいいいい!!!メロメロであった。ああこういう独占欲に縛られて縛り付けられるのも悪くないああ悪くないようんうん。 

 

 

 

 

 

好きな人がいない世界

 

「どうして……どうして兄さんは、いつもこんな残酷なことをするの?」

「私は、あのまま死にたかった……」

「兄さんの傍で……最後までいたかったのに……」


――秋

 

 

「ひどいよ……ひどいよ……こんなのっ……」

「兄さんのいない世界なんか、生きてる意味、ないじゃないっ……」

――秋

 
ああもう自分は死ぬんだなと思って意識が途切れたあと、目を覚ましたら予測していない状況に置かれるのってどういう気持ちなんだろうね。

好きな人がいる世界で死にたかったのに、自分だけのうのうと生きていることを知ってしまったときどんな気分なんだろうね。

目に映るすべての風景の「意味」がふわふわと消えていき、やがて真っ白い空間にぽつんといるような感じ、そんな感じだった。

これから先……ほんとうに生きてイカなきゃいけないのかな?
なんで生きなくちゃいけないのかなだって生きる理由が見当たらないよ?


そんなふうに、世界が無意味化する感覚。 

 

 

「バカです……兄さんは……!」

「ずっと、ずっと私といてくださいっ……」

――秋

 

 秋可愛すぎてどうにかなりそう。

 

 

 

 

秀隆「……オレも、コールドスリープを……?」
  「でも、オレにはそんな治療を受ける金なんて……」

和葉「冥土の土産にあたしがくれてやる。どうせ金なんて腐るほどあるしな」

秀隆「……いいんですか」

和葉「これからも辛気臭いおまえに会うより、いっそのこと眠らせてしまった方があたしとしても楽なんだよ

 

かずちーほんとかっけえよな……惚れそう。

 

 

 

 

 

 

 

キズナとのじゃんけん

 

「私の勝ちですね、ひーくん」

「確かに、キズナの勝ちのようだ」

だが、諦めるのは早い。キズナがグーを出す、という事実が分かったのだ

――キズナ、秀隆

 

ぐー・ちょき・ぱー、どれを選んでもキズナに負ける現実

 

 

 

 

 

家族が欲しいのかな

 

「私はひーくんのことが知りたいんです」

「……なんで」

「私に記憶がないから、かも知れません。もし生まれ育ったのがこの世界だったなら、私はたくさんのことでひーくんたちと意識を共有できていたと思います」

「ごめんなさい、ちょっとうまく説明できないですが……」

「家族が……ほしいと思っているのかもしれません」

――キズナ

 

 

 

「この世界で、誰よりも先に私を助けてくれた」

「私は……本当にうれしかったです」

――キズナ

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キズナの状況も、秋の状況と同じなんだなときづいた。コールドスリープは否応もなく自分の内在世界を殺してしまうのか……。


 

 

 

 

恭一の一貫性のない言動について

 

「で、どういう恨みを持たれて刺されたんだ?」

「前触れもなく話しを変えてきましたね……」

――恭一、秀隆

 

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恭一「お前に黙ってたことがある」


恋「はい。なんでしょう?」

恭一「ホープタウンについてすぐ、オレが踊りながら奇声をあげたのは知ってるよな?」

恋「……あれは最低でした」

 

 

恭一のこの「一貫性のない言動」は、彼本人の性質・性格・気質と呼ぶものではなく、和葉が指摘した「脳の一部が欠損している」ことが原因なんじゃないか?

恭一が見聞きしているものは、もしかしたら断片的な情報であるかもしれないことの示唆。あるいはコミュニケーションを取るときに、論理がうまく紡げない状態なのかもしれない。


前者は、聴覚や視覚でとらえた情報があるとしよう。正常者ならば「――――」←こう取得できるものを、恭一の場合「――■▼☓―・――」←こんなふうに断片化した情報しか取得できていない可能性がある。

後者は受信のいわば反対、発信に問題があるということ。

 

 

 

裏切る

恭一「人間ってのは誰でも裏切る。そう思って生きた方が楽だぜ」

秀隆「生き方としては楽かもしれませんが、それだけです。本当の意味で充実し、納得のいく生き方は出来ないと思います」

 

恭一は特別すぎるんだろう。こういうのってある種、脳が"ズレ"る体験をしないと出来ないと思う。つまり一般人は無理ということ。自分の身の丈にあった思考を行動をしたほうがいいんだろうなと思った。

 

 

 

 

日常を望むこと

 

オレたちは、また同じ道を、同じように並んで歩いて帰るのだから。何も特別なことなんてありはしない

秀隆「日常だ。ほんと、目の前にあるのは、ありきたりな日常だ」

キズナ「日常ですねー」


秀隆「オレは今の日常に、不満なんてありゃしない。このまま年老いて死んで行くことに抵抗はない」

キズナ「それは、素晴らしいことだと思います」


秀隆「普通のことが、素晴らしいことなのか?」

キズナ「平穏を望むことはひとつtの理想だと、私は思います」

 

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人には選ぶ権利がある

 

唐沢「僕が、地上は無事だと言えば、少なからず誰かは地上を目指す。そこで悲惨な目に、死ぬようなことになったら、誰が責任を取るんだい? その死んだ者の家族が、後を追ってしまったら? 負の連鎖だよ」

「本当の意味で地上が無事なら、僕だって隠しはしない。真実を公表して、地上に飛び出していくこともありだと考える」

「だから僕は―――」

キズナ「私は、あなたのその考えは間違っていると思います」

唐沢さんの弁明を聞いていたキズナが口を開いた。


唐沢「……何故だい? 僕は少しでも皆に幸せになってほしくて……」

キズナ人には生きる権利があるように、選ぶ権利があります。例えどんな状態であれ、地上が無事なのであれば、あなたにそれを止める権限はありません」

 

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唐沢代表がいっていること、キズナが言っていることどっちもわかるんだよな……。でも強いて選ぶとするなら、私はキズナの意見を推したい。なぜなら私はマクロ側に生きていないから、個人の個人的な視点のもとにしか生きていないからだ。

 

 

 

 

「外」に向かおうとする気持ち

 

秀隆「オレは、引き返すべきだと思う」

秀隆「お前の地上を見たいと言う気持ちはわかる。この壁一枚向こうにその景色が広がっているなら、見たいと思うのは当然だ。でもオレは……おまえと未来を築きたい。長く長く続くであろう未来を築きたいんだ」

 

キズナ私は……地上がどうしても、見たいんです

 
やっぱりキズナは「外に」向かう性質の人間か……。放散/帰結。

 

 

 

踏み出さないまま眺めること

 

キズナ「私の興味は、地上を一目見ることです……。空を……風を感じることです」


秀隆「だったら……」

ここからこの中からだって、地上を見ることはできる。おまえの目標は、達成できるってことだ」

今は、まだ眩しくて見えないけれど。
それに惑わされず、落ち着いていればいい。
こうやって二人で手を握り合っていれば、大丈夫。

この光に、間違っても吸い込まれたりはしない。

 

なんかここ凄い。自分の居場所にいながら、世界の可能性を感じ取れるってところが。世界に足を踏み出さないまま、世界の実感を感じ取れるところが。

 

 

 

 

 

 絶対的強者

 

 ???「だが、ひとつだけ覚えておけ。そのナイフでオレを突き殺す前に、オレがお前を殺すと」

 
麦蔵「使えるのは歯だけ、首も満足に動かせない。それでどうするつもりだ」

???「だから試してみろって言ってるだろ

「…………」

???「どうした、迷ってるのか? それとも怯えているのか?」

 

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絶対的強者の前では人はひれふすしかない。絶対的強者とは、暴力を所有しているもののことだ。暴力という力さえあれば、権力も財力も名誉も手に入れられる。この力の前では人は圧倒的に無力になる、だから恭一は恐れられる。


 

 

 

 

 記憶の痛み

 

あの痛みはなんだったのか。

なんで、こいつの笑顔を見た瞬間だったのか。

たまたま、だとは思うが……。

あの笑顔を、オレはどこかで見たことがある……そんな気がした。

――恭一

 
恋の笑顔をみた瞬間、激しい頭痛がはしり失神する恭一

 

 「ぐああああああああああああああああっ!!」

 

 またユウキを見たときも、多少なりとも頭痛を再発させているようだった。

なぜ地上時代の記憶がひっかかるんだろ。

 

…………。

 

 

 

 

過去があるから

 

「あなたは今、恭一、と言う人として生きているんですよ? 過去がどうあったかなんて、関係ないじゃないですか」

「確かに。オレはオレだ。だが、それでも過去はなくならない。例え150年経とうが、オレと言う人間を構築してきたのは過去のオレだ」

「それは絶対に変わらない」

「…………」

 

「結局、オレは記憶を失ってもオレなんだろうさ。人には出来ない役目ってのを背負う運命にあるのかもしれない」

――恭一、恋 

 
人間はどうしても過去の余韻に後ろ髪を引かれてしまうんだろうね。自分のルーツを知り得ないことへの不安や、空虚感みたいなものを感じてしまうものなのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 恋の極まった感情移入

 

その女性は、どんな気分だったんでしょうね……

「あ?」

「愛する旦那さんとお子さんが、コールドスリープで眠ってしまった。つまり、一人だけその世界に取り残されたってことじゃないですか。どんな気持ちで、その後過ごしたんでしょう……」


「さあな。それはそいつ本人にしか分からないことだ。お前が考えても仕方のないことだろ」

気になるんだから仕方ないじゃないですか!

――恋、恭一

 

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恋(れん)という女の子は、人への感情移入の力がとても高い。見たことも聞いたこともない赤の他人の心境に思いを馳せるっていうのは、なかなかしないものだと思う。 したとしてもここまで悲痛そうな顔してまで、痛みを感じる人というのは稀有だ。

あるいは恭一という存在によって、そこまで感情移入度を高められている可能性もあるけど……元々、恋という人は人の気持ちになって考えることをするような人のように見える。

 

 

 

おーわり。

 

 

 

 

 

 <参考>

 

 

 

 

*1:「地下施設で、お姉さんの幻覚が示したのは、君自身が直感で感じた危険性を、具現化したものではないだろうか」「壁に入ったヒビ、老朽化の進んだ天井。今にも朽ち果てそうな廊下の床を歩く感触」~「危険な場所に行け、と言う合図ではなく、危険な場所だから行くな、と幻覚は告げているんじゃないのかね?」「人物であれば、その人に危険が迫っている。そう伝える要としている」――竹内特務官

*2:詳しくは空の境界未来福音