猫箱ただひとつ

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22話「凪のあすから」_向井戸まなかが見ている世界はすべてが等しく無価値なんじゃないか?(4415文字)

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 うろこ様が言っていたことをまとめてみる。

 

~~昔・神話~~

・ウミガミ様はおじょし様を地上に返すとき「人を好きになる心」を奪った
・おじょし様が地上に返ったあと長い年月が経ち、ウミガミ様も命を失い、海へと溶ける。

・溶けた海にはウミガミ様の「想いの欠片」が漂っている
・海に漂う「想いの欠片」は、人の世の空気を読む。
・人の世の空気読んだ「思いの欠片」は、時に勝手な行動を取る。海の脅威として猛威を振るうことがある

・その行動に善悪感情はない。

・御魂火もウミガミ様の一部
・御魂火は海に漂う想いの欠片よりも、もっとしっかりした意識のようなもの

・御魂火は、海や地上に起こる異変を食い止めたいと願っている。

 

 

~~現代~~

・おふねひきの時、まなかは「ウミガミ様の想いの欠片」(=おじょし様を求める感情)に巻き込まれた。

・まなかはウミガミ様に捧げた生贄となり、厚いエナにくるまれおじょし様の墓場に安置される。

・まなかの生贄としての存在は、地上の終わりを引き止めていた。
・地上の終わりは、光が死んで、その子どもが死んでまたずーっと先の話しである。

・まなかの中にあった「誰かを好きな」気持ちが、生贄であることを拒絶した。
・その「誰かを好きな」気持ちが、エナを壊し、少しづつ外に溢れだし、か細い潮流を生み出した。

・美海が聞いたカラカラという音は、まなかから溢れただしたエナの粒のぶつかりあった音だった。

 

・光がまなかを墓場から助けようとしたとき、「ウミガミ様の想いの欠片」はお女子様を奪われると感じ、まなかから「人を好きになる心」を奪った。かつてのおじょし様と同じように。

・このとき、まなかのエナも一気に剥がれ落ちた。

 

 


~~今、あるいはこれから未来のこと~~

 

・まなかは、もう誰も愛することができない。

 

 

  *

 

 

 

上述したまとめの、うろこ様の全会話が下になります。真中とみうなの言葉は意図的に省いてます。

 

 

まなかはお女子さまになっておったのじゃ。

 

海神様の生贄となり、子をなした娘。彼女は地上に想い人を残してきておった。いつまでもその想いを忘れることはできず、塞ぎこむようになってしまった娘を見かね、海神様は彼女を地上に返してやったのじゃ。あるものと引き換えにな。

 

お女子様が地上にかえり再び長い年月が流れた。海神様も命を失い、その身体は海へと溶け出し一体と化した。そのとき剥がれ落ちた鱗のいちまいがワシじゃ。

 

海の中にはそのとき溶け出した海神様の想いの欠片が漂っておるんじゃ。

 

善も悪もない怒り悲しみ喜び妬み、剥き出しの想い。御魂火も海神様の一部じゃが、こいつはもっとしっかりとした……そうさのう「意識」のようなもの。

 

海や地上に起こる異変を食い止めたいと願っておる。じゃが海を漂っておる想いの欠片たちは、人の世の空気を感じ取り、時に海の脅威として勝手な行動を取るのじゃ。

 

まなかはあのとき、海神様の感情に巻き込まれ生贄となった。

 

かつて海神様がお女子様を求めていたときの感情が、残っていたのじゃろう。

 

まなかはお女子様の墓場で、より厚いエナにくるまれて生贄になっておっておった。そのため海は落ち着き、地上の終わりは引き止められていた。海に残された想いの欠片と、御魂火の意識が一体化し均衡が取れていたのじゃ。

 

 

じゃがまなかのなかにあったとある気持ちは生贄であることをよしとせず、外に出ようとした。その気持ちはエナを壊し、少しづつ溢れだし、か細い潮流を生み出した。

 

 

「シオシシオに通じていたあの潮の流れ?!」

 

まなかから溢れでた細かなエナの粒がぶつかり合い、音を立てて、それを地上の娘が聞いたというわけじゃ。

 

 

「じゃああれは」

(あの音はまなかさんのエナ?ううんまなかさんの想い)

 

お前たちがまなかを探しに行ったとき、お女子様を奪われると感じた海神様の想いの欠片は、かつてと同じようにまなかからあるものを奪いとった。

 

そのときまなかに残っていたエナも一気に剥がれてしまったのだ。

 

まなかが生贄だったから海は落ち着いていた。まなかを失ったせいで地上の終わりは早まるかもしれん。

 

「なんだよそれ」

「地上がおかしくなっちまったのはまなかのせいだっていうのかよ」

慌てるな。早まるといっても、お前らが死んで、お前らの子どもが死んだまたずーーっと先の話じゃわい。

――うろこ様、光、美海

 

お前の想いは未来永劫、まなかへは届かんかもしれん

―――いや誰の想いもな

まなかが失ったもの

それは

それは「人を好きになる心」じゃ。まなかはもう誰も愛することが出来んのじゃ。

 
(うろこ様)

 

 

 

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ウミガミ様は人間のような存在だったのだろう。恋をし怒り喜び狂うそんな人間となんら変わらない情緒を有していた。しかし彼が死んだあと、その"想い"だけが海へと残留しつづけることになる。

それは感情を持つ神から、感情を持たない神、つまりそういう「概念」へと変わってしまったことになる。

概念となった存在は、もう人ではない、それはただのプログラム(本能)された通りに行動し続ける「自然」や「天気」となんら変わらない。自然災害そのもの。


すこし気になるのが、"人の世を読む"ことで「想いの欠片」が行動を起こすこと。

人の世を読む?……。いったいなにを読んでいるんだ? 人の世になにかあれば行動を起こすってことなんだろう、でもそれって、あれかもしかしてノアの方舟的なやつじゃない。

人間が怠惰でどうしようもなくなって「これはもうだめだわ」と神さまが思ったら最後、海の脅威によって人類一掃しちゃうよみたいな。そんなことを何千年と繰り返してきたんだよ、みたいな。


ありえる……。運命書き換えたい。


  *

御魂火は、海に漂う想いの欠片よりしっかりとした存在だという。つまりこれがウミガミ様の「核」だろうか? ウミガミ様そのものというかそんなの。

自立的に考えられる人格が御魂火、そして赤ちゃんのような無軌道で乱数まじりのが想いの欠片―――そんなところじゃないんだろうか。

 


  *

 

凪のあすから」の<核>がやっとやっと見えてきた。「誰かを好きになる気持ち」か……。

人が誰かに好意を"持つ"ことが、とても重要なことなのかもしれない。


うろこ様なんかすんごい顕著だよね。まなかのときも、美海のときも「誰かを好きになっている気持ち」を嗅ぎとっている。彼がここまで「好き」という感情に敏感なのは…………(なのは?)

 

ええ匂いじゃ、メスの匂いがする

 

――ウロコ様 

 

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人を好きになれなくなるとはどういうことなんだろう?……

 

まなかがなくしてしまった好きという感情は、「人」と限定してしまっていいんだろうか? もしかしたら、「物」にまで拡大化されているんじゃないか?

絵や音楽、詩に小説、花から食事―――そんなふうにもし人だけではなく「世界」すべてをを好きになれなくなってしまったら……

 

 

だけど…… 
だけど、私はこの世界が好きなんだ 

――九条理沙

 

そうか、世界を好きでいられなくなってしまうと、おそらく生きることをやめてしまう。なぜなら好きという感情こそが、この世界をきらきら輝かせてくれるものだから。

美しい、素敵、可愛い……何かを目にしてそういった感情を抱くのは、それが"好き"だからだ。好きじゃなければ、そういう感慨は抱かない。

 


「好き」がない世界。それは光り輝かない世界と言ってもいいし、もう死んでいる世界と言ってもいいのかもしれない。

 

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まなかの目に「光」が宿っていないのは、世界がきらきらしていないから。

"好き"という感情を失ってしまえば、灰色の世界を見続けることになるんだろう。




「好き」という言葉はこうも言い換えられる。それは価値あるものを区分けすることだと。

自分にとってなにか大切なものがある。大切なものがあるということは、"大切ではない"ものがあるということになる。大切という「価値ある」ものと、大切ではない「無価値なもの」があることになる。

この「価値/無価値」の分水嶺は、それが好きかどうか、そして自分がそれを好きかどうか定めたかどうかに決まる。あるものを無価値とするから、あるものに価値が宿るのだ。

もしすべてのものに「価値がある」としたら、それは等しく無価値なんだ。関わった人すべてを愛したというのなら、誰一人も愛していないことだとこと。

無価値があるからこそ、価値が生まれる。価値が区別される。嫌いな人がいる、好きじゃない人がいる、だからこそ「好きな人」がいることに価値がでる。


だから

「人を好きになる心」を失ったまなかが観ている世界とは、全てが等しく無価値な世界なんじゃないか?

好きがない世界。
好きが欠損した世界。

光も要もちーちゃんもつむぐもお母さんもお父さんも誰も誰も、等しく大切ではない。ただそこにいる人間。

そんな世界に生きているのかもしれない。




Q まなかの「好き」を取り戻すには?

まなかは生贄になることを拒絶した。その想いが身体からエナを剥がれ落とさせ、そのエナがか細い潮流を生み出し、地上の人に届くように仕向けたんだとしたら?

美海はこのことを「まなかさんの想い」だといった。もしかしたらまなかのエナを集めることで、まなかの想いも回収できるのかもしれない。そう思った。

あるいはなんらかの方法で、誰かの「好き」をまなかが受け取るかもしれない。美海の光が好きだという気持ちを、まなかに譲渡される可能性があるかもしれない

 

 

 

赤い傘ってなんだろ?

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凪のあすからのOPムービーの「赤い傘」は一体ななんなんだろ?

赤い傘は「ウミウシの赤色」と連動しているのかも。 ウミウシ赤に気持ちを吐き出すと正解か否か分かると、以前まなかは言っていた。ということは赤い傘を取るということは、自分の気持ちへの"答えを得た"ということに繋がるのかもしれない。

まなかは最後に赤い傘をキャッチするので。

 

あるいは海神様との「意志疎通」を表しているのかもしれない。以前わたしはウミウシ赤に気持ちを吐き出すとなぜ正解が出るのか?と疑問を覚えていた。もし人の世の理への「正解」を出せる存在がいるとすれば、人間以上の高次の存在でしかありえない。「凪のあすから」にいる高次の存在とは、海神様しかいない。

ならば、赤いウミウシに悩みを告げると答えが返ってくるというおまじないが本当だとするなら、赤ウミウシは海神様とコミュニケーションを取れる生物なのかもしれないとそう思ったのだ。

だから「赤い傘を手に取る」ということが、海神様と手を取るようにも感じられる。


あとは……傘は雪や雨を凌ぐ道具なので、何か遮る、自分と世界の境界線を引く……というものもあるかもしれない。


ほかには__美海の手から傘が離れる→空へと舞う→まなかの手に傘が収まるという流れが

美海の失くしものを、まなかが拾う、受け取る、という意味もあるのかもしれない。恋心を失ったまなかに、美海が「恋心を差し出す」とか……?

 

 

 

 

「手」が気になる

OPでやたら「手」がきにかかる。

 


まなかは赤い傘をみて、手をぎゅっと握りしめる。

美海は、雪をすっと握りしめる。

赤い傘を手に取るまなかとかとか。

 

 

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なんだろ……なんか引っかかる。

 

 

 

凪のあすからに神話性?

 

凪のあすから』に「神話性」を感じてしまうんですけど、なんでだろ。

私は神話的物語をあんまり読んだことがないのに、「なんか神話っぽいなー」とちょこちょこ感じる。例えば、あかりが地上の人と結婚するといったときに、彼女の道を氷化した世界が阻んだことがあった。

氷で行方を阻まれる……あれは神さまの試練のように感じられるし、それを乗り越えちゃうところがなんか神話っぽさを感じる。

あとは人柱、生贄、ってところも神話っぽいものなのかも。


この神話っぽさって一体なんなんだろうね? 無意識下にある人の感情がなんか作用してるのかなー……みたいな、anima,animus、グレートマザー、トリックスターとかそういうの。

あるいは
余計なものすべてをそぎ落として、「意味」そのものを明確にしてくと、神話っぽくなるのかもなと思った。

 

 

 

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