猫箱ただひとつ

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8話「明日ママがいない」_世界には失われた子どもたちで溢れている……でもでもでも(1945文字)

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親に捨てられたこどもはどうやって心の傷を癒せるのだろうか

 

 

魔王「待ってください

 

魔王「私はコウノトリです。少子化の日本とはいえ、私達の数も足りずてんやわんやの忙しさです。

言い訳するつもりはありませんが、時々、間違えてしまうことがあるんです。時々間違えて赤ちゃんを別の人のところに届けてしまうんです。

 

そこであなたにもう一度、ほんとのママを、選びなおして頂きたいんです。産んだのは親ではありません。いっぱいの愛情をもって育てあげるのがほんとの親なんです



事実の親と真実の親は違うんですッ!!

 

 

アイスドール「―――私はコウノトリです」

 

アイスドール「どうかお願いします。もう一度この子を届けるはずだった正しいの親の元へ戻す機会をお与えください

 

 

ドンキは「親に捨てられた」という事実は生涯消えることがない。その事実は呪いのように生活に精神に暗い影を落とすことになるだろう。ふと朝に歯磨きしている瞬間に「自分は世界からいらないんだ」という事実を押し付けられる、ふとスーパーですれ違った幸せそうな子どもを見る度に、自分との生い立ちの差をハッキリ実感していく。


「ああ私が生きることを望まれていなかったんだ」と。


それはきっと自尊感情をがりがりと削っていくことになる。修復不可能になったときには、精神を狂わせでもアイスドールのように生きるか、それとも全てを捨ててこの世界から去ってしまう決断をしてしまうかもしれない。


―――生きることは罰なんだね。きっとそういうことがありえる。



だから「親に捨てられた」という現実を"変え"なければいけない。たとえそれが「優しいウソ」だったとしても認識を変えることで人は救われることがある。

 

魔王は言った、「私はコウノトリです」と。この言葉は、ドンキがこの世界に生まれた存在理由は、決して!決して!現実に存在する母親ではないということになる。彼女をお腹から生み出した母親だとしても、それは本当の母親ではないという認識に繋がる。

コウノトリという存在は、ドンキという人間をこの世界にいてもいいよと言ってくれているんだ。世界に産声を上げることを望まれ、そして生きることを願われた存在だと……たまたま手違いで愛してくれなかった家族のもとへ行き渡ってしまったけれども、でももうこれからは大丈夫だよとそう言っている。


世界には失われてしまった子どもたちで溢れているんだろう。そしてその現実に直面したとき、その子が救われるんだとしたら「愛してくれる人」がいて、かつその愛をその子自身がちゃんと受け止められるようになれば…………きっと大丈夫なのかもしれない。



「ドンキ……」

「……ポスト」

(目と目をあわせゆっくりと頷く2人)

――ドンキ、ポスト

 

もうポストかっこいいよな……。この子はヒーローの資質が少しあって、今回のドンキの問題も解決してくれるんじゃないかなと思っていた。でも実際は魔王がドンキの決心を揺らぐさせることになるんだけど。

いやなんだろ……きっと今回はポストだけじゃダメだったんだろう。

今まで怖い大人が、土下座で、敬語で、必死に自分のことを想って語る言葉はこれ以上なくドンキの心に響くと思う。そして小さいころは(この国だと)現実と観念の境界線があやふやだから、よけいに。よけいに「コウノトリ」の言葉は生涯にわたって支えてくれるものになると―――そう願っています。

 

 

 

っあああぁぁぁああああっ!!!なんて子なの……誰が産んであげたと思ってるのよっ。恩知らずにも程があるわ……っ…
勝手にすればいいわ……
どうせあたし足手まといになるだけなんだから

 
――ドンキの母

 

結局、ドンキの母親は「自分を肯定してくれる」人間であれば誰でも良かったんだろう。元カレでもドンキだろうとも。元カレと別れたあとにすぐドンキの元へ来たのは、ドンキという弱者を自分が庇護することで必ず肯定してもらえるとの打算だ。

なぜならドンキは"生かされている"のだから。

 

~~

 

最後。2人で前を向いて歩く魔王とポストが印象的だった。

なんでかはわからないけど、こういうの好き。

 

(終)

 

 

 

<参考>

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (角川文庫)

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