猫箱ただひとつ

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凪のあすから15話―――この感覚はきっと、そう、あれだ(2521文字)

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 お前ぜんっぜん変わんなくて安心した!

 

 

 

 

光が感じているのはきっと―――

 

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あれから5年後、光はかえってきた。当時の姿のままで、当時の記憶とともになにも変わらず紡たちの前に現れた。そして5年という歳月を経た友人、町並みを見て険しそうな顔をする。

光がみる街の景色はうすらぼんやりとし、光の光源を最大にまで上げたかのように真っ白に染めあがっていく……そうだこの感覚。この感覚を私は知っている。これは知っている人がいなくなった土地で、なんら変わらず自分だけが居残っているような疎外感、あるいは大切な人達から「繋がり」が切れてしまった状態。

光がこの感覚を覚えているのかは分からないが、ただ光が見たこの風景を見て、私はそういった感覚をふと思い出した。そうだよこの感覚は、時間という概念が消失し、ある真っ白い空間になぜか自分一人だけ立ちすくんでいる……自分がどこに立っているのかすらも分からなくなっているあの感覚に近い。

 


目に見えている風景の「意味」がふわふわと消えていき、最後には色が抜け無意味化するようなそんな感慨を思い出した。

 

 

 

おまえには分からないよ

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どうしてなんですか?! 

帰ってきたのに 光

どうしてちさきさん会いにこないんですか!?

 

美海には分からないと思う

――美海、紡

 

ああきたか……またきたかこの言葉「お前には分からないよ」という相手を徹底的に拒絶する言葉。

紡のその後の言葉を聞けば、そういう意味でいったんじゃないのは分かる。でもそれでもこの言葉はただの拒絶的な言葉でしかない。みだりに使用してはいけないと私は思うんだよ。

相手がなにを考えているのかなんて分からない。分かると思っていても実際には分からない。なぜならそれが人間の限界だから、コミュニケーションツールである言葉の限界だからだ。

だからそんなの前提なんだ。相手が分からないのも、自分が相手にとって分からないのも前提なんだ。だからこそ、「分かろう」とするんじゃないの? なのに「お前には分からないよ」という言葉は、そういった「分かろう」とする行為を根こそぎ否定するものなんだよ。

もう勝手にそう言ってろよ、一人で俺の気持ちはお前には分からないとそうしくしくと呟いていろよ。他者の気持ちが分からないのなんて当たり前なのに、自分の気持ちを特権化してそんな大切なのかよふざけんな。

 

孤独なくせして孤独になりきれなくて、助けてほしいのに助けてくれって言えない。いっそ消えちゃえばいいのに。誰もいないところで寂しがってなよ。一人で寂しがってなよ

――綾

 

 

 

 

 

阻害され続けるっていうこと

 

ほんと変わらないな

―――っ。当たり前だっての

 

俺はおとといなんだよ!!おとといなんだお船引は。俺にとっては時間なんてぜんっぜん経っちゃいねえんだよ!!!

 

今だってもう十分参ってんだよ。あかりにガキいるし、みんなだって夏だってのに景色までみーんな変わっちまってっ……。

 

 

そうだよちさきにひょいひょい会えるわけがねえ、ずっと一緒にいたんだよあいつとは!! そのちさきが変わっちまったらこれ以上変わっちまったもんを見たくねえ!! 疲れんだよ!!! いろいろ考えたくねーんだよ知りたくねーんだよ!!!


―――光、紡

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世界から自分がはじき出されてような実感を覚えてしまったら、たとえ知っている人がいようとも、人は孤独になる。孤独感を覚えてしまうものなんだと思う。

光の目に映っているのは、もう"知っている"友人たちじゃないんだろう。もう知らない友人たちでしかない。背が伸びて、顔にうっすらとシワができ、自分が見たこともなかった表情を形作る、吐き出す言葉も、雰囲気も、仕草も少しづつ……ううんもうぜんぜん違っていたんだとしたら、

なんだろうね……なんだろう……。それってすんごい辛いことじゃないか。知っているのに知らないという状況が。自分だけ"変わらず"にいるという状況が。


これを見て思ったんだよ。変わり続けることも変わらずにそのままでい続けることも、「誰か」と共有していないんだったら、無意味になってしまうんだと。光が変わり続けること/変化しないことの2つのうちどちらを選んでいたとしても、選んだ先にその道を共にしてくれる友人なり恋人なり家族なりがいないと、孤独になってしまうんだと。

誰かは言った。人間は他人との活動に価値を見出すと―――つまりその"活動"に入っていなければ、生きていようが命があろうがどうでもいいってことなんじゃないか?

人が生きている実感を覚えやすいのは、生存本能を満たした時と、他者との触れ合い以外にないんじゃないか?

 

光がもし「5年後」のこの日に冬眠から目覚めたのではなく、100年後に目覚めたのだとしたらどうだろう。100年間たった先ではもう誰もいない、知っている人は全員死に、もしかしたら光が知っている街は街じゃなくなっているかもしれない。そんな土地で光がそれでも「生きよう」と思うんだとすれば、"同じ時間を共有した" 冬眠から目覚めた者たちだけなんじゃないかとも。

どうだろう……うまく伝わっているかな。

 

 

だからさ

 

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お前ぜんっぜん変わんなくて安心した!

 

"変わっていない"  "同じ時間のままでいる" ちさきに出会えたことが、光にはとてつもなく嬉しい出来事だったと思うんだよ。

 

自分の内在している時間間隔が、他者と一緒だと知ったとき、それは「自分と同じだ」という感覚を覚える。そしてこの感覚は生きる歓びを溢れさせる。なんでだろうね? 誰かと何かを共有して、それが互いに「同じ」だと思えることがどうしてこんなにも嬉しい気持ちを覚えさせるのかよく分からないけど、それでも――――。

 

 

 

守るという言葉

 

光の笑顔が嬉しくて

分からないことばっかだけど

届かないものばっかだけど

それでも私は

この人の笑顔を守りたい

――美海

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光の笑顔を守りたい

光に笑顔を絶やさないでほしい

光を笑顔にし続けていこう

 

 

言葉が少し違うだけで、自ずと行動も変わっていくのかもと思った。「守る」は敵(=現状を脅かすもの)からの攻撃を凌ぐという意味であり、「し続けていこう」は誰かを笑顔にするためのエントロピーの枠から外部のエネルギーを挿入し続けるみたいな!

「守る」って言葉を使ってしまうと、受身的になってしまうなと。個人的には「笑顔にし続けていこう」みたいな積極的な姿勢いいよねと思ったり。

 

 

 

 <参考>

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