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『ギャングスタ・リパブリカ』 体験版レビュー (9667文字)

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ギャングスタ・リパブリカ【予約特典:夜用えっちなおやすみドラマCD付き】

 

悪は猫を助ける。

悪は銅像をぴかぴかに掃除する。

悪は無償でパンクを修理する。

 

 

(……それのどこが悪なのよっ!?)

 

 

「悪は孤独。悪は超然。

―――だから、悪は世界を変えられる」

 

 

 

 <!>コミュニティ追求型ADV

プレイ時間 7時間ほど
製品版を買いますか? 買うのだ!

 

原画 ミヤスリサ(宮栖里紗)
シナリオ 元長柾木
音楽 I’ve
声優 紺野クレア(宮本 楚々音) , 夏野こおり(水柿 こおり) , 桐谷華(シャールカ・グロスマノヴァ) , shizuku(古雅 ゆとり) , あじ秋刀魚(時守 希) , 出馬瑤子(凛堂 禊)
嵐子(綿之原 七子) , 美空なつひ(稚咲 春日、眞鍋 梨都子)
その他 松島詩史(ディレクター)

公式HP│ギャングスタ・リパブリカ

 

 

 

 

『ギャングスタ・リパブリカ』のポイント!

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  • ただただ心地よい。日常がほんとうに日常でとても和む。
  • 凛堂禊(銀髪)をはじめ、ヒロインたちがとても魅力的。
  • 悪は救い、とても納得的。

 

 

 

OP


ギャングスタ・リパブリカ OPムービー - YouTube

 

こういうOPいいね! とてもかっこいい。

 

 

 

<!>ここからは体験版の感想です。

 

 

 

 

 

▼ ギャングスタの感想記事を書きました。 

ギャングスタ・リパブリカ 感想レビュー__悪は世界を変えていく (15543文字) 

 

 

『ギャングスタ・リパブリカ』プレイ中の雑感コーナー

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心のなかのガラクタ

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心のなかのガラクタを捨てられないのなら、
あの見せを訪れるといい。
いつか、仲間にめぐり逢える。

 

この噂を聞いたとき「心からの願いの百貨店」という単語を思い出してしまった。これは『さよならピアノソナタ』というライトベルにでてくる単語。

たしかこれの意味は、みなそれぞれに捨ておいたガラクタが他の誰かの宝物になる―――とかそんな意味だっけ。違うかも。

ただなんとなくそんなふうに思い出してしまった。とても暗示的。

 

 

凛堂禊

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とても可愛く悪魔的。透明感がとてもいい。やはり髪が長いというのは、心をくすぐられる。なぜだろう、持っていないもの―――だからだろうか。

悪は緻密。とても納得的

 

 

 

 

リパブリカ――共和国――

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同じデザイナーによって作られたキーホルダーで結ばれた、俺たちの共和国。

リードシクティス・プロブレマティカス
オオカミ
ウサギ

ヒツジ
イルカ
ライオン

同じデザイナーによって作られたキーホルダー。
それが、心のなかに『ガラクタ』をもつ俺たちを結びつけた。

(叶、ゆとり、シャールか、春日、希、禊)

 

叶たちがしていること、自然と異質なものたちを繋げている。強度を高め、高める方法ばかりに見える。

自分たちで名をつける「ギャング部」や、同じ装飾品を身につけているのとか。二つとも集団強度を高めるものばかりだと思う。

既存のものじゃない”自分たちだけの"オリジナル。それは「名前」や「道具」とかそういう当たり前のものでできる。お金をかけたり、何か特別なことをするわけじゃない。

自分たちの関係性を、自分たち作った言葉で規定する。そして縁ある品物で可視化する。とても強固的。


きっと、べつに叶はそんな事を考えていないと思う。でも結果として自分たちの異質さをある種の「プロトコル」で水平方向の交信をしていいる。そんなふうに見える、とても納得的。

 

それにいちばんもポイントは、これはとってもわくわくするんだよね。

 

 

凡庸な日常から、楽しさ見つける能力

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「……お?」

ふと、路地の脇に目をやる。
ざあぁ……。
側溝の水かさが、いつもより高い。

「そうだ―――」
いいこと思いついた。


そうして叶は、葉っぱを広い、溝に落とした。
葉っぱは水に流れされていく。

この流れはどこに向かうんだろう?

どこに通じてるんだろうか?
そんなことを思うと、胸が高なった。
葉っぱはゆらゆらと側溝を流されたゆく。

 

時守叶は、「一回性」を攻略した人物。一回性とは

一回起こっただけで,再び起こることはないということ。


子どものころ、小さかったとき、世界はキラキラしていた。とても目映く、とてもあたたかで、綺麗だった。感情の振れ幅も大きかった。

泣いたり笑ったり怒ったり―――そういうのを純粋に楽しんでいた。味わっていた。なぜかというと、それは「はじめて」だったからだ。

はじめては強烈な刺激物。はじめて誰かを殴ったことも、はじめて褒められたことも、はじめて食べたものも、どれも苛烈なほどの原体験。

はじめては、”はじめて"だからその意味を持つ。なんでも一回キリなんだ。

だから、年を取れば取るほど

 

 

人生は詰まらなくなる、飽きてくる。

 

 

同じ事を何回も何十回も繰り返すんだ。飽きないわけがない。楽しいわけがない。そうやって灰色の日々を過ごすことになる。それが嫌だから、誰も彼もが”新しい"ことにチャレンジするんじゃないだろうか。

日常が停滞してしまえば、本当にツマラナイのだから。
でも、そんな灰色の日常をキラキラさせる方法がある。


それが「一回性を攻略する」ことなんだと私は思う。

 

いつも見ている風景を、読解する。凡庸でありきたりな日々を読解する。違うふうに見て、違うふうに感じられることができる。それを時守叶は、「自然」と行なっている。


日々探検をし、寄り道をし、脇道をする行為は、ふつうの人から見れば無駄だろう。こおりが言うように「バカ」なんだろう。


でもさ、効率的に毎日を送ること自体がとても「バカ」なんだ。わざわざつまらなくする必要なんてない。時間をかけて、風景を読解していく。

わくわくすることに全力を尽くす。


側溝に葉っぱを浮かべたらどうなるんだろうとか。

ダックレースを本気で楽しんでみたり。朝の目覚まし携帯に抵抗をしたり、そのチャレンジをマンネリ化しないように携帯の置き場所を毎日変えたり。お風呂に潜って100カウントしたり


ポケモンもプチ四駆も、ぜんぶぜんぶ。



”はじめて"のわくわくを何回も味わえる。味わおうとする。それをめちゃくちゃに楽しんでいる。そんな人間がバカなはずがない。むしろ尊敬の念さえ感じる。

はじめてを何度も味わうには、高い感性が必要だと私は思っている。凡庸な風景を読解する力。それが感性の高さだと思う。


時守叶はそれを持っている。どこで手に入れて、どうして今尚持ち合わせているのか、とても魅力的。

 

だって、邪悪なあの人は

 

 

だって、邪悪なあの人は、きっと大人なんかになっていなかった。
小学生のままだった。
だからこそ、あのとき、あの場所に現れることができた。

 

そしておそらくこれが、時守叶のルーツとでも呼べるべき人物なんだろうね。大人になるってことは、子どものときの感情の昂ぶりを忘れてしまうということでもある。

そして大人に”ならな"いということは、社会から拒絶される行為でもある。反社会的。それはとてもマイノリティだよねん。

 

 

 

 

 

記号化し単純にする

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―――リードシクティス・プロブレマティカス。その象徴するところは『問題』

 

「有史以来、人は記号化し単純化することによって、複雑な世界を理解する助けとしてきた」

「たとえば文字。『魚』という漢字は、魚の形を写しとって単純化したものだ」

「そのキーホルダーも同じこと。君という存在そのものを単純化し、別の形で表現したものだ」


うんまさしく。いろいろなものを希釈してできるのが、削ぎ落としきった単純物。大事なものもこぼしてきているけど、もっとも大事な本質はそこに宿っている。

うん、とても魅惑的。

 

 

 

 

 

仲間なんてさ

 

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「そのキーホルダーの持ち主同士は、運命的に惹かれあう」

「同じ存在のありかたをしているから、避けようもなく出逢ってしまうんだ」

「同じ存在のあり方……それが、ガラクタ、ですかね?」

 

べつに仲間が欲しいわけじゃない。
べつに友だちに飢えてるわけじゃない。

俺の心のなかに、ガラクタなんてものはない。
むしろ、そう思っているからこそ。
俺はその店で、変な古代魚のキーホルダーを買った。

 

ガラクタはきっと、外側からみればガラクタであるだけで、内側からみればそれ価値のある原石かなにかなんじゃないだろうか。

心の中に? それは誰もが有しているものなんだろうか。たまたま叶は持ち合わせているだけなんだろうか。

 

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「……なら、私たち、『仲間』になれるはずじゃない?」

「教えて? あなたが抱えてるガラクタを」

「『仲間』になって、何か、他の人たちにはできないこと、しよ? みんながどこかで捨ててしまった、すごいことを」

 

「君は、何がしたい?」

「悪が世界を変える」

俺は、そう信じていた。
あの日から、ずっと。

だけど、それは、ガラクタなんだろうか……?
―――

 

「―――悪の組織は、作れますか?」

このとき、始まった。


俺たちの、悪党どもの共和国が―――
(ギャングスタ・リパブリカ)


ああやっぱり、なんてそんなふうに思った。叶にとっては大事な「悪」というガラクタ。それは外で見ればガラクタのような、つまらない意地とか意思とかそういうものになってしまうんだろう。

だって高校生だぞ。高校生が「悪になって世界を変える」とか言い出したらそりゃ奇異な視線を向けられる。世の中は心にツマラナイものを有しているものに優しくはない。


それはもう持っていなくていいと、邪魔なものだと、ガラクタなんだよと言い捨ててしまうに違いない。

 

 

 

 

時守 希ちゃんの可愛さ。うにうにだーっ!!

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「さっきからブーブーブーブーと! 隣の部屋にまで響くんだぞ、その音ー!!」

 

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「…………………………お風呂入るから、寝ないで、起きてて」

「……起きててくれたらそれでいい」

 

お風呂? なんだろ。お風呂一人で入れないというわけではないのに。

 

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「希はちゃんとダニエルのこと大事にしていたもん! さっきちゃんと思いだしたもん!」

 

ああもう可愛い。可愛い。可愛いなあ。可愛すぎるなあ。もん! してたもん!

 

 

 

 

 

昼休みの探検

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よ、こおり、奇遇だな
クラス、隣でしょ

そういえばそうか。―――おまえはどこ探検してきたんだ?
はあ、どこからそんな暇な発想がでてくるのかな。昼練よ、昼練。

 

自分の通う学園のことくらい、知っておくべきね
知ってるさ、入学してすぐに探検したからな

屋上のタイルの数も、音楽室の『歌うバッハの肖像』も、昔の焼却炉のれんがに掘られた落書きも、みんな知ってる

 

叶は学校の本質を、そういった「隠れている」ものに視点を置いて喋ってる。それに対し、綿之原七子は「規律」条項こそが学校の本質だと言う。

さて、どっちが”わくわく"するんだろうか。
どちらが、”楽しい"んだろうか。
やっぱり断然前者だとそんなふうに思う。


ふつうの人からすれば、屋上のタイルや焼却炉のれんがなんか本当にどうでもいいだろう。瑣末とかそういうレベルじゃない。認識すらしていない事柄。

ふつうの人には「無意味」なことでも、そこから「意味」を発見できる叶の風景読解能力はほんとうに羨ましい。

 

 

 

うねうねだー!

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人が人でなくなってしまうような快楽に戸惑いつつも溺れる少女の微妙な心の動き―――お兄ちゃんは想像したことがある?!

 

い、いやあないなあ(真顔) アニメとか漫画とかああいったサブカルではなく、「スライム」とよばれるうねうね系を所望とは、この妹ただものじゃない!


希は大衆側の感性の持ち主だと思っていたけれど、あんがい叶と同じくおかしいのかもしれないなあ。

……ふ、ふん、わかればいいんだ。あと、触手を愚弄するな


そうですよね偏見の目で見ちゃだめだよね。うねうねだー!

 

 

 

 

救世主を志望する

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私は救世主を志望する。幸福を望む衆生を、私は庇護するよう努める

 

凛堂禊は救世主になりたい。命あるすべての存在を守る。しかし、……しかしそれは本当にそんなことが……可能なのか?

いや、禊の言動から察するに出来るか出来ないかじゃないんだろう。やるかやらないかなんだろう。

叶は悪で世界を変え”たい"と言った。

禊は救世主になって衆生を庇護しなく”ては"と言った。

この違いは大きい。しかし、言葉の綾くらいの意味をもたないかもしれない。ただ叶は楽しんで悪になろうとしていて、禊は半ば決められたことかのように救世主になろうとしているようにさえ見える。

気のせい……だろうか。

 

 

俗世の話法

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「ね、凛堂さん、一人暮らしなんでしょ? どこに住んでるの?」
部屋

「あ、あはは……面白いね、凛堂さんって」
「部屋はわかっとんねん! 誰も土管に住んでる思てへんわ!」

「わかっていることを聞く理由が不明」

「自然に美醜はない。ただ存在するだけ」

「言葉のとおり。それ以上はない」

「そのような拒否は不可解」

(凛堂禊)


そういえば俗世の話法って、結構な膜を上塗りして上塗りしている印象がある。直裁的じゃない。だから禊との会話に齟齬がでる。

 

それは集団と軋轢を生まないための、処世術と言ってもいいのかもしれない。さらにいえば、相手の意図を読解する能力にも、長けているものが多い。

だから彼ら同士ならば、平気で会話が成り立つ。
しかし、凛堂禊は違う。


おそらく彼女は「遠回し」「婉曲」な表現をしてこなかったんだろう。する必要がなかった環境だったのかもしれない。だから変に笑って場をゆるめたり、言葉の意味を濁したりしない。

思ったことをそのまま言うし、分からなければ分からないと言う。

食事を他人とともにする習慣がない


彼女は今まであまり人と関わらなくてもいい場所で暮らしていたのかもしれない。他人の機微に疎いのもそこが原因か。

 

 

 

 

間違った道

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「たとえバカげてはいても、自分の兄が他人から信頼されるんは、悪い気はしない」

「もちろん、バカげてはないことで信頼されるのがいちばんだ。……話はそれだけ」

(……………………私は、間違った方向に来たのかな)


希の気持ちも分かるような気がする。

当たり前に、ふつうに、一般的に、常識的に、みんなが―――そういった価値観を育んできた。それは社会から弾き出されないために、無意識で行なってきたものだ。

けれどそのかわりに、失ってきたものも多々ある。大人になってしまえばバカげたことは洋々と出来なくなってしまうものだし、いつも周囲の目を気にして生活していかなければいけない。

果たして、そんなものは楽しいんだろうか?

(……………………私は、間違った方向に来たのかな)

叶というバカなことをバカなだけして、世間では無駄だと言えるものに堂々と価値があると公言し、全力にひたすら楽しんでいる。

そんな彼を見ていると、自分は間違った、もっと別の方向があったのかもしれないな、なんて思っちゃうのかもしれない。

 

 

 

人はそれぞれ

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「あんたが遅いの。客観的に見てわかるでしょ? 男子、もうだいたい残ってないじゃない」

「人にはそれぞれ自分に合ったペースがあるんだ。画一的な尺度を誰にでも当てはめるのはよくないぞ」

「犯罪者の好きそうな理屈ね」

 

「叶の発言が正しい」

「人は固有性を備える。画一的な管理は困難」


(叶、七子、禊)

 

人は円滑にストレスなく物事を進めるために、ある考え方を大勢に適用させていく。それが倫理。倫理観は人はこうあるべき、こうなるべき、こういう考えを持つべきという”べき"を半強制してくる概念。

多数派に属すなら、倫理観は最高の概念だと言ってもいい。それは自分の価値観を大勢が是としてくれるのだから。

反対に、少数派に属するものは倫理観は苦痛でしかない。なぜなら自分の価値観・考え方が多数とはまったく異なっているから。弱い立場のものほど、自己を殺していくようになる。

画一的な管理とはそういうことなんじゃないだろうか。

 

 

 

感謝すること

 

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感謝することを感情の浪費と考える信条はない


感謝をしたら負けだとか、ありがとうと先に言ったら舐められるだとか考える人もいるけど、そんなことない。凛堂禊はとてもいい子。

 

 

 

まとも。とても

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「叶え、あなたはまとも」

「学園の誰とも違う」

「あなたはまとも」

「ただ―――私は、あなたと会話が可能」

 

同じ考えの、似た感覚の持ち主は双方向性の会話が可能。

叶が大衆に染まっていないように、禊は他者に染まっていない。叶は悪に染まっているように、禊は救いに染まっているのかもしれない。

 

「どうやって話かけたの? どうやって仲良くなったの?」

「仲良くなったかどうかは知らないけど、ふつうに話しかけただけ。べつに難しいことはしてないと思うけど」

「そのふつうが難しいんだって。渡したちがふつうに話かけても、何かイマイチかみ合わないし」

「って言われてもなぁ……タイミングとか?」

(叶、クラスメイト)

 

 

 

 

悪とは何か?

 

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「人がそうしたいと思うのとは違うやり方で、人がそうなりたいと思うことを実現すること」

「孤独の道」
「そうかもしれないな」

だから、あの放送は、矛盾しているといえば矛盾してるんだ。
みんなが悪になったら、それは悪じゃない。
悪はみんなの道じゃない。
そう、孤独の道。

 

「悪は孤独。わりと納得的」


私は解釈した。大勢の人が踏む”あたりまえ"な道を、違う道筋で願いを実現することだと。

私は納得した。結果は一緒。でも悪の道は、過程にこそ価値を置いているんじゃないかってことを。

 

「悪は世界を変えるんだよ!」

「人は自分がなすべきことを知らない。それが肩代わりするのが、悪」

「人間が手助けしてやって、自立の心、野生の心を奪う。これはもう、悪としかいいようがないでしょ」

「子どもの探究心を大人の策略で実現するのが悪なんだ」


これは私にとってきっと良い指針になってくれる。
悪の道は、はなはだ魅力的。

そして悪は”世界"を変えられる素晴らしき信条。
とても蠱惑的

 

 

 

 

 

 

 

その一言は余計だ。綿之原七子

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「猶予は一週間。もし部になりたいのならそれまでのあいだにちゃんと部として認められるようになりなさい」

「まあ、私は無理だと思うけど」

「―――綿之原七子」

「その一言は余計だ」

 

「私の兄はバカだ」

「そのバカをバカにするのは自由であり、かつ正当な評価だが、バカがバカなりに励むさまを嘲弄するのは私の許容範囲を超える

「そのような行為は、私自身を嘲弄したものと受け取る。それが私の信条だ」

「よって、教師という立場だが、この件に限っては、ギャング部に味方し、生徒会とは対立させてもらう」

 

希がとてもかっこかわいいかった。自分だけの信条(=固有性)を持っているのと、それを堂々と言える(=倫理を超えて)感じがもうたまらなく、たまらなく最高だ。うにうにだーっ!!

 

 

 

 

なあ、生徒会の小役人。その原理を

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「なあ、生徒会の小役人。その原理を差別というんだ」

「この学園に属する生徒なら、誰だってこの学園で好きな活動をしていいはずだ」

「その際、『やるなら勝手にやれ、ただし施設を使うのは赦さない』なんて姿勢を、権力者はとってはならない」

「当然、活動するにあたって、学園の施設のりようも認められるべきだ」


「……そもそも、趣味や特技や思想など。本質的に自分で決められるものじゃない」

「少数派に属する個性をもった人間が邪険に扱われるのだとしたら、それは差別以外の何ものでもない」

そして体裁というものが通常多数派の定めたものである以上、少数派がそれに則ることが難しいのはあたりまえのことだ」

「それを勘案せず体裁に拘泥する生徒会など、生徒会の名にあたいしない」

「われわれはここで生きている。今現に生きている者を排除するもの―――」

「それは、ただの略奪者にすぎない」

 


シャールカ先輩を大好きになった瞬間だった。

少数派はそもそも成りたくて成ったわけじゃない。なのに多数派の決められた事柄によって、不当な扱いをどうして受けなければいけない? まさしく。


「……そもそも、趣味や特技や思想など。本質的に自分で決められるものじゃない」

 

趣味や特技なども結局は周りの環境しだいだしね。先天的ならなおのこと後天的なものにしたって、それは「親」というもっとも身近な存在の影響度がとても関わってきている。

趣味や特技、そして思想も。

 

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悪とかバカじゃん

 

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「何が悪なのよ? どこが悪なのよ? 悪いことなんか、ぜんぜんしてないじゃない!」

「猫を助けたり、銅像の掃除したり、パンク修理したり……それのどこが悪なのよっ!?」

「そりゃ、動物から野生の心を奪ったり、偉い先生の像に水とか洗剤とかをかけて屈辱したり、自転車の営業妨害したり……みんな悪だろ」

 

「いいことするの、ぜんぜん悪くないよ。ボランティアだって、やればいいじゃない」

「ふつうにね。……そう、繕うことなく、ふつうに。ぜんぜん、悪なんて言う必要ない」

 

時守叶はよく、こおりのような人間と付き合っていられるものだ。お互いに価値観がズレ過ぎている。こおりは多数派の倫理によって、いつもいつもいつも叶を規定させようとしている。

とても鬱陶しい。とても邪魔。とても邪悪。

ふつうがそんなにいいか? ふつうに繕うことがそんなに大事なのことなのか? そんなもんが楽しいわけがない。

叶の思想は、とても救いがある。叶はそれを言語化できないせいで、「感覚」として分かる連中―――ギャング部―――にしかその思想を理解されていない。

「理屈」を説明しないと理解できないこおりみたいな多数派にとって、叶たちの行動は最早理解不能なんだろう。

 

でも何度でもいうけど、悪には救いがある。それはとても大衆的。自分たちの世界を変えられる可能性を秘めている。それは納得的。

「ふつう」という多数派のプロトコルをぶっ壊す。そこに「悪」を挿入し、自分の世界を悪色に染め上げるんだ。それはとても魅力的。

そうして出来た世界は、とても高い強度を誇る風景となる。おそらく今、叶が見ている世界よりもっともっともっと! 純度が高い。そんなふうに思う。

 

 

みねるばって何で喋れるんだ

 

あのフクロウは一体全体どうして喋れるんだ? なぜ誰も指摘しない。ギャグ空間的なノリで楽しめと? 承知。

 

 

 

この服装は可愛すぎ!

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紫は高貴、高貴なるものに与えられし色。とても良い。

 

 

 

これで、救世主になれますか

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「これで……衆生が救える?」

「今日のようなことをくりかえして……私は救世主になれる?」

「悪は孤独。悪は超然。だから、悪は救世主に近いと思った」

「私は未熟。だから悪がわからない。救世主への道もわからない」


未だに凛堂禊がなろうとしている「救世主」がよく分からない。何を助けたい。何を守りたい。それはどの程度の範囲のことで、どの程度の度合いを言っている。

「俺は俺の悪がだいたいわかる。だけど、禊、正直なとこ、俺はお前が言っていることがよくわからない

「救世主とか、シュジョウとか……転校してきた、あのときから」

だけど俺は、それをあえてわかろうとは思わない。説明してほしいとも思わない

「俺はただ……おまえの真剣さだけを受け取りたい」

「おまえのこととかはほとんど知らないからこそ……その真剣さだけを受け取って、禊と同じ場所に立ちたい」


叶は説明なんていらない、真剣さけを受け取りたいと言った。それはつまり、叶自身も「悪」とは何かを人に説明しずらいものだからこその言葉なのかもしれない。

けれど真剣さだけは、言葉がなくても通じる。分かる。その意志だけでいいと。

もうこれはプロポーズみたいだよね。

 

 

 

 

 

契約

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「ん……はぁっ……」

「これは契約」

「あなたが悪を背負おうと約束するなら、私はついて行く」

「私たちが救世主になるまで、契約は解除されない―――」


凛堂禊にとって「口づけ」は大きな意味をもつ行為なんじゃないだろうか。俗世ではない別のどこか遠い地では、それは「一生を共にする」とかそういう覚悟にも近い何か。

 

だとするなら、これはもうプロポーズをして、うんと頷いたようにも見える。

 

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おわり

日常がだれず、淡々と日常が続いている感じがとても良いです。こういうの珍しいかも。

発売日は、7月26日。買うのは積極的に!

 

 

<参考>