電子書籍ラノベの「新しい形」を微力ながら考えてみる

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*既に実現しているラノベ作品があるかも

 

電子書籍は印刷本の劣化版だが、印刷本にはない

  1. 「製本コストを抑えられる為値段が安くなる」
  2. 「購入したらすぐ手元に届く早さ」
  3. 「電子情報のため部屋を圧迫しない」

などの魅力がある媒体だというのが個人的な認識だった。

しかし佐々木俊尚氏のweb文芸・百年後の本によれば「印刷本とは全く異なる媒体」らしい。劣化版でも類似品でもなく、そもそも違う存在とのこと。

今はまだ黎明期の演劇と映画が分化していなかったのと同じく既存の印刷本のページをめくり読み進める体感の域を電子書籍は一歩も出ていないが、しかしこの先電子書籍は独自のUX(=主観的かつ総体的な感覚)を獲得し別々の道を進んでいくだろうとされている。

電子書籍のUIは、タブレット電子書籍リーダーといった機器、液晶や電子ペーパーといった素材、そして最近ではタッチスクリーンを指で直接操作するという動作などによって構成されている。しかし現在のところ電子本のUXは、ページをめくり読み進めるという印刷本の模倣の域を一歩も出ていない。

 つまり電子本はいまだ、独自のUXを実現していないということであり、映画でいえばしょせんはメリエスの時期ぐらいにしか達していないということだ。

 

100年後の「本」|集英社 WEB文芸 RENZABURO レンザブロー

 
私なんかは「電子書籍≒印刷本」の構図でとらえていたが、もしかしたらこの先電子書籍電子書籍、印刷本は印刷本の独自の物語体感の違いが生まれ、その差異によってどちらの媒体でライトノベル(=コンテンツ)を読むか悩むシーンが生まれてくるのかもしれない。

UXの獲得まではいかなくとも、UIの変化によっても物語体験は変わっていくと踏んでいるのでそのシーンは案外早くやってくるかもしれない。

しかし現在はまだまだ電子書籍は印刷本とたもとを分かっておらず、物語体験が購入の決め手になるのではなく、「電子情報の利点」によって選ばれているの実情かなと思う。

そして今回、では、この先電子書籍ラノベが歩んでいく道のりがあれば、新しい形へと遷移してくのであればどんな姿が想像できるのか?を考えてみたくなった。

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