作者は物語を生み出す〈装置〉でしかない。

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 ――作者は物語を生み出すだけの装置でしかない*1

私はこれに同意する。「作者」の意図によって物語のテーマが決められるわけじゃないし、絶対的な答えが決定づけられるわけではない。

「作者」は物語を生み出す装置に過ぎないからこそ、その物語〈=テクスト〉に対する解説を求めても仕方がないのである。何故なら彼らはある世界ある虚構を表現しただけであって、物語〈=テクスト*2に対する答えを持っているわけではないからだ。

*1:戯言遣い』に登場するいーくんの他者に対する態度に零崎人識が指摘する場面のもじった意見――「お前は大嘘つきで、お前は真実以外の全てを語る。 なぜならお前はどう見ても人間が好きだというタイプではない。 人間嫌いなんてもんじゃない。 お前は人間を憎んでいる。」 「そうでもないさ。好きな人間ならいっぱいいる。 人間が映し上げた映画、人間が作り上げた音楽、人間が描き上げた絵画、人間が極め上げた料理、人間が組み上げた車や飛行機、人間が学び上げた学問、人間が紡ぎ上げた物語、どれをとってもすばらしいものばかりだ。」 「お前は映画が好きで音楽が好きで絵画が好きで料理が好きで車や飛行機が好きで学問が好きで物語が好きなだけだ。 お前が映画と音楽と絵画と料理と車と飛行機と学問と物語が好きだというのは、 逆に人間をなんともみなしていないということだ。 人間を芸術と文化を産み出すだけのセコい装置としかみなしていないということだ。そんなものの見方は壊れている。」 「壊れている?」 「欠陥製品だ。」 「それは言い過ぎだと思う。まるで狂気だ。」 「じゃあお前は人間が好きか?」 「・・・・・・・・・。」by零崎、いーくん

*2: "テクスト"っていう言葉は語感と肌触りがあんまり好きじゃないから、あんまりこの言葉を使いたくなかく個人的には違う単語で言い表そうと思いもするが、きっとテクストと言う方が言いたいことは伝わるのかなとも思うのでこの表現を取る―https://kotobank.jp/word/テクスト論-186000

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