こなたよりかなたまで考察――無限のように生きる――

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遥彼方は、末期癌だ。

すでに助からない身の上でそれでも余命を伸ばそうと投薬治療を受けている。抗癌剤の副作用は絶えず身体をむしばみ、がらんとした暗い部屋で、バケツ一杯に吐瀉物を溜め込む姿は―――彼が一人で生きていることを突き付けてくるようでさえある。

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物語を引用することで、物語は厚みを増す(ハローレディー~Re:CREATORS)

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ある作品の中で、ある物語を引用する、それはさして珍しくない。

しかし引用にもタイプがあり、物語の内部構造と密接に絡む場合は重層的な印象を与え始める。

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『Re:CREATORS』という圧縮物語

Re:CREATORS 1(完全生産限定版) [Blu-ray]

アニメってメタフィクション少なくないよね?―――といってたら今クールで『Re:CREATORS』が出てきて興奮しています。

物語のキャラクターが現実世界にやってきて「うそ…私、こいつらに慰み者(=娯楽)にされている??」と認識したり、「あいつは漫画『閉鎖区underground-dark night-』のラスボスです」なる人物が現れたり、魔法少女は世界が違えれば偽善の塊でしか無いと突きつけるのはナラティブフリークスにとってはもうたまらない展開ばかり。

それもメタフィクションに馴染みがない人でも、簡単にその面白さが分かるのもいいですよね。

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鉄血のオルフェンズ最終回は不満のない、とてもいい終り方でした。ロングトレイル的な物語(感想)

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ここ最近アニメを見る習慣が死んでいたが、ようやく『鉄血のオルフェンズ』を見終えたので感想を書いていく。

*ネタバレ注意

 

「届かない」物語。

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