2016年にプレイしたエロゲ総括(おすすめ~駄作まで)

例年どおりその年に "プレイ" したエロゲ(含む一般ノベル)26作品を気のむくまま語っていきます。核心的なネタバレはしませんが、作品内容には触れますしダメなものはダメと言いますのでそこはご注意下さい。

2014年にプレイしたエロゲ18作品
2015年にプレイしたエロゲ27作品

また本記事では「おすすめ度」と「私的満足度」をつけていきます。

おすすめ度はその名の通り「他者に勧められるかの度合い」で★★以下が駄作、★★★(3.5)が平均ライン「普通」、★★★(3.8-3.9)が「結構おすすめ」、★★★★(4.0)超えは「とてもおすすめ」で多くの人に愛されるだろうと見込んで付記します。ただその分星4を超えるのは中々ないようにしています。(最高は星5)

同時に表示される私的満足度は私がいかに満足したかの指標になっていますので、両者を見比べてみるのも面白いかもしれません。

(詳しい評価内容はこちらで→おすすめエロゲリスト)

ちなみに本記事の文字数35,700文字、まったり読んで頂ければ幸いです。

それではどうぞ。

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立ち絵がぐりぐり動く『Corona Blossom vol1』レビュー

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*Steam版(全年齢)を購入。18パッチは当ててないのでその前提でどうぞ。

(あと今回書き方(ないし書く立場)を変えてみたので以前の書き方が好きな人はあまり好ましくないかもということで一応注意)

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つよきす 三学期レビュー 無印版を全てなかったことにして新たに作り直された本作は「つよきすとは何か?」を考えさせてくれる

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*本記事は『つよきすCHRONICLE』(『つよきすFull Edition』→『つよきす三学期Full Edition』)の流れのもとで記述されており、また筆者は制作背景に関わる全てを重視しておらず《物語そのもの》の視点で語っていることにご注意。

 

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「アニメ化」とはつまり原作の批評行為なんじゃないか?(Fate/stay night)

舞台裏、制作背景、開発環境は「作品を評価」する上で何ら関係がない。無価値だ

《物語そのもの》とは?

 

 

 

(1)再解釈されるつよきす(作品紹介)

 

つよきす(&Full Edition)』(以下無印版)各ヒロインと結ばれるお話を全てなかったことにして、『つよきす三学期 Full Edition』(以下三学期)新たに各ヒロインとの恋愛模様を描く作品になっている。

無印版の共通√・各ヒロインの特徴をほそぼそ引き継いでいるものの――先述したように個別√を無かったことにしたこと、季節が春から冬へと移行したこと、新キャラクターが続々投入したことから本作は実質「つよきすの再解釈・再構成」を試みたと言っていい。

リメイク作品は往々にして「ドット絵から3D」「ボイス無からボイス有」「ピコピコ音から滑らかなサウンド」といったふうに作品外形の強化が行われるものだが、「中身」つまり物語の大筋・骨格と呼べるものは触れない傾向にある。その理由のひとつとしてシナリオの大幅な変更をしてしまえばそれはもう原作とは別の作品になってしまうからであり、例え中身に触れるとしても原作を尊重した上での追加要素・不適切な表現の削除に留まるのが多いのではないだろうか。絵も違う、音楽も違う、シナリオも違うとなったらそれは「◯◯のリメイク」という体裁を整えなくなってしまうだろう。

しかし『三学期』においてその「中身」まで書き換えられたため、本作は"リメイク"ではなく"原作の再解釈"作品という位置づけで見ていきたいと思う。

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『BALDR SKY Dive1』は過去と現代・ADVとACT2つのスイッチングで退屈をはぎとる!(作品紹介)

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*今回大まかな作品構造に触れざるを得ないので、そういうのが嫌いな未プレイ者は読まないほうがいい。逆に「序盤のちょっとした情報くらいなら大丈夫」って人は、ここから先どうぞ。

 

 

2つのスイッチングで"退屈"を剥ぎ取る『BALDR SKY』

 

ヒロインに起こされる所から、本作は始まる。

 

「甲…起きて」

――とか、考えていると、ほら、さっそく、『あいつ』の呼ぶ声が聞こえてくる。

「…ほら起きて。早く起きないと遅刻しちゃうよ?」

そう、もう起きないと、学園の始業時間に遅れてしまう。

さっさと朝食を済ませて、今日も学園に行かなくちゃ。

――『BALDR SKY Dive1』

 

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